決算ポイント
石川秋彦氏:本日はお忙しい中、お時間をいただきまして、誠にありがとうございます。代表取締役社長の石川秋彦です。よろしくお願いいたします。
それではまず初めに、2017年11月期累計における業績の概況について、ご説明いたします。スライド3ページをご覧ください。
決算のポイントについて記載しています。当期の決算においては、売上高は前期(2016年11月期)の169億9,600万円から、12億5,600万円上回り、182億5,200万円となりました。そして販売費及び一般管理費は、前期の77億9,200万円から、2億5,600万円増加し、80億4,800万円となりました。
これにより、前年同期比の経常損失は3億9,400万円から3億200万円改善し、9,200万円となりました、なお、各事業の詳細については、スライド7ページにてご説明いたします。
損益計算書
続きまして、スライド4ページに損益計算書を記載しています。ご説明いたします。
当期の業績は、売上高が前期比7.4パーセント増の182億5,200万円。売上総利益は前期比6.8パーセント増の77億8,500万円。営業損失は前期から2億3,900万円改善いたしましたが、2億6,300万円の損失、経常損失は前期から3億200万円改善いたしましたが、9,200万円の損失となりました。
当期純利益は駐車場事業の譲渡に伴う特別利益の計上の結果、前期から9億8,700万円増の4億100万円となりました。
また、(2017年)6月29日公表の業績予想との対比について、売上高は計画比1.4パーセント増、営業利益は2億3,300万円の計画未達、経常利益は1億8,200万円の計画未達、当期純利益は4億100万円の計画超過となりました。
当期は小売販売の拡大に注力し、小売販売台数の増加を目指しましたが、出店計画において、出店条件に合致する店舗がなく、次期に延期するなど、販売体制構築の遅れにより、小売販売台数が計画を下回りました。また、小売販売に備えた、高収益車輌の仕入台数の確保に伴い、仕入価格が若干上昇いたしました。
これにより、仕入台数の増加が図られ、会社全体の販売台数は増加いたしましたが、原価率が計画を上回りました。
以上の結果、売上総利益は計画を下回り、営業利益、経常利益も計画を下回ることとなりました。当期純利益に関しては、特別利益により計画を上回りました。特別利益についての詳細は、後ほどスライド18ページにおいて、ご説明いたします。
四半期毎の売上高/経常利益
スライド5ページは、四半期ごとの売上高と経常利益の推移をグラフ化し、記載したものです。当社の業績は四半期毎に、季節変動の影響を受けますが、当期も概ね例年並みの推移となりました。
経常利益増減要因分析
続いて、スライド6ページに経常利益の増減要因について記載しています。
前期の経常損失、3億9,400万円に対して、当期は3億200万円の改善をいたしましたが、9,200万円の経常損失となりました。増減要因として、売上総利益については、バイク事業が5億円の増加、駐車場事業が400万円の減少となりました。
また、販売費及び一般管理費(の内訳)について、販売費は、広告宣伝費の1億6,300万円増加等により、2億3,000万円の増加となりました。人件費は役員報酬2,500万円の抑制等により、4,000万円の減少。管理費は租税公課3,300万円の増加等により、6,500万円の増加となりました。
営業外収益・費用は、関連会社である株式会社ジャパンバイクオークションからの配当などにより、6,200万円の増加となりました。
セグメント別 業績概況
次に、セグメント別の業績概況について、ご説明いたします。
まずスライド8ページでは、バイク事業の業績の概況について記載しています。売上高は、1台当たりの売上高である平均売上単価が前期を上回り、販売台数が前期並みとなったことにより、前期比8.1パーセント増の175億4,100万円となりました。
また、経常損失は、1台当たりの粗利額である平均粗利額が前期を上回ったことに加え、営業外収益が前期を上回ったことにより、前期から2億9,900万円改善し、1億1,800万円の経常損失となりました。
平均売上単価・平均粗利額は、主に受付時のオペレーション対応などを見直し、高収益車輌の仕入を強化したことで、前期を上回る結果となりました。
(ご参考)セグメントの変更
スライド9ページにはご参考として、当期期初に行ったセグメントの変更について、記載しています。当社はビジョンである「バイクライフの生涯パートナー」の実現に向けて、バイク買取事業とバイク小売事業の融合に取り組み、組織を再構築し、既存の買取店舗で小売販売を開始しています。
これを踏まえ、より取引実態に即するものとして、「バイク買取事業」と「バイク小売事業」を「バイク事業」に統合し、従来の3区分から「バイク事業」と「駐車場事業」の2区分に変更しています。
セグメント別 業績概況
続きまして、スライド10ページには駐車場事業の業績の概況について記載しています。駐車場事業の業績は、既存事業地における収益力の向上と、採算性を重視した事業地開発を推進したものの、不採算事業地の閉鎖等によって、売上高は前期比8.4パーセント減の7億1,100万円となりました。
売上高は減収となりましたが、経常利益は前期比14.4パーセント増の2,600万円となりました。
以上がセグメント別の業績報告です。
2017年11月期 方針
次に、当期に掲げた取り組みの総括をご説明いたします。
まず、スライド12ページには当期の方針について記載しています。
当期期初より、「小売販売の拡大」を戦略の軸とし、新たなお客さまとの接点を拡大する「小売販売台数の増加」と、小売販売を拡大するために重要な「仕入台数の増加」に取り組むことを方針に掲げ、バイク事業を成長軌道に乗せることを目指してまいりました。
2017年11月期 取り組み
スライド13ページで、重点的に取り組んだ3つの施策についてご説明いたします。
1つ目は小売販売台数を増加させるための「小売販売チャネルの拡充」、2つ目は小売販売チャネルの拡充に重要な仕入台数を増加させるための「仕入業務オペレーションの見直し」、3つ目はすべての取り組みの土台となる「人財採用・育成の強化」です。
小売販売チャネルの拡充
1つ目の小売販売チャネルの拡充については、スライド14ページのとおりです。当社は小売販売チャネルの拡充において、お客さまとの接点となる店舗の拡充が重要であると考えています。
そのため、エリアマーケティングを踏まえ、従来出張買取の拠点として展開していた既存の買取店舗、ならびに、集客力・認知度向上が見込めるバイク用品店との協業などによって小売販売を推進しました。第1四半期に10店舗、第2四半期に8店舗、第3四半期に6店舗、第4四半期に4店舗と、新たに小売販売を開始する店舗を増やしてまいりました。これにより、期末では全58店舗のうち、46店舗で小売販売を行っています。
また、新たな販売窓口として、「バイク王 バイクコンシェルジュ」を2拠点設置したほか、当社初となる小売販売の整備車輌に特化した物流センターを1拠点開設いたしました。これらにより、前期よりも小売販売チャネルの拡充は図られましたが、一部出店を次期に延期したことで、出店計画は未達となりました。
仕入業務オペレーションの見直し
次に、2つ目の仕入業務オペレーションの見直しについて、ご説明いたします。
当期は広告宣伝を戦略的に展開するため、テレビやラジオ等のマス広告の媒体構成を最適化した上で、より出張買取を強く訴求したクリエイティブを発信いたしました。
加えて、広告展開に連動した新キャンペーンを実施し、お客さまからのお申込み件数を増加させるよう取り組みました。
また、高収益車輌の確保を図るために、受付時の対応を見直し、車輌の価格帯に応じた査定価格の伝達や、配車方法などの改善を行なってまいりました。
これらの取り組みにより、仕入台数の増加と高収益車輌の確保を図ることができました。
なお、今後においては、さらなる小売販売の強化に向けて、継続的な小売販売車輌の量の確保と質の向上が重要な課題となると認識しています。
人財採用・育成の強化
次に、3つ目の人財採用・育成の強化について、ご説明いたします。
まず、販売力の強化として、バイク事業全般において精通したマルチプレイヤーの育成を実施するため、小売販売を開始する店舗の店長に対して、保険業務や業績管理、在庫管理、価格設定、景品表示法などの内容に特化した「販売業務研修」を実施いたしました。
また、店舗管理全般における実務フロー等を習得する「OJT研修」を実施いたしました。これにより、仕入から販売まで一貫した業務を遂行できるようになりました。
しかしながら、業務量の増加に対する店舗業務の効率化や簡素化が今後の課題となっています。
次に、マネジメント力の向上として、営業部門の全管理職に対して、業務マネジメント力、ならびに、伝達マネジメント力向上と、ナレッジ共有のための「営業目標管理研修」を実施いたしました。
これにより、個々の(職員への)浸透度合にばらつきはあるものの、(管理職)目標に対する意識定着が図られ、より明確なアクションプランを設定できるようになりました。
採用の強化においては、販売力強化および販売車輌の確保と、仕入基盤の充実を図るために、社員紹介採用や、派遣・パート等の雇用形態の多様化に沿った採用を強化いたしました。
今後は、改めて人財の定着化に向けた労働環境の整備に取り組んでまいります。
㈱G‐7ホールディングスとの資本業務提携の進捗
スライド17ページには、2016年11月にG‐7ホールディングス社と締結した資本業務提携の進捗、バイク用品店「バイクワールド」との取り組みについて記載しています。
具体的には、バイクワールドの店内へのバイク王の出店、「バイク王 バイクコンシェルジュ」の受付窓口の設置、当社バイク王店舗における、バイクワールドが取り扱うバイク用品の販売、また、バイク業界に関する情報交換会の実施などを行いました。
駐車場事業の会社分割(新設分割)および株式譲渡
次に、駐車場事業の会社分割および株式譲渡の概要についてご説明いたします。
当社は2006年3月より、バイクのインフラ整備を目的に、駐車場運営に関する事業を展開してまいりました。しかしながらこの度、バイク事業の業績改善に一層注力するため、事業の選択と集中に取り組むことに伴い、駐車場事業を新設分割により、新設会社に小計させた上で、新設会社の全株式を名鉄協商株式会社に昨年(2017年)11月30日付で譲渡いたしました。
この結果、特別利益6億3,300万円を計上しています。
(ご参考)駐車場事業の株式譲渡先 概要
スライド19ページには、名鉄協商社の会社概要を記載しています。
以上、2017年11月期の取り組みの総括について、ご報告とご説明とを申し上げました。
貸借対照表(資産の部)
続きまして、2017年11月期の財政状態について、ご説明いたします。
スライド21ページは、貸借対照表(資産の部)を記載しています。資産の部については、前期末に比べて流動資産が6億4,800万円増加し、40億4,100万円となり、また固定資産は5,200万円減少し、13億5,000万円となりました。
貸借対照表(負債・純資産の部)
続いて、スライド22ページには、貸借対照表(負債・純資産の部)を記載しています。負債・純資産の部については、流動負債が2億2,600万円増加し、12億円。また固定負債は2,400万円増加し、3億2,300万円となりました。純資産は3億4,500万円増加し、38億6,700万円となりました。
財政状態については、とくに注意を払うべき点はないと考えており、株主資本比率も71.7パーセントと、引き続き、健全性を維持しているものと考えています。
キャッシュ・フロー計算書
スライド23ページでは、当期のキャッシュ・フローについて、記載しています。当期における現金及び現金同等物は、前期比で4億8,200万円増加し、20億800万円となりました。
当期において、営業活動により増加した資金は700万円、投資活動により増加した資金は5億6,700万円、財務活動により減少した資金は、9,200万円となりました。
以上、2017年11月期の財政状態をご説明いたしました。
通期業績予想
次に、2018年11月期の通期見通し、ならびに、配当について、ご説明いたします。
まず、スライド25ページをご参照ください。通期業績予想について記載しています。(2018年11月期の)売上高は前期比4.1パーセント増の190億円。営業利益は、前期から2億6,800万円増加の500万円。経常利益は、前期から2億2,200万円増加の1億3,000万円。当期純利益は、前期から3億5,100万円減少の5,000万円としています。
なお、前期実績(2017年11月期実績)においては、昨年(2017年)11月に譲渡した駐車場事業の業績を含んでいるため、ご参考として(スライド左下に)駐車場事業の影響額を記載しています。
骨子
スライド26ページには、2018年11月期の骨子について記載しています。当社は前期(2017年11月期)に、お客さまとの接点の拡大を第一優先に、リテール販売(小売販売)店舗を増やしてまいりましたが、当期においてもさらに出店を進め、ほぼ全店舗でリテール販売を実施し、収益性の高いリテール販売台数を増加させてまいります。
このため、会社全体の販売台数を前期並みに維持した上で、当期の販売先構成のリテール比率を、前期から4パーセント増の15パーセントに高め、より利益が確保できるビジネスモデルを構築いたします。
基本戦略
スライド27ページで、その骨子に基づいた基本戦略をご説明いたします。
当期の基本戦略は骨子に沿って、「リテール販売(小売販売)の強化」「リテール販売のための仕入れの充実」、この2つとし、これに基づき事業展開を推進してまいります。
まず、リテール販売の強化については、これまで同様の店舗展開はもちろんのこと、とくに他社とのアライアンス強化による好立地への出店を進めてまいります。
また、合わせて、整備体制の強化や店舗業務オペレーションの見直しを推進し、お客さまに選ばれるサービスを提供してまいります。
次に、リテール販売のための仕入れの充実に向け、広告の媒体構成の最適化を図りながら、積極的な広告展開をするとともに、人材採用・育成の強化、継続的な仕入れ業務オペレーションの強化によって、安定的に高収益車輌を確保してまいります。
また、これらを実現するために、出店に伴う設備投資、リテール販売用の在庫台数増加など、リテール販売のための強化を行ってまいります。
配当予想
続きまして、スライド28ページで、配当予想について、ご説明いたします。当社は配当を株主還元における重要施策と考えており、安定的な配当を行うことを念頭に置きつつ、業績などを勘案したうえで配当金額を決定しています。
この方針に則り、前期(2017年11月期)の期末配当は、期初予想どおり2円を予定しています。また、当期(2018年11月期)の配当についても、先ほどの業績予想も踏まえ、中間配当2円、期末配当2円の、年間配当4円を予定しています。
最後になりますが、当期においてバイク事業に専念し、黒字化を最重点課題と捉え、収益向上の強化に取り組んでまいりますので、引き続き、ご支援ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
以上をもちまして、2017年11月期決算説明を終了といたします。ご清聴ありがとうございました。