【速報版】株式会社ぐるなび 2026年3月期第3四半期決算説明
※当記事は速報版です。スライド情報は割愛している他、数値などに誤りが含まれる可能性がございます。正確な情報は決算短信・決算説明資料などの正式な開示資料、または追って公開予定の確定版記事にてご確認ください。
サマリ(1)良好な利益進捗
おはようございます。私より2026年3月期第3四半期の決算をご説明します。
はじめに、第3四半期決算のサマリをご説明します。
営業利益については、第3四半期累計期間において約2億5,000万円となり、通期計画3億円に対する進捗率は83パーセントと順調に推移しました。
なお、前年同期比では減益となっていますが、これは飲食店支援事業の成長力引き上げを目的とした体制増強に伴う人員関連費用や、ソフトウエアを中心とした固定資産の積み上がりに伴う減価償却費の増加など、将来の成長に向けた戦略的な投資を実行したことによるものです。
体制増強については、外部出向者を除く単体総人員数が前年同期末より51名増加しており、計画通りに採用が進んでいます。
サマリ(2)体制増強の成果
その成果は、こちらのグラフで示すとおり、店舗数の拡大という形で顕在化してきています。
具体的には、スライド左側のグラフで示す「ストック型有料加盟店舗数」は、第3四半期末には3万4,000店を超え、明確な増加トレンドへと転じています。
また、スライド右側の「ネット予約対応店舗数」についても、2024年12月末の3万5,000店から2025年12月末には3万6,000店へと増加しており、ユーザーによる当社ネット予約サービスの利用促進に必要な要素の一つである席在庫の拡充が着実に進展しています。
このように、体制増強を通じた顧客基盤の再構築に対する確かな手応えを得ていることを踏まえ、引き続き、投資対効果に十分留意しつつ、必要に応じた戦略的な増員について検討していきます。
決算概要
次に、第3四半期決算の概要です。
売上高は99億7,900万円、営業利益は約2億5,000万円となりました。また純利益については、第1四半期において、投資有価証券売却益3,000万円を特別利益に計上したことなどから、2億6,200万円となりました。
連結損益計算書
損益計算書は、スライドに記載のとおりです。
売上高内訳
それでは、売上高の内訳についてご説明します。
ストック型サービスは着実な拡大基調を維持し、前年同期より8.3パーセントの増加となりました。
一方、スポット型サービスについては、年間を通じて店舗が抱える課題を解決に導く伴走型サポートの観点から、とりわけ上期において、ストック型での受注を重視したことなどを背景に、前年同期を下回りました。なお、下期からは柔軟なスポット受注に取り組んだことから、第2四半期累計ではマイナス14.5パーセントであった減少幅はマイナス11.7パーセントへと2.8ポイント改善しました。
他方、プロモーションが前年同期並みとなりましたが、今期計画に対しては計画通りに進捗しています。
関連事業の増加については、主に厨房機器販売店「テンポスぐるなび」の売上が伸長したことによります。
ストック型有料加盟店舗数・ARPUの月次推移
続いてこちらのグラフは、ストック型サービスの月次売上を「ストック型有料加盟店舗数」と「ARPU」に分解したものです。
赤色の折れ線グラフで示すARPUについては、昨今の光熱費や原材料価格の高騰により、飲食店のコストに対する意識はシビアにならざるを得ない状況ですが、当社サービスの価値を認めていただき、引き続き上昇しました。
次に、サマリでもご説明しました水色の棒グラフで示すストック型有料加盟店舗数の推移をご覧ください。
長らく、店舗数の減少分をARPUの伸びでカバーするという売上構造でしたが、2025年6月をボトムにストック型有料加盟店は純増基調に転じており、当社の主力売上であるストック型サービスは、「ARPU上昇主導」による回復から、「顧客基盤の拡大」を伴う安定的かつ持続的な再成長フェーズに転換したと認識しています。
原価・費用内訳
次に、原価・費用の内訳についてご説明します。
売上原価については、固定資産の積み上がりに伴う減価償却費の増加、飲食店支援事業強化のための積極的な採用に伴う労務費の増加といった成長投資の影響のほか、売上拡大に伴う外注費の増加などにより、前年同期を上回りました。
他方、販売費及び一般管理費については、売上原価と同様の理由により人件費が増加したものの、内製化の推進を主因として業務委託費が減少したことなどから、前年同期比微増に留まりました。
連結貸借対照表
貸借対照表については、スライドに記載のとおりです。
2025年2月に調達した短期借入金12億円の長期借入金への借り換え、また2024年9月に設定したコミットメントライン30億円のアンコミットメントラインへの変更を昨年9月に実施しました。
楽天ぐるなびの強化(1)~ユーザー動向~
それでは、ここからは施策の進捗についてご説明します。
まず、「楽天ぐるなび」におけるユーザー動向について、ご説明します。スライド左側のグラフは、ネット予約における1組当たりの平均人数を、楽天ID連携会員と会員ではない一般ユーザーとで比較したものです。
第1四半期、第2四半期の時点においても、非会員と楽天ID連携会員の間には一定の差が見られましたが、飲食店にとって最大の繁忙期である「忘年会シーズン」を含む第3四半期において、その差はより明確になりました。
具体的には、非会員の予約人数が3.2名程度で横ばいに推移したのに対し、楽天ID連携会員は、「来店人数に応じたポイント還元」の仕組みが、より多くの人数で集まるインセンティブとして機能し、宴会需要を確実に取り込んだことで5.1名まで増加しました。その結果、非会員との差は1.5倍に開きました。
この実績から、当社では楽天ID連携会員の送客価値は非会員の「1.5倍」と言っても過言ではないと評価しています。
単純な計算ですが、客単価を共に5,000円と仮定した場合、楽天ID連携会員による予約を1件獲得することで、1万円近くの増収効果が見込める計算となり、飲食店は当社に加盟することで効率的な売上づくりが可能となります。
現在、楽天ID連携会員は1,090万人にのぼりますが、全ての方が日常的に当社のネット予約を利用されているわけではありません。そこで、“繰り返し利用するほど” “大勢で集まるほど”ポイント付与率が高まる「幹事ランク制度」の活性化を通じて、楽天ユーザーのさらなるアクティブ利用を図っていきます。
当社独自の会員基盤と仕組みにより、飲食店の効率的な売上拡大を支援していきます。
楽天ぐるなびの強化(2)~ネット予約対応店舗数の動向~
次に、ユーザーの外食需要を受け止める加盟店側の動向についてご説明します。
楽天ID連携会員によるネット予約利用をさらに活性化させるためには、ユーザーの多様なニーズに応える「店舗ラインナップの充実」と、予約の即時性を担保する「席在庫の拡充」が重要となります。
冒頭のサマリでも触れましたが、こちらのグラフに示すとおりネット予約に対応するお店の数は、今期より明確な純増トレンドへと転換しました。
これは、インサイドセールスをはじめとする営業活動の強化や運用改善が奏功した結果です。特に、カスタマーサポート活動においては、新規加盟店の売上アップに速やかに貢献できるよう、ページ公開の早期化やネット予約システムの活用支援に取り組んでおり、こうしたきめ細やかなサポート活動が成果につながり始めています。
引き続き、席在庫の拡充に取り組み、「幹事ランク制度」の推進との相乗効果を生み出すことで、楽天ID連携会員のアクティブ化を通じたネット予約の活性化を図っていきます。
マーケティングエージェント ~運用代行系商品~
続いて、飲食店が取り組むWeb集客活動の一括支援を目指す「マーケティングエージェント」について、ご説明します。
本領域におけるサービスの一つであるGoogleビジネスプロフィール運用支援商品の利用店舗数は、スライド左側のピンクの棒グラフで示すとおり、順調に拡大しています。さらに、水色の折れ線グラフで示す平均利用単価は、2024年7月に実施した商品リニューアル以前と比較し、1.3倍の水準にあります。
そして、スライド右側のグラフはマーケティングエージェントサービスのうち、Googleビジネスプロフィール運用支援商品のほか、ネット予約情報を含む掲載情報のメンテナンス支援などを行う、運用代行系商品の売上状況を示したものです。
運用代行系のエージェントサービスは、日々の店舗運営の多忙さから、“各種ツールの効果的な活用方法がわからない”、あるいは“運用に充てる時間を確保できない”といった、飲食店が直面する課題に応えることで着実に拡大しており、ストック型売上の成長を牽引する存在へと育ってきています。
モバイルオーダーサービス “ぐるなびFineOrder”
次に、モバイルオーダーサービス「ぐるなびFineOrder」について、ご説明します。
スライド左側のグラフで示した契約企業数については、大手チェーン企業を中心に147社となりました。
また、店舗ベースでは契約企業における受注店舗数が着実に拡大しており、システムオンボードが完了した稼働店舗の割合は、87パーセントまで高まっています。このように、受注いただいた店舗には、速やかに「ぐるなびFineOrder」を活用し、効果を実感いただける状態となっています。
直近の取り組みとしては、農林水産省の食育推進事業の一環として、チムニー株式会社様との連携のもと、モバイルオーダーを活用した外食時における栄養バランス改善を促す実証実験を実施しています。具体的には、注文内容に応じて、栄養士が監修した栄養補完に最適な「おすすめメニュー」を提案し、消費者の健康的な外食をサポートする仕組みです。
本実験の検証ポイントは、「ぐるなびFineOrder」によるレコメンド表示が消費者の注文行動や客単価にどのような変化をもたらすかであり、消費者の健康増進と飲食店の売上アップを両立させる仕組みの構築を目指しています。
ぐるなびNextプロジェクト
続いて、当社における生成AI技術の活用について、ご説明します。
当社では、飲食店・消費者双方にとって真に役立つサービスを次々に生み出すため、「創って、作って、売る。」という商品造成サイクルの高度化に取り組んでいます。この実現に向け、生成AI技術の徹底活用によりぐるなび全体の技術革新を図る「ぐるなびNextプロジェクト」を展開しています。
本プロジェクトは、「次世代食体験の実現」および「圧倒的な業務効率化」をビジョンに掲げ、消費者には、より利便性が高く、豊かな外食体験を提供すること、また飲食店には、収益力の向上と労働環境の改善に資する店舗DXの加速を支援することを目指しています。
また、これらを実現するための基盤づくりとして、社員が煩雑な業務から解放され、よりクリエイティブな活動に注力できるよう、社内業務におけるAI技術の積極導入に取り組むこととしています。
AIエージェント搭載アプリ「UMAME!(うまみー!)」(1)~コンセプト~
そして、消費者向けサービスの第1弾となるのが、こちらのスライドに記載のAIエージェント搭載アプリ「UMAME!(うまみー!)」です。
本アプリは、“検索から「マッチング」へ”をコンセプトとし、「No Search」の世界の実現を目指しています。
従来のエリアや料理ジャンル、予算などを細かく指定し、自ら「検索して探し出す」というユーザーの手間を解消し、AIエージェントがユーザーの潜在的な好みを深く理解し、最適なお店を提案するという「AIネイティブ時代の新しい食体験」を提供するというものです。
AIエージェント搭載アプリ「UMAME!(うまみー!)」(2)~新たな展開~
この度、およそ1年間にわたるβ版のテスト運用を経て、本年1月に大幅なアップデートを実施しました。つきましては、そのポイントをいくつかご紹介します。
まず、対象とする飲食店については、β版の42万店から59万店へと拡大するとともに、休業・閉店の状況や、新店情報に関する定期的なメンテナンスを実施し、常に鮮度および精度の高い店舗データベースへと更新する仕組みを整備しました。
もう一つのポイントは、「AIエージェント機能の強化」です。β版の運用において、ユーザーの入力ワードが短い、あるいは少ない場合、その背景に隠された、例えば「その日の気分」や「シチュエーション」までを捉えきれないという課題が浮き彫りになりました。そこで今回のアップデートでは、ユーザーの「気分」や「目的」などを読み解き、さらに深掘りする「AIサジェスト」の仕組みを構築しました。
加えて、Android版をリリースしました。これは、国内ユーザーの裾野拡大はもとより、訪日旅行者による利用促進も視野に入れたものです。なおインバウンド対応の本格化に向け、多言語対応の第1弾として3月に英語版のリリースを予定しています。
今後の展開については、大きく2つあり、1点目は「パーソナライズの深化」です。「アプリ利用履歴」や「投稿画像」の解析を通じ、言葉に表されていない嗜好まで捉えることで、使えば使うほど好みを理解する“あなただけのコンシェルジュ”へと進化していきます。
2点目は、「外部連携による食体験価値の最大化」です。本アプリは、他社AIとつながる「Agent to Agent 連携」を前提に設計していますので、食と親和性の高い他社AIエージェントとの連携にも積極的に取り組み、より豊かな食体験の提供を目指していきます。
トピックス ~日本の食文化振興に関する取り組み~
その他のトピックスとして、日本の食文化振興に関する取り組みをご紹介します。
一つは、料理人コンペティションです。日本の料理界の未来を担う意欲・才能溢れる料理人を日本の食業界の総力を挙げて後押しする「RED U-35 2025」を開催し、2025年10月に大阪・関西万博にて授賞セレモニーを実施しました。
また、優れた日本の食文化を人々の記憶にとどめ、より豊かな食の未来の進化・発展につなげるため、その年の世相を反映した「今年の一皿」を選定・発表しました。2025年の一皿は、価格高騰や供給不足により関心が高まり、主食としての存在感が改めて認識された「お米グルメ」となりました。
今後も、日本の食文化を守り育てるという創業からつなぐ想いのもと、サステナブルな食の未来の実現に資する取り組みに尽力していきます。
提供価値の拡充
最後に、当社が目指す「提供価値の拡充」についてです。
スライド左側の図で示すとおり、当社が注力する「楽天ぐるなびの強化」や「マーケティングエージェントの拡大」、そして「モバイルオーダーサービスの推進」などの取り組みは、縦軸の“支援領域の拡大”に該当します。他方、横軸は当社の強みである“サポート力の発揮”の影響範囲です。
支援領域が広がり、ソリューションが充実することで、営業をはじめとする人的サポート体制は、より幅広い業種・業態の飲食店の困りごとを解決に導くことが可能となります。
こうしたサポート力の発揮により、加盟店ネットワークを拡大すると同時に、飲食店経営者との間で、販促に限らない経営全般に関する対話が促進されることにより、当社が集積する情報資産が一層意義あるものとなります。
これを「商品造成力」の源泉とし、さらなる“支援領域の拡充”と“サポート力の発揮”の好循環を創出することで、中長期的な企業価値の向上に取り組んでいく所存です。
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