連結決算業績
永守重信氏:それでは、いつものように時間が限られていますから、ポイントを、まずきちっとお伝えするということでいきたいと思います。
第1四半期、連結決算ハイライト
ここに今回のハイライトが書かれてるんですけれども、とくにVision2020ということで、2020年のところに今、一番短期的な焦点を我々は合わせて経営をやっているところであります。
セグメントで2020というのは、売上2兆円、そして営業利益15パーセントということを言っているわけなんですけれども。
家電、産業用、商業用、車載の分野のところも少しまた今、新しい企業の買収も始まっていますから。だいたい営業利益にすると、15パーセント以上。
精密小型モータのセグメント、機器装置、電子部品、その他のところが、だいたいもう15パーセント超えてきて。16パーセント、17パーセントというところまでなってきているということであります。
焦点は、もちろん売上高が一番多くなってきている車載、商業用、産業用ですね。この分野を15パーセントまで持ち上げていくというところに、かなり焦点が移ってきております。
2017年度業績予想を上⽅修正
それから今回、業績の上方修正していますけれども、これ基本的には為替レートまだ変えておりませんし、105円、110円と、ドルとユーロの関係でございまして。
基本的に今回、上方修正した金額は、9万円の計画を上回った分だけの売上とか利益を上方修正いたしまして。2Q以降も以前105円、110円で進行しておりますから、まず1Qの分を上方修正をさせていただいたということであります。
2017年度1Q業績の前年同期⽐増減分析
これは、今の前年同期の1Qと、今回の1Qがどういうかたちで推移したかということで。
売上高の方は、ルロア・ソマーという会社と、コントロール・テクニクスを買った、その分がクォーターフルで乗ってきたというものがございます。
2017年度1Q業績の直前四半期⽐増減分析
これは前四半期の比較です。為替の状況も含めて、状況がこういうふうになってきていると。
だからこの1Qの推移から見ますと、どのセグメントも非常にバランス良く、改善が進んできていると。とくに今回、2月1日に買収したヨーロッパの2社。ロア・ソマーとコントロール・テクニクス。これが売上にぽんと乗ったわけですけれども。
また、利益の段階は1年目の処理もありましたので、1Qでは3パーセントぐらいの営業利益になっておりますから、相対的にそのセグメントの平均的な営業利益は、少し押し下げましたけれども。
非常に順調に、私は自らPMIに力を入れておりまして。非常に短期に、工場も随分私、順番に今、回っておりますけれども。回って。過去にない早いスピードでPMIが進むんじゃないかと。
また、受注の方もインバーターやサーボモーター、この領域が、非常に好調に受注が積み上がってきていると。
非常にいいタイミングで、まったくのボトムのところで勝ったなということであります。来期は少なくともこの2社の営業利益は、現在の3パーセントが通期でも10パーセント超えてくるというふうに、強い自信をもっております。
また、フランスを中心にして各工場を回ったんですけれど、我々のグループに入った期待が非常に大きいものがあって、士気が非常に上がってきております。
この後残っているセグメントも、車載の方は12.7パーセントぐらいまで今も来てはおりますけれども、商業用、産業用の方は、買収した会社が入って少し平均値が下がっておりますけれども、これは早いピッチで改善が進むと思っております。
「6千億円×3本の柱」が軸となる新たな2兆円企業集団へと脱⽪
最近、国内の買収といいますか、グループ会社が非常に業績を改善してきているというところに少し焦点をおいて、話をしたいと思います。
HDD市場の短期トレンド
その前にまずはハードディスクのお話をします。これは、昨日もシーゲイトが決算発表して、ネガティブサプライズを出して、株が随分売られていますけれども。
昨日の決算の発表は、我々はもう想定の範囲内で、ああいう結果を出すだろうと見ておりましたし、別に驚きも何もないと。
だからこれは、基本的に我々は、数量的なベースとしては、今回少し保守的に見直しをいたしまして、もう少し良い数字に落としておりますけれども。
精密⼩型モータ:HDDモータの収益改善
基本的に売上高の減少のトレンドは想定のところに来ておりますから、数量も減ってきます。それから後は、数量が落ちてもいかにこのマージンと利益をきっちり確保していけるかということであります。基本的に愚直な原価改善やっておりますし、それから工場もオートメーションを進め、集約化が進んでおります。
きっちり当初から計画しておりますように、2020年、30パーセントの営業利益をきちっと上げられると。ということは、数量が減っても、利益の絶対額はきちっと確保していけると。そんなに悪化はしないということですね。
そういうモデルの期初の内容も、マージンの高いものが増えてきて、マージンの低いものが減っていってるということでありますから。
だから、台数そのものに対する影響はそんなに大きくはないと見ております。少なくとも、2020年まではそういうふうに見ております。
⼦会社群:売上⾼上昇と利益率改善を同時に狙う
すでに長い間、昔から上場しておりましたから、みなさん方にいろんな内容が開示されておりましたけれども。
その後、完全子会社をした会社の中で、今後とくに大きな変化をするといいますか、仮に2020年までに向かって大きく伸びていく会社、5社をここに選んでおります。
もちろん他にもあるわけですけれども、とくに内容的に、売上高の変化もございますけれども、内容が非常に大きく変化してきているというものを、5社を挙げました。
一番売上高があるのがサンキョーです。後からそのサンキョーについての内容を詳しく説明申し上げます。サンキョーとか、テクノモータ、トーソク、シンポ、エレシスと5社ですね。
これは各々、サンキョーはもちろんビジネスポートフォリオが随分変わってきたことによって、収益性が非常に高まっているわけなんですけれども。
テクノモータは、省エネ家電が非常に増強されておりまして、このところ急激に売上と受注が伸びてきている。このままいきますと、2020年には2,000億円。
これは一番、変化率が大きいものになってきます。これはモータ単体だけではなく、モジュール化が非常に進んでおります。エアコン、冷蔵庫、洗濯機ですね。それからその関係のところに非常に強い引き合いがあります。
したがって、これから進歩はロボット関連のところですね。トーソクとエレシスは車載関係なんで、もうすでに2020年に1,000億円を目指すところに関しては、もう受注が固まってきております。
そういう点においては、この5社は、これから2020年に向かって売上も変化しますけれども、利益率も非常に大きな変化をして、利益に貢献すると。だから、もともとみんなこれ買った会社、みんな赤字会社か、倒産寸前の会社を買っているわけなんですけれども、見事に優良企業に転換していくと。非常にPMIがうまくいって、そして安定的な収益を稼いでおります。
国内のグループ会社、現在12社ございますけれども、おそらく2020年にはこの12社だけで、うまくいけば売上が1兆円ぐらい。少なく見積もっても8,000億円くらいの売上。
そして、営業利益は1,200から1,400ぐらいの営業利益を叩き出すと。もともと、ほとんど赤字か0の会社だったわけですけれども、その買った会社がこれだけの利益を稼ぎ出してきているという変化状況をここにお示ししております。
⼦会社群:事業ポートフォリオ転換の好事例(⽇本電産サンキョー)
これはたまたまサンキョーがどういうふうに変わったかということを、ここで少し説明しているわけなんですけれども。
もともとこの会社、いい会社だったんですけれども、非常に業績がおかしくなってしまって。年間100億円くらいの赤字を出してた会社を、その中でいらんものをどんどん整理をしていって、そして既存ビジネスの中でもいらないものを整理をして。そして、そこに新しい要素技術を積み上げていったと。
例えば、もともとは、これは液晶パネルのロボットをやっていたわけですけれども、そこに半導体ロボットを付け加え、最近ではまた共同型ロボットを付け加えというふうに、非常に受注が増えてきております。また、環境対応の関係の部品、製品を付け加えたセンシングの関係も、非常に新しい製品が出てきておりまして。
既存ビジネスは、恐らくもう、そんなに大きく伸びは期待できないわけでありますが、新しいビジネスのところ。
まさに買収してから、完全に成長が止まっているビジネスを、成長するビジネスに変えていったということが、やっとですね。
今まで、落ち込むやつを穴埋めするのに精一杯だったんですけれど、それがやっと落ち込むものも収まってきて、新規の成長の分野のところなんですね。非常に表面に出てきていると。
こういう転換がサンキョーの収益を、これざっと200億円で、恐らく15パーセントもっと超えてくると思うんですけれども。
恐らく年間で、この会社で350億円ぐらいの営業利益を叩き出すという。まさに今、超優良企業です。もう借金はまったくありませんし、キャッシュはどんどん積み上げてますし、非常に変化が起きているということが、今、前のページで申し上げた残りの4社のところでも、非常に大きな変化がおきていくと考えております。
だから、車の関係性から、今ロボット関連ですね。そういうことも含めて、新たな収益の高いマーケットの中に入り込んでいって、そこでビジネスを成功させていくということであります。
Smarctory
我々の工場はそういうことによって、まず自社工場のスマートファクトリー化を、今急ピッチで推進しています。これは機会があったら、ぜひまた説明会といいますか、見学会を見ていいただくと非常によいと思います。
これをまず自社の工場でどんどんどんどん導入していって、人を8万人を4万人も減らすということで、非常に順調に人が減っていっているということでありまして。
それで、我々が工場で成功したものの製品の外販をして、新たなビジネスに構築していくと。スマートAGV分野とか、アーム型ロボットなんかもそうですが。これもすでに外部の外販が始まっておりますけれども、こういうものでまた新たなビジネス分野を開拓していく。
もちろんこれ、ロボットの場合でも中身のレジューサ、減速機、モーター、センサー。全部社内で作っているわけですから、だからもうほとんど外から買うものがないというものでありますし、スマートAGVの中身の流用部品も、全部社内で作っているということになります。
ロボティックス分野の展開事例(サービスロボット⽤やドローン⽤等)
それで次のページは、やはりロボティックスの分野が今後、非常に先程申し上げたように進歩を始め、非常に大きく伸びてきている。その分野のキーコンポーネントですね。
どういうものがそれに絶対つくのかというものについての、この製品開発と市場のところに入れていく。
もちろんモータそのもの、減速機、カメラであるとか、センサーですね。そういうものをグループを挙げて、得意分野のところで、非常にキーコンポーネントの販売が、非常に盛り上がってきているという状況になっております。
M&A:伊LGBエレットロポンペ社を買収
これはこの間も発表していますけれど、これは「詰め物」買収ですけれども、なかなかいい会社、技術もいい会社を買ったわけですけれども。
このものの規模よりも、グループ全体に与えるシナジーが非常に大きいものだということですね。
ベトナム・ハノイ市へ⼤規模進出
したがって、今後もっとも伸びていく分野の生産能力を相当拡大していかなきゃいけないということで、まずロボットの関係の部品の日本電産シンポの工場と、家電の分野ですね。
これはもちろん、ベトナムのハノイに、我々のお客さんが大量に進出されていて、以前から「ぜひハノイで供給してもらいたい」っていう声があったわけなんですけれども。
今回、5億ドルの投資ですから、かなり大規模な工場を作りました。ロボットの部品は現在も中国で作っていますが、中国向けのものは中国で作って、中国以外ですね。日本とか欧米向けのやつは、このハノイの工場で作る。
来年の秋には、生産開始したいと、こう思っております。すでに客先もほとんど決まっていますし、現地の客先も決まっているということで、生産を開始すれば、即それが受注売上につながっていくと。
働き⽅改⾰を加速
そういう投資でありますが、回収も非常に早いと。こういうことになっております。これは、昨今我々は生産性向上というのを非常に大きなポイントにおいていまして、前回も少しこの働き方改革の話を申し上げたんですけれども、非常にこの改革は順調にきていると。
だから2020年、残業0ということを。もちろんこれは残業0が目的じゃなくて、これはあくまで生産性2倍と。生産性2倍にすれば残業0になるということでやっておりますが。
グループ挙げて、これが結果的に言ったら、生産性を向上させて、人がそんなに増えなくても、売上高を今後伸ばしていって高い利益を上げていけると。
これは国内。もちろん海外の方は、もともと残業は、多めのあれのグループ会社は一切してないわけなんで。それでも、残業をしていないところでも、こういうものを入れて、生産性上げてもらって、もっともっと高い収益を上げていく。
今現在は15パーセントですが、将来は20パーセントとか、25パーセントとか、高い利益を上げていけるような体制を構築していくということの前提になっております。