【速報版】荒川化学工業株式会社 2026年3月期第2四半期決算説明
※当記事は速報版です。スライド情報は割愛している他、数値などに誤りが含まれる可能性がございます。正確な情報は決算短信・決算説明資料などの正式な開示資料、または追って公開予定の確定版記事にてご確認ください。
目次
ただいまより、荒川化学工業の決算説明会を始めさせて頂きます。私は社長の高木でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、ご覧の3つの内容にて進めさせていただきます。
2025年度上期の実績
はじめに、決算概況と今期予想について、ご説明いたします。
2025年度上期の業績につきましては、光硬化型樹脂、ファインケミカル製品、ハードディスク用精密研磨剤の販売が好調であったことから、連結売上高は、403億67百万円で前年比+2.6%の増収、営業利益は、9億29百万円で前年比+196.0%の増益、経常利益は、6億39百万円で前年比+103.8%の増益、当期純利益につきましては、前年は、約10億円の固定資産売却益を含んでいたことから前年比減益の7億24百万円となりましたが、おおむね期初予想通りの結果で、EBITDAは過去最高水準となりました。
成長分野における生産能力増強のための投資も一巡し、投資回収のフェーズに入りつつあるものと考えております。
連結業績と今期予想
2025年度の通期予想につきましては、前年比増収増益を見込んでおり、5月14日に公表しました前回予想から、全体としての数値に変更はございません。
各セグメントの予想につきましては、製紙・環境事業は、前回予想から減益となる見込みですが、機能性コーティング事業は、前回予想から増益が見込まれるなど、上期の進捗と足元の状況を鑑み、予想数値を見直しております。詳しくは後ほど、セグメント別業績のスライドにてご説明いたします。
セグメント別売上高
続きまして、セグメント別情報とその主要製品の動向についてご説明いたします。各事業の内容、2025年度上期の各セグメントの売上高は、こちらに記載のとおりです。
機能性コーティング事業
まず、機能性コーティング事業についてご説明いたします。当事業の連結売上高は、89億77百万円で前年比+9.3%の増収、セグメント利益は、10億8百万円で前年比+68.4%の増益となりました。
今後の需要拡大に向けて、経営資源を積極的に投入している機能性コーティング材料用の光硬化型樹脂「ビームセット」は、スマートフォンやディスプレイ関連分野での需要が回復し、販売が増加しました。
また、「そだてる」ミッションに位置付けている熱硬化型樹脂「アラコート」も新規採用や拡販により販売が前年比+40%増加しました。
通期予想につきましては、主力である光硬化型樹脂の販売が、一層伸びることが見込まれることから、売上高は、前回予想の185億円から10億円増の195億円、セグメント利益は、16億円から5億50百万円増の21億50百万円に修正いたしております。
当事業の中長期的な戦略については、引き続き、市場や顧客のニーズにいち早く対応することで高機能化による差別化を行い、国内外での拡販、さらには採算性の向上を目指してまいります。
光硬化型樹脂(ビームセット・オプスター)
紫外線を照射することで瞬時に硬化する光硬化型樹脂「ビームセット」は、スマートフォンやテレビ、カーナビなどのディスプレイ用のハードコーティング剤や帯電防止コーティング剤、光学粘着剤、電子部材用工程材料などの、幅広い事業領域で使用されております。
世界のスマートフォン市場は、今後もさらなる拡大を続ける見通しになっております。
上期の売上高は、スマートフォンやディスプレイ関連分野での需要回復が進み、約34億円となりました。通期の売上高につきましては、下期も堅調に推移する見込みであることから、過去最高となる約71億円を予想しております。
2024年2月に完工いたしました富士工場の新設備での生産は、現在、顧客認証取得を進めており、当初の計画からは若干遅れておりますが、第4四半期から徐々に量産をスタートしてまいります。
製紙・環境事業
続きまして製紙・環境事業です。当事業の上期の売上高は、100億94百万円で前年比△8.2%の減収、セグメント利益は、5億34百万円で前年比△47.2%の減益となりました。
板紙向け紙力増強剤は、国内での需要減少や海外での競合メーカーとの価格競争の激化により、収益が低下いたしました。
通期予想につきましては、国内における販売は引き続き低調となる見込みであり、海外での価格競争も、厳しさが続くことが予想されるため、売上高は、前回予想の224億円から14億円減の210億円、セグメント利益は、前回予想の16億円から4億50百万円減の11億50百万円に修正いたしております。
当事業の中長期的な戦略についてですが、国内におけるサイズ剤事業は、需要が減少し続けていることに対応し、生産拠点と品種の統廃合を2025年3月末に完了いたしました。
今後、収益性の改善効果が表れてくると見込んでおりますが、さらには抜本的なコスト改善策にも取り組んでまいります。海外では、古紙のリサイクル促進に対応した紙力増強剤のさらなる地域の拡大を目指してまいります。
紙力増強剤(ポリストロン)
当セグメントの主力製品である紙力増強剤「ポリストロン」の上期の売上高は、約72億円となりました。通期の見通しは、海外での価格競争は、引き続き厳しさが続くと予想されますが、荒川ケミカルベトナム社の貢献もあり、売上高は、約150億円を予想しております。
粘接着・バイオマス事業
続きまして粘接着・バイオマス事業でございます。当事業の上期の売上高は、138億90百万円で前年比+5.0%の増収、セグメント損失は、6億3百万円となり、前年同期のセグメント損失12億92百万円から損失幅は縮小いたしました。
ロジン系の粘着・接着剤用樹脂はアジア地域を中心に販売が堅調に推移いたしました。また、水素化石油樹脂「アルコン」につきましては、千葉アルコン製造株式会社の稼働率が改善し、欧州向けに安定的な供給を開始しております。
通期予想につきましては、ロジン系粘着・接着材用樹脂の販売は引き続き堅調なものの、千葉アルコン製造の上期の稼働状況を踏まえて、売上高は、前回予想から変更なく290億円、セグメント損失は、当初予想の7億円から2億円増となる9億円に修正いたしております。
当事業の中長期的な戦略ですが、水素化石油樹脂アルコンにつきましては、品質が高く、安定しているという特長を活かした高付加価値用途での拡販を進め、ロジン系樹脂につきましては、オンリーワン製品である超淡色ロジン「パインクリスタル」に加え、バイオマス素材であるロジンを活かした用途開発による社会貢献をとおして、「Global Pine Chemicals Partner」への深化、松脂資源と関連事業の持続性確保を目指していきます。
水素化石油樹脂(アルコン)
水素化石油樹脂「アルコン」の上期の売上高は35億円となりました。
グローバル需要は、人口増加や経済成長に伴い今後も拡大が見込まれるなかでございますが、中国で生産される汎用品は供給過剰気味となっており、当社としても価格競争に巻き込まれる状況ではございますが、C9留分から得られる数少ないC9水添樹脂である当社アルコンの特長を活かし、医療用貼付剤やプラスチック改質用途などの付加価値の高い用途での拡販と、千葉アルコン製造も含めたグローバル販売戦略の再構築を進めていきます。
通期の売上高は、79億円を予想しております。
千葉アルコン製造の状況につきましては、新設した「アルコン特別委員会」がうまく機能しており、稼働率は稼働日ベースで前年同期の3割から今期6割へと改善いたしました。
ただし、本来の設備能力より運転速度を落として稼働しており、引き続き、稼働率と運転速度の両輪での改善に取り組み、1月上旬から予定している次期定修による設備改修等を経て次年度は7~8割程度、2027年度には本来の生産能力を発揮できる状態を目指してまいります。
ファイン・エレクトロニクス事業
続きましてファイン・エレクトロニクス事業です。当事業の上期の売上高は、73億66百万円で前年比+7.6%の増収、セグメント利益は、2億74百万円で前年比△25.4%の減益となりました。
データセンター向けのハードディスク用精密研磨剤や半導体関連先端材料のファインケミカル製品の販売が増加いたしました。また、精密研磨剤や電子材料用配合製品は価格改定を順次進めておりますが、コストアップが売値に先行している状況となっており、利益を押し下げる要因となりました。
通期予想につきましては、半導体市況の回復やデータセンター投資が活況であることから、売上高は、前回予想の150億円から4億円増の154億円、セグメント利益は、上期までの実績を踏まえて、当初予想していた10億円の利益から1億円減となる9億円に修正いたしております。
当事業の中長期的な戦略につきましては、データセンターや半導体関連市場の需要増加に素早く連携・対応し、事業のさらなる拡大を目指してまいります。
ファインケミカル製品
ファインケミカル製品は、高度な品質管理のもと、半導体関連用途や医薬品用途などの製品の受託製造を主としております。当製品が対象とする事業領域は、データセンター、半導体、集積回路、生成AI、電子部材と幅広く、今後大きく成長していく市場に関わっている製品でございます。
上期の売上高は、半導体関連市況の回復により、約19億円となりました。通期の売上高は、半導体関連での需要がさらに伸びる見込みであることから、約40億円を予想しております。
2024年12月に完工しました水島工場のファインケミカル製品用の新プラントにつきましては、5月から試作・認証取得の段階に入っており、来年度後半から量産化開始の見込みとなっております。
精密研磨剤(Neopolish)
精密研磨剤は、ハードディスクのアルミ磁気ディスク用を主用途としており、その他にも各種基板の研磨剤も開発しております。
当社が対象とする事業領域は、HDD、SAWフィルター用ウエハー、パワー半導体、ブルーガラス等であり、世界的なトレンドであるデータセンター投資と深く関わっている製品です。世界のデータセンター市場は2029年に6,241億ドルに達する見通しと言われており、これは2024年と比較して5年で1.5倍という急拡大が見込まれている市場でございます。
当製品の上期の売上高は、約18億円となりました。通期の売上高は、データセンター投資が引き続き活況であることから、過去最高となる約39億円を予想しております。
生成AI市場と当社製品の関わり
続きまして、昨今めざましい拡大を続けております生成AI関連市場と当社製品の関わりについてご紹介いたします。AI市場の拡大と、それに伴うデータセンター投資の活発化は、多種多様な半導体部品や電子部材の製造工程に使用される当社製品の需要につながっております。
当社が第5次中計中に重点的に投資を行った成長分野における製品群の需要は、今後さらに押し上げられると見込んでおります。
先端分野における当社製品の使用事例①
データセンターや半導体関連の先端材料に使用されている当社製品は、光硬化型樹脂や熱硬化型樹脂、ファインケミカル製品、ハードディスク用精密研磨剤など、多くのものがあります。
また、フォルダブルスマホや、5G周辺材料などの生成AI関連市場にも、当社製品は使用されております。
先端分野における当社製品の使用事例②
先端分野における当社製品の使用事例は、各セグメントの製品のご説明の際に申し上げたとおりでございますが、主要なものをまとめるとこのスライドのようになります。
重点課題の進捗① 新規事業関連(水系)
続きまして新規事業関連についてご説明いたします。脱プラスチックの流れから、プラスチック容器を紙の容器に代替する動きが拡がっておりますが、そのためには紙に耐油性や水蒸気バリア性などを付与せねばなりません。
従来の耐油剤は、いわゆるPFASが含まれている材料が多かったのですが、当社の耐油剤はフッ素フリーであり、PFAS規制に対応できる耐油剤として注目されつつあります。
重点課題の進捗② 新規事業関連(微細藻類)
次に微細藻類事業についてご説明いたします。
沖縄やんばる産の微細藻であるオーランチオキトリウムは、DPA、DHAを豊富に含むことから高機能食品として着目されております。
その乾燥粉末である「オーラン」を含む商品として、温活フードとしてフリーズドライ味噌汁「MISO CUBE」や、機能性表示食品のサプリメント「samugarisan」などをすでに販売しております。
7月には大阪工場に微細藻を培養するパイロットプラントを完工させ、大量・商業生産の実現に向けて取り組んでおり、今後も引き続き、当社が目指すライフサイエンス事業とのシナジー効果を発揮できるよう取り組んでまいります。
重点課題の進捗③ 新規事業関連(マツ)
新規事業関連の最後に、筑波大学発ベンチャーのMED R&D社との共同研究についてご紹介いたします。
マウスでの実験によって、松葉抽出物がうつ病の症状を改善する知見が得られたことは以前にもお伝えしておりましたが、そのメカニズムを初めて解明し、論文を公開いたしました。
世界的にもうつ病や不安障害に苦しむ方は多いなか、天然由来の化合物による治療法の開発が期待されており、その可能性が示唆されたとして、新聞等でも取り上げられております。
本件の事業化に向けましては、来年発表予定の次期中計においてご説明したいと思っております。
海外売上高・比率 推移
続きまして、海外売上高についてご説明いたします。上期の売上高は前年とほぼ同じ168億65百万円となりました。
通期の見通しにつきましては、中国でのロジン系粘着・接着剤用樹脂の需要が堅調に推移すると 見込んでおり、前年実績から約12億円増加し、358億円、海外売上高比率は42.1%となる見込みです。
セグメント別地域別売上高四半期推移
セグメント別に、地域別の売上高を四半期ごとの推移で表すとご覧のようになります。
製紙・環境事業では、中国での売上が減少傾向となっておりますが、アジアの他の国でカバーしていることが分かります。
粘接着・バイオマス事業では、さきほどご説明したとおり、中国でのロジン系粘着・接着剤用樹脂が好調であり、V字回復していることがお分かりいただけるかと思います。
また、機能性コーティング事業、ファイン・エレクトロニクス事業においても、日本国内の売上高はV字回復傾向となっております。
セグメント別売上高四半期推移(中国)
昨今中国経済の減速やその影響が注目されておりますが、直近の当社の中国ビジネスの状況をご説明いたします。
セグメント別にみますと、機能性コーティング事業は、ディスプレイ関連分野での光硬化型樹脂の販売が着実に増加しております。製紙・環境事業は、需給バランスの変化による価格の低下とともに販売数量も減少しております。
粘接着・バイオマス事業はロジン系粘着・接着材用樹脂の販売が堅調です。ファイン・エレクトロニクス事業は、電子材料用配合製品や低誘電ポリイミド樹脂PIADの販売が増加傾向です。
以上のように、中国の近況は厳しい面もありつつも、分野によっては堅調に事業を進捗させることができております。
設備投資および研究開発費
2025年度上半期の設備投資額は、完工ベースで13億97百万円となり、前年比1億1百万円の増加となりました。通期では、「のばす」ミッションに位置付けた事業への投資が一段落したことで、定常投資が中心となり、約40億円となる予定です。
新たな投資としては、先ほどご説明しましたが、大阪工場において、ライフサイエンス分野での事業創出に向けた微細藻類のパイロットプラントが完工いたしました。
減価償却費につきましては、上半期は連結で27億10百万円となり、ほぼ前年と同様となりました。通期の見込みは55億円で当初見込みから変更はございません。
半導体関連先端材料用ファインケミカル製品の水島工場の新設備につきましては、顧客認証のための試作をおこなった5月から減価償却費の計上を開始しており、顧客での認証取得後、来年度後半からの量産化を予定しております。
配当金の推移
配当金の推移についてご説明いたします。当社は、安定的かつ継続的な配当を維持しつつ、積極的な株主還元策に取り組むことを基本方針としております。
第5次中計期間中におきましては、成長戦略の実現による利益の拡大を通じた配当額の増加と配当性向40%を目標としております。
今期の配当金につきましては、期初の予想から変更はございません。中間配当25円に加え、期末配当予想も同じく25円であり、年間配当は50円を予定しております。
サスティナビリティへの取り組み
最後に、荒川化学グループのサスティナビリティへの取り組みについてご説明いたします。当社は、経営理念に基づいた持続可能な成長の実現に向け、社会的課題に対応すべく、様々な事項に取り組んでおります。
2050年におけるCO2排出量実質ゼロに向けた取り組みについては、当初の中計目標としていた2025年度でのCO2排出量30%削減に対して、すでに2023年度で50%以上の削減を達成し、前倒しで進捗させております。
今後、需要の回復や新設備の稼働による生産数量の増加が見込まれますが、2030年におけるCO2排出量は50%以上の削減の維持を目指します。
また、働きがい向上の面では、引き続き、安全文化の醸成、働きがいと生産性の向上、経営戦略を支える人的資本投資などを通して、個人と会社がともに成長出来る環境づくりに取り組んでまいります。
人財育成・活躍への取り組み
当社のサスティナビリティへの取り組みを実施するうえで、人財は全ての基盤となっております。
一人ひとりが自ら考えて行動し、相互の考えを尊重しながら十分に能力を発揮できるよう、ここに一例を示しましたように、様々な施策を実施しております。
次代へつなぐ取り組み
次代へつなぐ取り組みについてです。
2025年度は、当社が2016年から植林活動をおこなっております岡山県矢掛町での「マツタロウの森」を舞台に、2023年度から開始したYUNGA Forests Challenge Badgeプログラムを引き続き実施しております。
今後も「楽しく化学をする」を基本に植林活動等を通した体験学習を提供してまいります。
最後に
以上をもちまして、2025年3月期中間決算説明を終了とさせていただきます。
当社は来年度、創業150周年を迎えます。また、来年度は新たな第6次中計がスタートする年でもあります。
当社の「ありたい姿」の実現に向け、引き続き、既存事業の新陳代謝の加速と収益力の回復、成長分野へ重点的に行った投資の回収や、ライフサイエンス事業のステージアップに注力し、事業ポートフォリオ改革の加速による収益性の向上を推し進めてまいります。
ご清聴ありがとうございました。
質問1
Q:Qごとの利益の出方が1Qから減っているが、2Qの減り方は季節性のものでしょうか?
A(高木):第2Qは当初工場の定修が集中する四半期となっており、例年第2Qは利益が減る傾向にございます。昨年度は第2Qで赤字となっていましたが、今年は営業利益黒字となりました。
質問2
Q:スライド17のグラフについて非常に関心がありますが、目盛はどのように見ればよいのでしょうか?
A(冨宅):設備投資を2030年の需要に向けて大きく行ってきたことから、足元から比べてこれくらいの量をまかなえるという意図であり、あえて目盛は記載しておりません。ただ、ファイン・エレクトロニクスの半導体先端材料について約1.4倍の需要に対応できる、データセンター向け精密研磨剤についても1.3~1.4倍の需要に対応できるものです。
質問3
Q:半導体関連先端材料等がかなり伸びていく背景について説明いただけないでしょうか。来年下期に量産化する新プラントについてかなり大きく伸びるという期待があるのでしょうか。
A(高木):ここでいうファインケミカル製品は、自社製品ではなく受託品ですが、OEMというよりODMに近い、お客様とともに工程を含めて検討をしていく製品です。いま伸びており、今後も伸びが予想されているのは、詳細は守秘義務の関係で申し上げることができないが、先端半導体の微細化が進むにつれて使用される製品です。
下期の量産化については、当社のお客様がその先の複数のお客様から認証をとるのも、一度に認証作業とはいかず順番になることから、当社の量産が始まるのも認証の順に徐々に立ち上がる形となります。
質問4
Q:一昨年25億が今年40億に伸びるのは半導体のところが増えるということでしょうか?
A(高木):そのとおりです。
質問5
Q:光硬化型樹脂について、特にどの辺りが伸びているのか、また来年度再来年度どこまで伸びる見込みなのでしょうか?
A(高木):伸びております用途は、一番伸びているのが電子部材工程材料用途、次にディスプレイ用途であり、ほぼこの2つが伸びをけん引しております。来年・再来年は我々も期待しており、今期の着地が約70億強とみていますが、毎年5%~10%は伸ばしたいと考えております。
質問6
Q:ライフサイエンス事業について、オーランのパイロットプラントを完工したとのことですが目指している大型商業生産の早期実現とはいつ頃を想定していますか?
A(高木):いまオーランチオキトリウムを使用した製品としてはBtoCで味噌汁や複数のサプリメントを既に市場に出しておりますが、当社にとって初のBtoCであり急激に大きく伸ばせるとは考えておりません。
今後パイロットプラントを活用して培養効率を上げる検討をしながらその先にある量産化を目指しているのはBtoBが本命であり、その時期は現在は明言できる状態ではございませんが次期中計では早急に目途をつけたいと考えております。
質問7
Q:松葉抽出物について、論文を読むと非臨床試験はだいたい済んでおり、次は臨床試験の段階となると思うが、いつ頃になりますか?
A(冨宅):最終的には医薬用途でできればと思いますが、まずは非医療用途でご提供し皆さまに認知いただくことを目指したいと考えており、次の中計の発表のタイミングでは新しい動きとして積み上げていきたいと考えています。抗うつ成分としては同等のものが確認できておりますが、これをうつ病の医薬としてすぐ使うというようなことは現段階では考えておりません。
質問8
Q:次の中計のときに目標にすえる売上・利益のイメージと、それをけん引する事業はどのあたりをイメージしておられますか?
A(高木):次期中計の売上高・利益の水準は、現在、各分科会から上がってきた数値を精査して決めておりませんが、利益重視でいきたいと考えております。当社は2016・2017年度の営業利益約50億円が過去最高の利益水準であり、次期中計の5年間のなかではその利益水準をクリアしてさらに上を行くという目標は据えておきたいと思っております。
何が牽引していくかということについては、既存の4つの事業の中で新陳代謝をしつつ、機能性コーティング事業では光硬化型樹脂・熱硬化型樹脂が牽引するでしょうし、製紙・環境事業では海外の紙力増強剤を牽引させていく必要がございます。
粘接着・バイオマス事業では超淡色ロジンのパインクリスタルの海外展開と、千葉アルコン製造をしっかり稼働させ単体の利益を黒字化させることが重要です。
ファイン・エレクトロニクス事業につきましてはファインケミカル製品、精密研磨剤、電池材料、低誘電樹脂などこれから伸びていく可能性があるものも多く、それらを取捨選択して伸ばせるものは伸ばしていきます。
経営資源が分散しないように選択と集中を行い各事業を伸ばしつつ、ライフサイエンス事業について次期中計中に利益貢献までもっていけるか分からないものの、次の柱になれるような状態まで引き上げていくというのが次期中計の主な絵になろうかと思います。
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