決算ハイライト

馬場信輔氏(以下、馬場):あおぞら銀行社長の馬場でございます。本日はお忙しい中、当行のネットコンファレンスにご参加いただきまして、誠にありがとうございます。

また、投資家、アナリストのみなさまには、日頃より大変お世話になっております。

まず、私から一言お話させていただきます。当期は、グローバルマーケットが依然先行き不透明な状況にあり、金融機関にとって厳しい業務環境が続いております。

当行は、引き続き規律あるバランスシート運営と、収益源の多様化に努めており、連結粗利益は順調に推移し、当期純利益も通期業績予想に対し83パーセントの進捗となりました。

本日、第3四半期の配当について、1株当たり5円と決定いたしました。当行は、今後ともユニークな金融サービスの提供と専門性の発揮により、企業価値の向上を目指してまいります。

引き続き、みなさまのご支援を賜りますようお願い申し上げます。

それでは、副社長の田辺より、決算につきましてご説明を申し上げます。

田辺雅樹氏(以下、田辺):田辺でございます。投資家、アナリストのみなさまには、日頃より大変お世話になっております。

本日公表しましたニュースリリースに沿って、平成29年3月期第3四半期決算のご説明を申し上げます。

損益 概要

3ページの損益概況をご覧ください。個別項目につきましては、10ページ以降にて順次ご説明いたしますが、はじめに損益の概要をご説明します。

トップライン、連結粗利益につきましては、10-12月期も241億円と、中間期実績に引き続き順調に推移し、当期9ヶ月間の連結粗利益は、前年同期比15億円増加の704億円となりました。通期業績予想920億円に対する進捗率は、76.5パーセントとなっております。

経費は、新勘定系システム導入に伴う償却負担等により、前年同期比29億円増加し332億円となりましたが、引き続きコスト・コントロールに努めたことなどから、OHRは47.1パーセントとなっております。

この結果、実質業務純益は372億円と、通期業績予想470億円に対し79.2パーセントの進捗となっております。

与信関連費用は、44億円の益となり経常利益、税引前当期純利益とも424億円となりました。

法人税等は、69億円の費用でボトムライン当期純利益は、前年同期比5億円増加の356億円と、通期業績予想430億円に対し82.7パーセントの進捗となっております。

金融機関にとって難しい業務環境が続いておりますが、当期は、全体としておかげさまで順調な実績を上げることができました。

それでは、個別項目のご説明に入ります。

損益 連結粗利益

まず、業務粗利益ですが4ページをご覧ください。

資金利益は、前年同期比47億円減の341億円となりました。このうち、10-12月期は117億円と、中間期6ヶ月間の実績224億円との比較では、改善傾向にございます。

資金運用収益につきましては、適切なリスクリターンの確保を重視した運営を継続し、貸出金利回りは上昇しましたが、平均残高が減少したことから、貸出金利足は前年同期比10億円減少となりました。

一方、有価証券利息配当金は、外貨建ETF分配金などが寄与し、前年同期比で増加しております。

その他の項目と合わせますと、資金運用収益全体では、前年同期比4億円の減少となりました。資金調達費用につきましては、預金や債券等の円貨調達にかかる費用が減少する一方で、米ドル調達コストが上昇したことなどから、全体で前年同期比43億円となりました。

下の図表、資金荒利鞘につきましては、1.28パーセントの水準を確保し、中間期実績の1.27パーセントを上回りました。

引き続き、中期KPI目標である1.20パーセントを上回る水準の維持を図ってまいります。

資金運用利回りは、前年同期比12bpsの上昇となりました。このうち、貸出金利回りにつきましては、適切なリスクリターンを重視した運営の継続により、1.67パーセントと、前年同期比6bps上昇しております。

また、資産効率やリスク分散を重視したポートフォリオ運営により、有価証券利回りも上昇しております。

資金調達利回りにつきましては、円貨調達コストが、引き続き低下する一方、米ドル調達コスト上昇の影響などから、全体では前年同期比17bps上昇し、0.53パーセントとなりました。

なお、この1年は外貨調達に関わる円投コストの上昇が見られますが、貸出金は変動金利が大層を占めており、マーケットレート、すなわちドルライボーの上昇自体は、収益上特段の影響はございません。

一方、新年、足元の落ち着きが見られておりますけれども、円投プレミアの上昇については、留意する必要があり市場動向を継続的にモニターしております。

現在、マーケットのアベイラビリティには問題ない状況と判断しておりますが、当行としては、引き続き外貨調達の多様化、安定化に努めつつリスクリターンを重視した運営を継続してまいりたいと存じます。

損益 連結粗利益(役務取引等利益・特定取引利益)

次に5ページをご覧ください。

役務取引等利益について、貸出関連手数料が前年同期比ほぼ横ばいとなったものの、リテール関連の投信・保険の販売にかかわる利益が減少し、全体では前年同期比19億円減少の、68億円となりました。

リテール関連の投資性商品販売利益につきましては、投信・保険の販売にかかる手数料に加え、仕組債の販売にかかる特定取引利益を含めた係数を参考欄に記載しております。

仕組債の販売は順調な実績となりましたが、グローバルマーケットにおける不透明感が継続する中、個人投資家の様子見スタンスに大きな改善が見られず、全体としては前年同期を8億円下回る46億円となっております。

一方、投資性商品の預かり資産残高は、前期末比で増加しております。

特定取引利益ですが、金融法人の運用ニーズに合わせたデリバティブ内蔵商品の販売、ならびに個人向け仕組債の販売が好調に推移したことなどにより、前年同期に比べ83億円増加し、158億円となっております。

このうち、10-12月期につきましては57億円と、中間期に続き好調な推移となりました。

損益 連結粗利益(その他業務利益)

6ページをご覧ください。

国債等債券損益は、外国国債やJ-REIT等の売却益が寄与し、54億円の利益となりました。

国債等債券損益を除くその他業務利益は、83億円の利益となりました。このうち、組合出資損益は、不良債権関連の組合損益が引き続き堅調に推移したことに加え、10-12月期における、不動産関連組合損益の実績が寄与し、前年同期を上回る69億円の利益を計上しております。

以上によりまして、粗利益は704億円となりました。

損益 経費

続きまして、7ページをご覧ください。

経費ですが、期初に想定の通り、新勘定系システム導入に伴う償却負担等により、前年同期比29億円増の332億円となりました。引き続き、コスト・コントロールに努めており、通期予算450億円に対する進捗率は73.7パーセントとなっております。

OHRは、粗利益が順調に増加したこともあり、中間期実績は48パーセントを下回る47.1パーセントとなりました。10-12月期のOHRは45.5パーセントとなっております。以上によりまして、実業務純益は372億円となりました。

損益 与信関連費用

与信関連費用については、期初計画上は0とし、実際には、貸倒引当金の戻入益計上を想定しておりました。

当期は、貸倒引当金の戻入益や償却債券取立益を計上したことなどから、44億円の益となりました。

このうち、10-12月期における与信関連費用は11億円の益となっております。当期末の貸出金全体に対する貸倒引当金の比率は、2.20パーセントとなり、引き続き高い水準を維持しております。

中長期的な観点から、潜在的な貸倒リスクに備えるべく、保守的な引当方針を継続してまいります。これらの結果、経常利益は424億円となりました。

法人税等は、69億円の費用となっております。第1四半期に税効果算定上の企業区分を4号但し書きから、2号(分類2)に変更しております。

税効果算定上の企業区分の変更は、期初計画策定時に織り込み済みであり、通期ベースでの税金費用約100億円、実効税率約20パーセントの当初見込みに変更はございません。

以上により、当期純利益は356億円と、通期業績予想430億円に対する進捗率は82.7パーセントとなりました。

バランスシート 調達

9ページをご覧ください。

調達については、引き続き機動的にボリュームをコントロールしており、預金、譲渡性預金、債券社債残高を合計したコア調達額は、長期法人預金の増加等によりまして、平成28年3月末比230億円増加し、3兆2,100億円となりました。

このうち、個人のお客さまからの調達が占める割合につきましては、57パーセントとなっております。

資料に記載がございませんが、個人のお客さまからの調達に、法人のお客さまからの長期預金等を加えた安定調達比率も、70パーセント程度で安定的に推移しております。

バランスシート 貸出(全体・国内業種別)

貸出金は、3月末比830億円増加し、2兆5,900億円となりました。

国内向け貸出につきましては、昨年度は底利鞘貸出を一部計画的に削減したことから、残高が減少しましたが、当期は適切なリスクリターンを重視した運営を継続する中、3月末比180億円の増加となりました。

バランスシート 貸出(海外向け)

海外向け貸出につきましては、リスク体制の強化を図りつつ、リスクリターンの良好な北米のコーポレートローンや不動産ノンリコースローンを中心として選択的に取り上げておりまして、3月末比650億円増加し、残高は8,900億円となっております。

米ドルベースでは、約3億ドル増加し、76億6,300万ドルとなっております。貸出金全体に対する海外向け貸出の比率は、34.4パーセントとなっております。

バランスシート 有価証券

次に10ページをご覧ください。

有価証券は3月末比、1,580億円増加して、1兆800億円となりました。当期は外貨建ETF、モーゲージ債等を増加させる一方、日本国債、投資信託等を減少させております。

グローバルマーケットにおける不透明感が継続する中、資産効率を重視し、リスク分散が効いた投資ポートフォリオの構築により安定的な利息収入の確保に努めており、当期においては利息配当金171億円、ならびに国債等債券損益54億円を計上しております。

投資ポートフォリオの運営につきましては、米国金利、日本株式、クレジット等のアセットクラス間の相関を考慮しております。

米国大統領選後の米金利変動等の影響を受け、外国債券の評価損益が減少する一方で、債券と逆相関にございます株式の評価益の上昇もあり、12月末の評価益は3月末ほぼ横ばいの231億円となっております。

なお、株式の一部と日本株ETFの全額についてヘッジを行っており、ヘッジ手段の評価損益を含めるとポートフォリオは全体で160億円の評価益となっております。

配当の状況

続きまして11ページをご覧ください。

金融再生法開示債権は3月末比53億円減少の177億円。開示債権比率は、0.23ポイント減少し、0.67パーセントとなりました。

当期末の自己資本比率は、後日報告させていただきますが、引き続き十分な水準を維持する見込みです。

なお、冒頭の社長の馬場からコメントがありました通り、12月末を基準とする第3四半期の1株当たりの配当金は、5円といたしまして、今年度累計では13円となります。

金融機関にとって難しい業務環境が続きいておりますが、当行は引き続き規律あるバランスシート運営を行うとともに、収益の多様化を図っていくことによりまして、業績目標の達成を目指してまいりたいと存じます。

どうぞ、今後もご支援賜りますよう、よろしくお願いいたします。

以上で決算のご説明を終わります。