Executive Summary

北村直樹氏(以下、北村):執行役常務兼CFOの北村です。まず、2025年度第1四半期決算のポイントをご説明します。連結の営業利益は約8億7,000万円となりました。今期の計画では、第1四半期はAkiruno Cube関連の一時コスト110億円を見込んでおり、弱含みになることは計画段階から想定していたため、計画に対しては順調に進捗しています。

なお、6月にIVD事業においてPlasma Services Groupを買収しており、このM&A関連コスト4億7,000万円を除いた実質的な営業利益は13億4,000万円となります。

LTS事業に関しては、注力している遺伝子関連検査および特殊検査が堅調に成長しています。また、今期の重要施策であるサービスレベルや販売価格の適正化を含めた限界利益の増加施策についても着実に進捗しており、H.U.Bioness Complex関連の一時コストや減価償却費の増加を吸収した上で、増益を達成しました。

なお、H.U.Bioness Complexは、売上の計上や請求管理のITシステムを含め完全稼働しており、40年以上使用してきた旧システムであるメインフレームのシャットダウンを6月末で完了しました。これにより、7月以降は旧システムの保守費も不要となっています。

今後は、Akiruno Cubeの機能を最大限に活用することで、効率化効果を実現し、収益性の改善を加速させていきます。IVD事業に関しては、NEUROが引き続き高い成長を維持しており、NEURO関連の売上は17億円で前年比2倍となりました。

また、後ほどご説明しますが、CDMOも為替の影響を除いた現地通貨ベースで4パーセント成長しており、堅調に推移しています。利益面では、M&Aコストを除くと、計画に対して順調に進捗しています。

M&A関連費用については、NEUROをはじめとした好調なベース事業からの利益創出を通じて、第4四半期までにキャッチアップできるよう調整を進めています。

連結業績(対前年同期比)

業績のご説明です。対前年同期比で増収となり、EBITDAおよび営業利益ともに増益です。一方で、経常利益と純利益は減益となっています。これらの詳細については、4ページ目以降でご説明します。

25年度1Q連結売上高(対前年同期比)

売上高は19億円の増収となりました。内訳としては、LTS事業において単価の高い遺伝子関連検査や特殊検査が伸長し増収となったほか、HS事業ではベースの成長に加え、2024年12月に子会社化した、ガイアメディケアの売上が貢献しました。

IVD事業は若干の減収となりましたが、これは円高の影響や新型コロナウイルス関連の減収が要因であり、ベースの事業は増収となっています。

25年度1Q連結営業利益(対前年同期比)

連結営業利益の対前年同期比についてご説明します。LTS事業では増収に伴う増益に加え、サービスレベルや販売価格の適正化をはじめとする各種施策を進めたことで、限界利益が増加しました。H.U.Bioness Complex関連費用は増加したものの、固定費の削減を進めた結果、増益を達成しました。

IVD事業の減益の大きな要因はM&A関連コストです。ただし、ベースのビジネスはNEUROおよびCDMOを中心に堅調に推移しています。HS事業は増収と価格の適正化により増益となりました。

また、冒頭のサマリーでも述べたとおり、M&A関連費用の4億7,000万円を除いた実質的な営業利益は13億4,000万円となります。

四半期毎の業績推移

スライドには、四半期ごとの売上高、EBITDA、営業利益の推移を示しています。全体として増益のトレンドとなっています。

新型コロナウイルス関連の売上は、ほぼ定常的になってきており、特にLTS事業では四半期の売上規模が1億円程度となり、数ある検査項目の中の1つというレベルになってきています。

IVD事業でも規模は縮小傾向にありますが、対前年での比較を考慮し、このスライドでは今年度第1四半期以降のIVD事業における新型コロナウイルス関連売上高のみを切り出して示しています。

連結経常利益/損失および四半期純利益/純損失(対前年同期比)

経常利益および純利益についてご説明します。まず、営業外損益として為替差損および持分法による投資損失を計上しています。

営業外の要因では、前期に為替差益8億7,000万円があった一方で、今期は為替差損が発生したため、その差分が大きな減益要因となり、実績として4億9,000万円の経常損失となりました。

また、特別損失として固定資産除却損を計上しました。これは、SRLの旧システムシャットダウンに伴う除却であり、冒頭でお話ししたとおり、40年以上使用してきたメインフレームのシャットダウンが完了したことによるものです。

なお、前期は特別利益として6億8,000万円を計上していましたが、今期は特別損失要因が増加したため、前年同期比で減益となり、約12億円の純損失を計上しました。純利益については、年間計画55億円に対して厳しいスタートに見えるかもしれませんが、想定の範囲内です。

LTS事業

セグメントごとのご説明となります。まずはLTS事業についてです。売上高は遺伝子関連検査および特殊検査を中心に成長しています。これらの検査分野は、当社が得意とする領域であり、安定的に伸長しています。

利益面では、特殊検査を中心とした増収による増益に加え、サービスレベルおよび販売価格の適正化施策により限界利益が増加しました。その結果、増加したH.U.Bioness Complex関連費用を吸収し、増益となっています。

また、第1四半期のハイパーケアを含む一時費用約9億円を除いた四半期の実質的な実力値については、営業利益レベルで黒字化したと考えています。

新型コロナウイルス関連売上については、先ほどもご説明したとおり、非常に小さくなっています。そのため、今期からは別途切り出して表示する必要はないと判断していますので、ご理解いただければと思います。

IVD事業

IVD事業です。ベース事業は、NEUROとCDMOを中心に成長しています。海外「ルミパルス」におけるNEURO試薬の売上高は17億円で、前年比2倍となりました。CDMO事業は円ベースでは減収に見えますが、為替影響を除くと4パーセント成長と堅調に推移しています。

新型コロナウイルス関連が4億円の減収要因となり、国内の「ルミパルス」に影響していますが、これを除けば国内「ルミパルス」のベース事業も成長しています。結論として、注力している3つの領域、つまりNEURO、CDMO、国内「ルミパルス」はいずれも堅調に成長しています。

また、利益面ではPlasma Services Groupの買収に伴う関連コストと円高による利益減を加味すると、ほぼ前年並みで計画どおりのレベルとなっています。

IVDトピックス①:NEURO

IVD事業について、2つのトピックスを補足します。10ページではNEUROについてご説明します。5月19日にすでに発表したとおり、Plasmaを用いて「pTau217」を測定する試薬として、世界で初めて米国FDAからの承認を取得しました。

使用する検体がPlasmaであるため、これまでのアミロイドPETやCSFと比較して短時間かつ低侵襲の検査が可能となり、顧客への提供価値という観点でも非常に画期的な取り組みと考えています。

売上面では、CSF用試薬が堅調な成長を見せる一方、Plasma試薬は力強い成長を続けました。「Plasma pTau217」や「β-アミロイド1-42」以外のRUO試薬も含め、NEURO関連試薬の売上高は全体で前年比2倍となっています。また、Plasmaのみの売上高は前年比3倍となりました。

米国での承認取得に続き、日本および欧州では今年中の承認申請に向けて準備を進めています。インドにおいては、パートナーであるアガッペ・ダイアグノスティックスが現地ブランドでの承認を6月に取得済みです。また、中国など他の国においても申請の準備を進めています。

IVDトピックス②:M&A

6月に発表したPlasma Services Groupの買収についてご説明します。こちらは米国ニュージャージーに所在する企業であり、グローバルな大手IVDメーカー向けに血清のバルク販売やバイオバンク事業を行っている会社です。

当社がPlasma Services Groupを買収した戦略的意図は、CDMO事業の強化にあります。Plasma Services Groupは、CDMO事業において上流にあたる原料の分野で、当社がこれまで保有していなかった領域の原料を有しています。

当社グループとして供給可能な原料の種類、つまりCDMO事業のコンテンツが拡充することにつながります。また、当社の既存顧客とPlasma Services Groupの顧客は重複が少ないため、相互にコンテンツを提供できるパートナーが増えることとなります。

さらに、当社が新たに試薬項目を開発する際には、性能評価に必要な臨床検体を自社ルートで確保できるようになり、迅速な開発が可能となります。これらを踏まえ、CDMO事業のさらなる強化を目的として、今回の買収を実行しました。

HS事業

HS事業についてです。滅菌・手術関連事業は堅調に推移し、売上は増収となりました。また、在宅事業では、2024年12月から連結子会社化しているガイアメディケアの売上が増収に寄与しています。利益面では、滅菌・手術関連事業の増収に加え、価格の適正化が寄与し、増益となりました。

現預金・有利子負債残高

現預金および有利子負債残高の推移です。3月末と比較すると、主に配当金の支払いなどにより現預金が減少しています。それ以外には大きな変動はなく、計画どおりとなっています。

以上、第1四半期決算についてご説明しました。

質疑応答:ラボの効率化効果について

質問者:H.U.Bioness Complexの一時費用、ランニングコスト、減価償却費については資料に記載があります。しかし、いつもこれとセットで開示されているラボの効率化効果という数字が今回見当たらなかったため、半期ベースでラボ効率化効果の数字はほぼゼロという理解でよろしいでしょうか?

北村:効率化に関してですが、非常に進んでいます。ただし、年度の計画がすべて営業利益計画に含まれているため、今回から開示を控えました。しかし、効率化効果については着実に出ている状況ですので、そのようにご理解いただければと思います。

質問者:期初計画で見込んでいたラボによる効率化効果は順調に出ていると解釈してよいでしょうか?

北村:第1四半期に関しては、効率化効果をそれほど大きく見込んでいません。先ほど、メインフレームをシャットダウンすることによる効果についてもお話ししましたが、こうした効果は7月以降に実際に発生する予定です。

そのため、どちらかといえば、第2四半期以降でより多くの効率化効果が発生するとご理解いただければと思います。

質疑応答:国内「ルミパルス」や院内検査の純減の理由について

質問者:補足資料にさまざまなKPIが記載されており、それらを拝見しました。例えば、国内の「ルミパルス」の純増減数がマイナスになっており、院内検査の受託件数もマイナスとなっていました。このようなKPIがマイナスになっている理由をご説明いただけないでしょうか?

いわゆる開業医については意図的に減らされたという理解ですが、院内検査や国内「ルミパルス」は増やす方向だったかと思います。利益を重視すれば減らしたほうが利益率的には向上するのは理解できますが、利益率重視によってこのような結果になったという理解が正しいのか、それとも間違っているのか、その点について教えていただけますか?

北村:院内検査に関してですが、実際には喪失も少なからずありますが、戦略的に撤退したケースもあり、今回マイナス6ということで純減となりました。開業医に関しては、ご案内のとおり、どちらかと言えば利益重視の方針を取っており、実際に値上げも進めていることから純減となっています。

国内「ルミパルス」についてですが、第1四半期においては一部で引き上げがあったため純減となりました。しかしながら、「ルミパルス」の設置を進めていく方針や我々の営業活動に変更はありません。

試薬については、しっかり成長しています。設置台数は今回純減となりましたが、昨年と比較して試薬の売上は着実に成長しており、特に大きな問題はないとお考えいただければと思います。

質問者:国内「ルミパルス」の台数の純減は、たまたまこの四半期特有のものと理解しましたが、院内検査については利益重視で戦略的に撤退も行われているということでしょうか? 

北村:そのようにご理解いただければと思います。

質疑応答:LTS事業の売上高成長要因について

質問者:LTS事業のトップラインですが、売上の伸びがかなり高いと感じています。遺伝子関連検査がよく伸びているのは以前からのトレンドだと思いますが、特に今回は特殊検査がプラス7パーセントとなり、非常に高い伸びを記録しています。この背景について教えていただければと思います。

純粋に件数が増加したのか、それとも販売価格を一部引き上げた結果なのか、この高い伸びの背景を教えていただけますか? 

北村:確かに単価の値上げもゼロではありませんが、実際に数量が伸びているとお考えいただければと思います。

質問者:数量が特に特殊検査のほうで高い伸びを見せているように思います。この背景について、業界としての要因があるのか、あるいは御社の努力によるものなのか、どのように要因を分析されていますか? 

北村:この点については、なかなか難しいところですが、ボリュームが伸びている理由としては、おそらく病院市場に特化しているからだと考えています。ただ、これがトレンドとしてどのようなものなのかについては、まだお話しするのは時期尚早かもしれません。

しかし、第1四半期では確実に伸びを見せ、売上にも反映されているとご理解いただければと思います。

質問者:病院市場についてですが、例えば入院患者の件数が増えたという背景があるのでしょうか? 病院市場に特化しているからでしょうか? 

北村:第1四半期がたまたま伸びているという点はあると思います。これは年間を通じて見ていく必要があると考えています。

質疑応答:薬事申請・承認の状況について

質問者:スライド10ページ右側の薬事申請・承認の状況についてうかがいたいのですが、中計の際に薬事申請・承認の状況についてアップデートをいただいてから3ヶ月ほどが経過しました。

特に日本および欧州における、本年中の申請計画に変更はないようです。基本的には、3ヶ月前の見立てから申請準備は順調に進んでいると推測していますが、この3ヶ月間でなにかアップデートがありましたら教えていただけますでしょうか? 

また、追加の質問となりますが、米国における承認はすでに取得済みかと思います。その上で、保険収載のスケジュールなどについても、もしアップデートいただけることがありましたら、教えていただければと思います。

北村:承認の準備状況に関しては、日本、欧州、中国を含む他の地域について、以前から大きな変更は特にありません。

質問者:基本的には順調に進んでいるということでしょうか? 

北村:そのようにお考えいただければと思います。

質疑応答:LTS事業の利益見通しと価格転嫁の効果について

質問者:LTS事業に関して、第1四半期では9億円のコストを抱えながらも、8億円のマイナスという結果でしたので、ご指摘のように、実質的には1億円のプラスとも解釈できるのではないかと思います。

価格転嫁による効果については、先ほどの質問のご回答の中では言及されていなかったため、私の理解が正しければ、2025年度の年初頃から始まったのではないかと思います。まだ病院側と妥結が進んでいない状況なのかと推測します。

第2四半期からシステムシャットダウンにより効果が発現してくるとすれば、実質的には第2四半期からまとまった利益を出せる状況になると考えてよいでしょうか? それとも、第1四半期において特殊検査が好調だった理由が明確でない点を踏まえ、特殊検査に依存する状況と考えるべきでしょうか? このあたりに関するご見解をお聞かせください。

北村:価格に関しては、一部が第1四半期から発生しています。現在、契約の終了率は約7割となっており、値上げの効果がどの程度になるかは、下期以降に発生する部分もあるため、現時点でお話しするのは時期尚早だと考えています。この点については、第2四半期の決算発表時に実績をお伝えしたいと思います。

また、第2四半期の状況についてですが、少なくとも9億円の一過性コストがなくなることは確かです。しかし、IPシステムに関しては、まだいくつかの不具合が残っています。不具合を修正するための改修作業が必要なため、ランニングコストは依然として高止まりする見通しです。

そのような意味では、なんとか第2四半期に関しては、それを乗り越えた上で、ブレイクイーブン程度までは持っていきたいと現状では考えています。

竹内成和氏(以下、竹内):代表執行役会長兼社長兼グループCEOの竹内です。補足します。値上げ交渉は着実に進めています。ただしご承知のとおり、当社の顧客の大半は病院であるため、契約の時期はそれぞれの病院で異なっています。また、契約内容についても検査項目ごとに値上げ交渉を行う必要があり、開業医市場と比較すると非常に内容が複雑です。

契約については徐々に進めていますが、発現するまでには時間がかかるため、現時点で具体的な結果をお伝えするのは難しい状況です。ただし、先ほど北村からお伝えしたとおり、契約の更改については着実に進展しているのが現状です。

質問者:念のため確認ですが、おっしゃるように病院との交渉には時間がかかるため、主要な成果が見られるのは今期後半、または病院によっては来年になると考えておいたほうがよいという理解でよいでしょうか? 

その上で、後期の会社計画には、価格改定によるプラスがどのように織り込まれているのか、確認させてください。

竹内:一応計画上では、彼らとの契約の進捗をある程度見た上で進めています。ただ、ご指摘のように来年に持ち越すことは基本的にはありません。今期中の契約更改となります。

ただし、更改をした後、1年のうち残りの月数については病院ごとの契約時期によって異なります。そのため、ある程度織り込んではいますが、実態と完全に一致するかどうかはお伝えしにくい点です。

質疑応答:中国市場がCDMO事業に与える影響について

質問者:CDMO事業についておうかがいします。現地通貨ベースで四半期ごとの推移を見ると、昨年度第2四半期頃からどのような状況になっているか気になっています。現在御社のお客さまと想定される大手IVD企業が、中国の政策変更によって非常に厳しい事業環境に直面している影響ではないかと推測していますが、御社ではこの状況をどのように分析されていますか? 

具体的な社名を挙げるのが適切でないかもしれませんが、アボットなどは、中国における需要が少なくとも10月から12月までは回復しないという前提で足元の計画を変更されています。そのため、こうした背景から事業の厳しさが続くリスクがあるのではないかと考えています。御社のご見解をお聞かせください。

北村:ご指摘のとおり、大手のIVDメーカーが中国市場の影響を受けているのは事実であり、当社のお客さまにも一定の影響が出ていると考えています。この影響が、当社のCDMO事業の売上における弱含みにつながっていると認識しています。

ただし、通年で見ると第3四半期以降に回復すると見込んでおり、計画については若干下期にずれる可能性はあるものの、年度計画は概ね達成できるのではないかと考えています。第3四半期以降の回復を予測しています。

質問者:それは例えば、お客さまとある程度握っていて、ずれるリスクが少ないのでしょうか? ただお客さまもエンドの需要があるため、万が一想定以上に回復が遅れてしまった場合には、別途乖離した数量の交渉などが発生するリスクはありますか?

北村:我々の出荷数量はお客さまのフォーキャストに基づいて変動します。そのため、当然お客さまの需要に影響を受けることになります。お客さまの末端の需要がさらに悪化した場合には、私たちも影響を受けざるを得ません。ただし、現状では第3四半期以降に確実に回復してくると見ています。

質疑応答:IVD事業におけるM&A費用について

質問者:IVD事業で、M&A関連費用が4億7,000万円と、想定よりも大きいと感じました。リリースには「計画は変えていません」「業績予想の変更はない」と記載されていますが、これはもともとの計画には含まれていなかったのでしょうか?

北村:今期の連結の営業利益には、当然M&Aの費用を含めていました。ただし、もう少し小さな金額を計上しており、成功報酬のようなかたちのM&A費用が若干増加した部分はあります。

しかし、IVD事業においてもM&A費用を実際にオフセットするかたちでキャッチアップできると考えています。このため、全体的に通年の営業利益の変更は必要ないと考えており、実際に変更は行っていないとご理解いただければと思います。

質問者:そうすると、IVD事業は「M&A関連費用を除いたベース事業による営業利益は計画どおり」となっていたのですが、実際には上振れペースと考えてよいでしょうか? 

北村:もともとこれほど早くクロージングするとは思っていませんでした。そのため、第2四半期以降にM&Aの費用を計上する予定でしたが、第1四半期に前倒しとなりました。そうした事情を考慮すると、第1四半期についてはM&A費用を除いた場合、オントラックであるとご理解いただければと思います。

質疑応答:NEUROの売上について

質問者:IVD事業のNEUROに関しておうかがいします。Plasma用試薬が好調とのことですが、ここだけを見ると計画を上回っているように見えますが、いかがでしょうか? 

北村:前回の決算発表時にもあまり大きな数字は見込んでいないとお伝えしましたが、直近の第1四半期の状況を見ると、このトレンドでいけば、売上ベースで希望的な見込みを含めて20億円程度は計画よりも上振れる可能性があると考えています。

それを含めて、現状では通期の予想を変更する必要はないと考えています。ただし、売上レベルではNEUROとして少なくとも20億円程度、計画を上回る可能性があるのではないかと期待を含めて考えています。

質疑応答:他社へのOEM供給について

質問者:「Plasma pTau217」についておうかがいします。ラボコープの資料を見ると、御社の試薬を使用していると思われ、感度が95パーセント、特異度も95パーセントと報告されています。

ここまで感度と特異度の数値が高いのは、現在のところ御社のみなのでしょうか? ガイドラインを見ると、他社も多く出ているようです。そうした会社にも御社からOEM供給されているのかもしれませんが、今のところどのように考えればよいでしょうか?

北村:他社の状況に関しては、当社からコメントを差し控えたいと考えています。

質疑応答:NEUROの確定診断活用見通しとガイドラインのビジネスへの影響について

質問者:NEUROについてですが、ガイドラインでは感度と特異度がともに90パーセント以上であれば確定診断として推奨できるという内容があったと思います。今回米国で承認された製品は確定診断として用いることが想定されるのでしょうか? 

また、8月に発表された国際学会のガイドラインについては、今後どのようなビジネスのインパクトがありそうかお話しいただけますか?

北村:学会でのガイダンスと米国での承認は、直接的に100パーセント関係するものではないと考えています。また、90パーセント以上であっても、即座にFDAの承認が得られるものではないと認識しています。

ただ、このようなガイドラインが示されたことにより、当社としてはFDAの承認を取得していることから、これを踏まえて当社のPlasma用試薬の需要がさらに高まることを期待しています。

質問者:御社の製品が確定診断に活用されるかどうかの見通しは、まだわからないということでしょうか? 

北村:そのとおりです。現時点では、検査結果だけでなく、他の要素も総合的に判断すべきであると認識しています。

質問者:ちなみに今回は、前年同期比で2倍になったということですが、NEUROの売上高について具体的な金額は公表されていますか? 

北村:NEUROの今期第1四半期の売上高は17億円です。Plasma用試薬とCSF試薬を合わせた金額になります。