2025年2月期 連結業績
高橋知道氏(以下、高橋):オープングループ株式会社代表取締役の高橋です。2025年2月期の決算についてご説明します。
連結業績についてご説明します。2025年2月期は、インテリジェントオートメーション事業、アドオートメーション事業ともに堅調に推移しました。売上高は前年同期比プラス17.2パーセントの72億2,400万円、営業利益は前年同期比プラス25.7パーセントの6億5,300万円で、増収増益となりました。
一方で、持分法適用子会社の投資損失3億800万円、投資事業組合運用損9,200万円を営業外費用として計上したことで、経常利益は前年同期比マイナス10.8パーセントの2億3,400万円となりました。
特別利益には、投資有価証券売却益1億4,600万円、特別損失に本社移転費用1億3,300万円を計上しました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、連結子会社の合併およびRoboRobo事業のコンプライアンスサービスの黒字化により、繰延税金資産を計上したことで、前年同期比プラス162.3パーセントの4億3,500万円となりました。
連結売上高 前期比増減要因
連結売上高の前期比増減要因についてご説明します。インテリジェントオートメーション事業、アドオートメーション事業は、事業整理影響を控除すると両事業ともにしっかりと増収となりました。
その他事業は、2023年12月にグループインしたご近所ワーク社が増収に寄与しました。事業整理による減収影響もありましたが、連結売上高は前年同期比で増収となり、72億2,400万円で着地しました。
連結営業利益 前期比増減要因
連結営業利益の前期比増減要因についてご説明します。インテリジェントオートメーション事業、アドオートメーション事業は、事業整理影響を控除すると両事業ともに増益となりました。
全体では、先行投資フェーズのその他の事業、事業整理による減益の影響もありましたが、連結営業利益は6億5,300万円と、前年同期比で増益となりました。以上、連結業績についてご説明しました。
インテリジェントオートメーション事業ハイライト
事業ごとの概況についてご説明します。まず、インテリジェントオートメーション事業についてご説明します。インテリジェントオートメーション事業では、「BizRobo!」「RoboRobo」ともに導入企業は順調に増加し、売上高、セグメント利益ともに堅調に推移しました。売上高は、前年同期比プラス13.2パーセントの47億7,100万円となりました。セグメント利益は、前年同期比プラス87.5パーセントの5億900万円となりました。
「BizRobo!」は増収増益となりました。「RoboRobo」はプロダクト開発を中心とした先行投資を継続して行いましたが、「RoboRobo コンプライアンスチェック」が2025年2月期は通期で黒字化を達成しましたので、「RoboRobo」も増収に寄与しました。
インテリジェントオートメーション事業ハイライト:導入企業数
インテリジェントオートメーション事業の各KPIについてです。「BizRobo!」「RoboRobo」ともに導入企業は引き続き順調に増加しており、2025年2月末時点で累計4,004社に達しました。「BizRobo!」の解約率も導入企業が増加している状況においても0.79パーセントと、非常に低い水準を維持できています。
インテリジェントオートメーション事業ハイライト:ストック収入
インテリジェントオートメーション事業のストック収入についても、前年同期比プラス15パーセントと、しっかりと収益基盤の積み上げを進めることができました。以上が、インテリジェントオートメーション事業の2025年2月期の概況です。
アドオートメーション事業ハイライト
アドオートメーション事業についてご説明します。アドオートメーション事業では、主力のCPA事業の取扱高はしっかりと増やすことができていますが、業績のボラティリティを高めていた案件の事業整理を進めたことによる減収減益影響がありましたので、売上高は前年度比マイナス7.4パーセントの14億9,100万円となりました。
先ほど連結売上高の前期比増減要因でご説明したとおり、事業整理の影響を除くと、主力のCPA事業は増収しています。セグメント利益は、手数料率の改善も進められましたので、前年同期比プラス6.3パーセントの5億5,700万円となりました。
アドオートメーション事業ハイライト:取扱高の推移
CPAの取扱高の推移です。こちらは先ほどご説明したとおり、競合サービスからのリプレイス、新規業界の参入は引き続き順調に進めていくことができており、当社が重視しているKPIである取扱高は、2025年2月期も順調に伸ばすことができました。以上が、アドオートメーション事業の2025年2月期の概況です。
2026年2月期 業績予想
2026年2月期の業績予想についてご説明します。2026年2月期は、主力事業を取り巻く事業環境は引き続き良好で、インテリジェントオートメーション事業、アドオートメーション事業ともに増収増益の見通しです。
売上高は前期比プラス17.7パーセントの85億円を計画しています。成長に応じた投資を進めつつ、引き続きコストコントロールも強化していますので、営業利益は前期比プラス46.9パーセントの9億6,000万円を計画しています。
経常利益は、前期に発生した持分法による投資損失もなくなりますので、前期比プラス266.4パーセントの8億6,000万円を計画しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比プラス18.5パーセントの5億1,600万円を計画しています。
配当予想は1株あたり4円50銭と、2025年2月期の普通配当3円からの増配を計画しています。
各事業の成長戦略
各事業の成長戦略です。「BizRobo!」を取り巻く環境については、中堅中小企業でのRPAツールの導入率がまだまだ低く、労働人口の減少を背景とした省人化、生産性向上への取組み、DXを背景に、市場は引き続き成長していく見通しです。
2024年6月にM&Aによりグループインにしたオートロ社のクラウドRPAも加わったことで、プロダクトラインナップの拡充、RPAツールの適用業務領域の拡大による追加ライセンス導入、アップセルにより収益基盤であるストック収入の拡大を図っていきます。
また、「BizRobo!」で築いてきた3,000社以上の顧客資産をテコに、新商品・サービスの投入によって、さらなる事業の拡大を図っていきます。
「BizRobo!」「AUTORO」は、これまでの単一タスクの業務自動化から、今後はAI、マシンラーニングなどのスマートテクノロジーを活用し、複数の業務から構成される業務プロセス全体の自動化へと構造化する、ハイパーオートメーションへと進化していきます。
「RoboRobo」については、「RoboRobo コンプライアンスチェック」が前期2025年2月期に、通期で黒字化を達成しました。今後はアップセル等によりARRの拡大にフォーカスしていきます。
RoboRobo事業としては、人事、経理、総務などバックオフィス業務全般が対象領域であり、事業機会は膨大です。現在、事業開発を進めているペイロールの対象市場である給与計算代行市場は、2022年度で3,290億円規模、今後の潜在市場としても7,000億円以上の拡大が予想されている非常に大きな市場です。
2024年10月にM&Aによりグループインした、給与計算代行事業のあすかペイロールプロ社との取組みを皮切りに、バックオフィスのデジタルBPOセンターの立ち上げを推進していきます。
最後に「PRESCO」ですが、労働集約型の成果報酬型(CPA)広告業界において、オートメーション化を実現し、当社の強みであるRPA等の先端技術の社会実装が最も威力を発揮した領域です。
成果報酬型(CPA)広告の市場規模は、取扱高ベースで3,000億円超と非常に大きな市場であり、「PRESCO」は競合サービスからのリプレイス、取扱いシェアの拡大、取扱高増加のサイクルに入っており、近年、高成長を実現しています。
今後は取扱高の拡大と並行して手数料率の設定の見直し等を通じて、さらなる収益性の向上を追求していきます。
成長に向けた資本政策とキャピタルアロケーション方針
最後に、2025年2月に発表した資本政策に係る取組みの進捗状況についてご説明します。 2024年10月に今後の成長、資本市場からの適切な評価の実現に向けて、新たな資本政策を策定しました。
あらためてポイントを説明すると、2つの戦略の推進により、主要事業から創出されるコア事業利益ベースのROEを2桁パーセントに引き上げていくことを目指します。
戦略の1つ目は、「BizRobo!」「RoboRobo」「PRESCO」を中心とするコア事業を拡充しつつ、収益化に目途がついた新規事業、安定的に利益を出せる体質となった買収先をコア事業に取り込むことで、コア事業利益を最大化していきます。
戦略の2つ目は、当社の自己資本は足元の財務健全性指標等を踏まえると、積み増しの必要性は限定的であり、キャッシュフローの状況、新規投資のオポチュニティを勘案しつつ、株主還元を強化していきます。
2025年2月期は、この資本政策を実現するための取組みをスタートしましたが、有意な進捗があったと評価しています。2026年2月期はこれをさらに加速させていき、2桁パーセントのROEの早期実現を目指していきます。
①コア事業の成長に向けた取組み
コア事業の成長に向けた取組みについてご説明します。まずオーガニック面ですが、先ほどの成長戦略でもお話ししたように、今後急拡大が見込まれるハイパーオートメーション分野において、「Tungsten TotalAgility」の取扱いを開始しました。既存プロダクトにおいても、機能拡充など収益力強化につながる着実な進展ができたと考えています。
インオーガニック面では、2025年2月期は複数のM&Aを実施しました。PMIも順調に進展し、2026年2月期はシナジーの発現フェーズに移行していきます。
②資本のコントロールと株主還元の強化
資本のコントロールと株主還元の強化についてご説明します。まず配当ですが、2024年10月に新たに策定した配当方針について発表しました。2025年2月期は業績予想どおりに着地しており、配当予想の1株3円に、創業25周年の記念配当2.5円を上乗せした1株5.5円の配当を実施することとしました。
2026年2月期も、業績の拡大により、1株4.5円の配当の実施を見込んでおり、2025年2月期の普通配当3円からの増配を計画しています。
次に、2025年1月に発表・実施している自己株式の進捗についてご説明します。コア事業利益ベースでの2桁パーセントのROEをできるだけ早く実現するため、配当に加えて、総額20億円の自己株式取得枠を設定し、市場買付を開始しました。2025年3月末時点で3億4,000万円の市場買付を実施しており、金額ベースで17パーセント進捗しています。
上場維持基準の1つである流通株式比率35パーセントの達成を意識しつつ、業績、市場環境等を総合的に勘案した上で、自己株式取得の適否、取得した自己株式の有効活用を検討していく所存です。引き続き、財務健全性、東証上場維持基準の達成を意識しつつ、株主還元の強化を継続し、資本適正水準にコントロールを進めていきます。以上をもちまして、2025年2月期の決算説明とします。
質疑応答:生成AIを活用した取組みについて
松井哲史氏(以下、松井):「生成AIに関する取組みが各社で活発になっていますが、御社での取組みがあれば教えてください」というご質問です。
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