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株式会社ベルテクスコーポレーション5290

東証スタンダード

ガラス・土石製品

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三好祥太氏(以下、三好):株式会社ベルテクスコーポレーション執行役員の三好です。本日はお忙しい中、2026年3月期通期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

まず私から、2026年3月期の通期決算の概要と、2027年3月期の業績予想・株主還元についてご説明します。その後、第3次中期経営計画の進捗について、代表取締役社長の山本よりご説明します。私のパートでは、2026年3月期の実績値に加えて、「何が業績を牽引したのか」「2027年3月期をどのような前提で見ているのか」という点も併せてご説明します。

2026年3月期 通期実績(連結)

まず、2026年3月期の通期実績についてご説明します。結論からお伝えすると、2026年3月期は売上高および各段階利益が過去最高を更新しました。売上高は465億1,900万円で、前期比19.5パーセント増となり、営業利益は70億5,800万円で前期比12.3パーセント増、経常利益は71億900万円で前期比10.2パーセント増となっています。

増収の主な要因は、2025年10月にグループに参画した株式会社IKKの新規連結効果に加え、コンクリート事業において浸水対策関連製品を中心に販売が大きく伸びたことです。

また、営業利益については、原材料価格高騰の影響を受けましたが、販売価格の改定効果や高付加価値製品の構成比の上昇により、増益を確保しています。

親会社株主に帰属する当期純利益は103億1,500万円となりました。これは、IKK買収に伴う負ののれん発生益60億1,900万円を特別利益として計上した影響を含んでいます。なお、2027年3月期の業績予想の中で、特殊要因を除いた実力ベースでの見方についてもご説明します。

2026年3月期 通期実績(セグメント別)

セグメント別の状況をご説明します。まず、コンクリート事業は売上高が300億2,800万円で、前期比11.6パーセントの増加、セグメント利益は63億4,100万円で前期比17.2パーセントの増加となり、売上・利益の両面で全社業績を牽引しました。

一方、パイル事業は売上高が28億2,800万円で、前期比23.3パーセントの減少、セグメント利益は7,000万円で前期比71.4パーセントの減少となりました。斜面防災事業は売上高が46億3,500万円で、前期比5.2パーセントの減少、セグメント利益は15億9,500万円で前期比3.8パーセントの減少となっています。

また、新たに連結対象となったセグメント事業は、売上高が56億2,300万円、セグメント利益が2億8,600万円となりました。その他の事業は、売上高が34億300万円で概ね横ばいでしたが、セグメント利益は8億9,300万円で前期比14.6パーセントの増加となりました。

次のページでは、これらの増減要因について利益面から補足します。

2026年3月期 通期実績(セグメント別)

全体としては、コンクリート事業の増益がパイル事業および斜面防災事業の減益を吸収し、さらにセグメント事業の新規連結効果も加わり、営業利益は前期比7億7,200万円の増益となりました。

中でも、増益の中心はコンクリート事業であり、前期比9億3,000万円の増益となりました。このコンクリート事業の利益変動要因については、次のページで詳しくご説明します。

2026年3月期 コンクリート事業 セグメント利益変動要因

コンクリート事業のセグメント利益は、2025年3月期の54億1,000万円から63億4,100万円へと9億3,000万円増加しました。

この増益の最大の要因は、販売価格改定の効果に加え、「SJ-BOX」や「雨水貯留槽」といった浸水対策関連の高付加価値製品が大きく伸びたことにより、収益性の高い製品ミックスが実現したことです。この販売価格・製品ミックス要因だけで23億2,500万円のプラスとなりました。

前期に発生した九州地区大型案件の反動や、原材料価格の高騰といったマイナス要因もありましたが、これらを吸収して増益を確保できたことで、コンクリート事業の価格対応力と収益力の底堅さをあらためて確認できた1年であったと認識しています。

また、このような価格戦略や収益性の高い製品ミックスへの転換は、2年前に実施した「ベルテクス利益倍増計画セミナー」を通じた現場浸透の成果が着実に表れつつあるものと考えています。

2026年3月期 通期実績(セグメント別)

コンクリート事業以外の各事業について補足します。パイル事業は、建設資材価格の高止まりなどを背景に建設需要が減少し、特に上期を中心に民間建設案件の中止や延期が発生したため、減益となりました。

斜面防災事業は、期初に計画していた案件の一部が実施に至らなかったことが影響し、減益となっています。ただし、発注自体が弱含んでいる状況ではないと認識しています。

その他の事業は、各事業が概ね安定的に推移する中で、特にセラミックス事業において収益性が向上し、増益となりました。また、新たにグループに加わったIKKのセグメント事業の純増分も加算されています。

2026年3月期 通期実績(連結貸借対照表)

連結貸借対照表の概要についてです。総資産は660億3,200万円で、前期比141億6,500万円増加しました。この増加の主な要因は、IKKの新規連結に伴い、売上債権、棚卸資産、有形固定資産が増加したことです。

有利子負債は51億8,400万円と増加しましたが、これはIKKの運転資金需要に伴うものです。その上で、D/Eレシオは0.12倍と引き続き低い水準にとどまっており、財務健全性は高い状態を維持しています。第3次中期経営計画のキャッシュアロケーションでは、D/Eレシオ0.5倍程度までの活用を想定しており、今後のM&Aを含む成長投資に向けた負債活用余地は十分に確保できていると考えています。

純資産は444億3,200万円、純資産比率は67.3パーセントで、成長投資と株主還元を両立できるバランスシートを維持しています。

2026年3月期 通期実績(連結キャッシュフロー計算書)

キャッシュ・フローの状況についてお伝えします。営業活動によるキャッシュ・フローは53億5,100万円となりました。前期比では減少しましたが、主な要因は売上債権の増加に伴う運転資金の増加によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは31億4,600万円の支出となりました。設備更新や本社移転に伴う有形固定資産への投資に加え、IKKの株式取得が主な要因です。

財務活動によるキャッシュ・フローは15億2,600万円の支出となりました。IKKの短期借入による資金調達があった一方で、自己株式の取得や配当金の支払いが主な要因です。

その結果、期末の現金および現金同等物の残高は179億8,100万円となりました。引き続き十分な手元流動性を確保しており、負債の活用余地も踏まえ、今後の成長投資に対応できる財務基盤を維持しています。

以上が、2026年3月期の通期実績となります。

2027年3月期 通期業績予想(連結)

続いて、2027年3月期の業績予想と株主還元についてご説明します。2027年3月期は、売上高が520億円で前期比11.8パーセント増、営業利益は71億円で前期比0.6パーセント増、経常利益は72億5,000万円で前期比2.0パーセント増を計画しています。

売上成長の主因はIKKの通年連結によるものです。一方、利益面については、既存事業の伸長に加え、IKKの通年連結を見込んでいますが、高付加価値製品の構成比率の動向や、副資材コストの不確実性を織り込んだ上での計画としています。

なお、親会社株主に帰属する当期純利益は47億円と減益計画となりますが、これは前期に計上した負ののれん発生益60億1,900万円の剥落が主因です。そのため、前期の特殊要因を除いた実力ベースでは、最終利益も含めて着実な成長を見込んでいます。

また、中東情勢の影響については、主力製品であるコンクリートが無機材料であるため、直接的な影響は限定的と認識しています。一方、製品の継手に使用するゴム製品の副資材については、原油やナフサ価格の上昇等の影響を受ける可能性があるため、供給動向およびコストへの影響を引き続き注視していきます。

2027年3月期 通期業績予想(セグメント別)

セグメント別の計画についてです。コンクリート事業の売上高は298億円、セグメント利益は57億5,000万円を計画しています。工事発注動向などを織り込んだ計画であり、下水道・浸水対策関連に加え、成長事業と位置づけている鉄道やインフラメンテナンス分野での展開を強化していきます。

パイル事業の売上高は33億円、セグメント利益は2億円を計画しています。前期の工事案件の中止や延期といった外的要因は現時点では見られないため、採算性を重視しつつ収益回復を図る方針です。

斜面防災事業の売上高は53億円、セグメント利益は18億円を計画しています。

セグメント事業は、IKKの通年連結により売上高100億円、セグメント利益6億円を計画しています。今後、営業面・調達面・生産面でのシナジーを発揮し、収益性の向上を図ります。

その他の事業は、売上高36億円、セグメント利益9億5,000万円を見込んでいます。

株主還元

最後に、株主還元についてご説明します。2026年3月期における1株あたりの配当は、期初計画を上方修正し、35円を予定しています。

IKKの買収に伴う負ののれん影響を控除したベースでは、配当性向は40.8パーセント、総還元性向は70パーセントとなります。

2027年3月期については、1株あたり5円増配の40円を計画しています。当社は株主のみなさまへの還元を一層強化する方針であり、中長期的な累進配当を基本としつつ、資本効率向上の観点から、現中期経営計画で掲げた配当性向30パーセントの目安を40パーセントに引き上げることとしました。

この方針の下、2027年3月期の配当性向は約42パーセントを見込んでいます。

また、自己株式取得についても、上限10億円を目途に、投資案件やキャッシュ・フロー、株価水準等を総合的に勘案しながら機動的に実施していきます。配当と自己株式取得の両面から総還元の充実を図り、資本効率の向上とROEを意識した還元方針に取り組んでいきます。

以上、2026年3月期の通期実績と、2027年3月期の業績予想および株主還元についてご説明しました。

続いて、第3次中期経営計画の進捗について、代表取締役社長の山本がご説明します。

第3次中期経営計画概要

山本譲氏(以下、山本):代表取締役社長の山本です。それでは、第3次中期経営計画の進捗状況について私からご説明します。

この計画では、2027年3月期に売上高500億円、営業利益65億円、ROE14パーセントを目指して活動を進めていましたが、先ほどの説明のとおり、売上高および営業利益に関しては当初計画を上回る見通しです。今期は売上高520億円、営業利益71億円を目標として活動を進めていきます。

第3次中期経営計画基本方針|施策

第3次中期経営計画の達成に向けて、3つの基本方針を策定しています。施策1の「事業ポートフォリオの強化」、施策2の「サステナビリティ経営の推進」、施策3の「人的資本・R&D・DXの推進強化」の3つです。

今回は、施策1の「事業ポートフォリオの強化」の取り組みと施策3の「人的資本・R&D・DXの推進強化」の取り組みについて、進捗状況をご報告します。

長期的な事業ポートフォリオ構想

「事業ポートフォリオの強化」の取り組みについてご説明します。

収益基盤であるコンクリート事業および斜面防災事業における安定的な成長を図るとともに、育成事業の成長をさらに加速させていきます。後ほど、育成事業については、インフラメンテナンスと鉄道に関して詳しくご説明します。

第3次中期経営計画の進捗|事業ポートフォリオの強化

「事業ポートフォリオの強化」の取り組みをご説明する前に、まず当社を取り巻く市場環境についてあらためてご説明します。

スライドの図は、国が2025年6月に公表した内容です。2021年度から始まった「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に続き、2026年度から2030年度までの5年間にわたり、総額20兆円を超える規模の「第1次国土強靱化実施中期計画」が進められる予定です。

前回の事業規模が15兆円程度であったことを踏まえると、今回はそれを大きく上回る事業規模となります。

この計画では、大雨や地震などの自然災害への備えに加え、老朽化が進む社会インフラへの対応が、国の重要な取り組みとして位置づけられています。

第3次中期経営計画の進捗|事業ポートフォリオの強化

スライドは、「第1次国土強靱化実施中期計画」の中から、当社の事業と特に関連が深い分野を抜粋した資料です。具体的には、赤枠で囲んだ部分のように、流域治水対策や上下水道施設の維持管理・更新に関する事例です。

今回の計画では、このような課題に対して具体的な数値目標が示されています。

まず、浸水対策についてです。浸水があった地区は浸水実績地区と呼ばれており、その面積は東京都の約1.7倍に相当します。この浸水実績地区に対する浸水対策の完了率は2023年度時点でわずか5パーセントにとどまっていますが、2058年度までに100パーセントに引き上げるという大きな目標が掲げられています。

このようなニーズに対し、当社は地下貯留施設の規格ラインナップの拡充や新設、既設の雨水貯留施設の機能向上に寄与する「ボルテックスバルブ」などを活用し、現場ごとのニーズに合った最適な製品提案を行いながら、需要開拓を進めていきます。

次に、下水道管路の老朽化対策についてですが、2024年度時点での対応率はまだ0パーセントです。これを2030年度までに100パーセントに引き上げる計画が示されています。当社は、国の政策の流れを大きな事業機会と捉えています。

今後、インフラの老朽化に対する対応ニーズは、ますます高まると考えられます。当社は、これからの社会課題に対応しつつ、「インフラライフサイクルパートナー」へと進化して、これまでの「つくる」から「守る」へと進化する企業を目指して活動していきます。

第3次中期経営計画の進捗|事業ポートフォリオの強化

浸水事業に関する事業ポートフォリオの強化状況として、流域治水対策についてご説明します。

近年、降雨が激甚化する中で、従来の道路下や公園下の比較的浅い箇所への対策だけでは、雨水の処理能力が不足するケースが増加しています。

このような状況の中、大都市圏では新たな内水対策として、セグメント部材を用いた地下トンネル型調節池の整備が進んでいます。地下トンネル型調節池は、地下深くに大容量の貯留空間を構築し、大雨時の雨水や河川の水を一時的に取り込むことで、浸水被害の軽減を図る施設です。

当社は、この分野で高い技術力と実績を持つIKKを、事業展開を見据えて子会社化しました。

この地下トンネル型調節池の分野で、当社グループの強みとシナジー効果を発揮できる商材が「合成セグメント」です。合成セグメントは、鉄筋コンクリートと鋼板を組み合わせた特殊なセグメントで、高い水圧に耐えられる点が大きな特徴です。

また、この分野は競合他社が比較的少なく、高付加価値品としての優位性を発揮できると考えています。

現在、今後の需要拡大を見据えて製造拠点の増強を計画しています。今後は、当社グループの営業ネットワークを活用しながら、地下トンネル型調節池市場への展開を推進していきます。

第3次中期経営計画の進捗|事業ポートフォリオの強化

スライドに掲載された写真は、IKKが納品を進めている、神奈川県の1級河川である矢上川の地下調節池の築造状況です。この施設は、河川の水位が上昇した際に、川の水が地下に設けられた立坑を通じて、地下およそ50メートルの深さに築造された地下調節池へ流入する仕組みとなっています。

延長は約4キロメートルあり、直線区間における水路の内径は7.9メートルです。1リングで7部材の製品を組み合わせ、約1.6キロメートル分が2030年度までに順次納品される計画です。全体が完成すると、25メートルプールで換算して約400杯分の調節容量を確保できる設備となります。これにより、河川の水を一時的に地下へ貯留し、流域の浸水リスクの低減につなげていきます。

第3次中期経営計画の進捗|事業ポートフォリオの強化

この地下調節池のトンネルは、シールド工法で施工しています。専用の大型掘削機を用いて地中を掘り進めながら、掘削した部分にコンクリート製の部材を円形に組み立て、トンネルの形状を壁型に構築していく工法です。この方法は、地下の建設工事が地上に与える影響を抑え、安全に進められるという特徴があります。

スライド内の黄色で示した部分が当社部材のセグメントの設置状況です。

さらに、シナジーを発揮するための今後の展開を考えているのは、スライド左側に青色で示した部分にある大きな構造物の「発進立坑」を、今回は現場打ちコンクリートで構築していますが、将来的にはプレキャスト化していくというものです。

労働力人口の減少に伴い、現地での製作が難しくなっています。そのため、これらを当社がプレキャスト化することで、この地下貯留施設がベルテクスとIKKの両方で補完される形になるのではないかと考え、狙いを定めているところです。

第3次中期経営計画の進捗|事業ポートフォリオの強化

上下水道施設を将来にわたって安全に使用し続けるための点検・修理・更新に関する取り組みについてご説明します。

現在、高度経済成長期に建設された既存インフラの多くが建設後約50年を経過しており、老朽化の影響が懸念されています。スライドのグラフに示されているように、老朽化施設の割合は今後さらに増加する見込みであり、早急な対策が求められる状況です。

第3次中期経営計画の進捗|事業ポートフォリオの強化

当社は、社会インフラを取り巻く環境の変化を見据え、新しい工法の材料や開発・導入を積極的に進めてきました。

当社は、施設の劣化状況に応じたメンテナンス技術を有しています。また、全国に約60社あるコンクリート製品のメーカーや施工会社とともに「インフラ保全技術協会」を立ち上げました。この協会を通じて、これらの技術をより広く普及させる活動を行うとともに、工法に使用する材料の拡販にも取り組んでいきます。

第3次中期経営計画の進捗|事業ポートフォリオの強化

当社のメンテナンス事業におけるもう1つの大きな強みは、コンクリートの調査・診断技術と試験分析センターによる分析体制です。

メンテナンスや保守・更新を行う前に、管路の構造物の状態を正確に把握することが非常に重要です。当社は現地での調査に加え、得られたデータのサンプルを分析することで劣化の状況を的確に診断し、最適なメンテナンス提案につなげていきたいと考えています。

このように、調査から分析、診断、提案までを一貫して対応することが当社の強みだと考えています。

また、埼玉県八潮市の道路陥没事故を契機に、国土交通省が地方公共団体に下水道管路の調査を求めた状況を受け、今後、当社の調査・診断技術を活用できる場面がさらに広がってくると考えています。

第3次中期経営計画の進捗|事業ポートフォリオの強化

ベルテクス株式会社が有する試験分析センター「試験分析センター」についてご説明します。同センターは、国際規格に基づく試験事業者として登録されています。

信頼性の高い試験データを提供する体制を整えています。この体制は、試験結果が担当者の経験や勘に依存するのではなく、標準化された手順と管理された設備に基づいていることを意味します。

このような信頼性の高い分析体制を活用することで、管路の状態をより正確に把握し、適切なメンテナンスへとつなげていきたいと考えています。これは当社のメンテナンス事業における大きな強みです。

第3次中期経営計画の進捗|事業ポートフォリオの強化

2025年1月に発生した埼玉県八潮市の道路陥没事故についてですが、国は、有事の際も下水道管路が止まらない仕組みを構築する方針を打ち出しています。例えば、下水道管路が今回のように破損した場合には、もう1本のバイパスを作る複線化や、管同士をつなぐ連絡管を計画しています。

現在、国はこのような方針を掲げていますが、インフラ整備の進んでいる日本では、複線化、つまりもう1本の管路を作ることは、立地面で非常に難しい状況であるということも伝わっています。

それでも、そのような計画が進む中で、実際の工事現場では当社の製品が使用される機会が、増えてくるのではないかと考えています。

第3次中期経営計画の進捗|事業ポートフォリオの強化

50年が経過した下水道管路で道路陥没を引き起こす事故が発生する原因の1つとして、硫化水素が発生したことによる影響でコンクリートが壊れることが挙げられます。そのため、埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故についても、このような腐食が原因の1つではないかといわれています。

現在、我々が取り組んでいるのは、酸に強く、耐久性の高いコンクリート、すなわち50年では劣化しないようなコンクリートの開発です。

当社グループには「LLクリート」、シールドトンネルの部材で使用している「セメノン」という技術があります。「セメノン」という技術は、IKKが持っていた技術です。これはセメントをまったく使用しないもので、セメントを使用しないことから酸化しにくい特長があります。

今後はこのような技術を活かし、先ほど述べた複線化などの計画が進む場合には、より長寿命の商材を供給していくことを考えています。

第3次中期経営計画の進捗|事業ポートフォリオの強化

斜面防災事業の事例をご紹介します。これまで斜面防災事業は自治体案件を中心に展開してきましたが、最近では民間企業からの引き合いも増えてきています。そのような民間企業の案件を広げることで、さらなるオーガニック成長につなげていきたいと考えています。

また、国内で培ってきた斜面防災技術の実績を活かし、隣国である韓国においても斜面防災事業を展開する可能性があると考えています。日本のようにインフラの構築が進んできた地域では、次の段階として落石や土砂災害の対策に移行することが見込まれます。

韓国など、インフラ整備が進んできた国々にはこのようなチャンスがあると考えており、現在、韓国で市場調査や研究を進めています。

第3次中期経営計画の進捗|事業ポートフォリオの強化

民間施設においてどのような用途で使われるのかについてご説明します。例として、スライド左側の崩壊土砂防護柵の設置前イメージをご覧ください。

赤色のゾーンは「レッドゾーン」と呼ばれる非常に落石や土砂の崩落が危険視される区域であり、黄色のゾーンは「イエローゾーン」と呼ばれる区域です。このイエローゾーンやレッドゾーンに土砂対策の防護柵を設置することで、ゾーンの範囲を縮小する効果があります。その結果、土砂災害特別区域の指定を解除することが可能となり、民間施設の安全を確保することができます。

これまでは擁壁(ようへき)を設置する必要があり、非常にコストがかかる工事となっていたため、民間の企業がこのような対策を実施することに消極的な状況がありました。しかし、当社が提案する防護柵によって、より安価に対策を行うことが可能となりました。このような事例を通じて、今後は民間に対しても幅広いアプローチができるのではないかと考えています。

従来工法に比べて、工期を約半分に短縮できるという効果もあるため、このような民間施設への採用も視野に入れ、現在チャレンジを進めているところです。

第3次中期経営計画基本方針|施策

施策3である、人的資本・R&D・DXの推進強化の取り組みについて、進捗状況をご報告します。

人的資本・R&D・DXの推進強化|R&D

研究開発の取り組みとして挙げられるのは、成長事業と位置づけている鉄道事業における新製品です。当社は西日本旅客鉄道株式会社から、駅でよく見かけるホームドアの新しい土台の開発依頼を受け、これまでの技術をさらに改良したBP基礎(軽量プレキャストホーム柵基礎工法)を開発しました。

これは、西日本旅客鉄道株式会社ほか4社と共同開発している技術です。労働人口が厳しい時代となり、これまでよりも軽い部材が求められているため、新しい技術として、軽くて工事がしやすいものを提供することが特徴です。これにより、駅のホームドアの設置をよりスムーズに進めることが可能です。

当社は常に鉄道会社からのニーズを把握することに努めており、課題解決に取り組むことで鉄道事業の成長につなげることにチャレンジしています。

人的資本・R&D・DXの推進強化|人材育成及びR&D

当社は新技術開発に注力しており、専門人材の育成が非常に重要だと考えています。そのため、土木学会での研究発表を通じて、斜面災害対策や土木技術の高度化に関する取り組みを発信しています。

また、外部の専門機関への社員派遣や、防衛大学校・大学院での学位取得の支援を行い、将来を担うプロフェッショナル人材の育成を進めています。

さらに、大阪大学や富山県立大学と連携し、多様なインフラ点検に役立つ研究開発を進めています。この点に関しては、調査業務の省人化について先ほどご説明したように、大学との共同研究を通じて、従来にはなかった調査技術の開発を進めている途中です。

これらを通じて、人材育成と技術開発の両面から新たな価値を創出することを目指しています。

資本コストを意識した経営の取り組み|IR活動

資本コストを意識した経営に向けた取り組みについてご紹介します。当社は7年前にIRチームを立ち上げ、投資家のみなさまに当社をより深く理解していただくため、ホームページの充実、動画コンテンツの提供、SNSでの情報発信などを進めてきました。

さらに、機関投資家のみなさまとの個別ミーティングや中間期・通期の決算説明会を通じて、継続的なコミュニケーションを図ってきました。

資本コストを意識した経営の取り組み|株主懇談会

さらに、2025年10月の本社移転に伴い、2025年12月19日に新本社で株主のみなさまをお招きし、株主懇談会を開催しました。この株主懇談会は、株主のみなさまと我々企業経営陣との建設的な対話を促進し、企業の持続的成長と中期的な企業価値の向上を目指して実施しています。

当日は株主のみなさまから直接ご質問をいただき、役員全員がディスカッション形式で回答しました。株主のみなさまと直接意見交換できる貴重な機会を得られたと考えています。

企業ガバナンスの健全化を目指し、相互理解と信頼関係の強化、ならびに株主のみなさまの意見を経営に反映することを目的として、今後も開催を検討していきたいと考えています。

地域貢献に関する取り組み

最後に、地域貢献の取り組みについてです。当社グループのベルテクス株式会社は、77年前の1949年に千葉工場を開設しました。

当社は、地域に支えられ、育まれてきた企業であり、地域が災害に強いまちであってほしいと考えています。その一環として、企業版ふるさと納税を活用し、税金として納めるのではなく、当社が製造している非常用トイレを寄贈しました。こちらは、地震時に避難所でトイレに困らないようトイレシステムとなっています。

また、茨城県にある結城工場の地域では、近隣の小学生を対象として社会科見学を開催し、この見学を通じて、自然災害から地域の安全を守るという当社グループの使命を、次世代を担う子どもたちに伝えることができました。今後も地域とのつながりを大切にしながら、災害に強いまちづくりに貢献したいと考えています。

以上、2026年3月期通期決算説明の概要です。私からの報告は以上となります。長い時間ご清聴いただき、ありがとうございました。

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