2017年5月期決算のポイント
江尻義久氏:本日は株式会社ハニーズホールディングスの決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。
それでは決算の説明と、18年5月期の業績の見通しを説明させていただきます。
それでは17年5月期の決算のポイントでございますけども、連結の売上高は計画どおりとなるも、利益は販管費の増加等で計画が未達でした。
国内の営業利益に関しては資産除去費用。これは今860店舗ありますが、万が一閉鎖するような時には、ある程度あらかじめ積立てておきなさいというものです。
この閉鎖費用が人件費の値上がりで上がっており、もうすこし積み増しようと考えています。2億5,000万円と、その他が減価償却費だったということで、決算間際ということもあり予定が狂いました。
そのほか、什器が1億ほど上振れで、計画比では3.5億円ぐらい国内の方はマイナスの状況です。中国事業に関しては、引き続き厳しい状況が継続し、前期に続いて損失を計上しました。
ミャンマーの自社工場ではアセアンシフトを担う中核工場として成長し、私どもとしては、アセアンシフトは完全に最終段階に入っていると思っております。
国内の既存店客数が14ヶ月連続で、去年の4月から増加しておりました。ようやく既存店の売上に関しては、5年ぶりに前年をクリアしてきたということで、客数も大幅に増加しそうとなっております。
これはアセアンシフトによって、値段を下げたことがいちばんの要因だと思っています。また全店に店頭3段テーブルと3段平台を投入して賑わいを出し、ちょうど1月、2月、3月にかけ、約5億円で全店を盛り上げるための器具費として販管費に計上しました。
これが、下期に経費がかかった原因だと思っております。先ほど言いました、原状回復コストの急騰で、資産除去債務が2.5億円を一括計上しました。
また1単価引き下げと、下期に円安になり、そのへんのところと、第3四半期に少し値下げが予定よりも増えたことで、粗利を落としました。下期に関して粗利が結果的に落ちております。
中国の不採算店舗を中心に、中国は109店舗閉鎖したとのほかに、滞留在庫を処分して1.3億円の損失を計上させてもらいました。中国の既存店の売上が85.1パーセントということで大幅に減少です。
また2年間は横ばいがプラスでしたが、去年の5月ぐらいから売上が落ちてきており、なかなか歯止めがかかってないといのが現状です。採算店舗を中心に退店を進め、特別損失を2.2億円計上しました。
2017年5月期決算概要(日本セクター)
以上が前期で、それから3月1日からホールディングスになりました。ホールディングスではまだ売上も利益もあれです。子会社のハニーズに関しても、従来のように個別で売っていたかたちで、日本セクターに変え、個別と同じで、これが日本のビジネスを合算したということで、同じような流れで引っ張ってきております。
2017年5月期決算概要(中国)
売上は中間で456億円でしたのが、459億円ですので、3億3,000万円ぐらいプラスになりました。粗利の方が先ほど言ってように57.7から57.4で、1億ほど粗利は未達でした。
販管費に関しては、前期が227億円から235億円で8億円ほど増えています。それは器具費と資産除去債務で、予定よりも2億ぐらい上回ってしまったということです。
その結果、32億円としていたのが28億4,600万円と、あと以前からのデリバティブです。為替予約に関して、前々期は16億円を減損しましたが、今期は4億5,000万円で済んだということで、計上の方は上回っております。
今期以降はこのデリバティブの営業損益は、ゼロになりますので、これからは営業利益と経常利益はほぼ同じで、数字になっていくと思っています。
一方中国は、130億円から85億円と大幅に売上を落としています。これも後ほどお話をさせていただきます。ただ中間で言った4億円が1億4,000万円ほどオーバーしたのは、在庫処分の関係で1億3,000万円処分したことによります。
これが営業純利益に響いており、中間からはそれほど変わりはありません。
2017年5月期決算概要(連結)
結果的に連結は、544億円が545億円で売上はわずかに上回りましたが、粗利が想定よりも落ちたことと、販管費に関してはだいたい同じような状況ですが、結果的に余剰定理を下回ってしまいました。
そのほか固定資産の除却損益や減損損失ともあり、最終利益は4億1,200万円で、前期はやはりいろいろ同じようにありまして赤字でしたが、速報値のときには、最終純利益は3億4,400万円で、6,800万円ほど納税の計算が間違っており、上振れした状況です。
2017年5月期決算概要(業績推移)
5ページで推移は見ていただければと思っております。
売上高の状況
それで6ページです。売上高の状況ですが、売上は545億で、中国に国内は増収の、実質増益だと思っておりますが、中国ビジネスに足を引っ張られているというのが現状です。
売上高は前期比で101.8パーセント。既存店は前期比101.5パーセントで年間を通じ、既存店客数は107.6で大幅に伸ばさせてもらいました。
客単価は94.3で、アセアンシフトにより売上や粗利は下げてもなんとか同じくらいの、57.4パーセントを確保することができたと思っております。
商品単価に関しては随分下げましたが、今年の4月からは下げて1年回り、それ以上また下がらないので、客数がきてもらえば、売上は伸びるということで、4月、5月、6月とすでに発表していますが、非常に順調にいっており、今期に関しては前期のような下方修正のないように慎重にいきたいと思っております。
一方中国ですが、中国の130億円から85億円で45億円売上が下がったのは、店舗数の減が15億円。既存店の売上が15億円。為替の影響が15億円で売上が落ちております。
商品単価随分引き下げてもお客さんの反応が非常に鈍く、やはり百貨店ではなかなか集客が見込めなくなってきているという状況。あるいは郊外の新設モールは家賃が高くて、売れるところは家賃比率で収益が出ていません。
売れないところは売上比率が悪くて粗利が取れない状況で、いずれにしても中国の場合は百貨店も郊外のモールも収益モデルを作れていのが現状です、ここにきてEコマース市場が伸びており、そちらの方の競争が激化しています。
店舗数と出退店の状況
結果的に店舗数は、国内の出店は40で、13店舗の国内はプラスになりました。
今後もこのような状況は続いていくと思っています。国内外は赤字店舗もなく、今結構出店の話もたくさんいただけるようになっており、国内は今後も順調に進みそうな状況です。
一方、中国に関しては5月末で合わせると403店舗。結果的にマイナス82店舗です。今後も含めて中国に関しては出店を止め、赤字店舗を閉めていくことを続けていきたいと思っております。
客数・客単価(日本セクター)
客単価・客数ですが、下の既存店の方を見ていただくとわかりますが、1品単価91.1まで下がっております。買上率が少し上がり、客単価は94.3パーセントで、客数が107.6で、既存店が101.5です。
ブランド別売上高(日本セクター)
また次の9ページに関しては、私どもシネマクラブ、コルザ、グラシアと3つのブランドを1つの店舗の中で展開していますが、シネマクラブというのは幅広く50代までも取れるような、比較的ベーシックでしっかりした商品が非常に伸びており前期比で125.6です。
コルザ、グラシア。コルザは20代。グラシアは30代、40代、50代ですが、わずかにシネマクラブに取られている状況です。来店客数があるので、雑貨は多少伸ばしているというところです。
販管費対売上高構成比(連結)
販管費と売上の構成比は見ていただけますが、人件費はこれからも上がってくるものと思っております。売上が上がれば店舗比は下がってきており、減価償却費は資産状況債務の関係等で上がっています。
その他に関しては器具費として5億円で6.8から7.2になっています。今期に関しては、これどちらもなくなりますので、合わせて7億5,000万円ぐらいは通常ですと、決算の中身も良くなっているのかなとは思っております。
貸借対照表(連結)
貸借対照表に関しては、流動比率も380億円。自己資本比率も80を超えているということで、財務体質としては問題ないと思っております。
キャッシュフロー計算書(連結)
12ページのキャッシュフローの計算に関しては、営業活動によるキャッシュフローが減っていますが、少し売っていこうということで、棚卸が8億円ぐらい増えておるようです。
中国が売上減っており、売上債権が減少しているので、このへんで合わせて20億近くなっています。その他に関しては特別なところはないかと思っております。
ミャンマーで物流センターと、国内でもECの関連でまた新たに物流倉庫を建てているという投資があるかというところです。
生産国別仕入状況(日本セクター・洋服のみ)
13ページに関しては5年を、今度上下でなくて、年間で見てみまして、ピンクが中国でしたが、劇的に下がり今は3位になっているぐらいの状況で、1番がミャンマー、2番がバングラデシュ、3番が中国。そして4番がベトナム。あるいはカンボジア、インドネシアというような状況です。
この比率はこれ以上変わらないと思いますし、あるいは中国もバングラと同じぐらいになると思っており、いずれにしろアセアンシフトは終了したと考えております。
売上総利益率と自社企画比率の推移(日本セクター)
14ページに関しては粗利の推移です。今期に関しては値段も57.7から57.4に下がり、比較的安いもので売っているわりには、高い粗利を自社企画で、どこも商社も入っておりませんので、非常に高い粗利は取れていると思っております。
少しずつ洋服に関しては、自社企画がほとんどですけども、雑貨に関して1部あり、95.2の自社企画比率になっております。
既存店・客数・I単価推移(日本セクター)
次の15ページは、既存店の5年間の来店企画数がブルーです。この14年の4月に消費税が5パーセントから8パーセントになって、1,921万人から1,719万人まで落ちました。
私どもは据え置いましたが、消費者の財布の紐はかたくなったと思っております。このままジワリジワリと比較数減っては厳しく、アセアンシフトもできたことで、単価を1,530円から、ピンクですが1,396円に下げたら、客数が伸びた状況です。
今期に関しても、もう一巡しており、同じような単価でしっかり攻めていきたいと思っております。
2018年5月期業績見通し
今期の業績見通しの方に入らせていただきます。既存店の伸びに弾みはついたということで、引き続きアセアン生産を武器に価格とクオリティにこだわって商品を投入していきます。
中国は、原則、新規出店を凍結し、1店ごとの営業力強化に取り組むということで、国内に関しては既存店を2パーセント増とみておりました。中国は既存店が90パーセントでみておりました。
合計で545億円を目指すということで、今期と中国はマイナスでも、日本でカバーをして、売上はほぼ横ばいと思っております。
売れているシネマクラブをより一層強化して、40代50代のお客さまを取り込み、地方にも店を出しても、売上が取れるようなビジネスモデルに変えていきたいと思っております。
コルザとグラシアの企画力をアップして新鮮な素材やデザインも追求して、少し単価の高いのも少しずつ入れていこうと思っております。
中国は不採算店舗を徹底的にクローズし、業容の縮小を継続すると。結果的に業績予想の前提と出退店に関しては既存店が102パーセント。出店は40の退店30ですけど、ここにきて出店の申し込みはたくさんあるようで、間違いなく今期は、店舗数は増えていくと、国内の方は思っております。
中国の方は、先ほど言ったように90パーセント。既存店の売上です。新規出店5店舗と言いますけど、すでに2店舗出しており、これ以降は0にするように言っております。退店もできるだけ100店舗ぐらい赤字店舗を積極的に精査していこうと思っております。
2018年5月期の方針
18年5月期の方針としては、国内は現在の価格戦略を続け、引き続き客数の増加にチャレンジしていきたいと。グラシア、シネマクラブ、コルザの3ブランドをバランスよく投入して、すべての年代の客数アップを図っていくと。
新しい什器を活用し、賑わい感、ボリューム感を演出していくと。EC事業を強化し、実店舗との相乗効果を図っていきたいと思います。
2番目の中国としては、足元の課題を1つ1つクリアして、収支均衡できる経営体質を作っていきたいということで、以下に書いてあるような状況です。
3番目、ミャンマー工場においては、生産ラインの効率化を進め、生産枚数の増加を図るということで、この7月末で自社工場の隣に物流倉庫ができあがるため、ミャンマー国内で取引しているウチの取引先も全部そこに集めて、コンテナに積んでダイレクトに東京と大阪に続いて、ウチの物流センター経由でお店にいくようなかたちをとっております。
すでにバングラデシュは2月からとっており、私どもはダイレクトに日本で積み下ろしせず、自動追加分だけが物流センターに入って追加を対するというような体制が、中国とミャンマーとバングラデシュでできています。
2018年5月期業績見通し(日本セクター)
18年5月期の業績見通しとして、まず日本セクター。先ほど言ったかたちですが、20億円ほど売り増していくというかたちで粗利に関しても足元104円ということですので、多少保守的にみております。
これ以上は下がらないと思っております。56.5パーセント。販管費もほぼ同じで見ていますが、先ほど言った器具費と資産除去債務がなくなるので、7億円ぐらいの販管費増をみておいた方が人件費なりに、新規出店の店舗増であるとみております。
その結果、営業利益、経常利益は35億円。先ほど言った純利益も、これからは国内に関しては純利益も確保できるようになると思っております。
2018年5月期業績見通し(中国)
中国に関してはマイナス10パーセントでみており66億円です。粗利も少し保守的にみております。販管費も、さらに下げていくようにいろいろとやっております。
物流センターも成都と深センはやめて、今期中には天津の物流センターもやめ、崑山の1ヶ所にしていきたいと思っており、本部経費も削減に向けて努力していく状況です。
今期も同じようですが、ロイヤリティは1億5,000万円、中国の方からいただいております。
2018年5月期業績見通し(連結)
結果的に18年5月期の業績見通しとしては545億円で、粗利に関しては300億円。販管費に関しては270億円で、営業利益30億円。経常利益も30億円。最終純利益は16億円で、早く中国に足を引っ張られないようにすれば、国内は好調になってきていると思っております。
2018年5月期設備投資計画
最後22ページに関して、設備投資の計画ですが、先ほど言った、国内の物流センターの隣に、ECも含めて新しい物流センターを増築しております。ミャンマーに関してはそれが出来上がったと。中国に関しては、そんなに投資はするつもりはないということです。
ブランドコンセプト
当ブランドコンセプトと、ブランド紹介。店舗の国内や最近の店舗。国内等も見ていただければと思っております。中国の店舗数も現状このようにかたちになっております。
以上で、簡単ですけども、私の決算説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。