2017年3月期 決算ハイライト

山田裕次氏:資料に基づきご説明申し上げます。まずハイライトです。

売上高は3兆5,129億円、前期比10パーセントの増収となりました。営業利益は2,935億円、20.8パーセントの増益。経常利益は3,005億円、28.7パーセントの増益。親会社株主に帰属する当期純利益は2,017億円、94.7パーセントの増益。ROEは16.3パーセントとなりました。

また、売上高・営業利益については、7期連続の増収増益、経常利益は8期連続の増益、営業利益および当期純利益は第5次中期経営計画の最終年度計画を初年度で達成することができました。

セグメント別には、当社が成長ドライバーと位置付けております賃貸住宅・商業施設・事業施設の3セグメントが、売上・利益ともに堅調に推移しました。

年間配当金については、業績が堅調に推移したことから、前回公表の1株当たり85円から7円増配の92円に変更、配当性向は30.2パーセントとなります。

なお、次期の年間配当金は、1株当たり95円、配当性向30.0パーセントの予定です。

次に、投資計画の進捗状況です。2017年3月期を初年度とする第5次中計の3年間で、不動産開発7,000億円を含む9,000億円の投資を計画しておりますが、初年度の実績は3,590億円となりました。

また、すでにリリースでも発表しておりますが、第5次中計の最終年度である2019年3月期の業績計画を見直ししております。

売上高は、当初3兆7,000億円の計画から2,500億円上方修正して3兆9,500億円。営業利益は、当初2,800億円から600億円上積みをして3,400億円。当期純利益は、当初1,800億円から440億円増の2,240億円としております。

決算概要 総括

資料をめくっていただきまして、1ページ。業績は先ほど申し上げたとおりでございます。1株当たり当期純利益は、304円14銭。PERは2017年3月末の株価3,196円で計算しますと、10.51倍となります。

下段はグループ会社の概要です。1年間で31社増加、7社減少となり、2017年度3月末はグループ全体で196社となっております。

売上高、営業利益の増減要因

2ページは、売上高と営業利益について、増収増益の要因を分析しております。上段が売上高です。前期比3,200億円の増収となりましたが、開発物件の売上高は前期794億円、当期1,030億円と235億円増加しました。

以下は、増収幅の大きなセグメントから順番に記載しております。その他事業509億円増加のおもな内訳は、環境エネルギー事業で141億円、ホームセンターなどの建設支援事業で81億円、中国の常州133億円、無錫40億円となっております。

下段は営業利益です。前期比504億円の増益となりましたが、おもな要因は売上高の増加により601億円、開発物件売却の影響を除いた原価率の改善により268億円です。この原価率は、全体で9.4ポイント改善いたしました。

開発物件の売却利益につきましては、前期非常に利益率の高い物件がありましたので、前期は279億円、当期は228億円となり61億円減少しております。販管費は314億円増加しております。

損益の概要①

3ページ・4ページは、損益の概要です。数字は先ほどご説明したとおりでございますが、営業利益率は7.6パーセントから8.4パーセント、0.8ポイント改善しております。当期純利益について、前期に退職給付債務算定に用いる割引率を変更したことにより、849億円の特別損失を計上したこともあり、前期比94.7パーセントの大幅増となっております。

売上高の増収に寄与したおもな会社は、大和ハウス単体が前期比706億円、藤田グループが733億円、大和リビングが540億円などです。営業利益の増益に寄与したおもな会社は、大和ハウス単体が前期比192億円、藤田グループが82億円、ダイワロイヤルグループが24億円、大和リースが21億円などとなっております。

損益の概要②

4ページです。たな卸低価法により78億円を原価に歳入しております。販管費は314億円増加しておりますが、そのうち116億円が人件費の増加です。前期と比較して、人員が2,600名弱増えていることがおもな要因です。

連結貸借対照表①資産の部

5ページ・6ページは、貸借対照表です。総資産は前期より2,980億円増加しまして、3兆5,558億円となりました。流動資産については1兆4,051億円となり、763億円増加。おもに現預金・売掛金の増加によるものです。

固定資産は2兆1,506億円となり、2,217億円増加。うち有形固定資産が2,166億円増加しております。下段左、たな卸資産は6,242億円となり、158億円減少しております。販売用土地が291億円減少しておりますが、前期の土地の計上基準の変更によるマイナスの影響額が484億円含まれております。

有形固定資産についても、同様の影響が269億円ありましたが、当初は順調に進んでおり、2,166億円の増加となっております。

連結貸借対照表②負債と純資産の部

6ページは、負債と純資産です。負債が2兆2,259億円となり、1,501億円増加。純資産は1兆3,299億円となり、1,479億円増加しました。下段、有利子負債については、1,487億円増加し、期末D/Eレシオは0.49倍、自己資本比率36.8パーセントとなっております。

セグメント情報①

7ページは、売上高・営業利益をセグメント別にお示ししております。竣工戸数の減少したマンションを除く各セグメントにおいて増収増益となりました。

セグメント情報②

8ページは、各セグメントの売上高・売上総利益・売上総利益率を、請負・分譲、賃貸・管理、開発物件売却に分けてお示ししております。事業施設の開発物件売却の売上高873億円は、昨年6月に売却したイープロジェクト有明の692億円が大半を占めております。

セグメント情報③

9ページは、各セグメントの受注高と受注残高でございます。受注高は、3兆6,607億円前期比8.9パーセント増。受注残高は、1兆2,934億円と前期比12.9パーセント増。受注高・受注残高とも、すべてのセグメントで増加しております。

投資不動産の内訳

10ページは、投資不動産の内訳でございます。今回より、従来開示しておりました賃貸等不動産から投資目的で保有をしていない不動産、遊休不動産ならびに連結調整を除いた簿価を投資不動産として開示しております。投資不動産は2016年3月末が7,162億円、2017年3月末は9,039億円と、この1年間で1,877億円増加いたしました。

流動化不動産については5,890億円で、うち稼働中の不動産が1,693億円、未稼働が4,197億円となっております。流動化不動産の施設別の内訳については、右上段のとおりです。物流施設・事業施設が4,211億円と、投資の中心となっております。

下段は、稼働中の流動化不動産および収益不動産の内訳、NOI利回りを記載しております。流動化不動産についてはNOI利回り7.2パーセントと、前期と同様の利回り。収益不動産については、NOI利回り11.6パーセントと、0.2ポイント改善しております。

投資計画の進捗状況/設備投資額、減価償却費/連結キャッシュ・フローの状況

11ページです。投資計画の進捗状況は、冒頭ハイライトでご説明したとおりです。設備投資額・減価償却費・キャッシュフロー計算書は、記載のとおりでございます。

2018年3月期 業績予想①/

12ページからは、2018年3月期の業績予想です。今期は、売上高3兆7,500億円、営業利益3,200億円、経常利益3,120億円、親会社株主に帰属する当期純利益2,100億円を計画しております。

下段は配当政策です。1株当たり当期純利益は、316円48銭、年間配当金は先ほど申し上げたとおり95円、配当性向30.0パーセントを予定しております。

2018年3月期 業績予想②/2018年3月期 業績予想③

13ページ・14ページについては、通期の業績予想をセグメント別に記載しております。売上高については、すべてのセグメントで増収。営業利益については、マンションを除く各セグメントで増益を計画しております。

事業別受注高(個別)

15ページ・16ページについては、大和ハウス単体の受注高・売上高の実績と、今期の計画をセグメント別にお示ししております。

住宅販売戸数/1戸当たりの平均売上金額/1戸当たりの平均売上面積

17ページは、住宅販売戸数と、住宅・賃貸住宅事業における1戸当たりの平均売上金額と面積です。

賃貸住宅事業/マンション事業

18ページ、上段は賃貸住宅の管理戸数です。2017年3月末の管理戸数は51万208戸、入居率は97.1パーセントとなりました。中段はマンションの完成在庫ですが、2017年3月末は466戸、うち71戸は受注済みとなっております。下段は分譲マンションの管理戸数で、2017年3月末には34万1,705戸となりました。

商業施設事業

19ページは、商業施設の転貸建物面積の推移です。貸付可能面積は順調に推移しており、入居率も99.2パーセントと高い水準を維持しております。

海外事業

20ページは海外事業の進捗状況です。上段は2017年3月末の出資残高です。中国778億円、アメリカ497億円、アセアン263億円、オーストラリア67億円、その他14億円、合計1,620億円となっております。下段は、海外の分譲マンション事業の販売状況です。

中国・大連のイワ・セイカイは、2,105戸の販売戸数のうち92.8パーセントが契約済み、常州のグレース・レジデンスは、864戸のうち95.6パーセントが契約済み、無錫のムーンリット・ガーデンは、373戸のうち95.2パーセントが契約済みとなっており、昨年12月末以降も販売が順調に進んでおります。

オーストラリアについては、現在2つのプロジェクトが進行中です。フラワー・ミル・オブ・サマー・ヒルプロジェクトについては、第1期・第2期はすでに完売。現在、第3期・第4期の229戸を販売中です。

ドゥルモインのテンポプロジェクトでは、現在164戸を販売中で98.2パーセントが契約済みとなっております。また、ベトナムのミッドタウン・プロジェクトでは、第1期の販売を2月より開始しております。309戸の販売戸数のうち、3月末までに60.8パーセントが契約済みと、こちらも順調に進んでおります。

以上でご説明を終わらせていただきます。