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ダイナミックマッププラットフォーム株式会社336A

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情報・通信業

※当記事は速報版です。スライド情報は割愛している他、数値などに誤りが含まれる可能性がございます。正確な情報は決算短信・決算説明資料などの正式な開示資料、または追って公開予定の確定版記事にてご確認ください。

目次

吉村修一氏:ダイナミックマッププラットフォーム株式会社代表取締役社長の吉村です。本日はお忙しいところ、当社の2027年3月期第1四半期決算説明会にご参加頂き、誠にありがとうございます。

こちらが本日の流れとなります。冒頭、会社概要と事業概要、現在取り組んでいるAIネイティブデータセットについてご説明します。その後、2027年3月期第1四半期決算実績、2027年3月期通期業績予想、そしてパイプラインをアップデートし、最後にQ&Aとなります。

2027年3月期第1四半期は、売上・調整後EBITDAともに前年同期実績を下回りましたが、調整後EBITDAのマイナス幅は予算内で着地しておりますことから、通期業績予想は据え置きとしております。法人ライセンスを中心にライセンス型売上が着実に成長していることから、本日はフィジカルAIの社会実装に向けたAIネイティブデータセットの提供など、ライセンス事業拡大に向けた取り組みについてご説明できればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

会社概要

まず、会社概要です。このパートは、これまでの説明会での内容と重複する部分もございますが、今回初めてご参加いただいている投資家の方も多くおられますので、最新の会社概要をご説明させて頂きます。

2016年6月に日本国政府主導のもと自動車会社など事業会社各社が協調出資する形で設立しており、その後、北米の同業他社を海外買収しております。

こうした背景から、自動運転や社会のデジタル化に関わるビジネスを進める上で、自動車会社や関係省庁との強固な関係は弊社の事業推進へ有利に働いています。

数字で見るDMP

こちらでは弊社の特徴を一枚にまとめております。進出国数は26ヶ国、海外売上高比率は74%であり、グローバルにビジネス展開しております。ライセンス型売上高は2026年3月期に前年比121%成長しました。各地域における高精度3次元データカバレッジは180万キロメートルに達しており、今後、年平均で30%の成長が見込まれるフィジカルAI向けに高精度3次元データを提供しております。

これらの数字から、既にグローバルで優良なデータ資産を保有しており、フィジカルAIの進展に向けて当社のライセンスビジネスが成長していくことをご理解頂けるかと思います。

ハイライト

当社のハイライトとして、4点ございます。

1つ目に、当社はダイナミックマップという高精度な位置情報基盤をグローバルに構築するディープテック型のスタートアップとなります。今後、グローバルで飛躍的拡大が見込まれる自動運転を含むフィジカルAIの市場において、先進技術をベースに先行して事業を展開してまいりました。

2つ目は、日系大手自動車メーカー10社やGM/日本国政府等々の優良な顧客基盤を持っており、高い売上成長性を実現可能であることです。これは当社が大手企業の技術を結集する形で設立されたこと、その後に米国の最大手企業を買収した経緯によるものです。当社は拡大するグローバル市場の恩恵を一手に享受できる立場にあります。

3つ目は、競合比でも圧倒的なデータ量を保有しており、世界初のLv2+・Lv3を実現した技術力という競争優位性です。当社の従業員はグローバルで249名おりますが、その7割がエンジニアであり、日米のエンジニアがそれぞれの技術を持ち寄り、開発を継続しています。

最後に、ビジネスモデルについてはフロー型のプロジェクトビジネスと、ストック型のライセンスビジネスの2本柱です。プロジェクトビジネスを通じて事業基盤が整いましたので、以降は収益性の高いライセンスビジネスによって全社として高収益体質が実現可能となります。

Modeling the Earth

当社のビジョンを一言で表すと、「Modeling the Earth」、日本語でいうと、地球のデジタル化になります。現実世界をデジタル空間に複製し、デジタル社会のインフラとなる高精度3次元データを提供するプラットフォーマーを目指しています。このプラットフォームと様々な情報と結びつけることで分析・制御・予測を可能とし、社会課題解決に資するイノベーションを実現しています。

当社の提供するサービスとは

続きまして当社の提供するサービスについてご説明します。大きく分けて4つあります。スライド左上の自動運転向けデータは、自動走行などのシステムが使用する高精度な3次元地図データです。車線数や区画線の情報、道路の情報、建物や構造物の位置情報などを含んでいます。自動運転の制御のために車載される他、AIの学習用等に用いられています。

右上は、そのデータを可視化するためのViewerです。点群データは1つ1つの点がセンチメートル級の高い位置精度を持っています。これらのデータは、インフラ管理や事故調査、シミュレーションに用いられます。

左下は、Guidanceシステムになります。高精度な三次元でのガイダンスは、空港や港湾・物流センター、除雪作業支援等で用いられています。

最後に右下は、「空間ID」をはじめ、その他広範な位置情報サービスの提供を行っております。

世界最大級の高精度3次元データを構築

当社の最大の強みは世界最大級のデータ量になります。この領域に特化して研究開発と設備投資を行ってきた結果、顧客である自動車メーカー各社の要求を充足し、かつ競合比でも圧倒的なカバレッジを有する高精度三次元データを構築することに成功しております。グローバルで合計180万kmに及ぶ整備済みのデータは、量産車に搭載される自動運転/ADAS向け利用にとどまらず、世界各国における産業のデジタル化、社会課題解決に貢献する大きなポテンシャルを有しております。

ビジネスモデル全体像(プロジェクトとライセンスの2本柱)

当社のビジネスモデルは、プロジェクト型ビジネスとライセンス型ビジネスの2つに分類されます。

プロジェクト型は安定した利益率を獲得しながら、データやソフトウェアの整備を進めるため、事業基盤構築の役割を担います。180万kmに及ぶ世界最大のデータはこのプロジェクトビジネスを通じて整備してきました。

そして、プロジェクト型で整備したデータ・ソフトウェアをライセンス型として提供することで、コストを増やさずに収益増加が可能、高い収益性を実現できます。特定の顧客からの受注で整備したデータを他の自動車会社、自動運転システム会社、半導体メーカー向けにライセンス提供することで高い利益率を実現できます。現実世界の変化に合わせてデータの更新も必要になるため継続的・累積的に売上が伸びていくビジネスモデルになっています。

各種データ連携を通じたダイナミックマッププラットフォーム構築

当社の歴史を振り返ると、公道における静的なデータ取得からスタートしそのカバレッジを拡大しそこに様々な動的データの収集・システム化との統合を進めてきましたが、近年では空港・港湾・物流センターなど公道以外の特定エリアでの需要も高まりを見せております。

こうした特定エリアで動的データを統合するアプリケーションの開発・導入を進め、ダイナミックマップの構築に取り組んでおります。ダイナミックマップは今後の産業のデジタル化・効率化を支える社会的な共通基盤の役割を果たすことが出来ると考えています。

測量ネットワーク構築 -測量能力拡大の必要性-

そのために、公道向けに用いてきたMMS(モービル・マッピング・システム)に加えてデータ取得の手法の拡大に取り組んでいます。特に狭域、特定エリア向けにはドローンやハンディレーザ、スマホLiDAR等の積極的な活用、そして機動的な測量体制という観点で、既存の測量パートナーに加え自社での測量能力強化に取り組んでおります。

M&Aによる事業領域拡大

その方法として、M&Aを通じて事業領域の拡大を図っております。2019年に市場シェア獲得を目的とする水平統合型のM&Aとして、General Motors他からUshr社を買収しグローバル市場No.1のポジションを獲得しました。現在は垂直統合型のM&Aとして川上と川下で両方の領域において買収を進めております。

既に実施した日本海測量設計とリカノスの買収は川上における「データ収集」、すなわち現実世界を正しく計測する事業領域の拡大に該当します。川上の領域で他には、当社のデータ生成に必要となる「調査・解析」「3Dモデル化」を行う企業を対象に考えています。

また、川下の領域では、当社が保有するデータを活用することで、分析・制御・予測の向上が期待される「GIS」「シミュレーション/3DCG」「AR/VR」の業界が対象となります。

連続的M&Aを通じたグループ拡大

当社では、こうしたM&Aを通じた非連続的な成長を、オーガニックな成長に加えて重要な戦略と位置付けております。

当社の歴史を振り返りますと、2019年にUshr社を買収し一体経営を進めたことによって、欧州・韓国・中東への進出も可能となり、このM&Aは、当社の事業拡大における大きなターニングポイントとなりました。

その後、上場を経て昨年(2025年)よりM&Aを再開しております。2025年10月に日本海測量設計の買収を完了し、2026年4月にはリカノスをグループに迎えました。これらの会社が有する地域密着型の測量力やドローン測量技術を取り込むことで、当社のビジョンである「Modeling the Earth」を実現してまいります。

今後も、黒字企業を対象に、複数の測量会社の買収、測量事業の中核となる企業の買収、事業領域の拡大を通じてグループの成長と収益性の向上に取り組んで参ります。

フィジカルAIの「データプラットフォーム」

以上を通じて、自動運転からモビリティ・インフラ・広告・エンターテイメントへと活用領域を拡げ、多様な産業においてフィジカルAI時代における「データプラットフォーム」を提供してまいります。

日本政府戦略17分野における当社データの活用可能性

当社のデータの応用領域はさらに広がり、国家レベルの重点分野にもつながっているというのが、このスライドになります。こちらは、日本政府が掲げる戦略17分野に対して、当社の高精度3次元データがどのように活用可能かを示したものです。

ご覧の通り、当社のデータは特定の用途に閉じるものではなく、AI・半導体、航空・宇宙、防災・国土強靭化、港湾ロジスティクス、情報通信といった、幅広い分野で活用可能性があります。

特に重要な点として、フィジカルAIの発展においては、学習・検証・シミュレーションに使える現実空間データが不可欠ですが、当社のデータはまさにその用途に対応しています。

例えば、AI・半導体分野においてはAIモデルの学習・検証データとして、航空・宇宙や防災分野においてはシミュレーションや状況把握のための基盤データとして活用が可能です。ドローンの分野においても同様で、災害時の状況把握やインフラ点検などにおいて、現実空間を正確に再現したデータがあることで、安全で効率的な運用が可能になります。

また、港湾や物流といった分野では、この後ご説明する東京流通センター(TRC)の事例と同様に、自動化・効率化の基盤としての役割を担うことができます。

このように、当社の高精度3次元データは、単なる自動運転用途のデータではなく、さまざまな産業に共通して使われる「基盤データ」として位置づけることができます。これは言い換えると、当社の成長機会が特定の市場に限定されるものではなく、今後の産業発展全体に広がっていることを意味しています。したがって、当社は自動運転関連企業という枠を超えて、フィジカルAI時代におけるデータインフラ企業として成長していくポジションにあると考えています。

AIネイティブデータによる実世界の3D環境モデル化

ここからは、当社が取り組んでいるAIネイティブデータセットの提供についてご説明します。

ここでは、3D Gaussian Splattingという技術を用いて生成したフォトリアルな3D環境モデルデータについてご紹介します。

一般的な3DGSは画像データのみをベースに生成されることが多いのですが、弊社の特徴は、画像だけでなく点群データと高精度3次元地図データも組み合わせて生成している点です。

これにより、点群データによるDepth(奥行き情報)から、正確な3D情報の入力、高精度3次元地図データを用いた前処理でのノイズ除去といったことが可能になり、撮影条件のコントロールが難しい公道においても実世界の正確なスケールを持った幾何構造、ノイズレスでフォトリアルな3D環境データを構築することができます。

この3DGSコンテンツの特徴は任意のカメラ視点・トラジェクトリ(道筋・軌道)から映像を生成できる点です。1つの3次元データから、様々なシナリオでの走行動画を作成することができ、それはつまりコントローラブルにバリエーションを持った学習/検証用データを生成できます。

さらに“ノイズレスで幾何的に正確なデータ”であることにより、その後のAI処理との相性が非常に良く、生成AIを活用して天候や時間帯、交通状況などのバリエーションをもったデータ拡張をする場合でも、高品質な幾何構造・フォトリアルさを維持したまま拡張が可能になります。

つまり、単にリアルなだけでなく、「AIで扱いやすい3Dモデルデータ」であるという点が大きな特徴です。

3DGSを用いた3D環境モデル -AI学習・評価に必要なデータ基盤 -

こちらは3DGSで作成した3次元モデルになります。本来であれば路上駐車や歩行者がいる公道ですが、それらが存在しないクリーンな3次元モデルになっております。また、このように任意の視点から見た2D画像が表現可能です。

この3DGSに対して、任意のTrajectory(道筋・軌道)情報を組み合わせることで、自由に走行動画を生成することが可能です。例えば本スライドは左の車線を直進走行するTrajectoryを組み合わせたケースです。

次に、右折するシナリオのTrajectoryを組み合わせた場合の走行動画がこちらです。このように自由に走行経路を設定し、例えば逆走や建物にぶつけるなど様々な走行動画を生成することが可能です。

このように、実世界データを起点としながら、AI学習・評価に必要な走行パターンを柔軟に作成できることが、当社のAIネイティブデータの特徴です。

フィジカルAIの課題を解決するデータ基盤へ

続いて、当社が目指すAIネイティブデータの取り組みについてご説明します。世界中のフィジカルAIの開発において大きな課題となっているのが、学習データと評価データの不足です。

当社は、高精度3次元地図データ、標識等の意味情報を有するSemanticデータ、高幾何3DGSデータを組み合わせることで、AI学習・評価に活用可能な高精度なデジタル空間を構築しています。

通常の3DGSは見た目を再現するVisual情報が中心ですが、当社は高精度3次元地図データを組み合わせることで、車線・標識・信号・道路構造といった意味情報に加え、実測に基づく位置やサイズ情報を付与することが可能です。

このデータをベースに、AIモデル向けに複数のシナリオの動画を生成できるNVIDIA Cosmos Transfer等の生成AI技術を活用することで、天候、時間帯、交通参加者などの条件を変化させ、多様な学習・評価データを生成できます。

例えば、夜間・雪道・豪雨・逆光・事故など、実世界では発生頻度が低く、十分にデータを集めにくいケースが多く存在します。こうしたケースを、当社の正確な3Dデータをベースに生成することで学習・評価のデータセットを提供することができます。

当社は、単に保有データを販売するだけではなく、自動運転・ロボティクス・フィジカルAIの開発を支える現実世界のデータ基盤を目指しています。

当社提供のAIネイティブデータセットからの学習・評価用データ生成

当社のAIネイティブデータセットからNVIDIA Cosmos Transferの生成AI技術を活用して、諸条件を変化させて生成される、多様な学習・評価データの例として、3つの動画をご覧いただきます。

一つ目は、日中、晴天の条件下のデータです。現実世界の道路構造を反映したデータを起点に、複数のカメラ視点で走行環境を生成しています。

続いて、同じ走行環境を夜間条件で生成した例です。実車で夜間データを大量に収集するには時間やコスト、安全面の制約がありますが、生成AI技術を組み合わせることで、必要な条件のデータを効率的に作成することが可能になります。

こちらは、豪雨条件で生成した例です。悪天候下の走行データは、実車で十分に取得することが難しい一方、自動運転やADASの安全性評価においては非常に重要なデータです。

このように、実世界データを起点に天候や時間帯を変化させることで、AI学習・評価に必要なデータのバリエーションを拡張できます。

NVIDIA、MathWorksとフィジカルAIの学習・検証用データ生成に取り組み

こうしたフィジカルAIの学習・検証データの生成に向けて、当社はNVIDIAとMathWorksとの取り組みを進めています。

こちらのスライドにある通り、当社の高精度3次元地図データを元データにMathWorksのRoadRunnerを用いて3Dシーンやシナリオを作成し、NVIDIA Cosmos TransferでAI学習・評価に活用可能な高品質な動画データを生成することが出来ます。

当社のデータと技術と、NVIDIAとMathWorksの技術を組み合わせることによって、フィジカルAIに必要なデータを提供することが出来、フィジカルAIの社会実装に貢献していきたいと考えています。

なお、先月には、当社、NVIDIAとMathWorksとの3社共同でフィジカルAI・自動運転開発を支えるデータ生成ワークフローを紹介するセミナーを開催し、自動車メーカー、Tier1サプライヤー、ソフトウェアベンダー、半導体関連企業、研究機関などのエンジニアや研究開発担当者を中心にご参加いただきました。

法人ライセンス拡大、フィジカルAI向け事業拡大に向けた基盤整備が進展

ここからは、2027年3月期第1四半期実績及び通期見通しについてご説明します。

こちらのスライドでは、第1四半期の主な進捗を、事業、開発、M&Aの3つに分けて整理しています。

まず、事業面では、海外大手半導体メーカー向けのAI用途法人ライセンス案件を追加受注したほか、自動運転トラック向けの法人ライセンス案件も受注しました。また、当社データを搭載した車種の販売が開始され、搭載車種は1車種増え、計6社39車種となりました。

さらに、北米交通当局向けの橋梁・トンネル管理ソリューションの提供を開始し、3Dmapspocketについても不動産開発用途での利用が拡大しています。

開発面では、AIネイティブデータセットをHugging Face上で公開し、公開後約4,000件のダウンロードがありました。また、先ほどもご説明したNVIDIA、MathWorksとの連携により、フィジカルAI向けの学習・検証データ生成に向けた取り組みを進めています。

加えて、フィジカルAI向けの高精度3次元データの活用のユースケースとして、東京流通センター(TRC)内の高精度3次元データを整備し、構内における自動運転・フィジカルAIの実証実験用途向けに平和島自動運転協議会参画企業に提供を行いました。

M&Aでは、測量会社のネットワーク化に向けた第2号案件として、2026年4月にリカノスの買収を完了しました。

以上の通り、第1四半期は業績面ではプロジェクト型売上の減少影響がありましたが、ライセンス型売上は成長しており、中長期のライセンス事業拡大に向けた基盤整備は着実に進展した四半期と捉えています。

海外大手半導体メーカーよりAI用途法人ライセンス(Data for AI)追加受注

続いて、AI用途向け法人ライセンス案件の追加受注についてご説明します。当社は、本第一四半期に海外大手半導体メーカーより、AIベースの自動運転・ADAS開発に利用されるオートモーティブ法人ライセンス案件を追加受注いたしました。なお、提供先の具体的な社名は、当該契約条件から開示することが出来ず恐れ入ります。

今回のポイントとして、追加受注そのもののみならず、その背景についてもご説明したいと思います。当社は昨年、同海外大手半導体メーカー向けに北米の高精度3次元データを提供しておりましたが、その利用実績を通じてData for AI用途における当社データの有用性が確認され、今回、新たに追加で欧州・日本・韓国のデータ提供につながりました。

また、AI用途においても、どこか一つの国や地域のデータがあれば十分というわけではなく、実際にサービス提供が想定される各地域の道路環境や交通ルール等を反映した実世界データが必要であることも確認されたと考えています。

当社としては、本案件を、Data for AI需要の拡大を背景に、グローバルデータ資産のマネタイズが進展した事例と位置付けています。

グローバルに整備した高精度3次元データを活用し、AIネイティブデータセットを提供

続いてAIネイティブデータの事業進捗・開発進捗についてご説明します。2026年6月には、サンプルデータセットをHugging Face上で公開しています。収録データには、点群、カメラ画像、走行軌跡などRAWデータ、高精度3次元地図データ、Semantic点群データ、Semantic画像データ、3DGSなどAIネイティブデータが含まれています。

公開後、約4,000件のダウンロードがあり、開発者コミュニティや潜在顧客から一定の関心を確認できています。

また、本データについては、国内の自動車会社・Tier1・自動運転ソフトウェア会社へ広く営業をして需要を捕捉しており、今後は海外のプレイヤーにも積極的に展開していく予定です。

当社は、こうしたAIネイティブデータの提供を通じて、Data for AI事業を加速させてまいります。

4つのデータレイヤーを統合、AI開発に必要なマルチモーダルデータを提供

こちらは、当社のAIネイティブデータセットの構成を示したものです。当社は、RAWデータ、高精度3次元データ、Semantic融合データ、高幾何3DGSデータの4つのデータレイヤーを同一空間上で統合しています。

RAWデータには、点群、画像、走行軌跡が含まれます。高精度3次元データには、車線、信号、標識などの地物情報が含まれます。

さらに、点群や画像に地物情報を付与したSemantic融合データ、そして高い幾何構造を有した3DGSを組み合わせることで、AIの学習・評価に活用可能なマルチモーダルデータを提供します。

重要な点は、これらのデータが同一空間上で整合されていることです。これにより、AI開発において一貫した学習・評価が可能になります。

自動運転からフィジカルAIへ拡張する高精度3次元データ活用

当社データの活用がフィジカルAIの領域でどのように広がっているのか、その具体例として、東京流通センター(TRC)での取り組みを示しています。

当社はTRC構内の物流施設全体について、高精度3次元データを整備し、自動運転・フィジカルAIの共有インフラとして提供しています。

このエリアは、屋内空間や複雑な形状のランプウェイなどを含んでおり、GPSが届きにくい環境や、一般公道とは異なる特殊な空間となっています。こうした環境においては、センサーだけでは正確な位置把握が難しいため、あらかじめ整備された高精度3次元データが非常に重要な役割を果たします。

具体的には、レベル4の自動運転トラックが、指定されたバースや区画に対して、安全に到達するための情報提供として活用されます。加えて、施設内のテナント企業とのシステム連携なども可能となり、単なる走行支援にとどまらず、物流全体の効率化にも寄与します。

このように当社のデータは、道路というインフラだけではなく、物流施設のようなクローズドな空間における自動化・省人化にも展開が進んでいます。重要なポイントとして、当社はこうした高精度3次元データを個別用途ではなく、複数のプレイヤーが共通に利用できる共有インフラとして提供している点にあります。これにより、自動運転とフィジカルAIを組み合わせた物流自動化の開発を、より効率的に加速することが可能になります。

フィジカルAIの実装に向けたオープンイノベーションに貢献

今ご説明した東京流通センター(TRC)での取り組みは、単独企業などによる実証ではなく、複数の企業・行政・研究機関が参加する形で進められている点が特徴です。

こちらのスライドは、その体制を示したものになります。TRC内で2025年5月に設立された平和島自動運転協議会の中で、さまざまな企業の実証フィールドとして活用されています。ご覧いただく通り、自動車運転関連企業だけでなく、ロボット・物流・通信・インフラ・IT・金融など、非常に多様な業種の企業が参画しています。

ここで重要なのは、フィジカルAIの社会実装は単一の企業だけでは成立せず、こうしたエコシステム全体での取り組みが不可欠であるという点です。その中で当社は共通基盤として、高精度3次元データを提供する役割を担っています。

つまり、当社のデータがあることで、各企業が同じ空間情報を共有しながら開発を進めることができ、結果としてイノベーションのスピードを高めることが可能になります。

このような、現実空間を正確にデータ化して共有インフラとするニーズは、物流施設・空港・港湾など、さまざまな領域に広がっていきます。当社は、単にデータを提供するだけでなく、フィジカルAIの実装を支えるプラットフォームとしてエコシステムの中心に位置しているという点が特徴です。

3Dmapspocketの不動産開発用途での利用が拡大

次に、3Dmapspocketの不動産開発用途での利用拡大についてご説明します。3Dmapspocketは、高精度3次元点群データと3D Tilesを統合した3D空間プラットフォームであり、ビジネスPCのブラウザ環境で3D空間を扱うことができます。

特に不動産開発においては、スライド右側の写真でお示ししているように、開発計画の立案・眺望/景観確認・配置検討などで活用が広がっています。

先月、東京建物様による採用、今週はシーラ様による採用をそれぞれプレスリリースしておりますが、以降も大手不動産会社への採用が決まっており、本領域における展開を積極化してまいります。

熊本地震被災地域の状況把握・復旧支援として3Dmapspocketを無償公開

また、3Dmapspocketについては、防災・復旧支援にも貢献できると考えております。改めましてこのたびの令和8年熊本地震により被災された皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。

当社は、「熊本地震災害復旧支援プログラム」という名称で、3Dmapspocketの一部機能を無償公開いたしました。発災前の道路形状や周辺環境を把握するための基盤情報として活用いただくことで、復旧計画立案やインフラ点検、現地調査前の事前確認などのご支援をしたいと考えております。

既に、本プログラムには高速道路会社や建設会社・建設コンサル会社・損害保険会社・研究機関等にご利用を開始いただいており災害復旧に貢献できればと考えております。

ライセンス型売上は前年同期比で増加、調整後EBITDAのマイナス幅は予算内

2027年3月期第1四半期実績について、前年同期との比較からご説明します。 スライド左側は売上高、右側は調整後EBITDAを示しています。ライセンス型売上高はData for AIを中心として、法人ライセンス案件の拡大により前年同期を上回り、ライセンス型売上の割合が上昇しました。

一方、プロジェクト型売上高については、主に北米における新規整備が完了したことにより、前年の反動減等により前年同期を下回りました。その結果、売上高は前年同期を下回り、調整後EBITDAについても前年同期を大幅に下回る結果となりました。ただし、この調整後EBITDAのマイナス幅は当初想定の予算内で着地しております。

ライセンス型売上は引き続き成長しており、ライセンス型中心への転換は着実に進展しています。

調整後EBITDA通期プラス化へ

以上を踏まえまして、2027年3月期の通期業績予想は期初予想を据え置いています。通期業績予想は、売上高70億円、ライセンス型売上30億円、調整後EBITDA50百万円です。

HDマップ搭載車種の増加やAI用途を中心とした法人ライセンスの拡大により、ライセンス型売上を30億円まで着実に成長させる計画です。その結果、利益指標である調整後EBITDAについては、ライセンス型売上の拡大とコスト構造の改善を背景に、プラス転換を見込んでおり変更はありません。

事業環境と取り組み方針 - AIネイティブなデータ・商品開発を強化、法人ライセンス拡大

2027年3月期の事業環境と、当社の取り組み方針について、期初にお示ししたものの再掲となりますが、ご説明します。

事業環境ですが、自動運転を含むフィジカルAIの進展が見込まれ、産業界におけるAI関連投資の裾野拡大も見込まれる一方、地政学的リスクや原材料・エネルギー価格動向、グローバル市場における競争環境の変化など、自動車業界を取り巻く事業環境には不確実性が残る状況です。

こうした環境認識のもと、取り組み方針を3つご説明します。一つ目は「AIネイティブデータ」の開発です。先ほど、ご説明した通り、AIネイティブデータセットの提供を開始し、Data for AI事業を加速させています。

二つ目は「ライセンスビジネス拡大」です。オートモーティブ向け量産ライセンス、法人ライセンスに加え、フィジカルAIの進展によるData for AIの需要を捕捉してまいります。あわせて、測量会社のロールアップを中心とした「M&A」に継続して取り組み、フィジカルAI時代を支える測量能力を強化します。また、データ利用拡大を促す、「川下」領域のM&Aの検討も進めております。

法人ライセンスがライセンス型を牽引、プロジェクト型案件採択・拡大に取り組み

カテゴリー毎の注力する取り組みと進捗についてご説明します。

「オートモーティブ法人ライセンス」については、大手自動車メーカー・半導体メーカー・自動運転システム開発会社からの引き合いが引き続き見込まれており、各国で施行される安全規制対応のデータ需要も含めて、これらの需要を着実に取り込んでいく方針です。

既に、海外大手半導体メーカーからの追加受注があり、国内及び北米で自動運転トラック向けデータ提供を行いました。Data for AI案件の提案・商談も増加しており、順調に進捗しております。進捗評価としては、◯から◎としています。

「オートモーティブ量産ライセンス」については、当社データが搭載されている車種が1車種増加し、計6社39車種となり◯としております。既存の搭載済車種の台数成長に加え、新規車種への搭載拡大に取り組みます。

「3Dデータライセンス」については、インフラ管理、不動産開発への利用は拡大していますが、売上貢献はまだ途上です。また、自動運転・ADAS以外で、ロボティクスや物流用のAMR向けのAIネイティブデータの需要は探索中であり、売上貢献が本格化するには一定の時間を要するため、引き続きパイプラインの積み上げに注力します。こちらの進捗は△としております。

次に、プロジェクト型ビジネスについてです。3Dデータプロジェクトについては、現時点で未受注の案件も含まれますが、政府向け・民間向けともに案件数は増加しており、海外案件の引き合いも増えています。また、測量会社の連結化による売上・利益貢献も進んでおります。このため、進捗評価は◯としております。

オートモーティブのプロジェクトについては、中東地域における整備案件を着実に遂行するとともに、新規国における整備案件も受注済みです。新規整備案件の商談が複数進められており、進捗評価は◯から◎としております。

粗利率80%超のライセンス型を伸ばし中長期で成長率10-30%で成長を続ける

続いて、中長期的な成長方針についてご説明します。昨年度は計画通りデータの新規整備が概ね完了し、成長の為の事業基盤構築が完了したとともに、ライセンス型売上が前年対比2.2倍へ成長しました。本年度は、いよいよライセンス型中心の収益構成へとシフトし投資回収のフェーズへ入ります。

以降、中長期的には、売上高について年率10〜30%程度の成長を目指してまいります。それを牽引するのはやはりライセンス型売上です。AI用途向け法人ライセンスでは粗利率が100%という案件もありますが、ライセンス型売上全体としては80%超の粗利率を狙っていきたいと考えています。

下段にはカテゴリー別の施策をまとめております。これらの施策に取り組み、売上成長とライセンス型中心の収益構成へシフトしていきます。

ライセンス型ビジネス(オートモーティブ)

これより、パイプラインを4つに分けてアップデートをさせて頂きます。2027年3月期に入ってからの主な進捗に絞ってご説明させて頂きます。

1つ目はライセンス型のオートモーティブビジネスです。量産ライセンスでは、自動車メーカーAについて、高精度3次元データを搭載した新規車種の販売が開始され、当社データの搭載車種は、計6社/39車種となりました。

法人ライセンスでは、海外大手半導体メーカー向けに、北米データの提供実績を踏まえ、欧州・日本・韓国のデータを追加受注したほか、複数の商談を進めております。加えて、新たに、自動運転システム開発会社向けに1件契約締結したほか、日米それぞれで自動運転トラック向けのデータ提供について2件、契約締結しました。

引き続き、量産ライセンスの台数成長と法人ライセンスの拡大により、ライセンス型売上の積み上げを図ってまいります。

ライセンス型ビジネス(3Dデータ)

2つ目は、ライセンス型の3Dデータビジネスです。まず、3Dmapspocketについて、事故調査用途で大手損害保険会社とのライセンス契約を締結しました。また、不動産開発用途で大手不動産会社の利用が拡大しております。

次に、エンターテイメント領域では、ソフトウェア会社向けに、レーシングゲーム用途でのデータ提供を行いました。

3Dデータライセンスは、自動車以外の領域への展開を進め、インフラ管理・不動産・エンターテインメントなど活用領域の拡大が進んでおります。

直近では「熊本地震災害復旧支援プログラム」での無償公開により、防災・復旧支援など社会的な用途においても、高精度3次元データの活用可能性を広げております。

一方で、事業としてはまだ立ち上がりの段階にあり、引き続きパイプラインの積み上げに取り組んでまいります。

プロジェクト型ビジネス(3Dデータ)

3つ目は、プロジェクト型の3Dデータビジネスです。今回の更新点として、民間企業向けの物流自動化案件の受注、海外において北米交通当局向け橋梁・トンネル管理ソリューションの提供を開始しております。また、米国州政府から実証実験などの引き合いを頂いています。

加えて、海外においてデジタルツイン構築向けのデータ提供案件について契約締結しました。本件については開示許諾が取れ次第、プレスリリースをさせていただきたいと考えております。

以上の通り、国内外の政府向け・民間向けともに案件採択及び案件拡大に取り組んでおり、今後の受注獲得に向けた活動を継続しております。インフラ管理・物流自動化・デジタルツイン分野を中心に、今後の案件獲得及び売上拡大に取り組んでまいります。

プロジェクト型ビジネス(オートモーティブ)

最後に、プロジェクト型のオートモーティブビジネスです。中東における案件は、今年度にプロジェクトを完遂する予定です。今年度、既に受注しております27ヶ国目の新規整備案件も進めてまいります。

その他の商談中の案件についても、引き続きクローズに向けて取り組んでまいります。オートモーティブ分野のプロジェクト案件は通期業績への影響も大きいため、既存案件の確実な遂行と、利益率を意識した案件受注に取り組んでまいります。

中長期ビジョン

最後に、こちらが当社の中長期ビジョンです。「Modeling the Earth」を実現するべく、DMPグループとして中長期で事業を成長させるべく取り組んでまいります。

引き続きどうぞご支援頂けましたら幸いです。よろしくお願い致します。

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