ログミーFinance×コエキク 個人投資家向けIRセミナー ダスキン
ダスキン、「ミスタードーナツ」好調でフードグループの利益が伸長 配当性向60%を掲げ、株主優待制度も拡充
会社概要

宗幸一郎氏(以下、宗):みなさま、初めまして。株式会社ダスキン経営企画部IR室室長の宗です。本日はどうぞよろしくお願いします。
会場にお越しいただいたみなさま、改めまして、お集まりいただきましたことに、まずはお礼を申し上げます。
当社は大阪で創業し、設立は1963年と、今から約60年前のことです。上場したのは2006年12月で、上場以来約20年が経過しています。
フランチャイズ事業を展開している会社で、お掃除用具のレンタルやフード部門では「ミスタードーナツ」の運営を行っています。基本的には、フランチャイズの会社だと考えていただければと思います。
ダスキンの原点

宗:私たちの会社について、創業時にどのような人物が何を思い、その思いが現在にどのように活かされているのかという点に興味を持たれる方もいらっしゃると思います。この点についてお話ししたいと思います。
当社の創業者は鈴木清一です。彼は高齢になってからもさまざまな困難を乗り越え、ダスキンという会社を立ち上げたと伝えられています。創業当初は、黄色い化学ぞうきんの製造・販売からスタートしました。
この黄色い化学ぞうきんを覚えている方がこの会場にいるかどうかはわかりませんが、もしかするとご両親が使用していたかもしれません。昔は板の間が多く、ぞうきんを水で濡らして絞って掃除をすることが一般的でした。
冬でも毎日水拭き掃除をされていた方にとっては大変な作業でしたが、この黄色い乾いたぞうきんを使うと埃が驚くほど取れ、水を使わずに掃除ができる「魔法のぞうきん」と言われる商品となりました。
そして、この商品をフランチャイズという仕組みで事業展開することが始まったのです。現在ではフランチャイズは一般的な仕組みですが、当時、今から60年以上前の時代にこうした仕組みを用いて事業を展開し喜びや感動で人を笑顔にする、社会に貢献することが、創業者・鈴木清一の願いでした。
その後、1971年にミスタードーナツ事業を開始しました。同時にサービスマスター事業も展開しました。サービスマスター事業では、エアコン清掃などのサービスを手がけ、これを全国に展開することで現在のかたちへと発展してきました。
また「祈りの経営」と「道と経済の合一」を本気で願い実現しようとしたということです。
「道」は、人としてあるべき姿や社会全体としての理想を表す言葉と捉えていただくとよいかと思います。また、資本主義が持つ「経済」という特性を、大きく分断するのではなく「合一」していくという考え方で、本気で取り組んでいたと考えられます。
これは、現代で言えば「CSV経営」、すなわち社会課題の解決と企業価値の向上を同時に実現するという概念に通じます。この概念は2011年頃にアメリカの経営学者が体系化・提唱した概念ですが、私たちもこの考え方を理念として事業展開に結びつけ、さまざまな取り組みを行っているというのが私たちの姿です。
ダスキンのフランチャイズシステム

宗:本日は、私たちのフランチャイズを見る際に押さえておくべきポイントについてお話しします。
スライド下部の赤色と青色の数字をご覧ください。赤色の数字は「お客様売上高」と呼んでいますが、これは私たちの商品やサービスを実際にお客さまが利用した際に支払われる総額を表しています。
つまり、市場価値に基づく評価で、私たちの商品やサービスに対する支払額の総額が4,667億円となっています。ただし、これは当社の売上そのものではありません。ここがポイントで、青色の数字で示している連結売上高は1,945億円で、2026年3月期の実績となります。こちらが当社の売上となります。
本部とお客さまの間には加盟店があります。当社は加盟店を介してビジネスを展開しており、私たち本部は加盟店に商品やサービスを提供することで、例えば原材料やロイヤルティなどが売上となる仕組みです。この構図が重要なポイントです。
また、本部と加盟店の間には経営理念への賛同があります。最近は「パーパス」や「ビジョン」といった言葉が使われることがありますが、ありがたいことに当社では創業者が残した経営理念があり、この理念に賛同いただける加盟店さまが加盟の条件となっています。
この方針は、創業時から変わらない大きな特徴です。
スライドには6,847拠点と記載されていますが、これは全国で当社が商品やサービスを提供している延べ拠点数を指します。延べ数というのは、例えばエアコン掃除を提供する事業の拠点と家事代行を提供する事業の拠点が同じ建物内に併存している場合、それぞれを2拠点として数えるということです。
セグメントと売上構成

宗:セグメントと売上構成についてです。
セグメントは大きく訪販グループ、フードグループ、その他に分かれています。売上構成では、2026年3月期の実績において訪販グループが全体の約56パーセントを占めています。クリーンサービス、ケアサービス、シニアケアといったカタカナが並んでおり、「何ですか?」と感じる方もいるかもしれません。
クリーンサービスについては、モップやマットなどの掃除用具のレンタルサービスを提供しており、家庭用では4週間に1回、事業所では2週間に1回の交換などを行っています。
クリーンサービスは構成比で最も大きく、レンタルビジネスが特徴的です。
ケアサービスは、役務提供に該当します。具体的には、お客さまのところに直接出向いてエアコン掃除や家事代行、庭木の手入れなどを行うサービスを指します。
さらに、これから注目されると考えられるのがシニアケアです。今後の発展が期待される分野であり、こうした事業を担っているのが訪販グループです。
もう1つのセグメントはフードグループです。ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、「ミスタードーナツ」はダスキンがフランチャイズ本部として運営しています。
この「ミスタードーナツ」が最近非常に伸びています。フードグループの中では他にも事業を展開していますが、ほとんどが「ミスタードーナツ」だと考えていただければと思います。
また、訪販グループとフードグループに属さない海外事業の一部などが、その他という構成になっています。当社は連結売上高の規模として約2,000億円弱の会社とご理解いただければと思います。
坂本慎太郎氏(以下、坂本):この訪販グループが御社の売上の半分以上を占めているとのことですが、現在、インフレが進む中でさまざまなコスト増が起きています。これについて、価格改定は実施されているのでしょうか?
また、価格改定を行った場合、顧客の解約などが発生したのかどうか、現状のコスト状況とそれに伴う解約パターンについて教えていただきたいと思います。
宗:価格改定は、特に消費者に直結するサービスを実施する企業にとって避けて通れない道かと思います。当社においても、特にレンタル部門の家庭用商品については2022年7月に価格を大きく改定しましたが、それ以降は変更していません。
一方で、2026年4月からは事業所向けマットの価格を少し変更しています。この背景には、原材料費の高騰や、洗浄や加工時にかかるコストの上昇があります。例えば、ナフサ由来のコスト増も含まれています。
坂本:石油由来の原材料ですね。
宗:おっしゃるとおりです。その値段が非常に上がっているため、やむを得ず価格を引き上げている状況です。ただ、直近では値上げを行ったものの、お客さまが大幅に減少するという状況には至っていません。
ありがたいことに、消費者の方々をはじめとする多くの方に受け入れられながら、価格改定を進めているのが現状です。
中期経営方針2028 の連結業績目標

宗:現在は2027年3月期にあたり、スライド右側から2番目が今期の業績目標です。8月に第1四半期決算を発表しており、業績予想を修正した数値で示しています。現在のところ、売上高は2,029億円、営業利益は101億円となっています。
来年は中期経営方針の最終年となります。中期経営計画といった表現もありますが、当社では中期経営方針と呼んでいます。3年目が来年にあたりますので、目標に向けて現在取り組みを進めている状況です。
「ROEが少し低いのではないか?」とおっしゃる方がいらっしゃるかもしれません。当社はまずROE7パーセントを着実に達成することを目標に掲げ、売上の拡大や収益性の改善を通じて、ROE7パーセント以上を目指しています。
「中期経営方針2028」がスタートした時の2025年3月期から見ると、連結売上高で190億円、営業利益で34億円を増やす計画として進めています。
坂本:足元の売上高と計画が非常に伸びている中で、利益の伸びが特に顕著だと感じています。
特に連結営業利益の達成に向けて、御社のセグメントである訪販やフードのどの部分がドライバーとなっているのか、また大きな営業利益の伸びにつながっている部分について教えていただけますでしょうか。
宗:当社ダスキンのセグメントは、大きく分けて訪販とフードの2つしかありません。結果として足元で大きく利益が伸びているのはフードグループであり、特に大きな伸びを見せているのはミスタードーナツの事業です。
「ミスタードーナツはなぜ伸びてきているんですか?」「なぜ、このところは収益が良くなってきたんですか?」というよりは、「前がなぜ悪かったんですか?」のようなところにつながってくると思います。
ここはみなさまが疑問に思われるところかと思いますので、少し概略をご説明します。フードグループはかつて赤字の時期もありました。
坂本:確かにありましたね。
宗:「ミスタードーナツ」は、店舗数が非常に多かった時期がありましたが、そこからどんどん閉店が続き、1年間で延べ70店舗ほど閉じていた時期がございました。
新規出店もあったものの、店舗数は毎年70店舗ずつ減少し、1,300店舗以上あった店舗が950店舗程度まで減りました。これはコロナ禍の直前からコロナ禍にかけての時期で、この間に店舗数が大幅に減ったことで、売上も低迷し、非常に苦労した時期がありました。
その中で私たちはさまざまなことを見直し、セールをやめました。以前は100円セールを実施していました。「100円セールはもうやらないのですか?」と訴えかけられても、価格による競争ではなく、商品そのもので勝負するという方針を取りました。
セールをやっていたから100円になる、セールをしていないと価格が上がるという考え方ではなく、商品の価値をしっかりと担保し、納得できる価格を設定することを重視しました。この見直しを行ったのが2016年の秋だったと記憶しています。
その後、商品戦略を見直しさまざまな取り組みを行った結果、巣ごもり需要が出た際には、お持ち帰りでドーナツを楽しんでいただく機会を作ることができました。当時、1週間に1回しか買い物をしないといった状況の中で、たまたま立ち寄った「ミスタードーナツ」で「ポン・デ・リングがあるね」「オールドファッションがあるね」といったテイクアウトの需要が急速に増加しました。
こうした商品開発や取り組みが、現在の「ミスタードーナツ」の売上と利益の基盤となっています。また、皮肉にもコロナ禍で大きく環境が変化した際、私たちが持っていたシナジーがテイクアウトビジネスとの親和性の高さというかたちで現れ、ドーナツの好調につながったと考えています。
「これから伸びるところはどこですか?」「訪販はどうなんですか?」については、訪販グループも非常に重要な局面を迎えています。近年ではレンタルマット・モップへのRFID(電子タグ)の導入や新商品投入などに伴う先行投資や、昨年導入した「ケース付きモップクリーナー」は、フランチャイズ加盟店に初めて出荷する際に原価を一括計上するため原価が上昇しましたが、原価先行計上影響が改善される見通しです。
これからは多様なサービスを展開し、さまざまな分野に新たな仕掛けを行っていきます。これらを総合的に伸ばしていく方針です。
中期経営方針2028 基本方針

宗:「中期経営方針2028」の基本方針について簡単にご説明します。
「新たな事業への新化」「周辺事業への進化」「既存事業の深化」と、スライド下部にある経営テーマの4番目「経営基盤の強化」が非常に重要です。この4番目のテーマが含まれていることが中期経営方針の特徴となっています。
「経営基盤の強化」とは何かという点について、現在、上場企業に求められているのは、例えば取締役会の実効性をいかに高めていくかということや、建設的な議論を進めるための仕組みを整備することです。
会社内部で情報整理を行い、議案を上程する際には、議案の整理や事前協議をきちんと進めることが求められています。
私たちもこうした課題に対する取り組みを1年目からしっかりと進めており、一見してわかりにくいかもしれませんが、足元で着実にさまざまな活動を行っていることを、本日お伝えしたいと思います。
訪販グループ 周辺事業への「進化」の取り組み

宗:訪販グループの「進化」の取り組みについてご説明します。「訪販」とは訪問販売の略です。この説明を付け加えないと、「訪販」が何を指しているかわかりにくいと思いますので、補足しました。
私たちには既存のさまざまなブランドがあります。
スライド右側にはカラフルな色で「ダスキン」「サービスマスター」「ターミニックス」「メリーメイド」「トータルグリーン」「ホームリペア」といった名前が記されており、これらはそれぞれブランド名です。
それぞれのブランドごとに加盟店と契約を結んでおり、独立した事業として運営されています。これから訪問グループがどのような活動をしていくのか、今日はその領域やコンセプトについて簡単にお伝えしたいと思います。
当社の一番の強みは何かというと、例えばモップやマットなどのレンタル品を交換する際、お客さまのところに4週間に1回訪問し、「こんにちは。今日も持ってきました。よろしくお願いします」と直接お会いしてお話しする機会があるという点です。
最近では、ネットを通じた人を介さないサービスが非常に多くなっていますが、専門用語でいう「ドアオープナー」として、人と人とが直接接するサービスが重要な役割を果たしています。
玄関の鍵を開けて一緒に入ることをサービスとして内包している点が、私たちの強みではないかと思います。そこを基軸として、家で困っているさまざまなことについて、なにかお役に立てることがもっとたくさんあるだろうと真剣に考え、新たな取り組みを検討しています。
その一例として、暮らしの安心駆けつけ「ダスキンレスキュー」が挙げられます。これは、鍵に関連するサービスです。みなさまはふだん、鍵を落としたりすることはあまりないかもしれません。
困っている方がいらっしゃる場合、例えば鍵が開かなくなってすぐに開けてほしいといったトラブルに対応するサービスを用意しました。しかし、実際に運営してみると、そのような緊急対応の需要よりも、マンションやアパートなどの定期的な鍵交換の依頼のほうが圧倒的に多いことがわかりました。
料金を明確化して仕組み化し、この値段でこのようなサービスを提供すると提示することで、「当社がやっているなら」ということで多くの需要が寄せられたためです。特に首都圏の賃貸物件の入れ替えに伴う鍵の交換などの需要が非常に多いことが判明しました。
そうした需要と、緊急駆けつけの両方に対応するため、2028年3月期までに全国で100拠点以上の展開を目指し、現在スタートしたところです。
フードグループ 周辺事業への「進化」と既存事業の「深化」の取り組み

宗:フードグループについて、先ほどと重複する部分は省略します。
「かつアンドかつ」についてです。こちらはとんかつレストランで、地域は近畿限定となっており、直営店のみの展開となっています。私も個人的によく利用しますが、大きめのテーブルで比較的リーズナブルな価格ながら、しっかりとしたとんかつ料理が楽しめるお店です。
ただし、設備投資がかかるため、最近はフランチャイズ展開が難しい面もあります。それでも、いずれはフランチャイズ展開を目指していきたいと考えている事業です。
「ナポリの食卓」をご存じでしょうか? 北関東に行くと見かけることがありますが、イタリアンレストランとなります。このブランドについては、当社がM&Aによって取得し、現在は私たちの傘下でさまざまな取り組みを進めています。
「ミスタードーナツ」についても触れたいと思います。あまり詳しく話すとご指摘をいただくかもしれませんが、「もっちゅりん」の商品についてです。昨年から発売を開始し、今年も継続して提供しましたが、おかげさまで非常に好調でした。
一方で、みなさまに商品が行き届かなかった点や反省すべき点も多くございました。これらを踏まえ、今後の展開に向けて、改善につなげたいと考えています。
スライドに記載のある「各オペレーション支援機器の導入」について、AIスキャンなどの技術を活用した取り組みを示しています。以前は「省人力化」と呼んでいましたが、現在は「省力化」という新しいコンセプトに基づいて進めています。
この取り組みでは、人を排除するというよりも、人の作業を補助するというかたちを意識しています。AIや画像処理技術を応用しつつ、人の手が必要な作業を効率化し、圧縮していくための取り組みを行っています。このような内容が、フードグループの取り組みの概要です。
海外事業の拡大

宗:ここからは、海外についてお話しします。私たちはフランチャイズを活用し、アジア圏を中心に展開できる地域に出ていこうと取り組んでいますが、特にポイントとなるのが中国です。
上海には9月28日に「ミスタードーナツ」の1号店を出しました。スライドには再進出と記載していますが、実際には一度出店し、その後撤退しています。2000年に進出し、2019年に撤退しました。
今年、再び出店しましたが、以前の事情と現在の事情はまったく異なります。
そして、アジア圏で私たちのビジネスを成功させるためには、現地の事情に精通した方々と知恵やノウハウを結集して取り組む必要があるという点が重要です。
今回の出店は、マスターフランチャイズという仕組みに基づいています。この仕組みは、契約した地域について、その加盟店に任せるかたちを採用し、私たちは原材料の供給やロイヤリティから売上や利益を得る戦略をとっています。
その方針が適切であると判断し、新たな展開を進めました。おかげさまで、1号店は非常に好調に推移しているのが現状です。
坂本:上海への再進出について、スライドを見る限り、子会社というかたちで進められるようですが、そのスピード感についてお聞かせいただけますでしょうか?
宗:ミスタードーナツにおいては、子会社ではなくマスターフランチャイズでの進出となります。アジア圏での展開において、例えば最近ではシンガポールに進出し、その後香港、そして現在は上海へ進出しています。ただ、1店舗を出して2店舗目がなかなか出せないと、似たようなお店がすぐに出店されてしまい、本家が知らない間に潰れてしまうといったことが、一般的によくあると聞いています。
したがって、計画的に、次の物件などを早めに確保しつつ、できるだけ速やかに新店舗を出していくのが重要です。ご指摘いただいたとおり、特にアジア圏ではそのようなスピード感が求められるため、現在は急ピッチで進めています。
株主還元

宗:株主還元についてお話ししたいと思います。スライドには「成長への投資を優先した上で、配当に加え、財務の状況等を勘案し、機動的に自己株式の取得を行う」と記載があります。
成長への投資という点について、例えばフランチャイズというビジネスは、実はあまり投資がかからないモデルです。工場を建設するわけではなく、事業展開の際にはお店の設立を加盟店が行うことが多いためです。
ただ、それだけではなく、M&Aなどの施策を取り入れながら、成長への投資を優先して行っています。スライドに記載した「配当に加え、財務の状況等を勘案し」は、この点について表しています。
配当に関しては、当社は連結配当性向を60パーセントとしており、今期の利益の6割を株主に還元する方針を掲げています。
100億円を稼げば、60億円を配当として還元するということを掲げているとご理解いただければと思います。「もし今年赤字だったら配当はゼロですか?」「いや、そんなことはございません」ということです。
自己資本配当率(DOE)について、詳細なご説明はここでは割愛します。一定の下限を定めており、たとえ今年の業績が厳しくても、一定の割合は必ず配当することをお約束しています。これも同じくスライドに記載されています。
配当利回りですが、昨日の株価は4,800円台でした。おかげさまで最高値を更新した状況です。「最高値をつけたら買いにくいだろう」というお声があるかもしれません。利回りについては若干下降気味に見えるものの、現在はそのような状況となっています。
坂本:配当方針については、配当性向と自己資本配当率(DOE)の両方を設定しており、どちらも高い配当額を維持している点が非常に株主に対して積極的な姿勢だと思います。
このように配当性向と自己資本配当率(DOE)の両面を備えた会社は非常に魅力的で、株主にとっておすすめの企業と言えます。ただ、それはさておき、この方針は今後も継続していくのでしょうか?
フランチャイズ事業であまりコストがかからない分、配当を出しやすい構造にはなっていると考えますが、この配当方針の持続性や、将来の見通しについて「こうしたい」があれば教えていただけますでしょうか?
宗:この配当方針は中期経営方針を組み立てる際に定めており、基本的には3年間で更新していくイメージです。現在、ちょうど1年半が経過したところですので、2028年3月期まではこの方針を大きく変更することはないとご理解いただければと思います。
株主還元 株主優待について

宗:株主優待についてです。当社は3月末決算の会社であるため、9月末と3月末に優待が付与されます。この優待は当社の商品やサービスで利用でき、「どこで使えますか?」という点が重要なポイントとなっています。
株主優待のご利用先について、スライドに一部例が記載されています。具体的には、マットやモップのレンタルを含むクリーンサービス、サービスマスター、エアコンの清掃などに利用が可能です。
ただし、おそらく一番大きな利用先は「ミスタードーナツ」の店舗でのご使用だと思います。ここにいらっしゃる方々の中では、「近くにミスタードーナツがないんだよ」というお叱りの声があるかもしれません。
以前は一等地に多く出店していましたが、現在は撤退後になかなか出店できない状況もあり、都心にそれほど多く店舗があるわけではないという認識です。
ただし、1つ良いポイントとして、株式会社モスフードサービスさまでも株主優待をご利用いただけます。「ミスタードーナツ」の優待をお持ちの方やこれからお持ちになる方は、株式会社モスフードサービスさまでもご利用可能です。
また、逆に株式会社モスフードサービスさまの優待も「ミスタードーナツ」でご利用いただけるという、珍しい仕組みとしてご好評をいただいています。これが大きな特徴だと考えています。
株主優待制度

宗:優待制度についてです。今年1月に制度を変更しました。ただし、変更を発表しただけで、実際に適用されるのは2027年3月末の基準日からとなります。これまで100株、300株のみの設定だったものを、500株まで拡大しました。
「いきなり500株なんか買えないよ」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、少しずつ積み立てていただき、株数が増えていくことで、そのメリットを享受していただけるようにしました。この制度を作るにあたっての狙いや考えについて少しご説明したいと思います。
現在、当社の株主に占める個人株主の割合は4割を超えています。個人株主が4割を超えている企業はあまりないと考えています。上場会社の平均では、さらに低い割合です。
当社の場合、消費者の方が株主ともなり、いわゆるファン化のようなかたちを目指しています。これは昔からの方針であり、今後もこの方向を掲げ続けていきます。
従来は100株を保有している方の利回りが高く、300株保有の場合の利回りが低い仕組みでしたが、それを見直す必要があると考え、今回の変更を行いました。例えば、3年間で500株を保有した場合、優待利回りが約3.4パーセントまで上昇します。
ただし、現在の株価がやや高めであることから、低く見えるかもしれません。それでも、通常の配当利回りである2.7パーセントから2.8パーセントと比較すると、これだけ上昇することになります。
私たちは、株主のみなさまにファンの一員となっていただくことを目指しています。消費者、株主、従業員と共に企業価値を高め、ステークホルダーのみなさま全員が幸せになることを願い、この制度を作りました。この思いをお伝えしたいと考えています。
では、私からのご説明は以上とします。ありがとうございました。
質疑応答:中国フードサービス市場への再進出戦略について

質問者:おうかがいしたいのは、フードサービスについてです。以前、中国で展開していたものの撤退されたと聞いていますが、上海への再進出については、拠点として子会社が運営する予定ということでよろしいでしょうか?
中国は人口が14億人と多いため、進出が進めばよいと思いますが、戦略的にはどのような展開を予定しているのか教えてください。
宗:スライドは、今日のご説明以外にもさまざまな詳細を補足する内容です。今回のマスターフランチャイズ契約に関してご説明します。
私たちは山東省、江蘇省、上海市、浙江省を中国華東地域と定義し、この地域で展開する法人の方々に、私たちが権利を付与するかたちを取っています。
つまり、現地法人が事業展開を行う仕組みです。これについては開示文書にも記載されていますが、その会社と提携するかたちで展開を進めています。
マスターフランチャイズ契約に基づき、当社がすべてを直接展開するのではなく、例えばA社がその役割を担い、当社としてはノウハウ提供や、看板使用の許可を付与します。
また、原材料の供給についても重要で、中国市場で安定した供給ルートを構築することが必要です。これらの体制を整えた上で提携を進めることで、今回の展開が実現しているという内容です。
以前は直接会社を設立し、当社が全面的に展開を行っていました。この方法ではリターンは大きい一方で、現地の事情に対応しきれず、立地や出店方法などで多くの困難が生じました。日本人が日本式のやり方を持ち込んで展開するのは、現地ではうまくいかないことがあると反省を活かしています。
そこで、現地に精通したノウハウを持つパートナーと提携することで、適切な場所に適切なかたちで事業展開が可能となりました。実際に香港でこのマスターフランチャイズ契約方式を試したところ、大変うまくいきました。
以上の結果から、中国市場ではマスターフランチャイズ契約方式が私たちにとって最適な戦略であると判断し、採用しています。このようにご理解いただければと思います。
質問者:中国と香港は文化や背景が異なるため、同じように考えないほうがよいのではと感じました。マスターフランチャイズ契約は、中国の現地企業と行われるのですか?
宗:おっしゃるとおりです。今回新しく契約を結んだ社長は日本にいらっしゃいます。その方は日本に住み、日本のことをよく知っている方です。また、幼少期から「ミスタードーナツ」を経験されており、「ミスタードーナツ」に対して非常に深い理解をお持ちです。
その方と面談を重ねる中で、私たちがその方と協業することが最適な選択だと判断し、中国で展開することを決めました。
質疑応答:株価分割の計画について
質問者:今日のご説明でも株価が高いというお話がありましたが、株式の分割は検討されていないのでしょうか?
宗:株式分割に関して、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、東証から言われている基準で「5,000円を超えたら検討しなさい」ということがあります。
当社はこれまで1度も株価が5,000円を超えたことがなく、これはもう少し手前まで来ています。ただ、株価が基準に達すると、「検討しなさい」ということで、会社内で分割を検討する可能性が出てくることは否定できません。
ただし、現時点で分割を行うかどうかの話し合いが会社内で行われているわけではなく、そのような事実はないことをお伝えしたいと思います。
質疑応答:フランチャイズ加盟店の業績状況について
質問者:御社のビジネスモデルとして、フランチャイズ加盟店とともに繁栄していくということが重要かと思いますが、現在のフランチャイズ加盟店の業績の状況について教えていただけないでしょうか?
宗:フランチャイズ加盟店について、私たちは長年、加盟店とともに歩んできました。フランチャイズの形態は、本部が強いかたちで進めるやり方も可能かと思いますが、私たちは加盟店と共存を本気で考え、加盟店に注力して事業を進めてきた自負があります。
ただ、本当に事業として成長していくためには、お互いに切磋琢磨しながら、本部が加盟店を支えつつ、共に成長する共存共栄が可能かどうかが試されていると思います。まさにご質問の趣旨どおり、これから成長できるか否かが問われています。
この点については、現経営幹部を含む私たち全員が真剣に考え、目指すべき姿が見えづらい中でも取り組んでいることをお伝えしたいと思います。
宗氏からのご挨拶
宗:ご説明をお聞きいただきありがとうございました。最後にお話ししたとおり、株主の方とともに私たちは発展したいということを経営陣が掲げています。
したがって、現在のような優待の改正や、現社長が「私が社長をやっている間は優待はやめません」と宣言していることから、今回の説明会が、「ダスキンという会社もあるよ」と投資先の一つとして考えてただけるきっかけとなれば幸いです。本日はありがとうございました。
新着ログ
「サービス業」のログ





