2017年5月期業績(連結)
奥山吉昭氏:2017年5月期の業績につきまして、ご説明申し上げます。
数字としては、ご覧のとおりの業績となりました。売上高は156億2,500万円で、前期対比5.2パーセントとなり、6期連続の増収になります。
次に品目別に見て、主な売上についてご説明いたします。
パウチ包装 高濃度洗剤
パウチ包装 高濃度洗剤は、(会場の)入り口にも展示してありますが、高濃度の洗剤をパウチで包装したものになります。
企画・開発・販売のコンセプトである「三方良し製品」を具現化した製品と言えます。
ご覧のように、コンパクトで使い終わった後のごみも少ない。その分(スライド)右側のようなメリットがございます。配送コストが低減できたことにより、価格競争をもたせることができます。
他社にはこのようなタイプの製品はございませんので、販売店・ユーザー様に好評で、当社の強みとなっております。
写真左下の「ローヤルサラセン」という製品ですが、これは両立させるのが難しいと言われていた、洗浄力と手洗いの優しさを併せ持った商品です。その点が評価されまして、今年の5月に、大阪工研協会主催の工業技術賞を受賞しております。
ご覧のように、商品の売上高は順調に推移しております。
近年、どの業種でも同様ですが、外食産業では人員確保が課題となっております。
従いまして、「小さくて軽い」、そのことによって女性や高齢者の方でも扱いやすいというメリットがございますので、その点も強調して、今後拡販を進めていこうとしております。
除菌用アルコール製剤①
次に、除菌用アルコール製剤です。こちらは食中毒やインフルエンザなどの感染症の予防用途で使用いたします。
近年、感染症予防についての需要が増加しておりまして、市場全体が拡大しております。(スライドの)写真は「セキュアコール」という製品です。通常のアルコール製剤と言われるものは、除菌はできますが洗浄力はございません。ですから、汚れを落とすことができないと。
そうすると、汚れの中にある菌を除菌できないことになってしまいますが、この製品は除菌と汚れ落としを同時にできます。
しかも、製品そのものが食品添加物になっておりますので安全・安心です。こちらも昨年(2016年)の大阪工研協会主催の工業技術賞を受賞しております。そして今年(2017年)、大阪チャレンジ発明賞を受賞しております。
除菌用アルコール製剤②
除菌用アルコール製剤の需要の拡大もありまして、売上は順調に増加しております。
このアルコール製剤でございますが、昨年、厚生労働省が「大量調理施設衛生管理マニュアル」というものを改正いたしました。
従来ですと、ノロウイルスに対してはアルコール製剤は効かないという見解であったのですが、若干修正されまして、アルコール製剤にはノロウイルスに対する効果も期待できるものもあると修正されております。
従いまして、各メーカともさまざまなアルコール製剤を発売して、拡大している状況にあります。
ハンドソープ
次にハンドソープについてです。
こちらも、衛生の基本は手を洗うということになりますので、需要は増加傾向にあります。
このタイプは(写真)右側にありますけど、パウチ包装高濃度タイプを発売して、拡販をしております。
(写真)左側にある「ポピドンハンドウォッシュ」は、ヨウ素を主成分とする医薬部外品のハンドソープになります。
ヨウ素はうがい薬として有名な製品で、殺菌力が高いものです。従来、市場では医薬品として流通している製品が多かったのですが、この製品は医薬部外品として販売しております。販売の免許等は必要ございませんので、流通面では負担の軽減となっております。
そのため、ユーザーのほうで小売しやすくて、もちろん価格面でもメリットがありますので、殺菌力を重視されるコンビニ向けのお弁当工場など、食品工場での採用が増加しております。
ハンドソープの売上としては順調な伸びではありますが、もともと売上規模が小さいので、その分伸び率が大きく見えるということです。
ただ、繰り返しになりますが、感染症予防に必須のアイテムとなりますので、先ほどのアルコール製剤とセットで今後拡販を進めてく予定にしています。
食器洗浄機用洗浄剤
次に、食器洗浄機用洗浄剤です。こちらは洗浄機に自動的に供給して使用する洗剤になります。
いろいろ品揃えがあるわけですが、この写真にも出ている、固形タイプの洗浄剤を中国の子会社で製造しておりまして、コストダウンを図っておりました。洗浄力が高く、コストも安いということで、大手チェーン店などで採用されております。
(左側の)写真に出ているのは、「エンソリッド」という製品ですが、洗浄剤の蓋(下の部分)から水をあてて、洗浄剤を溶かす仕組みになっています。
この蓋の入り口近くに塩素の錠剤を入れておいて、これによりまして、洗浄器内の雑菌を除菌することができて、洗浄機自体を清潔に保てるという製品でございます。こちらは特許を取得しております。
売上の推移はご覧のとおりで、最近増加のペースが見受けられます。
固形燃料
最後に、固形燃料でございます。
固形燃料のシェアは約7割くらいと言われております。業界トップではあるわけですが、これ以上のシェアアップは難しくなってきております。
そういう関係で、新たな需要の拡大に取り組んでおります。(写真)右側に載せているのは、ガストさんの新メニューでビーフカットステーキというものです。今はハワイアンフェアで、ハワイアンビーフカットステーキというメニューになっている様子です。
(写真中央で)ステーキを焼いているのがわかると思いますが、こちら(火がついているもの)が固形燃料になります。
固形燃料の方ですけども、新規ユーザーで採用された一方、やはり観光地に影響がございました。熊本地震もありまして、ほぼ前年並の推移となっております。
今までは観光旅館での使用が多かったのですが、オリンピックなどで訪日客が増えるということで、固形燃料の需要も増えてくるのではないかと期待しております。
利益の推移
続きまして、利益の推移についてご説明させていただきます。営業利益が10億7,000万円。経常利益が11億円。純利益が7億7,000万円ということで、過去最高益になりました。
増益の要因として、もちろん増収がございます。あとは円高・原料安。今はそうでもありませんが、昨年はそういう時期もありましたので、原料価格の低下がありました。あとは配送コストの削減ができたことが大きく寄与しております。
先ほどご紹介させていただいた高濃度洗剤ですね。通常のものの約4分の1ほどの重さになりますので、それを運ぶ運賃も当然下がるということで、配送コストの削減が実現できております。
一番大きいところでは、前期の退職給付債務がけっこうな金額で、マイナス影響でありましたが、それがなくなったことも大きく影響しております。
配当金の推移
配当金はご覧のとおりです。当期につきましては、1円増配して年間配当を23円とする予定でして、3期連続の増配ということになります。
2018年5月期売上高
次に、2018年5月期の業績予想につきましてご説明いたします。
業績の見通しといたしましては、売上高が168億円、前期比11億7,000万円増、7.5パーセント増を見込んでおります。
営業利益が11億5,000万円、前期比7,400万円、6.8パーセント増を見込んでいます。
昨年、為替が100円台前半になり、円高が進むということがありまして、原材料を安く仕入れて、かなりプラス効果をもたらしましたが、今期はその効果が見込めないということで、それを考慮しております。
自助努力ということになるとは思いますけれど、売上増とコストダウンで増益を確保する予定にしております。
配当金は1円としまして、年間配当24円。4期連続の増配の予定にしております。