2026年6月期決算説明
AeroEdge、26年6月期営業利益は前年比74.8%増で過去最高 「LEAP」ブレード販売増や新材料の受託開発が寄与
26年6月期 決算ポイント

森西淳氏(以下、森西):本日はお忙しい中、AeroEdge株式会社の2026年6月期決算説明会にお集まりいただき、誠にありがとうございます。AeroEdge株式会社代表取締役社長兼執行役員CEOの森西淳です。よろしくお願いします。
本日は、初めて当社をご覧になる方もいらっしゃると思いますので、まず簡単に会社紹介します。
当社は、航空機エンジンの部品メーカーです。世界で最も売れている「LEAP」エンジンに搭載されるチタンアルミ製タービンブレードを、グローバルシェア40パーセントで供給しています。
それでは、2026年6月期の実績についてご報告します。事業内容の詳細は、スライド45ページ以降に掲載していますので、併せてご参照ください。
2026年6月期の決算ポイントについてご説明します。まず、市場環境について、当社の主要製品であるチタンアルミブレードを搭載した「A320neo」ファミリーおよび「737MAX」は、需要拡大に伴い、受注残が引き続き高水準で推移しました。
業界全体においてサプライチェーン上の課題は継続しているものの、徐々に回復傾向が見られ、両機種ともに増産傾向にあります。
特に品質上の課題を抱えていた「737MAX」については、米連邦航空局による生産上限の引き上げを受け、増産を進めています。
当社の事業概況は、インフレなどを背景に各種コストは増加傾向にあります。一方で、主要事業であるチタンアルミブレードの需要は強く、販売枚数は両機種向けともに順調に増加しました。
さらに、新たに契約したチタンアルミブレードの新材料供給に関連し、利益率の高い受託開発売上を計上しています。
一方で、複数の新規案件を同時並行で立ち上げるとともに、人材採用を積極的に進めたことから、引き続き費用が先行しました。
新案件として、航空機エンジンA部品では追加エンジンテストが必要となり、量産開始が1年程度遅れましたが、B部品については量産を開始しています。その結果、チタンアルミブレードの販売増や受託開発売上も寄与し、売上高および利益は過去最高を記録しました。
数値の詳細については、後ほどご説明します。
その他のトピックとして、当期はチタンアルミブレードの新材料供給やシェアアップに向けた契約締結、それに伴う設備投資の決定、そして38億円の新規借入契約を進めました。
また、立会外分売や株式分割といった資本政策面での施策を通じ、株主さまの投資環境の整備に努めてきました。
当期は、オノプラント社を当社グループに迎えることができました。同社は国内大手重工向けに機体部品や防衛関連部品を供給しており、海外OEM向けエンジン部品を手がける当社とは顧客および製品の双方で相互補完の関係にあります。
グループとして、エンジン部品のみならず機体部品や防衛ビジネスへポートフォリオを拡大し、さらなる成長を目指していきます。
以上が、決算のポイントとなります。
AeroEdgeの成長戦略

各成長戦略の進捗状況についてご説明します。現在、当社は4つの成長戦略を進めています。
1つ目は「LEAP」エンジン用チタンアルミブレードの加工販売拡大、2つ目はチタンアルミブレード新材料の量産供給、3つ目は新規案件の拡大、4つ目はMROビジネスへの進出です。
4つ目のMROビジネスについては、現在、技術開発段階にあります。そのため、1つ目から3つ目の状況についてそれぞれご説明します。
成長戦略の進捗状況

まず、スライド左側に記載されている「LEAP」用チタンアルミブレードの加工販売についてご説明します。
「LEAP」エンジンは、世界で最も売れている航空機エンジンであり、需要が拡大しています。チタンアルミブレードは加工が非常に難しい部品であり、世界で当社を含めた2社のみが供給しています。また、当社は2034年までの長期契約を実現しています。
当社の現在のグローバルシェアは40パーセントですが、契約により40パーセント台後半に拡大する予定です。そのため、キャパシティ拡大を目的に約24億円の設備投資を進めています。
成長戦略の2つ目は、スライド左側から2つ目に記載されたチタンアルミブレード新材料の量産供給です。
チタンアルミブレードの材料は現在、欧州企業1社のみが供給していますが、当社は材料供給から加工までを担う垂直統合と収益拡大を目指し、数年にわたり新材料の開発に取り組んできました。
その結果、新材料の量産化にめどが立ち、早期にSAFRAN社との供給契約を締結することができました。
チタンアルミブレードを材料から加工まで一貫生産できる企業は、世界で当社のみと認識しています。現在、量産開発を加速するとともに、合計26億円の設備投資を進めており、2027年初めには量産工場が完成する予定です。
2028年から2029年頃をめどに、自社で加工するチタンアルミブレードの全量を新材料に置き換えることを目指しています。
成長戦略の3つ目は、新規量産案件の拡大です。スライド左側から3つ目の航空機エンジンA部品について、「LEAP」以外のエンジン用部品であり、販売先もSAFRAN社以外となります。
本来であれば今期に量産を開始する予定でしたが、顧客側で追加のエンジンテストが必要となったため、量産開始が1年程度遅れる見込みです。
スライドの左側から4つ目の航空機エンジンB部品も「LEAP」ではない別のエンジン用部品であり、SAFRAN社以外のグローバル航空機関連メーカーが顧客となります。量産難易度は高かったものの、早期に量産を開始し、2027年6月期から収益化する予定です。
なお、売上規模としては航空機エンジンB部品のほうが大きくなると考えています。
当社LEAPチタンアルミブレード売上と、エンジン、機体生産量の関係

当社の売上がどのように決まるのかをご説明します。初めて当社をご覧になる方は、スライドをご理解いただければ、以降の数字が理解しやすくなるかと思います。
スライドを上から順にご覧ください。起点はAirbus社やBoeing社が「A320neo」や「737MAX」を月に何機生産するかというところから始まります。機体1機にはエンジンが2基搭載されます。ただし、「A320neo」では競合エンジンとの選択制となっており、「LEAP」エンジンの搭載比率は現在約7割とされています。
その「LEAP」エンジン1基には、当社のチタンアルミブレードが百数十枚搭載されており、この必要枚数のうち40パーセントを当社が契約に基づき供給しています。
つまり、機体の生産レートが上がると、エンジン基数やブレード枚数、そして当社の売上に直接連動する構造となっています。
現在、ブレードの材料はSAFRAN社から無償で支給されており、当社の売上は加工代に相当します。逆に言えば、材料を当社が供給することで、1枚当たりの売上と利益を大幅に拡大することが可能です。これが、チタンアルミブレードの新材料供給を目指す狙いです。
LEAP市場動向(A320neoファミリー・737MAXの受注残機数)

航空機種類別の受注残機数の状況をご説明します。当社のチタンアルミブレードが搭載される「A320neo」「737MAX」「C919」は、航空機市場で最も受注残が多い3機種です。
「A320neo」は約7,400機、「737MAX」は約5,400機と、それぞれ12年程度の受注残が積み上がっています。また、中国COMAC社製の「C919」も多くの受注残が残っています。これらはコロナ禍後の航空需要の急拡大に伴い、中小型機の需要が急速に高まっていることによるものです。
サプライヤー不足などにより、この高水準の受注残を消化するのに時間がかかっていることが業界全体の課題となっていますが、各社は対応のために増産を進めています。チタンアルミブレードの販売も間違いなく成長していくと考えています。
LEAP市場動向(A320neoファミリー・737MAXの受注・納入機数)

「A320neo」および「737MAX」の受注・納入状況についてご説明します。
スライド左側は「A320neo」の状況となります。2026年上半期の月間平均納入機数は45機ですが、Airbus社は2027年までに月産70機から75機まで生産を引き上げることを公表しており、生産拡大が期待されます。
なお、2026年上半期の納入機数は前年の51機と比較して減少していますが、これは主に「LEAP」エンジンの競合エンジンである「PW1100G」の納入遅れが影響しています。そのため、中長期的には当社製品が搭載される「LEAP」エンジンには追い風になると考えています。
スライド右側は「737MAX」の状況です。品質問題の影響で2024年の月間平均納入機数は22機と大きく減少しましたが、2026年上半期には40機と急増しています。さらに、FAAの生産上限引き上げもあり、現在は42機まで増産が進行しています。
Boeing社によれば、2026年度中には47機、その後52機まで増産する見込みであり、今後のさらなる拡大が期待されます。両機種ともに、供給課題は継続しているものの、中長期的には拡大すると考えています。
LEAP市場動向(LEAPエンジンの納入基数)

SAFRAN社とGE Aerospace社の合弁企業であるCFM International社による「LEAP」エンジン全体の納入基数の推移です。
ご案内のとおり、「LEAP」エンジンの生産数と当社の販売数は高い相関関係があります。「LEAP」エンジンの2025年7月から2026年6月の納入基数は2,103基であり、前年同期の1,472基から約43パーセント増加しました。
決算の状況について、取締役兼執行役員CFOの今西からご説明します。
当社のLEAPチタンアルミブレード販売量(エンジン基数換算)の推移

今西貴士氏(以下、今西):AeroEdge株式会社取締役兼執行役員CFOの今西です。よろしくお願いします。それでは、私から決算の詳細についてご説明します。
当社のKPIであり、売上高の前提となる、当社が販売しているチタンアルミブレードが搭載されるエンジン基数の推移についてご説明します。当社の現状の売上はチタンアルミブレードの販売に依存しているため、このKPIは当社の業績において重要な指標となっています。
当期に当社が販売したチタンアルミブレードが搭載されるエンジン基数は847基で、前期の639基から32.6パーセント増加しました。「A320neo」「737MAX」向けともに順調に増加していますが、絶対数としては「A320neo」向けが多く、伸び幅としては「737MAX」向けが高くなっています。
また、先ほどのご説明のとおり、「LEAP」エンジンを販売しているCFM International社が同期間に機体メーカーに納入した「LEAP」エンジン基数は2,103基となっています。そこに、当社のグローバルシェア40パーセントを掛けた数字は841基となります。
当社の販売数は847基相当で、概ね連動した水準となっています。
連結決算へ移行

決算数値をご説明します。当社は早期にオノプラント社を完全子会社化したため、連結決算に移行しています。ただし、当期は貸借対照表のみを連結しており、連結損益計算書にはオノプラント社の損益は含まれていません。
売上高については、単体と連結で同様です。一方、利益については、M&A関連費用に相当する分だけ連結の利益が減少しています。
売上高推移

売上高についてご説明します。当期の売上高は前期の約36億円から14億8,000万円増加し、過去最高の50億8,000万円となりました。増加率は41.2パーセントと高い水準を記録しています。
航空機エンジンA案件については量産の開始が遅れ、航空機エンジンB案件は量産を開始したものの、売上計上が2027年6月期からとなるため、2026年6月期にはこれらの売上は計上されていません。
チタンアルミブレードの販売増加に加え、新材料に関する受託開発で約3億円の売上を計上したことや、円安の影響により、期初予想の49億3,000万円、上方修正後の50億5,000万円を上回る水準で着地しました。
営業利益推移

営業利益についてご説明します。スライドは、営業利益の推移です。当期の営業利益は前期の6億5,000万円から4億9,000万円増加し、過去最高の11億4,000万円となりました。増加率は74.8パーセントと高い水準です。
新案件の立ち上げ遅れや人材採用の積極化による人件費などの各種費用の増加がありましたが、チタンアルミブレードの販売増加、利益率の高い新材料の受託開発による売上の計上、円安といった要因により、期初予想の8億1,000万円、上方修正後の予想10億7,000万円を上回る結果となりました。
その結果、営業利益率は前期の18.2パーセントから4.3ポイント改善し、22.5パーセントとなっています。
営業利益の増減要因

スライドは、営業利益の前期からの増減要因になります。営業利益は前年同期の6億5,000万円から11億4,000万円へと4億9,000万円増加しましたが、その主な増加要因は売上拡大による貢献利益の増加です。
売上増加は13億8,000万円で、それに伴う変動費の増加が3億2,000万円となり、結果として10億5,000万円の貢献利益が増加しました。また、平均取り込み為替レートが148円から152円に変動したことによる為替影響はプラス9,000万円となっています。
一方で、主な減少要因としては、人員増加に伴う人件費の増加が2億7,000万円となっています。この人員増加は主に新規案件への対応を目的とした増員によるもので、全従業員数は期末時点で約210名と、前期末から40名弱増加しました。
新案件の遅れもあり、減価償却費の増加は3,000万円程度となっています。また、オノプラント社の株式取得に伴うM&A関連費用が5,000万円発生しています。その他、生産拡大やインフレ、中東情勢の影響による燃料費の増加により、さまざまなコストが少しずつ増加しています。
以上が、前期と比較した場合の営業利益の増減要因です。
損益計算書サマリー

売上高と営業利益についてご説明しましたが、あらためて全体の数値をご説明します。
売上高は、前期の36億円から前期比41.2パーセント増加し、過去最高の50億8,000万円となりました。売上総利益は、前期の16億8,000万円から前期比36.9パーセント増加し、23億円となりました。
営業利益は、前期の6億5,000万円から前期比74.8パーセント増加し11億4,000万円となりました。営業利益率は、主に受託開発売上の影響により前期比4.3ポイント増加し、22.5パーセントとなりました。
経常利益は、設備投資に向けた借入増加による金利負担の増加がありましたが、営業利益の増加と為替差益の発生により、前期の5億6,000万円から前期比97.8パーセント増加し、11億1,000万円となりました。
最終利益である当期純利益については、前期に繰延税金資産を一括計上したことによる反動で法人税等負担が前期比で5億円弱増加しましたが、前期の7億3,000万円から前期比6.3パーセント増加し、7億8,000万円と増益を確保しました。
なお、単体決算と比較すると、営業利益以下はM&A関連費用に相当する分だけ連結利益が減少しています。ただし、全体としては当初の見込みを上回る結果となりました。
貸借対照表サマリー

B/Sについてご説明します。
B/Sはオノプラント社を連結化した影響により全体的に大きく増加しました。さらに、新材料の量産やシェア拡大に向けた生産能力増強のための大型投資を進めるとともに、新規借入を行った結果、総資産は122億6,000万円となり、前期から40億5,000万円増加しました。
また、オノプラント社の株式取得に伴い、8億8,000万円ののれんが計上されています。当該のれんは14年間で償却を予定しています。利益の積み上げが進む一方で、総資産が増加したことにより、自己資本比率は39.1パーセントとなり、前期から減少しています。
なお、現時点でのNet DEレシオはおおよそ0.6倍であり、安定的な営業キャッシュ・フローを見込む観点からも、デットファイナンスの余力はまだ十分にあると考えています。
キャッシュ・フロー計算書サマリー

キャッシュ・フローについてご説明します。営業キャッシュ・フローは、売上拡大に伴い運転資金が増加しましたが、利益の拡大と19億7,000万円の補助金の入金により、29億5,000万円のプラスとなり、営業キャッシュ・フローマージンは58.2パーセントでした。
補助金の入金がなかった場合でも、営業キャッシュ・フローは約10億1,000万円、マージンは20.1パーセント程度であり、一定の水準を維持できたと考えています。
投資キャッシュ・フローについては、新材料やマーケットシェア拡大に向けた投資を進めたことに加え、オノプラント社の株式取得に伴い、32億1,000万円の支出となりました。
結果、フリーキャッシュ・フローは2億5,000万円のマイナスとなりました。
財務キャッシュ・フローについては、設備投資に向けた新規の借入19億円を実行したことで13億1,000万円のプラスとなりました。以上の結果、現預金は前期から10億5,000万円増加し、26億2,000万円となりました。
以上が、2026年6月期の決算詳細です。
27年6月期通期予想のポイント

森西:2027年6月期の業績予想についてご説明します。業績予想のポイントについてです。市場環境について、顧客の需要動向から「A320neo」に加えて「737MAX」も順調に生産が拡大していくと見込んでいます。
こうした環境下における当社の事業概況については、チタンアルミブレードの販売数が前期と比較して順調に拡大すると予想しています。一方、航空機エンジンA案件については量産開始の遅れにより収益への貢献は見込めませんが、航空機エンジンB案件については量産の拡大により収益貢献が期待されます。
また、新材料の量産については供給を徐々に開始する予定ですが、数量としてはわずかな水準にとどまり、引き続き費用先行となる見込みです。さらに、新材料に関する受託開発売上については、前期と同レベルの金額を計上する予定です。
なお、新材料の量産やシェア拡大、引き合い案件の獲得に向けて、人員拡大および設備投資を継続する予定です。
その結果、チタンアルミブレードの売上増、エンジンB案件の量産拡大、並びにオノプラントの連結効果により、売上・利益ともに過去最高となる見込みです。具体的な数値については、後ほどご説明します。
中長期投資方針とキャピタルアロケーション

業績予想の詳細をご説明する前に、当社が考える中長期の投資方針とキャピタルアロケーションについてお話しします。
当社のチタンアルミブレード販売は、需要拡大により増加傾向にあります。また、高い貢献利益率を有していることから、売上増加に伴いさらなる利益率の向上が期待できます。一方で、航空機業界には高い需要があるものの、サプライヤー不足が継続している状況です。
これは、新型コロナウイルス感染症の影響でサプライヤーの淘汰が進行したことや、増産を見越した設備投資が不足していること、防衛需要の拡大により民間向け供給能力が不足していることなどが要因です。
その結果、エンジンOEMでの供給実績があり、地政学的に安定した日本を拠点とする当社への新規引き合いが増加しています。ただし、新規案件は収益への貢献まで2年から3年を要し、その間は人件費などの費用が先行します。
しかし、長期的かつ持続的な成長を目指すためには、一時的な先行投資を伴ってでも新たな案件を獲得することが必要であり、それが株主価値の向上につながると考えています。一方で、過度な先行投資が継続して収益率を大きく低下させる状況は適切ではないとも認識しています。
こうした考えのもと、当社は営業利益率を20パーセント程度の目安として、その水準を超える分について積極的に投資を継続したいと考えています。
また、配当などの株主還元についても、経営の重要課題として認識しています。成長投資を優先しつつも、将来のキャッシュ・フロー創出力の安定化を踏まえ、検討を進める予定です。
成長投資の資金源としては、営業キャッシュ・フローに加え、長期契約による収益裏付けを活用した銀行借入を優先し、Net DEレシオは1.5倍を1つの目途としたいと考えています。
エクイティ調達については最後の手段として位置づけ、大型の成長投資が見込まれる際に、営業キャッシュ・フローや借入で賄えない場合のみ検討します。
AeroEdgeの成長戦略

業績予想の前提となる各成長戦略の進捗および前提についてご説明します。
成長戦略の状況

1つ目の成長戦略である「LEAP」チタンアルミブレード加工について、航空機の増産やシェア拡大に伴い需要が拡大することから、2027年6月期でもキャパシティ拡大に向けた設備投資と生産性の確保を継続していきます。
2つ目の成長戦略である新材料について、2027年6月期は量産工場を含めた設備投資に加え、歩留まりの向上や原価低減を目的とした量産開発を推進していきます。同じ2027年6月期には少量販売を開始しますが、先行して費用が発生する見込みであり、本格的な収益化は2029年6月期以降になると見込んでいます。
3つ目の成長戦略である新規案件拡大についてです。航空機エンジンA案件は、2027年6月期での収益化は見込んでいません。2028年6月期の量産開始と同時にスタートダッシュを図るべく、生産性向上に努めていきます。
航空機エンジンB案件は、2027年6月期から収益貢献を見込んでいます。引き続き生産性の向上を図り、収益率の改善を進めていきます。また、非常によいニュースとして、顧客から長期的な増産要請が新たに寄せられたため、これに対応する増産の可能性を検討していきます。検討課題としては、工場スペースや人員リソースの確保、設備投資などが挙げられます。
オノプラント社は、航空機体のアルミ部品加工を主なビジネスとしています。しかし、AeroEdgeグループに加わったことで、さっそくチタン関連部品の引き合いが届く状況となっています。
グループシナジーに向けて少しずつ前進していると感じています。利益率の向上には2から3期かかると考えていますが、積極的に連携を進めていきます。
新案件の引き合いが増加傾向にあります。一方で工場スペースが不足している状況もあるため、その対応を検討しつつ、新規案件の獲得を目指していきます。
業績予想の詳細については、取締役兼執行役員CFOの今西がご説明します。
チタンアルミブレード販売量(主要KPI)見込み

今西:業績予想の詳細についてご説明します。ご説明のとおり、「A320neo」「737MAX」ともに需要は拡大傾向にあり、当社が販売するチタンアルミブレードが搭載されるエンジン基数は増加傾向にあります。
SAFRAN社との契約により、2028年からマーケットシェアが40パーセント台後半に上がる予定ですが、2027年6月期から一部のシェア拡大が前倒しで実施される見込みです。シェア拡大の割合は数パーセント程度を想定しています。
その結果、2027年6月期のエンジン基数は前期比28パーセント増加し、1,084基になると見込んでいます。絶対数では「A320neo」向けが大きいものの、伸び幅としては「737MAX」向けが大きくなる見込みです。
売上高·営業利益推移

売上高および営業利益についてご説明します。スライド左側は売上高見込みです。連結売上高は前期比56.4パーセント増の79億5,000万円と、過去最高を見込んでいます。
内訳としては、チタンアルミブレード加工が前期比20.5パーセント増の55億7,000万円、航空機エンジンBや受託開発売上を含むその他売上が前期比157パーセント増の11億8,000万円となり、加えてオノプラント社の売上として11億9,000万円を加えた見込みです。
なお、航空機エンジンBの売上は7億9,000万円に達する見込みですが、フルイヤーでの収益貢献ではないため、2028年6月期以降も一定の増加を見込んでいます。AeroEdge単体としての売上も前期比32.9パーセント増となり、過去最高の67億5,000万円となる見込みです。
スライド右側は営業利益見込みです。営業利益については、エンジンAの収益化が2028年6月期にずれる見込みであることや、のれんの償却、インフレによるコスト増加の影響があります。
しかし、チタンアルミブレードの拡大および航空機エンジンB案件の拡大により、前期比35.3パーセント増の15億5,000万円となることを見込んでいます。
営業利益率は、前期比3ポイント減の19.5パーセントを見込んでいます。オノプラント社の連結による売上増加もあり、利益率は20パーセントをわずかに下回る見込みです。しかし、各案件にしっかり取り組むことで、20パーセント以上を実現する余地はあると考えています。
営業利益の増減要因

前期と比較した営業損益の増減要因についてご説明します。営業利益は前期の11億4,000万円から15億5,000万円へ、4億1,000万円の増加を見込んでいます。なお、2027年6月期からオノプラント社の損益を取り込むため、参考としてその影響額をスライドに注記で記載しています。
その前提として、主な増加要因は売上拡大による貢献利益の増加です。売上増加が28億6,000万円、それに対応する変動費の増加が9億2,000万円となり、結果として19億4,000万円の貢献利益が増加しています。為替については前期同水準を設定しているため、影響はありません。
主な減少要因としては、新材料量産や新案件量産に向けた人員増加およびオノプラント社取り込みに伴う人件費の増加が6億8,000万円、増産ならびに燃料単価高騰、オノプラント社取り込みに伴う水道光熱費の増加が1億7,000万円、さらに航空機エンジンB案件の量産開始、チタンアルミブレードの増産や新材料の設備投資に伴う減価償却費の増加が3億5,000万円となっています。
減価償却費·人員·研究開発費·為替感応度

業績に影響を与える各種項目についてご説明します。減価償却費については、航空機エンジンB案件の開始、チタンアルミブレード増産、新材料向け設備により、前期から3億5,000万円増加し、7億6,000万円となる見込みです。
人員については、引き続き積極的な採用を行うことで、AeroEdge単体では前期から50名増加し260名となり、そこにオノプラント社が加わることで、連結ベースで321名となる見込みです。
R&D費用については、主に材料関係が中心となりますが、前期と同水準の1億6,000万円を予定しています。
想定為替レートは、1ドル152円を見込んでいます。売上および営業利益への為替感応度については、1円の円安で4,000万円から5,000万円のプラス、1円の円高で同額のマイナスを予想しています。
損益計算書サマリー

前期と比較した通期業績見込みについて、あらためてご説明します。
売上高は前期の50億8,000万円から56.4パーセント増加し79億5,000万円、営業利益は前期の11億4,000万円から35.3パーセント増加し15億5,000万円、経常利益は前期の11億1,000万円から28.9パーセント増加し14億4,000万円、当期純利益は前期の7億8,000万円から22.9パーセント増加し、9億6,000万円となる見込みです。
成長投資を継続しながらも、今後も順調に業績を拡大できる見込みです。また、業績予想の主な変動要因については、スライド29ページに記載しています。特に、取引先依存度や為替感応度が高い点については、ご留意いただきたいと考えています。
新規借入による資金調達の実施

資金調達の状況についてご説明します。チタンアルミブレードの新材料およびマーケットシェア拡大に対応するため、約50億円規模の投資を順次進めています。その資金を確保するために前期、銀行と合計38億円の借入契約を締結しました。
金利負担を最小限に抑えつつ、機動的な調達を可能にするため、そのうち20億円はコミットメントライン付タームローン、8億円は当座借越となっています。
その結果、現時点で38億円のうち11億円のみが借入実行済みであり、残り27億円については資金需要を見ながら適宜、借入を実行する予定です。
また、スライド右側のグラフに記載のとおり、2026年6月期末時点で26億円の現金預金を保有しています。さらに、未実行の借入27億円を加えることで、50億円を超える資金余力を確保しています。
年間23億円程度のEBITDAを考慮すると、資金余力はさらに拡大する見込みであり、今後の成長投資に対応する余力も十分であると考えています。
以上が、2027年6月期の業績予想です。
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