エグゼクティブサマリー
大西洋平氏(以下、大西):株式会社I-ne代表取締役社長の大西です。これより、2025年12月期第2四半期の決算説明資料に基づき、決算情報についてご説明します。
エグゼクティブサマリーです。今期の業績について、第2四半期の連結売上高は前年同期比9.9パーセント増の223億2,000万円、連結EBITDAは前年同期比15.2パーセント増の25億4,000万円、連結営業利益は前年同期比17.0パーセント減の16億8,000万円となりました。
売上高は、スキンケア他カテゴリの著しい成長が増収に貢献しました。利益面では昨年実施した大型M&A2件の償却費計上により営業利益が前年同期を下回ったものの、EBITDAと営業利益はいずれも計画を上回る着地となりました。売上原価は前年同期比でマイナス4ポイントと大幅に改善し、利益面に貢献しました。
今後の方針についてですが、今期は計画どおり進んでおり、下期には新ブランドや新商品の発売を多数予定しています。通期計画の達成に向けて、引き続き取り組んでいきます。
また、持続的な企業価値の向上を目指し、今月、当社初の研究所「JBIST」を設立するとともに、株主優待の拡充を決定しました。詳細については、この後ご説明します。
連結売上高、連結EBITDA、連結営業利益
連結業績のハイライトについてご報告します。2025年12月期第2四半期の連結売上高、連結EBITDA、連結営業利益についてです。
まず、連結売上高は223億2,000万円となり、前年同期比で9.9パーセント増収しました。連結EBITDAは25億4,000万円で、前年同期比15.2パーセント増、開示計画比104パーセントと、前年を上回る増益となり、計画を上回る結果となりました。
一方で、連結営業利益は16億8,000万円で、昨年行ったM&Aによる償却費用などの影響により、前年同期比では17パーセント減益となりましたが、開示計画比では110パーセントを達成しました。
次のスライドで、各カテゴリの詳細についてご説明します。
カテゴリー別売上高
カテゴリ別売上高についてご説明します。ヘアケア系カテゴリは前年同期比マイナス10.8パーセント、美容家電カテゴリは前年同期比プラス0.3パーセントとなりました。
スキンケア他カテゴリでは、前年同期の8億1,000万円から35億3,000万円増収し、前年同期比プラス432.7パーセントと、非常に高い成長率を達成しました。
また、2024年10月にM&Aを実施したトゥヴェール社の連結に加え、「TOUT VERT」を除いたその他ブランドにおいても前年同期比プラス117.6パーセントと複数のブランドが大幅に成長し、全体の売上高の伸長を牽引しました。
オンライン売上高は全カテゴリで増収を記録し、前年同期比プラス58.8パーセントと大幅に成長しました。オンライン売上比率は約46パーセントで、安定した販売チャネルの構築を実現しています。
コスト構造
続いてコスト構造についてです。まず売上原価ですが、粗利率の高いスキンケア他カテゴリの伸長や、OEMパートナーとの原価削減に向けた継続的な取り組み、さらに2024年度に取得したArtemis社を通じた商流の変更による中間マージンの削減などにより、売上原価率は前年同期比でマイナス4.0ポイントと大幅に改善しました。
また、オンライン売上比率が上昇した影響で、販売手数料は前年同期比で1.6ポイント上昇しました。減価償却費については、昨年第4四半期に実施したM&Aに伴うのれんおよび無形固定資産償却費用の計上により、減価償却費率が前年同期比で2.9ポイント増加しましたが、EBITDAマージンは前年同期比プラス0.5ポイントの11.4パーセントとなっています。
ヘアケア系カテゴリーの進捗
続いて、各カテゴリの進捗について説明します。ヘアケア系カテゴリでは、中国市場からの撤退に加え、4月に実施した「YOLU」のリニューアルにおける市場での認知形成の遅れなどが影響し、前年同期比で10.8パーセントの減収となりました。
オンライン売上高では、詰め替え品が特に好調に推移し、全主力ブランドで増収を記録しました。ヘアケア全体におけるオンライン売上高は前年同期比プラス16.7パーセントの伸長となりました。
また、「BOTANIST」のサブラインである「ROOTH」は前年同期比プラス51.2パーセントの増収を達成し、POS(Point of Sales)はプラス103パーセントと、リニューアル後も大幅な伸長を続けています。
さらに、「YOLU」についてもオンラインで詰め替え品の売上が前年同期比136.9パーセントと大きく伸びました。
「Qurap」は、SNSなどでのマーケティング施策により、オンライン売上高が前四半期比でプラス39.3パーセントと好調に推移しています。
美容家電カテゴリーの進捗
美容家電カテゴリの第2四半期累計売上高は、前年同期比0.3パーセント増となりました。戦略的な売上構成比のシフトによる定番品の減収があったものの、中高価格帯商品は前年同期比69.4パーセント増と大幅に伸長しました。
また、中高価格帯商品と定番品の割合は前年同期比で約3対7から4対6に推移し、これにより収益構造の改善が進んでいます。
個別商品としては「スムースシャインヘアアイロン」が特に好調で、前四半期比プラス56.8パーセントと好調に推移しています。
スキンケア他カテゴリーの進捗
スキンケア他カテゴリの第2四半期累計売上高は、前年同期比432.7パーセント増と著しい成長を実現しました。M&Aによりグループに加わった「TOUT VERT」の貢献に加え、その他の複数ブランドも好調に推移しており、「TOUT VERT」を除いたブランドの前年同期比も117.6パーセント増と大幅な成長を遂げました。
「WrinkFade」は、新規顧客獲得の好調やECモール売上の伸長により、前年同期比38.9パーセント増と大幅な成長を記録しました。
「SKIN REMED」については、前四半期比17.7パーセント増となり、昨年の第2四半期の発売以来、成長を継続しています。
また、第1四半期に発売を開始した再生柔軟剤「ReWEAR」は、EC先行販売において好調なスタートを切った後、オフラインへの拡販を開始し、オフラインでのPOSも順調に推移しています。
「TOUT VERT」の実績については、次のスライドで説明します。
PMIの進捗
昨年10月に実施したM&A2件のPMI進捗についてです。トゥベール社とArtemis社の両社とも順調に進捗しています。
トゥベール社では、引き続きオペレーション面での改善を進め、体制構築に取り組みました。販売面では、従来から取り組んでいたAmazonでの売上拡大が成長を牽引し、1月から6月までの売上実績で過去最高額を更新しています。また、5月からはLOFTへのテスト配下を行い、初のオフライン店舗への進出を実現しました。
Artemis社については、3月より中間マージンの削減による粗利率の改善を継続しており、M&A後にはプラス6ポイントから11ポイントの改善が見られました。両案件とも第3四半期以降も、当社との連携を活用したシナジー施策に取り組み、さらなる事業成長に注力していきます。
Social Beauty Project(サステナビリティの取り組み)
続いて、サステナビリティへの取り組みについて一部抜粋してご紹介します。1つ目は、環境情報開示システムを提供する国際的な非営利団体であるCDPの調査において、気候変動に対するリスク管理体制や削減目標の整備および実行力が評価され、気候変動分野でマネジメントレベルのBスコアを取得したことです。
2つ目です。資金調達において、株式会社三井住友銀行と「サステナビリティ・リンク・ローン」契約を締結しました。「サステナビリティ・リンク・ローン」は、借り手のサステナビリティ戦略に基づいて設定された目標の達成度と融資条件を連動させることで、環境社会における持続可能な活動を促進するものです。
今後も、事業活動にひもづくサステナビリティ活動を継続して推進していきます。
事業ポートフォリオ変革に向けた取り組み
今後の方針についてご説明します。中期的な取り組みとして、事業ポートフォリオの変革を進めていきます。
当社は中期方針として、2028年から2030年の間に売上高1,000億円の達成を目標に掲げています。現在、当社の売上高はヘアケア系カテゴリが全体の6割を占めていますが、売上高1,000億円の目標達成に向けて、同カテゴリを約4割とする事業ポートフォリオの構築を目指します。
目指す事業ポートフォリオの構築に向けては、前のアジェンダでご説明したとおり、スキンケア他カテゴリが順調に成長しており、新たな事業の柱の構築が着実に進んでいます。スキンケア商品以外にも、柔軟剤、オーラルケア、健康食品といった当社の強みを活かせる市場への参入を多数予定しています。今後の展開にご期待ください。
下期におけるカテゴリー戦略_ヘアケア系
続いて、下期におけるヘアケア系カテゴリの戦略についてご説明します。下期に発売予定の商品数は上期の2倍となる44商品で、主力ブランドから多数の新商品を展開するとともに、新ブランド「Collagem」をローンチします。
「YOLU」では、自社研究開発組織の知見を活かし、初のスキンケア商品や主力カテゴリでの新商品を多数展開していきます。すでに行われたリニューアルを踏まえ、PDCAを回して新商品展開を企画していますので、ぜひご期待ください。
また、「BOTANIST」では新ライン「BOTANIST SANTAL」の登場に加え、一部商品のリニューアルや各種企画商品の展開も進めていきます。
各ブランドにおいて、外部環境の変化に対応した商品開発とチャネル戦略を推進し、安定的かつ持続的な成長を目指していきます。
下期におけるカテゴリー戦略_美容家電
続いて、下期における美容家電カテゴリの戦略についてご説明します。「SALONIA」については、新型美容家電や複数の新商品を、上期の2倍以上の商品数で展開する予定です。その他の施策として、オフラインチャネルでの販売員導入店舗及び販路の拡大や、一部販路での先行販売による小売店施策の強化を実施していきます。
また、美容家電カテゴリからは「SALONIA」に続いて、初の新ブランドのローンチも予定していますので、ぜひご期待ください。
下期におけるカテゴリー戦略_スキンケア他
続いて、下期におけるスキンケア他カテゴリの戦略についてご説明します。このカテゴリではスキンケア商品以外にも、さまざまなカテゴリへの商品展開を予定しており、下期は26商品を展開する予定です。「TOUT VERT」では新商品の発売に加え、I-neのノウハウを駆使したデジタルマーケティングの強化を図ります。
また、トゥヴェール社とI-neの協業によるシナジー創出に向け、自社の研究開発組織である「JBIST」との連携強化も進めています。
新カテゴリにおいては、私が直接管轄する新規事業開発室においてスピード感のある商品開発を進めています。健康食品やオーラルケアなど、さまざまな新規領域への参入を予定しており、下期においては3つから5つの新ブランドの発売を計画しています。
既存ブランドの成長施策と新カテゴリへの参入を通じて、より強固な事業ポートフォリオと収益基盤の構築に努めていきます。
日本美科学研究所(JBIST(ジェービスト))の設立
こちらのスライドでは、R&D体制の強化についてご説明します。2025年8月1日に当社初の研究所である日本美科学研究所(通称「JBIST」)を設立しました。
この組織では、差別化技術や独自処方の自社開発および特許化を進めるとともに、製剤化や量産においては、これまで培ったOEM・ODMパートナーとのネットワークを柔軟に活用し、よりユニークで高機能な製品を迅速にお客さまにお届けしたいと考えています。
すでに大学との共同研究やAIを活用した取り組みも進行中であり、2026年には「JBIST」の研究成果を商品としてリリースする予定です。
I-neらしいマーケティング視点を備えたライトアセット型R&Bと、そこから生まれる革新的な商品開発にぜひご期待ください。
中期方針達成に向けた業績目標連動型有償ストック・オプションの発行
続いて、今年7月3日に適時開示でリリースした業績目標連動型有償ストック・オプションについてご説明します。当社は中期方針として、2028年から2030年にかけて売上高1,000億円、EBITDA140億円、営業利益110億円の目標を掲げており、その実現に向けたコミットメントを強化する目的で本制度を設計しました。
ポイントは、本新株予約権の行使条件として、2028年から2030年の中で最も早いタイミングである2028年の業績に応じて権利行使割合が設定されている点です。これは、2030年までの売上高およびEBITDA目標の達成確度を高めるために、早い段階から経営陣および従業員の意識を高め、目標達成に向けた取り組みを加速させることを目的としています。この仕組みにより、当社の非連続的成長と株主価値の早期向上を実現することを目指しています。
株主優待の拡充
最後に、株主優待の拡充についてご説明します。中長期的に当社株式を保有していただくことや、当社商品および事業へのご理解をさらに深めていただくことを目的として、このたび株主優待制度の拡充を決定しました。
これまでは、100株以上保有の株主さまに一律2,000円分のポイントを付与していましたが、今回の拡充により、500株以上保有の株主さまには1万4,000円分のポイントを付与します。
以上が、2025年12月期第2四半期の決算発表です。
質疑応答:スキンケア他カテゴリの売上増加要因について
司会者:「スキンケア他カテゴリが大幅に伸長しているということですが、この成長を牽引している主要因について教えていただけますでしょうか? また『TOUT VERT』の貢献度合いがどの程度かも教えていただければと思います」というご質問です。
大西:スキンケア他カテゴリは、前年同期比で約35億円増加しており、そのうち25億円が「TOUT VERT」です。その他のブランドで約10億円増加しています。第1四半期に引き続き、「WrinkFade」「SKN REMED」「ReWEAR」が大きく貢献しており、「TOUT VERT」の売上を含まなくても、前年同期比117.6パーセントと大きく成長しています。
質疑応答:通期の売上目標達成に向けた施策について
司会者:「上期の売上高に関して、業績予想比で下振れというかたちになっていると思います。下期でどのようなかたちで埋めて、達成する予定か教えていただけますでしょうか?」というご質問です。
大西:スキンケア他カテゴリについては、非常に好調で推移しています。この調子を維持しつつ、他のカテゴリや下期の新商品に関しても大きく上振れさせていき、売上高の達成を目指します。
また、広告費については選択と集中を徹底し、費用対効果の高い広告に注力しています。これにより、ブランド価値の向上を図りたいと考えています。
さらに、ECも非常に好調に推移しています。これら3つの柱を中心に売上高の上振れを狙っていきます。
質疑応答:EBITDAおよび営業利益の改善要因と通期見通しについて
司会者:「EBITDAおよび営業利益率が開示計画を達成していると思います。そちらの主要因について教えていただけますでしょうか? また、通期計画に対してEBITDA、営業利益率に関しては、どのような見通しになりますでしょうか?」というご質問です。
原義典氏:こちらは取締役執行役員CFOの原からご説明します。まず、EBITDAに関してですが、主なポイントとして、スキンケア他の原価率が低く、粗利が良いカテゴリの売上が伸長したことにより、粗利が想定以上に改善した点が挙げられます。
営業利益については、それに加え、償却費の最終PPA判定でトゥヴェール社やArtemis社の償却費を確認しましたが、それが想定よりも少し下振れたことが大きな要因となっています。
下期および通期の見通しについては、先ほどの大西の説明にありましたように、売上が下振れた部分を下期で取り返していく必要があります。上期で上振れた利益をしっかりと広告費に投資し、通期の売上および利益の達成を確実に行いたいと考えています。
質疑応答:「YOLU」のリニューアル後の市場認知形成について
司会者:「『YOLU』に関して、リニューアルにおける市場認知形成の遅れというご説明がありましたが、こちらについてどのようなことか、もう少し具体的に教えていただけますか? 結果的に、第2四半期での出荷が伸び悩んだということだと思いますが、その背景についてもう少し詳細に教えていただければと思います」というご質問です。
大西:「YOLU」のリニューアル後のPOSの動きが少し鈍いという状況があります。その理由としては、「YOLU」がリニューアルされたことが、クリエイティブ上でユーザーに伝わりにくかったことが大きな要因です。
この問題がなぜ起こったかというと、「YOLU」はもともと、日本トップレベルのヘアケアブランドであり、リニューアルに向けたクリエイティブの調査段階でも、もともと購入意向が非常に高いブランドとしてデータが出ていました。
しかしながら、リニューアル商品を店頭で展開した際、ユーザーには従来どおりの「YOLU」が並んでいるように見えてしまい、リニューアルされた「YOLU」とは認識されず、その結果、購買が進まなかったということが判明しました。
これに対しては、すでに動き始めており、店頭ラウンダーと協力して、「YOLU」がリニューアルされたことが明確に伝わる販促物への切り替えや、POPシールの貼り直しなどを行っています。これにより、PDCAを回していきます。
また、「YOLU」に関しては、下期に期待の新商品が発売予定ですので、その発売タイミングに合わせ、さらにプロモーションを強化し、POSの上振れを目指していきたいと考えています。
さらに、ヘアケアではありませんが、「YOLU」もさまざまなカテゴリでチャレンジを行っています。スキンケア商品では、配荷店舗数が目標を上回り、約1万9,000店舗に配荷できそうです。先行発売での楽天の口コミも好調であり、「YOLU」のさらなる成長に期待したいと考えています。
質疑応答:ヘアケア市場のシェア獲得に向けた戦略について
司会者:「ヘアケアの市場では、特にハイプレミアム市場において、競争の激化があると思います。市場シェアの獲得のハードルが上がっている印象です。今後ローンチするブランド数を増やすなど、戦略を変える可能性はありますか? また、構造的に『BOTANIST』と『YOLU』のシェアの低下に対する懸念はありますか?」というご質問です。
大西:「YOLU」については先ほどご説明しましたが、「YOLU」で言うと、入浴剤やスキンケアなど、さまざまなカテゴリに挑戦し、それぞれのカテゴリでイノベーションを進めています。
引き続き、eコマースも伸ばしながら、さまざまなカテゴリに挑戦しつつ、店頭では新商品や既存商品にプロモーションを行い、それらを伸ばしていくという方法で、「YOLU」もまだ成長できると考えています。
「BOTANIST」についても同様です。「BOTANIST」はヘアケアブランドではなく、もともとライフスタイルブランドです。そのため、ライフスタイルブランドとして挑戦できるカテゴリはまだまだたくさんあります。eコマースもオフライン店舗も成長させ、カテゴリを拡張していくことで、「BOTANIST」「YOLU」ともに、さらなる成長が期待できると考えています。
また、ヘアケアの戦略については、競合が増えてきていると感じている方も多いと思いますが、今も昔も競合は常に存在しています。そのような中で、「BOTANIST」「YOLU」のヒットを出してきたのがI-neであり、状況はこれまでと変わらないと考えています。
引き続き、競合を見るのではなくお客さまに焦点を合わせて、お客さまに喜んでいただけるブランドを複数展開することで、ヘアケアのシェアを伸ばしていきたいと考えています。
また、何度もお話ししていますが、ECが非常に好調です。オフライン向けのヘアケア商品も投入していきますが、eコマース向けの商品も積極的に展開していく予定です。オフラインとオンライン、さらにOMO全体で成長を図りたいと考えています。
質疑応答:ヘアケア以外の商品の構成比と進捗について
司会者:「『YOLU』に関してはバスタブレットなど、ヘアケア以外の商品も出されていたと思います。ヘアケア以外の構成比はどの程度でしょうか? また、それらの進捗は、今どのようなかたちでしょうか?」というご質問です。
大西:ヘアケアとそれ以外の周辺アイテムの比率は、「YOLU」においては9対1です。「BOTANIST」ではおよそ8.5対1.5の比率となっており、まだヘアケア以外のカテゴリを伸ばしていける余地があると認識しています。
定番品以外の進捗について申し上げると、ボディソープおよびバスタブレットは、いずれも社内目標を上回る進捗状況にあります。特にバスタブレットは、下期に入り気温が下がるに従い需要が大きくなると想定しています。
また、下期にはボディ・アウトバスの新商品や季節限定品を予定していますので、ぜひご期待ください。
質疑応答:「BOTANIST」の状況について
司会者:「『BOTANIST』の状況について教えていただけますでしょうか?」というご質問です。
大西:社内予算比では上振れしています。YoYでは少し下がっていますが、一方でECはYoYで21.5パーセントと、引き続き伸長しています。
YoYが少し下がっている要因は中国市場の影響で、マイナス1億8,000万円ほどとなっています。また、ボディ・アウトバス領域でのてこ入れが必要で、こちらもYoYで39パーセント減少しています。
ただし、「ROOTH」についてはリニューアルもセルインとなり、POSともに非常に好調で、前年同期比で売上高は51.2パーセント増、POSは103パーセントと非常に順調に成長しています。
さらに、下期には新定番ライン「SANTAL」の発売や、一部商品のリニューアル、コラボ商品の展開を計画しています。「SANTAL」は私も使用していますが、とてもすばらしい製品ですので、ぜひお試しいただきたいと思います。
また、全体的な点として、今年は特に新商品やリニューアルなど、売上や利益に直結する大きな施策が下期に偏重しているため、数字がやや低く見える部分もありますが、通期でしっかりと成長させていきたいと考えています。
質疑応答:「ReWEAR」の進捗および今後の展望について
司会者:「『ReWEAR』について、第1四半期では販売好調になりそうだとご説明があったと思います。今の進捗はいかがでしょうか? 今後の見込みについてはどのようなかたちでしょうか?」というご質問です。
大西:「ReWEAR」は私の直下の部署からリリースした商品です。2月の発売からECが非常に好調で、4月にオフライン配荷を開始しました。初回で約1万店舗に配荷ができています。
ECでは1時間で3,000本が完売し、楽天やAmazonなどでも複数回ランキング入りしており、非常に好調なブランドです。社内のPOS予算も達成しており、夏限定品も発売しました。将来的にはヒットの基準である売上2桁億円以上を目指しています。
質疑応答:スキンケアカテゴリの成長と全社収益への貢献について
司会者:「I-neのブランドイメージを維持したまま、スキンケアなどすでにレッドオーシャン化した領域への進出することは、短期的には業績へのポジティブなインパクトというのは少ないように思います。この点はいかがでしょうか?」というご質問です。
大西:本日のご説明のとおり、ブランド単体ではなく、カテゴリ全体という視点で申し上げると、スキンケア他カテゴリは400パーセント以上の成長を遂げており、このままいけば、非常に大きなボリュームのカテゴリとなる見込みです。完全に新たな柱となったと言えるほどの、今期の着地となると考えています。そのため、全社収益に大きく貢献していると捉えています。
さらに、「ReWEAR」や、買収した「TOUT VERT」を次なる事業の柱とする基盤作りも、着実に進んでいると考えています。
また、「YOLU」における、スキンケア製品なども、先ほどご説明したとおり、初動が非常に好調です。引き続き、さまざまなカテゴリでブランドの資産を活用しながら、成長を促進していきたいと考えています。
大西氏からのご挨拶
大西:これをもちまして、質疑応答および2025年12月期第2四半期決算説明会を終了します。2028年から2030年に1,000億円という目標に向けて、引き続き邁進していきますので、今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。本日はお忙しい中ご参加くださり、誠にありがとうございました。