2026年8月期決算説明(個人投資家向けIRセミナー)
マテリアルグループ、連結営業利益は前年比+39.7% AI活用による生産性向上を推進、27年8月期も2桁増益を予想
2026年8月期通期決算 キーメッセージ

青﨑曹氏(以下、青﨑):マテリアルグループ株式会社代表取締役CEOの青﨑です。本日は、当社の2026年8月期通期決算説明をご視聴いただき、誠にありがとうございます。それでは、決算内容と業績予想についてご説明します。
2026年8月期通期決算のキーメッセージは3つあります。1つ目は、前期比で連結粗利がプラス35.7パーセント、営業利益がプラス39.7パーセントと、高い成長率を実現したことです。また、計画比では営業利益が101.0パーセント、経常利益が107.5パーセントと上振れで着地しました。
2つ目に、過去最大規模で新卒社員を受け入れましたが、のれん償却前の営業利益率は1.3ポイント改善しました。来期以降の生産性改善に向けて、引き続きAI関連への積極的な投資を進めています。
3つ目に、株式会社トレプロ(以下、トレプロ社)のM&Aにより、PRプラットフォーム事業の粗利が前期比プラス611.5パーセント成長しました。のれん償却前営業利益も計画比で102.5パーセントと、上振れで着地しています。
AGENDA

青﨑:本日は、スライドに記載の順に沿ってご説明します。
PR発想をコアとしたマーケティング支援会社

青﨑:はじめに、会社および中期経営計画の概要についてご説明します。
当社はPRエージェンシーグループとしては後発の企業ですが、従来型のPR会社とは異なるかたちで成長を実現してきました。
従来型のPR会社は、月額の固定報酬をいただいて広報業務を代行する形式が主流ですが、当社はPR発想をコアとしたマーケティング支援全体を提供している企業になります。
業務の受注形態としてはプロジェクト型であり、広報予算だけでなく、より規模の大きい企業の広告宣伝費やマーケティング予算にまでアプローチしています。
さらに、PRやメディア露出に留まらず、広告やデジタルを含む統合的な施策を提案している点が当社の特徴です。
事業セグメント

青﨑:具体的な事業セグメントは3つあります。PRコンサルティング事業をコア事業、デジタルマーケティング事業を準コア事業として注力しています。
また、将来のさらなるアップサイドを作るために、PRプラットフォーム事業などの事業育成にも取り組んでいます。
ここまでの成長振り返り

青﨑:これまでの成長を振り返ると、過去6年間で売上高は4.3倍、営業利益は6.0倍の成長を実現しました。
この成長は、中核子会社の力強いオーガニック成長に加え、7期で9件のM&Aを実施したことによるものです。
ここまでの成長振り返り

青﨑:中核子会社である株式会社マテリアル(以下、マテリアル)を中心にオーガニック成長を基軸とし、営業利益の成長を実現してきました。
中期経営計画サマリー(2026年8月期~2028年8月期)

青﨑:中期経営計画の概要についてです。2028年8月期には、連結売上高125億円、連結営業利益21億7,000万円、連結のれん償却前営業利益23億4,000万円を目指しています。
市場環境については追い風と認識しており、まさに誰もが情報発信できる「1億総メディアの時代」の環境下で、PR発想がマーケティングコミュニケーションの主役になると考えています。
また、8兆1,000億円規模の広告市場において、マーケティング予算の変動が起きる流動広告市場は約8,900億円と推定しています。この市場規模を踏まえると、当社が現在占めているシェアはまだまだ小さく、ホワイトスペースが十分に残されているという認識です。
この中期経営計画を実現するために、「事業戦略」「財務・M&A戦略」「経営基盤の強化」という3つの施策を推進し、計画達成に向けて進めていきたいと考えています。
連結業績:2026年8月期通期の前期比及び業績予想に対する達成率

吉田和樹氏(以下、吉田):取締役CFOの吉田です。2026年8月期通期業績についてご説明します。まず、P/Lのサマリーですが、M&Aの影響もあり、前期比で高い成長率を実現しました。営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益も計画を上回って着地しています。
具体的には、売上高は87億1,400万円で前期比38.6パーセントの増加、営業利益は11億6,200万円で前期比39.7パーセントの増加という結果となりました。
連結業績:業績予想に対する進捗状況(粗利)

吉田:スライドは、四半期ごとの季節性を示しています。後ほど触れますが、第4四半期の粗利の進捗に関しては、当初の想定より若干遅れが生じ、最終的に通期予想の94.5パーセントで着地しました。
連結業績:2026年8月期通期のセグメント別の前期比及び業績予想に対する達成率

吉田:セグメント別のサマリーです。デジタルマーケティング事業やPRプラットフォーム事業に関しては、M&Aの影響もあり、粗利およびのれん償却前営業利益が前期比で拡大しています。
全体として、セグメント間で多少の変動は発生していますが、概ね営業利益では目標を達成しています。
連結業績:売上・粗利・営業利益の四半期会計期間別推移

吉田:スライド右側の営業利益の四半期別グラフをご覧いただくと、当第4四半期は1億3,100万円で着地しており、四半期単独では営業減益となっています。要因については後ほど触れますが、粗利の進捗が見込みより遅れたことが影響しています。
PRコンサルティング事業(旧PRAS社を含む):売上・粗利・のれん償却前営業利益の会計期間別推移

吉田:セグメント別の内容についてあらためてご説明します。まず、PRコンサルティング事業についてです。中核子会社であるマテリアルの粗利が14パーセント成長しており、売上高、粗利、のれん償却前営業利益のすべてにおいて前期比で拡大しました。
粗利に関しては、全体として9.6パーセント成長していますが、中核子会社マテリアルは前期比で14.1パーセントの成長を見せています。特に上期の好調が通期での成果に寄与したと言えます。
PRコンサルティング事業:中核子会社マテリアル単体の粗利の四半期推移(21/8期~26/8期)

吉田:四半期単位のボラティリティについてです。
スライドグラフは、2021年8月期から2026年8月期までの中核子会社マテリアルのみに絞った、四半期単位の粗利の推移を示しています。
ご覧のとおり、季節性の影響が見受けられます。当社は、第3四半期が繁忙期にあたります。したがって、各年度において、第3四半期が最も重要な山場となる現象は毎期一定して続いています。
特に繁忙期が終わった後の第4四半期は、業績が大きく落ち込む傾向があります。
繁忙期は業務やプロジェクトの納品に追われる時期でもあり、新規案件を受け入れるキャパシティが常に不足しがちです。その結果、次の四半期のパイプラインが不足する課題が発生しています。
これは事業の性質上、やむを得ない部分もありますが、より安定した業績を実現するため、経営上の課題として認識しています。今後は、AIの活用を含めた対策を進めていく考えです。
PRコンサルティング事業(株式会社マテリアル):成長ドライバーの実績

吉田:PRパーソン数およびPRパーソン1人あたりの粗利についてです。PRパーソン数は、今年過去最多の新卒入社を迎えたことに加えて、中途採用に関しても概ね計画どおり、または若干超過するかたちで推移しています。
PRパーソン1人あたりの粗利は増加しており、前期比プラス2.1パーセントとなっています。
一方、四半期別では、先ほどお話しした要因に加え、過去最多の新卒が入社した影響が第4四半期に反映されており、その結果、第4四半期のPRパーソン1人あたりの粗利は低下しています。
デジタルマーケティング事業:売上・粗利・のれん償却前営業利益の会計期間別推移

吉田:デジタルマーケティング事業についてです。今期において株式会社Bridge(以下、Bridge社)が参画した影響で、売上高・利益ともに前期比で拡大しています。
特に、粗利は前期比プラス82.0パーセント、のれん償却前営業利益は前期比プラス51.8パーセントと順調に伸びており、粗利は各四半期で堅調に推移しています。
デジタルマーケティング事業:成長ドライバーの実績

吉田:顧客数と顧客単価についてです。業績予想の段階でもお伝えしていたとおり、Bridge社参画の影響により特に伸びているのは、大口広告運用の顧客です。その結果、ミックスの関係で顧客単価が大幅に伸びています。
今期の実績として、顧客単価は前期比で71.8パーセント向上しました。今後は顧客単価を中心に、成長を実現していく見込みです。
PRプラットフォーム事業(旧PRAS社を除く):売上・粗利・のれん償却前営業利益の会計期間別推移

吉田:最後に、PRプラットフォーム事業についてです。トレプロ社の参画や株式会社マテリアルリンクス(以下、マテリアルリンクス)の成長により、売上・利益ともに規模が拡大しています。
トレプロ社は2025年10月から参画しており、第3四半期決算でお伝えしたとおり、直近の競争環境の変化などへのキャッチアップにはしっかり取り組んでいます。
粗利については下期にかけて伸び悩みましたが、第4四半期も営業活動に積極的に取り組んでいます。この取り組みにより、来期の業績予想の達成に向けて、しっかりとしたスタートを切れるのではないかと考えています。
マテリアルリンクスは新規事業を立ち上げたばかりですが、初年度からしっかりと利益を計上する状態に成長しており、引き続き成長に期待しています。
2027年8月期業績予想のポイント

吉田:2027年8月期の業績予想について、3つのポイントをご説明します。
1つ目は、AIの進化を中長期的な成長に取り込むための準備期間と位置付けている点です。粗利は10.7パーセントの成長にとどまっていますが、営業利益としては17.8パーセントと高い成長を見込んでいます。
2つ目は、業務基盤レベルでAIを組み込むことで、生産性向上に取り組む方針です。これは先ほど準備期間と位置付けたポイントとやや重複しますが、この時代に求められる組織への転換をしっかりと行うことが最も重要であると認識し、現在取り組んでいるところです。
3つ目は、PRプラットフォーム事業について、トレプロ事業が着実に顧客基盤を拡大するとともに、マテリアルリンクスでも人員を強化し、事業拡大を見込んでいます。
2027年8月期 連結業績予想

吉田:スライドは、2027年8月期連結業績予想をP/Lの形式で示しています。売上高は96億100万円で前期比プラス10.2パーセント、粗利は65億8,800万円で前期比プラス10.7パーセントの伸び率となっています。
一方、営業利益は13億7,000万円で前期比プラス17.8パーセント、営業利益率は14.3パーセントと、営業利益率の改善も見込んでいます。
なお、こちらは日本基準ベースで示したものになります。
AIによる生産性向上:取り組みの全体像

吉田:先ほどポイントとして挙げていた、AI活用による生産性向上についてです。
当社では、過去の決算発表の中でも取り組みをご紹介してきました。スライドには、それらがどのようなかたちで、どのようなタイムラインで、すなわち時間軸で実際の業績に影響が出てくるのかをイメージとして示しています。
スライド左側には実際の取り組み内容を記載しています。実例をお話しすると、社内で「MAIOS」と呼称しているプロジェクトがあります。「MAIOS」は、AIをOS(オペレーティングシステム)として業務基盤レベルに組み込んでいく取り組みです。
PRパーソンは依然として、人としてしっかりと価値を生み出していきます。なぜなら、PRパーソンの価値は人に内在しているという確信を持っているからです。
一方で、業務の進め方においては、AIを最大限に活用することが大きく生産性に寄与するという点についても確信を持っています。
この点についてはまだ全社的な取り組みには至っていませんが、生産性向上という観点では、一時的な足元の停滞を経て、2027年8月期の後半には効果が現れるのではないかと考えています。
したがって、2027年8月期の下期にかけて生産性向上の効果が現れ、その成果を受けて、2028年8月期には中期経営計画の最終年度として、成果をしっかりお示しできるよう進めていきたいと考えています。
2027年8月期 セグメント別業績予想

吉田:セグメント別の業績予想です。PRコンサルティング事業、デジタルマーケティング事業ともに、昨年の成長率と比較すると、やや控えめな数字になっています。
一方で、全セグメントでのれん償却前営業利益は前期比2桁パーセント成長を見込んでいるため、引き続き着実な成長を実現していきます。
また、先ほどお話しした組織体制の変化やAI活用による生産性向上といった、現場に負荷のかかる取り組みも、この期においてしっかりと実現し、次期以降、特に2028年8月期以降の成果につなげていきたいと考えています。
連結業績予想:営業利益のFY26実績比

吉田:スライドは、営業利益の2026年8月期と2027年8月期の差分を示しています。
PRコンサルティング事業でしっかり伸ばすという部分はもちろんですが、デジタルマーケティング事業やPRプラットフォーム事業においても、着実に営業利益を積み上げる計画です。
連結業績予想:営業利益の日本基準からIFRSへの調整

吉田:2026年8月期の有価証券報告書において開示を予定しているIFRSの導入についてです。スライドは、IFRSの導入がどのようなP/Lインパクトをもたらすのかを示しています。
業績予想では、日本基準に基づき2027年8月期の営業利益は13億7,000万円としていますが、大きな変化としてのれんの償却があります。のれん償却を加算すると、2027年8月期の日本基準ベースで示しているのれん償却前の営業利益は15億5,300万円となります。
ここから、今のところ見込んでいるIFRSと日本基準の差分により、営業利益が増減しています。
ただし、1点注記として挙げているのが、マイナス5,100万円の営業外損益の組み替えによるIFRSの影響で、営業利益が下がる部分です。
この要因は主にM&Aに係る一時的な費用であり、同時にリリースしているVero Marketing Services Pte. Ltd.(以下、VMS社)との基本合意書締結を受け、その一時費用のみを見込んだものです。
2027年8月期のIFRSベースでの営業利益予想は、差し引きの結果として15億900万円となっています。
マテリアルの成長ドライバーの実績と計画

吉田:重要なマテリアルの成長ドライバーの実績と計画についてです。2026年8月期比ではPRパーソンの数を微増にとどめる方針で意思決定を行っています。
一方で、これまでにお話ししたとおり、1人あたりの粗利をしっかりと改善し、その次の期以降の大きな飛躍に向けた重要な期と位置付けています。
デジタルマーケティング事業:成長ドライバーの実績と計画

吉田:デジタルマーケティング事業については、顧客数や顧客単価、特に顧客単価の上昇が主な成長ドライバーになると見込んでいます。
2027年8月期 連結業績予想(上期)

吉田:2027年8月期の上期の業績予想についてです。上期に関して、2026年8月期との対比でお話しすると、粗利はほぼ同水準となる見込みですが、利益ベースでは減益の予想です。
これは、第4四半期の計画からの遅れに加え、足元ではオペレーションの改革など、中長期的に価値をしっかりと出すために必要な取り組みに社内のリソースを多く投入していることが影響しています。
その関係で、パイプラインの充実に遅れが発生しており、上期の業績水準としてはこのような予想となっています。
正直に申し上げると、環境の変化に対応するという点では不可欠なこととは認識しつつも、短期的な業績の変動を招いていることについて、反省しています。
今後は特に中長期的な成長をしっかりと担保することで、ご期待にお応えしたいと考えています。
M&A

青﨑:トピックスと事例をご紹介します。まず1つ目は、M&Aに関連し、東南アジア6ヵ国でPRコンサルティング事業を展開するVeroグループの株式取得に関する基本合意書を締結したことです。
Veroグループは、東南アジアでこれほどのフットプリントを持ち、実際にオフィスにスタッフを配置し、一定の規模でサービスを提供している点で、他に類を見ない稀有な存在の会社だと考えています。
中期経営計画の発表以前から対話を重ね、今回の基本合意に至ったことは、当社の中長期の戦略を考慮した際に非常に重要な一手を打てたのではないかと思っています。
新サービス

青﨑:新サービスのご紹介です。中核子会社であるマテリアルから、PR支援における新たなリテナー契約モデルを発表しました。
「マテリアル・スマートリテナープログラム」というもので、これまで当社はリテナーPR、つまり月額固定の報酬をいただいて広報支援を行うという業務に、あえて力を入れてきませんでした。
当社の売上に占めるリテナーの比率は10パーセント以下ですが、この領域は多くの他社が手がけています。当社は、この領域でAIを活用することで、大きなコストメリットを出せると考えています。そのため、この武器を活かしてリテナー領域にも進出していこうと考えています。
新サービス

青﨑:好調な株式会社マテリアルデジタルから、市場の反応をAIで読み解き、次の打ち手につなげるサービスとして「TSUKUYOMI」の提供を開始しています。
さまざまなマーケティング施策を実施した際に得られる社外の反応は、大量のデータとなります。これを収集し分類した上で、企画案の下書きをAIが行い、その後に専門人材が判断に加わることで、次の一手として何を優先すべきかを速やかに提示できるサービスです。
レーベル設立

青﨑:マテリアルリンクスから新たなレーベル「APPERZ(アッパーズ)」の設立を発表しており、新しいクリエイターも所属しています。
国際会計基準(IFRS)の適用

青﨑:吉田からも説明がありましたが、IFRSの適用を決定しており、2026年8月期の有価証券報告書からIFRSに基づく開示を予定しています。
リアル『ぽこポケ』体験!「ブクブクうみぞこの街」in 横浜赤レンガ倉庫(株式会社ポケモン)

青﨑:具体的な事例については、当社サイトにて動画を公開していますので、ぜひご覧いただければと思います。
スライドに記載の「ポケモン」の事例をご紹介します。「ぽこ あ ポケモン」というゲームの新しい追加コンテンツが発表されるタイミングで、その世界観を横浜の赤レンガ倉庫にそのまま再現するプロジェクトを当社が手がけました。
来場者やメディアから非常に好評をいただいた事例です。
株主還元

青﨑:最後に、株主還元の方針についてご説明します。2026年8月期は1株当たり26円10銭で、予想どおりの配当となっています。2027年8月期については、1株当たり26円40銭に増配を予定しています。
当社の株主還元の方針は、引き続き連結配当性向33パーセントを目安としており、累進配当の考え方を採用しています。
また、高い資本効率が前提にあり、2026年8月期もROEは28.8パーセントとなっています。これを活かし、並行してM&Aなどの成長投資も行うことで、高成長と株主還元の両立を実現していきたいと考えています。
以上で、2026年8月期の決算説明を終わります。
質疑応答:株価への対策と今後のIR施策について
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