2025年6月期第2四半期決算説明

佐々木勉氏(以下、佐々木):みなさま、こんにちは。株式会社アイキューブドシステムズ代表取締役執行役員社長CEOの佐々木です。本日は、お忙しい中ご参加いただきまして、誠にありがとうございます。

今回の説明会が、当社の事業成長についてご理解を深めていただく場になるよう努めます。どうぞよろしくお願いします。

目次

それでは、本日お話する内容についてです。まずは、2025年6月期第2四半期のサマリーについてご説明します。続いて、当社グループの事業概要について簡単にお話したのち、事業ハイライトと業績についてご説明します。

なお、業績についてはCFOの坂田よりご説明します。

2025年6月期 第2四半期サマリー

まずは、第2四半期のサマリーについてご説明します。売上高は17億1,600万円、営業利益は4億2,300万円、導入法人数は順調に増加しており、7,694社となりました。

売上高、営業利益ともに前年同期比で20パーセント以上上回っており、順調に事業を拡大させることができています。詳細については業績報告のパートでご説明します。

当社グループの事業構成

ここから、当社グループの事業概要について、簡単にご説明します。

当社はCLOMO事業と投資事業という2つの事業を展開しています。CLOMO事業は当社のコア事業であり、ソフトウェアをクラウドで提供する事業です。投資事業はスタートアップへの投資をメインに活動しています。

CLOMO事業の概要(サービス内容)

CLOMO事業では、主力製品である「CLOMO MDM」というソフトウェアをクラウドで提供しています。「CLOMO MDM」はスマートフォンやタブレットなど、管理したい端末1台1台にインストールすることで、その端末をまとめて管理するソフトウェアサービスです。

機能としては大きく3つありますが、それぞれ簡潔にまとめると、まず端末がどのように使われているのかを把握すること、そしてこの端末がどう使われるべきかというルールを設定すること、そして、端末を紛失したなど万が一の事故が起こった際に、迅速な対応をすることができる機能を備えています。

その他の機能としては、例えば、端末でどのようなアプリが使用されているかを把握することで、業務に不適切なアプリの使用を発見することができます。また、利用用途に応じてルールを設定することで、Wi-Fiの接続先を限定したり、情報漏洩対策としてカメラの機能を使えないようにしたりすることも可能です。

そして、私たちは「CLOMO SECURED APPs」というサービスも提供しています。5種類の業務用アプリケーションを取り揃えており、一般的なアプリケーションと比べて、高いセキュリティ機能がついていることが特徴です。

このように、CLOMO事業は仕事上で使用されるモバイル端末を一元的に管理し、安心・安全に活用していただくための基盤となっています。

CLOMOリリース後の変遷

このようなCLOMOサービスですが、リリースから14年間で順調に事業を拡大し、直近では7,694社のお客さまにご利用いただいています。

2022年には、NTTドコモグループさまが提供する「あんしんマネージャーNEXT」というMDMサービスへOEM提供を開始しました。先程ご説明したとおり、NTTドコモグループさまはCLOMOの主要販売パートナーとして、現在もCLOMOの販売を進めていただいていますので、それにOEMとしての販売も加わるかたちとなったことで、さらに顧客基盤の拡大が加速しています。

さらに今年はISMAPのクラウドサービスリストというものに登録されました。こちらは、政府が求めるセキュリティ基準をクリアしたクラウドサービスに対して与えられる認定資格です。

高いセキュリティ品質を持った製品である証であり、行政機関が利用するクラウドサービスを選ぶ際には、ISMAPを取得しているか否かが選定基準となりますので、官公庁や自治体などを含めた、さらなるお客さまの獲得に繋がるものと考えています。

投資事業の概要

続いて投資事業については、当社ではベンチャーキャピタル子会社とCVCファンドを設立し、2021年から投資事業を開始しました。

スタートアップ企業の新たな事業創出を助けることが、当社の事業領域の拡大や継続的な発展に繋がると考え、業種を絞りすぎず、広い領域を対象に投資を行っています。そのため、ITやソフトウェアに限定せず、さまざまな企業・ファンドへ投資している状況です。

なお、今期は投資事業を開始してから1件目となるEXITが発生し、投資事業において初めての売上を計上しています。続く2件目のEXITも予定していますので、新規投資を進めるとともに、収益の獲得も目指していきます。

ここまで、簡単ですが事業概要についてご説明しました。

CLOMO事業 進捗サマリー

ここから、第2四半期の事業ハイライトについてご説明します。まずは、CLOMO事業の進捗について、資料のとおり大きく3つの成長戦略を立てており、顧客基盤の拡大、ARPUの向上、サービス価値の向上を掲げています。

補足しますと、ARPUというのはお客さま1社当たりの月額の課金額を示しています。CLOMOはサブスクリプションサービスですので「顧客数×単価」という計算式で売上が構成されています。そのため、顧客基盤の拡大とARPUの向上によって売上の拡大を図るとともに、サービス価値の向上によって、さらなる事業拡大を目指しています。

戦略の1つ目である顧客基盤の拡大については、引き続き、NTTドコモグループさまへのOEM提供を通じた顧客獲得が順調に進んでいます。また、今期は医療分野における顧客獲得にも積極的に取り組んでおり、医療分野のイベントに出展したり、医療機関のお客さまの導入事例を公開したりしています。

さらに、CLOMOがIT導入補助金の対象ツールに認定されました。近年は特に、中小企業のお客さまにも導入の間口が広がっていますので、これによって、さらにCLOMOをご利用していただきやすい環境になるのではと期待しています。

次に、戦略の2つ目であるARPUの向上については、大きな方針として、CLOMO周辺のオプションサービスの拡充によって、お客さまにMDM以外のさまざまなサービスを契約していただくことを目指しています。

このような戦略を背景に、PC向けのサービスを強化するべく、WindowsPC向けサービスを提供するワンビ株式会社を子会社化しました。こちらはこの後のページで詳しくご説明します。

他には、従前は「CLOMO Launcher」という名称で提供していた、ホーム画面をカスタマイズするアプリを名称変更し、新たな機能を追加して提供を開始しました。さらに、年に1度開催するCLOMOユーザーミーティングについて、今年は約5年ぶりにオフラインで開催しましたが、多くのお客さまに足を運んでいただき、盛況で終えることができました。

ARPUの維持、向上には、既存のお客さまの継続率を高く保つことも非常に重要ですので、このようなカスタマーサクセスの活動にも注力しています。

最後に、3つ目の戦略であるサービス価値の向上については、同じくワンビ社の子会社化について挙げています。今回の子会社化により、ARPUの向上だけでなく、開発力の強化や販路の拡大が進むものと考えています。

このように、第2四半期までで、今後の事業拡大に繋がるような種まきをしっかり行うことができています。下期も引き続き、それぞれの成長戦略を推進していきます。

国内MDM市場14年連続シェアNo.1の達成

続いて、CLOMOの市場シェアの状況ですが、自社ブランドの国内MDM市場において、14年連続のシェアNo.1を達成し、今年も無事にシェアトップを維持することができました。販売パートナーをはじめ、関係者のみなさまのおかげで、着実に事業を成長させることができており、とても感謝しています。

なお、現在はNTTドコモグループさまへのOEM提供も進んでおり、自社ブランド市場以外でもシェアを獲得することができておりますので、MDM市場全体においてシェアを広げられるよう、引き続き取り組んでいきます。

Windows PC向けサービスの強化

最後に、先程も少し触れたワンビ社の子会社化についてもう少し補足します。今回、東京ProMarketに上場しているワンビ社を子会社化し、当社グループに参画しました。

ワンビ社は以前からCLOMOのオプションサービスを提供しており、取り引きがあったのですが、今回はグループに入ったことでより連携を強め、お互いの事業拡大を目指していくこととなりました。

ワンビ社では、WindowsPCの情報漏洩対策ソフトウェアを主力製品として多様なサービスを提供しています。これまでに60万台以上ものモバイルPCへの導入実績を持ち、PCメーカーへのOEM提供も行っているということで、非常に豊富な実績を持った会社です。

このように、端末管理やセキュリティ分野という、CLOMOと親和性の高い事業を運営しており、ワンビ社と連携することで、当社は主に2つのメリットを得られると考えています。

まずは、ワンビ社の提供する、WindowsPCの向けのセキュリティサービスをCLOMOのオプションサービスとしてクロスセルすることで、ARPUの拡大を図ることができると考えています。

さらに、CLOMOは携帯キャリアやその代理店を中心に販売パートナーが構成されていますが、ワンビ社の主な販売パートナーは流通商社であり、この販路をCLOMOでも活用することで、CLOMOサービスのさらなる顧客基盤の拡大に期待できます。

このように、CLOMOと親和性の高い企業との連携により、事業領域を拡大するとともに、売上成長を目指していきます。

ここまで、事業ハイライトについてご説明しました。ここからはCFOの坂田より、業績についてご説明します。

CLOMO事業KPI 導入法人数・継続率・ARPU

坂田崇典氏:CLOMO事業については、財務数値とともに各KPI数値を中心にご説明します。まず導入法人数ですが、2024年12月末で7,694社となりました。半期で984社増加しており、順調に顧客基盤の拡大が進んでいます。

こちらはNTTドコモグループさまへのOEM提供が成長を牽引しており、前期に引き続き安定したペースで新規顧客が増加している状況です。継続率については、引き続き高い水準を維持しており、97.1パーセントとなりました。

一方で、ARPUについては、低下傾向が継続しています。こちらは、導入法人数の増加とともに中小企業さまへのサービス導入が進み、1顧客当たりの契約ライセンス数が低下した結果、ARPUとしても低下している状況です。今後も中小企業のお客さまは増加していきますので、ゆるやかな低下傾向が続く見通しです。

顧客基盤がしっかり広がっていることの証明でもありますので、当社としてはネガティブには捉えておりません。ただし、クロスセルなどのARPU向上施策には今後も積極的に取り組む方針であり、ARPUの下げ幅を抑えられるよう努めていきます。

CLOMO事業KPI ARR

第2四半期時点のARRについては、30億2,100万円となり、30億円を突破しました。前期末時点では、大規模案件の契約満了に伴って少し減少していましたが、今期に入ってからは、きちんと増加傾向に戻すことができています。

2025年6月期 第2四半期累計 CLOMO事業 売上高・営業利益

このような結果、CLOMO事業の第2四半期累計業績については、売上高15億9,500万円、営業利益4億1,100万円で着地しました。

費用面の詳細については、この後のグループ全体業績において補足します。

2025年6月期 第2四半期 連結売上高・営業利益

第2四半期の連結実績については、各事業の結果を踏まえ、連結売上高8億1,200万円、連結営業利益2億1,200万円で着地しました。

2025年6月期 第2四半期累計 連結売上高・営業利益

続いて、第2四半期累計については、連結売上高17億1,600万円、連結営業利益4億2,300万円で着地しました。四半期、累計、いずれも前年同期比を上回り、着実に事業が成長しています。

2025年6月期 第2四半期 連結損益計算書

ここから、四半期、累計それぞれの結果について少し補足します。まず第2四半期の売上について、投資事業の売上は発生しておらず、CLOMO事業のみの売上となっています。

売上原価について、その他の項目が少し増加していますが、こちらは今期から連結を開始した10KN社の売上原価が加わったことで、やや増加しています。

販売管理費についても、その他の項目が増加していますが、こちらはワンビ社のM&Aに関する諸費用が発生したことによるものです。

2025年6月期 第2四半期累計 連結損益計算書

続いて累計について、売上は第1四半期に発生した投資事業の売上が含まれており、前年同期比で20パーセントを超える増加となっています。

売上原価はその他の項目に、同じく投資事業の売上原価が含まれているため、大きく増加しています。繰り返しとなりますが、販売管理費のその他の項目はM&A費用が発生したことにより増加しています。

連結営業利益の増減要因

営業利益の増減要因としては、資料のとおりです。結果として、営業利益は4億2,300万円、営業利益率は24.7パーセントとなりました。

通期予想に対しては概ね計画通りの進捗となっており、下期も引き続き、売上成長に向けて必要な事業投資を進めていきます。

2025年6月期 第2四半期 連結貸借対照表

続いて、第2四半期末時点の連結貸借対照表についてです。前期末と比較をし、大きな変化はない状況になっています。

なお、ワンビ社のM&Aについて、代金の決済は第3四半期に入ってから行っていますので、第2四半期末時点の現預金の残高には反映されていません。自己資本比率においては、70パーセントを超える比率を維持している状況にありますので、事業成長に向けた投資については、積極的に実施していきます。

株主還元の方針

最後に株主還元について、当社は事業成長に必要な投資や内部留保と並行して、中長期的な成長に期待していただける株主のみなさまに対して、出来る限り積極的な株主還元を実施する方針としています。直近の業績や事業環境などを踏まえて、2025年6月期の期末配当は前年同額の32円を計画しています。

ここまで、2025年6月期第2四半期決算説明資料をもとにご説明しました。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:MDM市場でのシェア水準と競合環境の変化について

司会者:「MDM市場での、シェアの水準と競合環境の変化について教えてください」というご質問です。

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