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日本ヒューム、過去最高業績を追い風に新中期経営計画「NEXT100」始動 「社会課題の解決こそが当社の成長機会」
目次

増渕智之氏(以下、増渕):みなさま、こんばんは。本日はお忙しい中ご視聴いただき、ありがとうございます。代表取締役社長の増渕です。
本日は、スライドに示しているとおり、経営計画や業績目標についてご説明します。また、せっかくこのような機会を頂戴しましたので、本日は社長として、経営者として、私が何を見て何を考え、この会社をどこへ導こうとしているのかについてもお話しします。
会社概要

増渕:最初に、日本ヒュームという会社について、みなさまの日常生活と関連づけてご紹介します。当社は、日本で初めてヒューム管という鉄筋コンクリート製のパイプを製造した会社です。ヒューム管と聞いても、「何のことだろう」と思われる方が多いかもしれません。
例えば、『ドラえもん』に登場する空き地に置いてある土管や、『スーパーマリオ』シリーズに登場する土管を思い浮かべていただければイメージしやすいと思います。正確には少し異なりますが、水を流すための鉄筋コンクリート製のパイプだと考えていただければけっこうです。
みなさまが朝、顔を洗ったり、トイレに行ったり、お風呂に入った時に使用した水は、地下に張り巡らされたヒューム管を流れていきます。そのような意味では、現在ご視聴いただいているみなさまは、当社のユーザーである可能性があります。そして今、その下水道管は大きな転換点を迎えています。
坂本慎太郎氏(以下、坂本):質問をうかがいながら進めたいと思います。御社が製造しているヒューム管は、下水道のみに使われるのでしょうか? 基本的にはほぼ下水道向けだと思いますが、用途を教えてください。
増渕:現在の用途としては下水道が多いですが、さや管として電力ケーブルを支えるためのパイプや、水道にも若干使用されています。また、後ほど歴史を振り返る時にお話ししますが、当初は農業用の灌漑用水を引くために利用され、その後、工業排水などにも利用していただいています。
坂本:ありがとうございます。詳しい内容や工法などは後ほどおうかがいしたいと思います。
頻発する道路陥没・自然災害

増渕:下水道は大きな転換点を迎えています。みなさまも、昨年1月に発生した八潮市の道路陥没事故は記憶に新しいことと思います。
それ以降、道路陥没や豪雨による浸水、マンホールから水が噴き出す映像などが報道されています。先日も、マンホールから水が噴き出し、アスファルトが剥がれるという、まるで爆発したかのようなニュースがありました。このようなニュースを見ることが増えたと感じている方も多いのではないでしょうか。
このような一連のニュースを見るたびに、私は「いよいよ日本の社会インフラは本格的に更新する時代に入った」と感じています。
ご承知のとおり、社会インフラは人命を守る重要なものです。しかし現在、社会インフラの老朽化が一斉に進んでいます。また、自然災害も激甚化する傾向を見せています。さらに、それらのインフラを守る地域の担い手である建設業では、人手不足が深刻化しつつあります。加えて、環境面での課題として、脱炭素への対応も避けて通れない状況です。
このように、「これまでと同じやり方では日本の社会インフラを守れない時代に入った」と私は感じています。
個人的には「大変な時代が来たな」と思うことがありますが、当社としては「これまで以上に必要とされる時代が来た」と思っています。その理由については、後ほど当社の事業の説明の中でお話しします。
社会課題=社会が出している宿題

増渕:「社会インフラ老朽化」「建設従事者不足」「脱炭素とインフラ長寿命化」は社会課題と呼ばれています。少しかっこつけすぎかもしれませんが、私の仕事はただ課題を並べることではなく、これらの中から「その先にある未来を見つけることだ」と思っています。
困っている人がいると、新しい技術が生まれ、新しいサービスが生まれ、新しい市場が生まれます。社会課題は、社会が企業に出している宿題だと考えています。その宿題を技術で解決し、事業へと転換し、社会に届けた企業が、社会から必要とされる存在になるのではないかと思います。
創業からのあゆみ

増渕:過去の日本ヒュームについて振り返ります。日本ヒュームが創業したのは1925年です。関東大震災の2年後でした。当時は、水源から水を引く灌漑用水や、安全で衛生的な街作りが求められ、当社はそうした社会課題を解決するために誕生しました。
その後は、スライドに示しているとおり、農業から工業の時代、そして近代的な都市へと、時代の移り変わりに伴い社会課題も変化してきました。その変化に対応し、私たちも進化を遂げています。
例えば、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震により下水道の耐震化技術が生まれ、それを社会に実装してきました。
地震後に液状化現象が進み、マンホールがまるでタケノコのように地上に突き出してしまうことがあります。マンホールは通常道路上に設置されているため、それが浮き上がってしまうと緊急車両の通行が妨げられるといった問題が生じます。こうした課題を踏まえ、私たちは下水道が浮上しない耐震工法などを開発してきました。
それから、今では当たり前になりましたが、約20年前に日本で高度情報化社会が叫ばれた時代がありました。その時代には、下水道管内に光ファイバーケーブルを敷設するロボットを世界で初めて開発し、情報化社会の期待に応えてきました。
当社は創業から100年を迎えましたが、100年続いたことに意味があるのではなく、その間に社会課題を解決してきた会社であったことにこそ意味があると思っています。そして現在、日本は大きな転換点に立っています。
転換点は新しい時代の始まりでもあり、社会インフラの老朽化や人手不足、脱炭素といった社会課題に正面から向き合い、技術で解決し、事業へつなげていくことが私たちの成長の機会につながると考えています。それが当社の経営の軸です。
日本ヒュームの3事業体系

増渕:ここからは、その考え方を出発点に「日本ヒュームはどんな会社なのか」「なぜ成長できると考えているのか」「その成長をどのような企業価値の向上につなげていくのか」について、順を追ってご説明します。
日本ヒュームは社会課題、つまり社会が出している宿題にどのように応えているのかというと、まず当社には3つの事業があります。当社は、単にコンクリート製品を製造しているだけの会社ではありません。
「建物を倒さない」「街を止めない」「建設現場を変える」、これらを実現するための技術と事業を作っている会社だと認識しています。一言で言えば、「安心をつくる会社」であると考えています。
主な事業概要 基礎事業

増渕:1つ目は、建物を支える基礎事業です。ビルやマンションを見ると、多くの方がその大きさやデザインに目を奪われると思います。しかし、私たちが注目しているのは、その反対の地下です。
日本は世界有数の地震国です。立派な建物であっても、基礎がしっかりしていなければ人命を守ることはできません。これまで数々の大地震を経験し、建物を支える基礎の大切さをあらためて実感してきました。私たちは、目に見えない場所で建物を支え、人命を守っています。
基礎事業では、今年、マナック株式会社をグループに迎え入れ、より太い大口径の杭の供給力を強化しました。
さらに、先般発表したとおり、株式会社中部基礎という施工会社を新たにグループに迎えることで、施工能力や現場の知見を工法開発に活用し、一層強化していきたいと考えています。このように、製造と施工の両面から基礎事業の成長力を高めていきます。
坂本:基礎事業において、中部地方で杭打ち工事などを行っているマナックと中部基礎を子会社化することにより、今後どのようなシナジーや市場シェアの拡大が期待されるかについてお聞かせください。
増渕:マナックについては、IRで発表しているとおり、1つの成長性の制約を解消しました。近年、建物を支えるために、基礎杭はだんだんと太くなっています。
坂本:上に高い建物も増えていますからね。
増渕:しかし、当社の工場では以前はそこまで太い製品を作ることが難しいという課題がありました。営業力があっても、工場の課題が壁となっていましたので、このような課題を一気に解決していこうという背景があります。
また、基礎事業は施工力が重要視されます。今回、2社ともたまたま中部地方に拠点を持っていますが、中部基礎のような施工能力の高い企業をグループに迎え入れることで、現場で起きている課題を社内の開発にフィードバックしたいという強い思いがあります。
「1+1」のM&Aではなく、掛け算のようなM&Aを目指しています。競争力の高い基礎施工法を開発するとともに、現場の作業をより効率化し、社会的課題の解決に向き合うためにグループに迎え入れたということです。
坂本:これによりシナジーを目指していくということですね。
主な事業概要 下水道関連事業

増渕:2つ目の事業は、街を支える下水道関連事業です。残念ながら、下水道ほどふだん感謝されないインフラはないと思います。なかなかその存在が意識されませんが、いったん止まると私たちの暮らしも街の機能も止まってしまいます。
よく例えられることですが、私は下水道を「社会の静脈」のようだと思っています。健康な人が自分の血管を意識することはあまりないかもしれませんが、いったん詰まれば命に関わります。
そのような意味で、下水道は社会を止めないためのインフラだと思います。もし家や職場でトイレが使えなければ、日常生活や経済活動はおそらくままならないのではないかと考えています。
また、冒頭でもお話ししたように、下水道は現在、老朽化という大きな転換点を迎えています。そのため、私たち日本ヒュームは、より長く使える下水道管の開発を目指しています。
さらに、私たちは単に管を作るだけでなく、現在も取り組んでいる管路診断をはじめとする調査・診断・更新・維持管理までを行い、製品を提供するだけの会社から、社会インフラを守り続ける会社を目指しています。
坂本:下水道関連事業についてご説明いただきました。売上だけでなく、利益も前年比34.8パーセント増と、非常に高い成長を遂げています。
水位を下げることができない箇所の複線化や多重化など、都市機能の強化需要に対し、御社のヒューム管や合成鋼管の引き合いが好調だったことが一因と思われます。この持続性や下水道関連事業の状況などについて、お話しいただける範囲で教えてください。
増渕:先ほど、マンホールから水が噴き出すことがあるとお話ししました。これはゲリラ豪雨などの影響によるものですが、今期2026年3月期の業績で特に伸びているのは、こうした雨水対策にかかる部分です。
昨年、八潮市で事故が発生し、老朽化対策が非常に注目を集めています。ただし、老朽化対策による成長の機会が実際に具体化するのは、もうしばらく時間がかかると考えています。
現在の下水道関連事業のトピックスとしては、雨水幹線といった貯留管として水を溜めるために使用される管や、昨今の電力需要が高まっているデータセンターなどで地下ケーブルを通すためのさや管に採用していただいています。その結果が、2026年3月期の業績に反映されています。
坂本:お話があったとおり、八潮市の事故を契機として下水道整備への意識が高まっていると思います。一方で、工事は自治体が決めることだと思いますので、予算がつくまでや、施工前の発注や設計でも時間がかかると思います。「具体化するのにもう少し時間がかかる」というのは、そのような理由でしょうか?
増渕:土木工事ですので、設計をはじめプロセス全般に時間がかかることは事実です。一方で、昨年、国土交通省が緊急点検を行い、「早急に解決が必要な箇所が740キロメートル程度ある」と発表したことは、ご承知のとおりです。
これに伴い、下水道法等の改正などが着実に進行しています。それに応じて予算も増加しており、今後この分野の需要は加速し、さらに積み上がっていくと見ています。
坂本:ありがとうございます。非常にイメージが湧きました。
主な事業概要 プレキャスト事業

増渕:3つ目の事業は、未来の建設を支えるプレキャスト事業です。建設業では人手不足が年々深刻化しています。
私は、人に無理をさせるような未来を作りたくないと考えています。そのため、工場で高品質な製品を作り、それを現場で組み立てるというプレキャスト工法を、さらに世の中に広めていきたいと思っています。
あまり適切な例ではないかもしれませんが、ブロックで街を作る「レゴシティ」をイメージしていただければと思います。これを社会実装するかたちで、工場で大型のブロック製品を作り、現場ではそれを組み立てるだけで済むという工法です。
これにより、建設作業員の負担が軽減できます。人手が減少しても日本のインフラを支えられるよう、プレキャスト製品を広めていきたいと考えています。
さらに、私たちの工場もコンクリート製品を製造していくという面で、建設業と似たところがあります。そのため、工場の在り方も変えていきたいと思っています。長らく人手に依存した労働集約型産業でしたが、これを変革するために、AIを活用した設計を行っています。
スライドに掲載している写真にもあるとおり、3Dプリンターや、昨年発表したコンクリート自動打設システム「NH-ROBOCON」を使用し、次世代の製造工場の実現に取り組んでいます。これは、少ない人数で製造を可能にすることを目的とする一方で、負担の大きい重筋作業から人々を解放し、誰もが高品質な製品を作れる環境を実現したいという思いが背景にあります。
まだまだ多くの課題はありますが、自動化を実現することで競争力向上につなげていきたいと考えています。また、自動化の仕組みを提供することで、これから直面する人手不足という社会課題の解決にも貢献していきたいと思います。
ここまで3つの事業についてお話ししました。おさらいすると、3つの事業はそれぞれ「建物を支える」「街を支える」「未来の建設を支える」ための事業ということで、一見すると別々の事業に見えるかもしれませんが、共通しているのは社会の安全・安心を支えている点です。
低炭素型高機能コンクリート「e-CON」

増渕:当社には、これらの事業を横断して支える技術があります。それは「e-CON」です。「e-CON」は、老朽化と脱炭素という2つの社会の宿題を同時に解決する技術です。通常のコンクリートに比べ、CO2排出量を約80パーセント削減できます。
それだけでなく、インフラを長く使用できるものに変えることができます。具体的には、通常のコンクリートに比べ、耐硫酸性は10倍以上、耐塩害性は5倍以上の性能があります。
脱炭素を実現しながら、長寿命化を支える機能を持っていることに「e-CON」の大きな意義があると考えています。脱炭素においては、性能を犠牲にするようなイメージを抱かれることもありますが、環境性能を高めつつ耐久性も向上できるのが「e-CON」です。
より長く使用できる社会インフラを整備することは、環境への貢献であると同時に、未来に安心を引き継ぐことでもあります。それが当社の目指す姿です。私たちは、これからも時代が求める答えを技術で形にし、事業を通じて社会に届けていきたいと考えています。
業績ハイライト(業績推移)

増渕:ここまで、日本ヒュームがどのような会社であるかについてお話ししました。正直にお伝えすると、数年前までの当社は、今回お話ししたような未来を語れる状態ではありませんでした。
スライドに示しているとおり、2019年度を境に、売上や利益が伸び悩む時期がありました。また、投資家のみなさまから求められるROEや資本効率の面でも、十分とは言えない状況でした。そのような中、私は「このままではいけない。社会から必要とされ続ける会社にはなれない」という非常に強い危機感を抱きました。
そこで、前中期経営計画「23-27計画R」では、抜本的な構造改革に取り組みました。利益が出る仕事とそうでない仕事、伸びる市場と縮小する市場、そして日本ヒュームが本当に勝てる技術は何かを、一つひとつ見直しました。
さらに、営業、技術、生産、工事、管理といった会社のあらゆる機能を見直し、それぞれを個別に強化するのではなく、互いに連携しながら価値を生み出せる会社へと変えてきました。
業績ハイライト(2026年3月期)

増渕:その結果、2026年3月期の売上高は402億円、営業利益は25億円、営業利益率は6.3パーセントと、売上高・営業利益ともに過去最高を記録しました。また、前中期経営計画は5年計画でしたが、2年前倒しで達成することができました。
これは、当社が再び成長できる会社へと変わり始めたことを示していると私は思います。ただし、私が今日お話ししたいのは、この数字そのものではありません。会社がなぜ変わることができたのか、その理由についてお話ししたいと思います。
現場との対話~車座会議

増渕:その答えは1つだと思っています。ありきたりかもしれませんが、会社を変えたのは、やはり人、つまり社員です。会社は経営や会議室で変わるとは思っていません。答えはいつも現場にあると考えています。
私は2023年度に社長に就任し、それ以来、全国の工場や支社を回り、社員との直接対話を続けてきました。幹部や管理職だけでなく、若手社員や現場の担当者とも、できるだけ同じ目線で話してきました。
ここで、少しだけ恥ずかしいお話をします。ある工場を訪問した際、現場の1人の社員から「社長、自分の仕事は入社してから何も変わっていないんだけど、世の中にそんな会社ってあるの?」と言われました。この言葉は私の胸に深く刺さり、しばらく頭から離れませんでした。
また、別の現場では「もっとこうすればよくなるのに。まだまだ改善できることはあるよ」と、社員から私の背中を押してくれる言葉もありました。これを聞いた時、私は「まだいける」と確信めいたものが体の中に湧き上がりました。
課題があるということは、裏を返せば伸びしろがあるということです。当社にはまだ眠っている力があります。そのことを私が確信した瞬間でもありました。もちろん、会社を変えることは簡単ではありません。現在も取り組みを続けており、これはおそらく終わることのない永遠の課題だと思います。
ただし、この3年間で私が特に力を注いだのは、利益を上げることだけでなく、創業以来受け継いできた「社会の役に立つ会社」という原点や当社の存在意義を、社員一人ひとりが今まで以上に実感できる会社にすることです。自分の仕事が建物を支え、街を支え、社会の安心につながっていると強く感じられる会社にしたいと考えていました。
それからもう1つ、私が意識して変えたことがあります。それは、技術開発を事業開発として捉えることです。よく「研究開発のための研究開発」という言葉が使われますが、技術は開発して終わりではありません。
その技術でどの社会課題を解決していくのか、どのお客さまの困りごとに応えるのか、どのように事業として社会に届けるのかまでを考える技術開発・事業開発を、社内に定着させたいと考えていました。
これらの対話を続けてきた結果が、少しずつ数字に表れてきているのではないかと思っています。
一方で、実現できたこともあれば、もっと取り組めたこともあります。そのため、今回の業績は通過点に過ぎず、まだまだやるべきことがあると考えています。次期中期経営計画「26-30計画 NEXT100」は、あくまでも新たなスタートラインに立った段階であると認識しています。
26-30計画 NEXT100

増渕:ここからは、中期経営計画「26-30計画 NEXT100」についてお話しします。私たちはこの新しい中期経営計画を「NEXT100」と名づけました。この名称には、「次の100年も社会に必要とされる会社であり続ける」という決意を込めています。
私たちのような社会インフラを扱う会社は、短期的な数字だけに目を向けていては務まらないと考えています。時代の変化を見据え、社会課題を先回りして捉え、それを事業へと変えていくという考え方や覚悟を「NEXT100」という言葉に込めました。
社会・政策の潮流

増渕:実は、この方向性は私たちだけが考えているものではありません。先ほど少しお話ししましたが、国も下水道法等の一部改正やインフラの長寿命化、「壊れてから直す」ではなく「壊れる前に守る」といった予防保全への転換を図ろうという方針を示しています。
また、人手不足の時代を前提に、ICTやAIの活用を推進する方針も盛んに打ち出されています。そのため、社会インフラのあり方自体が大きく変わろうとしていると考えています。「26-30計画 NEXT100」も、まさにそのような方向性に沿った計画だと認識しています。
「26-30計画」NEXT100数値目標

増渕:「26-30計画 NEXT100」では、2030年度に売上高600億円、営業利益48億円、ROE8パーセント以上を目標としています。これらは、私も経営者として達成すべき目標だと考えています。一方で、数字は目的ではなく、私たちが目指す未来を表しているものだと捉えています。
どのような未来を目指すのかというと、一言で言えば、「売るだけの会社」という表現には少し語弊がありますが、「製品を提供するだけの会社」から「最後まで責任を持つ会社」へと変革を進めていきたいと考えています。
下水道関連事業成長戦略 -ヒューム管2.0-

増渕:下水道関連事業についてご説明します。これまでは、ヒューム管を製造し納品することが中心でした。しかし、今後はその先まで担えるような事業構造改革を進めていきたいと考えています。
具体的には、調査・点検・診断・更新・維持管理までを一貫して行っていきます。この考え方を「ヒューム管2.0」と呼んでいます。「ヒューム管1.0」は、寿命50年のヒューム管を提供するこれまでの事業形態を指します。
「e-CON」で作ることで、寿命を100年以上持たせることが可能になります。これにより、100年の間に1回取り替えるのではなく、一度で済むという新たな社会的価値を提供したいと考えています。
また、先般Liberawareとの資本業務提携を発表しました。国土交通省では「No Entry」という、危険な場所に人が入らないようにする方針を掲げています。
ドローンで点検を行い、劣化を見える化し、あと何年使用できるかをAIで予測し、必要なタイミングで更新を行い、その後の維持管理まで支えることで、「モノを売る会社から、インフラの一生を支える会社へ」となることが、「ヒューム管2.0」の構想です。
ただし、短期的には、先ほどのご質問にもあったとおり、浸水対策や耐震化、老朽化した管路の更新需要にしっかり応えていくことが重要です。また、中期的には、政府が検討している下水道管の複線化や、人口減少による広域化に伴う連絡管など、下水道ネットワーク全体の更新需要にも確実に対応していきたいと考えています。
そして長期的には、調査から維持管理までを担えるようなストック型の事業へと進化していきたいと考えています。下水道分野の成長性については、一過性ではなく、今後段階的に積み上がっていくと考えています。
基礎事業成長戦略 -安定的な利益成長を支える収益基盤-

増渕:基礎事業についてご説明します。市場は堅調である一方で、人手不足や資材価格の高騰、施工におけるCO2排出などが建設業界全体で課題となっています。また、杭を打つ際に掘った残土の廃棄場所の問題など、さまざまな社会課題が時代とともに生じています。
これまでと同じやり方では、社会課題の解決にはつながらないと考えています。そこで、私たちはまず、環境負荷を低減する工法の開発を進め、当社が得意とする中掘工法のさらなるブラッシュアップに取り組んでいます。また、難しい施工条件への対応も一部行ってきましたが、これをさらに広げていく考えです。
加えて、数年前に発表し、すでに当社の現場で実装しているICT施工管理システム「Pile-ViMSys」を活用し、人口減少や人手不足が進む中で、施工管理における差別化を図っていきたいと考えています。
国土交通省では、建設現場における深刻な担い手不足やインフラ老朽化に対応するために、建設現場のオートメーション化を目的とした「i-Construction 2.0」という施策を推進しています。
ここでは、「施工のオートメーション化」「データ連携のオートメーション化」「施工管理のオートメーション化」という3つのオートメーション化により、2040年度までに省人化を3割以上、生産性を1.5倍以上に向上させることを目指しています。
当社の「Pile-ViMSys」は、施工管理のオートメーション化における安全性の実現についてはすでにある程度達成されていると考えています。そのため、今後は施工のオートメーションを実装することで、社会課題となっている建設作業員の不足に対応していきたいと考えています。
製品だけでなく、工法や施工、供給体制まで含めてお客さまに価値を提供できる事業へと成長させていく考えです。
プレキャスト事業成長戦略 -第三の柱として育成-

増渕:プレキャスト事業についてです。この事業を当社の第3の柱に成長させたいと考えています。繰り返しになりますが、建設業では人手不足が進行しています。
だからこそ、AIによる設計、3Dプリンターやコンクリートを打設する「NH-ROBOCON」といった技術を組み合わせ、設計から製造までを一体化し、進化させていきたいと考えています。
コンクリートはドロドロしていますので、鋼製型枠の中に入れて固めます。鋼製型枠は、原価の観点でコストがかかるほか、納期に関する課題など、さまざまな問題がありました。
しかし、3Dプリンターで型枠そのものを作成することで、鋼製型枠が不要になります。この型枠を専門用語では埋設型枠と言います。この型枠に「NH-ROBOCON」でコンクリートを自動で打設します。
これにより、自動化・効率化を推進し、競争力を高めていく方針で、現在さまざまな技術開発や事業開発に取り組んでいます。
さらに、先ほどお伝えした「e-CON」を活用し、高付加価値製品の拡大を進めていきたいと考えています。「e-CON」は、耐硫酸性が10倍、耐塩害性が5倍の性能を有しています。
過酷な条件が求められる場所や長寿命化が必要な場面において、これを用いたプレキャスト製品を使用することで、ライフサイクルコストの縮減を提案し、差別化を図っていきたいと考えています。
企業価値向上の3つの柱 -成長投資、株主還元、資本効率-

増渕:ここまで、私たちがどのような会社を目指し、どのような社会を描き、そこに向けてどのように貢献したいと考えているのかをお話ししました。ここからは、その挑戦が株主のみなさまにどのような価値をもたらすのかについてお話しします。
企業価値を高めるために、私たちが大切にしていることは3つあります。成長投資、株主還元、資本効率です。これら3つをバランスよく実現することが、企業価値の向上につながると考えています。
企業価値をしっかり高めることは経営者の責任です。株価は市場が決めるものであるため、私が「株価をいくらにします」ということはできませんが、その責務を果たしていきたいと考えています。
成長投資計画

増渕:そのために、私たちは今後5年間で150億円の成長投資を計画しています。仕事のやり方を根本から見直すためのAIやDX、そしてインフラの維持管理、建設従事者不足に備えたプレキャスト製品のバリエーション拡大や工法の開発、環境技術への投資を進めます。
これらは、社会課題を将来の収益機会につなげるための投資です。未来への投資は目先の利益を減らす可能性もありますが、未来への投資をしっかりと行い、社会から必要とされる企業であり続けることが中長期的な企業価値の向上につながると考えています。
坂本:M&Aも含めた総投資として、5年間で150億円を計画しています。さまざまな投資分野があると思いますが、御社は直近でもマナックなどをグループに加えていますので、投資家としては、さらにM&Aを期待できるのではないかと考えている部分もあるかと思います。
もちろん、将来のお話であり、進行中のプロジェクトもあるかもしれませんので、お話しできる範囲でけっこうですが、どのような領域で成長を目指すかといった経営戦略を教えてください。
増渕:基本的に足し算のM&Aはあまり考えておらず、掛け算のM&Aを目指したいと思っています。短期的には足し算になるかもしれませんが、中長期的には掛け算になるという点を重視しています。
また、成熟期を迎えている現代においては、イノベーションを起こさなければならないと考えています。そのため、人と人が擦れ合うことが非常に重要です。したがって、「近いけど、違った技術を持っている」ような会社と連携していきたいと思っています。
これは結婚と同じで、タイミングや予算などさまざまな問題がありますが、そのような会社と協力していくことを目指しています。資本提携などさまざまなかたちがありますが、グループ内で内製化を進めることで人と人が擦れ合い、ぶつかり合うことが多くなり、その中でイノベーションが生まれると考えています。
そうしたM&Aを推進し、ジグソーパズルのようにお互いを補完し合える関係を築くことで、先ほどからご説明している社会課題をともに解決し、そのスピードを上げていきたいと考えています。
このような取り組みによって社会に貢献し、最終的にそれが成果として数字につながるサイクルを構築したいと考えています。
株主還元

増渕:株主還元も経営者として果たすべき責任だと考えています。当社は総還元性向50パーセント以上、そして利益成長に応じた還元を基本方針としています。株主還元については、この方針に基づいて実施していきたいと考えています。
株価推移

増渕:ここ数年の株価は、スライドに示しているとおりです。ここ数年で一定の評価を得られるようになってきたと思います。
配当と株主優待による株主還元

増渕:また、配当だけでなく、600株以上を保有していただいている株主のみなさまには、当社を身近に感じていただけるよう、株主優待もご用意しています。当社はBtoBの会社であり、コンクリート製品を贈られても喜ばれることは少ないかと思いますので、さまざまな食品やギフト券から選べるようにしています。
私は、成長への投資と株主への還元のどちらか一方ではなく、両方を実現する経営を目指しています。さらに、それを実現し、次の成長に投資するという循環を強化していくことが、企業価値の向上につながると思っています。
また、企業価値は決算の数字だけで測れるものではなく、社会から信頼されること、社員が誇りを持って働けること、そして株主のみなさまから「この会社に託してよかった」と思っていただけることの積み重ねが本当の企業価値だと私は考えています。
エンディング

最後になりますが、本日は、日本ヒュームという会社だけでなく、私が考えていることについても少しお話ししました。本日のお話をまとめると、日本ヒュームは、単にコンクリート製品を販売するだけの会社ではなく、社会課題を技術で解決し、それを事業に変えて社会へ届ける会社であると考えています。
老朽化、人手不足、脱炭素といった課題は、日本にとって非常に大きな課題であると考えています。一方で、私たちにとって社会に貢献できる未来を創る大きな成長機会であると考えています。私はこれからも、社員や株主のみなさまとともに、社会から必要とされ続ける会社を作っていきたいと強く思っています。
本日はありがとうございました。
質疑応答:「ヒューム管2.0」において最も付加価値がある技術やサービスについて

荒井沙織氏(以下、荒井):「下水道関連事業の『ヒューム管2.0』において、最も付加価値を出せる技術やサービスは何でしょうか?」というご質問です。
増渕:付加価値といいますか、先ほどお伝えしたとおり、現行のヒューム管は、環境により異なるものの、耐久性が50年から80年程度です。
また、ヒト由来の有機物や下水道に流れる洗剤などさまざまなものが原因で、下水道管内に硫化水素を発生させる細菌が繁殖します。この硫化水素が硫酸に変化し、コンクリートを腐食させる要因となります。
濃度によっては、わずか10年経たずにコンクリートが腐食してしまう場所も実際に存在します。そのような場所ばかりではありませんが、現実としてそのような事例があります。
高度経済成長期に整備されたものは、50年程度の寿命です。一方、私たちが「e-CON」で製作する製品は100年程度の耐久性があります。50年サイクルの製品を再び使用した場合、50年後の人々も、私たちが現在経験している困難と同じ苦しみを味わうことになります。それは、先人として避けるべきであると考えています。
そのため、100年サイクルの製品を適材適所で使用することが重要です。特に濃度が高く腐食が進みやすい部分については、新しい長寿命な製品を採用していただけるよう、私たちも積極的に提案していきたいと考えています。
また、スライドには記載していませんが、昨年の夏に実施された「下水道展」で、「HSモニター」というコンクリートの劣化を確認するためのセンサを発表しました。人間の病気と同様に、劣化の早期発見と早期治療が最もコストを削減できるため、このようなサービスを提供していきたいと思っています。
私も一国民ですが、コスト削減は国民全体にとっても良いことであると考えています。部分的な解決にとどまらず、全体をしっかりとマネジメントできる企業になることを目指しています。そのような技術やサービスを提供することが当社の強みであり、特徴であると考えています。
質疑応答:インフラ老朽化対応で今後最も伸ばしたい領域について

荒井:「インフラ老朽化への対応で、今後最も伸ばしたい領域を教えてください。例えば、更新工事や維持管理サービスなど、どの領域でしょうか?」というご質問です。
増渕:もちろん先ほどご説明した下水道も1つの例ですが、高速道路もさまざまな更新需要を迎えています。
高速道路や橋梁には、コンクリート製のガードフェンスである壁高欄があります。次回、高速道路を利用される際にご覧いただきたいのですが、これをプレキャスト化することで施工を迅速に終えることができます。
高速道路を止めると渋滞が発生し、経済的損失も大きくなりますので、壁高欄で採用されています。工場で製造し、現場では設置するだけにすることで、工期を短縮し、経済的損失を抑えることができます。
また、繰り返しになりますが、「e-CON」は「耐塩害性が5倍である」とお話ししました。当社は、港湾土木の事業にはこれまでそれほど強みがありませんでしたが、「e-CON」は海水に対して従来のコンクリートに比べて5倍の強度を持っています。
このような材料を「差別化の武器」というと大げさかもしれませんが、これを活用し、港湾事業への進出を目指しています。
スライド左下に表示しているのは、「e-CON」を使用して作られた生物共生パネルで、簡単に言うと漁礁です。「e-CON」にはさまざまな産業副産物が使われています。私の専門ではないため詳しい解説は避けますが、海洋生物が住みつきやすいという特徴があります。
人工的なものであると指摘されるかもしれませんが、磯焼けという課題がある中で、藻などが定着しやすい特徴を活かしながら、海洋系の土木工事にも事業を広げ、貢献していきたいと考えています。
質疑応答:競争優位性について

荒井:「脱炭素とインフラ長寿命化を両立する上で、今後の競争優位を決める技術は何でしょうか?」というご質問です。
増渕:数々の脱炭素的なコンクリート材料がありますが、私たちの調査では、耐硫酸性が10倍、耐塩害性が5倍という性能を持つ「e-CON」に匹敵するものは現時点ではないと認識しています。
もちろん「e-CON」も一度作って終わりではなく、さらに高付加価値のあるものを事業開発し続ける必要があります。ただし、土木製品は一般の民生品とは異なり、命に関わるため、開発には非常に時間がかかります。
スライド右側に示している「建設技術審査証明」がないと、土木工事では基本的に採用されないのが現状です。「e-CON」はそれが評価されて、「土木学会 技術開発賞」をはじめ、さまざまな賞を受賞しています。
また、「e-CON」は「下水道エコ資器材」に登録されています。下水道は規格品ですので、日本下水道協会の認定がなければいけません。「e-CON」はCO2をほとんど排出しない資器材の国内第1号として、認定を受けました。このように、「e-CON」はさまざまな社会的実験を経てようやくスタートラインに立ったと考えています。
数字をはじめ、いろいろな点についてご質問をいただきますが、今後にぜひご期待ください。今後の決算説明会の中でも、みなさまにしっかりとお伝えしていきます。
荒井:ここから5年間の総投資150億円の中には、「e-CON」をさらに強化・進化させる構想も含まれているのでしょうか?
増渕:具体的なことは現時点ではお伝えできませんが、CO2排出量は80パーセント削減でいいのかといった議論や、最近はコンクリートの中にCO2を閉じ込める技術などもあるため、世間で議論されている内容や技術については、「e-CON」においても事業開発をしっかりと進めていく考えです。
増渕氏からのご挨拶
増渕:本日はありがとうございました。当社はBtoBの会社ですので、みなさまが私たちの製品を目にする機会は少ないかと思います。しかし、朝に顔を洗ったり、トイレやお風呂に入ったりした時に「ヒューム管という製品を流れて下水処理場まで行き、水が再生されていくのだな」と思ったり、ビルを見た時に「地下で日本ヒュームの杭が支えているのかも」と思い出していただければ大変うれしく思います。
ぜひ、これからの日本ヒュームにご期待いただければ幸いです。ありがとうございました。
当日に寄せられたその他の質問と回答
当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。
<質問1>
質問:基礎事業は安定収益の柱だそうですが、利益率を高めるために見直すポイントは単価と生産性のどちらでしょうか?
回答:利益率向上には、適正な単価の確保と生産性向上の両方が重要だと考えています。
その上で、当社が特に重視しているのは、施工・技術・設計を一体で提供できる総合力を高め、高付加価値な提案につなげることです。適正な価格改定やICT施工による生産性向上に加え、マナックや中部基礎との連携によるシナジーを活かし、他社との差別化を図ることで、収益性の向上を目指していきます。
<質問2>
質問:プレキャスト事業を第三の柱に育てるうえで、最優先で獲得したい用途や顧客層はどこでしょうか?
回答:プレキャスト事業では、老朽化が進む下水道インフラの更新、防災・減災に関連する社会インフラ整備、さらには工期短縮が求められる高速道路更新などを重点分野と位置付けています。
また、環境性能と耐久性を兼ね備えた「e-CON」は、港湾など長寿命化が求められる分野においても大きな強みになると考えています。
<質問3>
質問:「26-30計画 NEXT100」での成長投資150億円について、最もリターンが大きい投資テーマの優先順位をお聞かせください。
回答:150億円の成長投資は、M&A、AI・DX、環境技術を相互に連携させながら進めます。
これらを一体で推進することで、社会課題を将来の収益機会へ転換し、中長期的な企業価値向上につなげていきます。
<質問4>
質問:基礎事業の成長内訳について、「26-30計画 NEXT100」では、基礎事業の売上高をFY2025の実績243億円からFY2030の目標369億円へ、プラス126億円増加させる計画を掲げられています。また、FY2026年2月にマナック株式会社を子会社化し、中部地方でのシェアが11パーセントから27パーセントへ拡大する旨をご説明いただいています。
基礎事業の目標増分プラス126億円について、マナック株式会社のフル連結化による売上の純粋な加算分、マナックとのシナジーによる中部地区での受注拡大分、マナックを除いた既存事業のオーガニック成長分がそれぞれ何億円になるのか、3つの内訳を教えていただけますか?
回答:詳細な内訳は競争上の観点から開示を控えさせていただきます。
一方で、目標にはマナックおよび中部基礎の連結効果、グループシナジーによる受注拡大、既存事業の成長を織り込んでいます。進捗については、決算説明会資料などを通じて適切に開示していきます。
<質問5>
質問:「e-CON」は2024年11月に日本初のセメントレスプレキャストコンクリートとして建設技術審査証明を取得し、2026年1月にはNETIS登録が完了しました。技術面での公的認証が着実に整い、今後の普及加速が期待されます。一方で、公共工事への新技術採用には仕様書の改定や発注者の理解醸成など、認証取得から実採用まで一定の時間を要するのが一般的と承知しています。
FY2026(2026年3月期)時点での、「e-CON」製品の実際の売上金額または出荷量の実績値を教えてください。
回答:「e-CON」は市場展開を開始したばかりのため、現時点で売上高や出荷量の開示は控えていますが、下水道や港湾関係を中心に採用案件は着実に増えています。
<質問6>
質問:中計説明資料で言及されているFY2030目標(「e-CON」パウダー出荷量1,800トン/年)について、その根拠となる採用自治体数・案件数の想定を教えてください。
回答:FY2030目標は、東京都下水道局との標準仕様化への取り組みや、脱炭素・長寿命化ニーズを踏まえて設定しています。
採用自治体数や案件数などの詳細な内訳については開示を差し控えますが、実証を積み重ねながら段階的な普及を見込んでいます。
<質問7>
質問:現在、「e-CON」を採用いただいている顧客(自治体・企業)の数はいくつでしょうか? また、共同開発者である東京都下水道局での標準仕様への組み込みに向けた協議状況も教えていただけますか?
回答:採用件数は開示を控えていますが、自治体などから高い関心をいただいており、東京都下水道局とも標準仕様化に向けた技術検討を継続しています。
<質問8>
質問:前中計「23-27計画R」では、プレキャスト(PCa)事業の売上目標を80億円と設定されましたが、結果としてFY2025実績は49億円(達成率約61パーセント)となり、中計の中で唯一大幅に未達となったセグメントであったと理解しています。その点について、引き続き貴重な取り組みをされていることは承知していますが、今中計では94億円(FY2025比プラス92パーセント)という、さらに高い目標を掲げられています。
前計画においてPCa事業が未達となった真の原因(競合比較・失注案件の傾向・価格競争力・設計提案力など)を、現在の経営陣としてどのようにご分析されていますか?
また、その原因を踏まえて、なぜ今計画でさらに高い目標が達成できると判断されたのか、その根拠を教えてください。
さらに、前計画と今計画で、本質的に何が変わったか(施策・体制・技術・市場環境など)を具体的にお聞かせください。
回答:プレキャスト事業は、前計画では収益基盤の強化を進めた一方、想定した成長ペースまで加速させるには至りませんでした。
その課題を踏まえ、予材管理、設計営業体制、設計スピードを強化するとともに、AI設計提案、「NH-ROBOCON」、「e-CON」など新たな競争力を活用し、今計画では収益拡大を目指していきます。
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