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宮﨑宏氏:IR部 部長の宮﨑です。それでは、2025年3月期第3四半期の決算説明を行います。

サマリー

はじめにサマリーです。上場来、第3四半期としては最高益を達成しました。これは日総工産の上場期間を含んだ上での最高益となっています。連結売上高は前年同期比5.3パーセント増加、連結営業利益は前年同期比30パーセント増加で、第3四半期としては順調といえるかたちです。

オートモーティブインダストリー(自動車・EV関連)の人材ニーズに関する大きなポイントとして、メーカーごとの濃淡がより強まっています。したがって、売上高の伸びが鈍化したところは、オートモーティブインダストリーの要因が大きかったといえます。

セミコンダクターインダストリー(半導体・半導体製造装置)に関しては、分野ごとにばらつきはあるものの、当社グループの注力メーカーは堅調に推移しています。

エレクトロニクスインダストリー(通信機器・電子部品)については、電子部品の受注先や用途などによってかなり強弱がある状況です。しかしながら、我々としては概ね計画どおりに推移していると見ています。

最後のポイントとして、現在エンジニアの在籍を増やすためにキャリアチェンジを推進しており、エンジニア系の在籍人数は順調に増加しています。

2025年3月期 第3四半期 連結業績ハイライト

連結業績のハイライトです。先ほどサマリーでもお話ししたとおり、営業利益は前年同期比で30パーセントの増加、売上高は前年同期比で5.3パーセントの増加でした。

請求単価の上昇が最も大きなポイントになっています。また、高収益であるエンジニア系人材サービスの在籍人数を伸ばしたことが大きく寄与していると考えています。

一方で、販管費は前年同期比で増加しています。求人市場が厳しさを増していることから、自社サイトのプロモーションに伴う投資を強化せざるを得ない状況にあるためです。

介護・福祉サービスは、前年同期比で増収減益となっています。

営業利益は第3四半期現在26億6,200万円です。

2025年3月期 四半期単位の連結業績

四半期単位の連結業績です。売上高は第3四半期が261億7,500万円という結果になりました。営業利益は前年同期比で9.2パーセント増加の11億8,200万円です。上期よりも下期の積み上げが高くなっており、業績の伸びに関しては例年どおりとなっています。

グループ会社一覧

グループ会社一覧です。第3四半期ではグループインはなかったものの、今期に関してはツナググループが持分法適用関連会社としてラインナップに加わっています。

サービス別売上高

サービス別の売上高です。製造生産系人材サービスで77パーセント、エンジニア系人材サービスで11パーセント、2つのサービスで合計88パーセントを占めています。

製造生産系人材サービスについて

製造生産系人材サービスについてです。売上高は、請求単価の上昇もあり、前年同期比で0.5パーセント増加しました。売上総利益率は17.6パーセントです。前期より全社を通じて利益率の改善に努めてきており、その成果がようやく表れてきました。前年同期比で0.9ポイント改善と、非常に良い数値になったと思っています。

製造生産系人材サービスについて

第3四半期の製造生産系サービスの1人当たりの月平均売上高は44万5,000円で、前年同期比2.6パーセントの増加でした。しかし、在籍人数は前年同期比で414名の減少となっています。内容としては、エンジニア系人材サービスに対するキャリアチェンジを推進しており、製造生産系からエンジニア系への移行も進めているところです。

エンジニア系だけでなく、製造生産系の人材の在籍人数も増やすのが理想ではありますが、先ほどサマリーでもお話ししたとおり、現在はオートモーティブインダストリーでメーカーごとに濃淡がある状況です。在籍人数は残念ながら減少しましたが、離職率は3.7パーセントと低い水準で維持できていると考えています。

エンジニア系人材サービスについて

エンジニア系人材サービスについてです。在籍人数の増加もあり、売上高の伸びは順調で、前年同期比で33パーセントの増加となりました。利益率は21.1パーセントと、製造生産系に比べて3.5ポイント高い状況ですが、第2四半期と比べると少し落ちてしまっています。

スライドに記載しているとおり、半導体の需要はこれからさらに高まっていきますが、そこに向けた人材育成を考えると、研修施設で全てを行うには限界があります。より技術を高めてもらうには、OJTで職場に配属して、実務の中で経験を積むことがより重要であると考えています。

したがって、より単価の高いところに配属するのが理想ではありますが、現在は単価を問わず半導体の製造現場にエンジニアの配属を進めていることから、利益率が若干低下している状況です。内容としては、戦略的なものとご理解いただければと思います。

エンジニア系人材サービスについて

第3四半期のエンジニア系1人当たりの月平均売上高は53万1,000円で、前年同期比7.2パーセントの増加でした。在籍人数も順調に伸びており、現在は1,976名で、前年同期比で471名の増加です。

さらに、離職率も2パーセントを切っており、非常に低水準で推移しています。現在力を入れている人材育成の部分が、強い効果を発揮しているのではないかと評価しています。

【補足】製造生産系及びエンジニア系人材サービスの在籍人数推移

スライド左側が、製造生産系とエンジニア系人材サービスの在籍人数の合計推移です。第3四半期の段階で、在籍人数は1万6,525名です。第2四半期で少し落ちたものの、やや盛り返しを見せています。

右側が、製造生産系とエンジニア系の在籍人数の構成比推移です。現在、エンジニア系が12パーセント、製造生産系が88パーセントで、計画どおりエンジニア系の比率が上がってきていることがおわかりいただけるかと思います。

事務系・その他の人材サービスについて

事務系の人材サービスの売上高は、前年同期比で2.7パーセント増加しました。在籍人数は555名と前年同期比でほぼ横ばいですが、省人化やAI化が進む事務系の人材サービスの中では、健闘できたのではないかと評価しています。

その他の人材サービスに関しては売上が伸びており、16億3,300万円と前年同期比1億円強の増加です。これは、ニコン日総プライムの貢献が非常に大きいと考えています。障がい者社員数は微減となっています。

総合人材サービスの拡大に向けて(インダストリー戦略)

総合人材サービスの拡大に向けたインダストリー戦略です。当社グループは現在、オートモーティブインダストリー(自動車・EV関連)、セミコンダクターインダストリー(半導体・半導体製造装置)、エレクトロニクスインダストリー(通信機器・電子部品)の3つの産業に力を入れています。

2025年3月期 第3四半期 インダストリー別売上高

インダストリー別売上高の構成比です。注目していただきたいのは、オレンジ色のオートモーティブインダストリーの部分です。ここはもっと増やさなければならなかったところですが、前年同期比2.2パーセントの増加にとどまっています。セミコンダクターインダストリーとエレクトロニクスインダストリーに関しては順調に伸びています。

スライド右表の要員動向にも記載のとおり、オートモーティブインダストリーも前年同期比で減少しています。ただし、オートモーティブインダストリーは濃淡があり、濃い部分に関してはしっかりオーダーをいただいているため、そこに十分な対策を打っていくことが今後は必要になってくると思います。

【補足】2025年3月期 第3四半期 採用状況

採用状況についての補足資料です。月平均応募者数は増加しています。例年、第3四半期で在籍数を一気に伸ばすのが我々の戦略です。

同様に、今期も第3四半期でプロモーションを強化して一定の効果があり、現在の厳しい求人市場において、応募者数を増やすことができました。しかしながら、月平均入社数と入社率は減少、悪化しています。

今後はマッチングが課題になると見ています。メーカーの濃淡、イコール地域ごとの濃淡でもあり、地域にこだわった仕事の選び方・探し方をしている求職者が増えてきているのも事実です。

そのような方々からオーダーを多くいただいている地域に対し、目を向けてもらえるようなマッチングのフォローをしっかりしていくことが、これからの採用においては大事な鍵になってくると思っています。

スライド下部に記載のとおり、今後の取り組みとして採用コンソーシアムの活用を考えています。150社以上の同業他社と手を組んでいる強みを活かしてマッチングを促進し、もし当社グループへの就業に至らなかった場合でも、職業紹介のかたちで求職者の方をつなげて収益化を図っていきたいと考えています。

2025年3月期 インダストリー戦略動向

インダストリーの戦略動向を天気図として表しています。設備投資については3つの産業とも拡大を見込んでいます。要員動向については、オートモーティブインダストリーで回復と停滞が混在している状況です。

産業ごとの生産品目に加えて、各メーカーの濃淡がより鮮明になってきています。したがって、メーカーニーズの濃いところにしっかり向き合っていく必要があると考えています。

介護・福祉サービスについて

介護・福祉サービスについてです。神奈川県横浜市で介護付有料老人ホームを6ヶ所運営しています。状況としては以前から変わっていません。

介護・福祉サービスについて

介護施設の入居率についてです。現在96.0パーセントと非常に高い入居率を誇っています。見学の申し込みも数多くいただいており、実際に見て満足していただける施設、またはホスピタリティだと自負しています。

ただし、利益に関しては、光熱費など原価の増加により前年同期比0.3パーセントの減少となっています。

育成戦略 全国に広がる育成拠点(再掲)

日総グループの人材育成についてです。現在、全国に9ヶ所の自社研修施設を有しています。産官学連携を強めるため、各地域のコンソーシアムにも参画し、関係各所とのつながりを持って情報収集に努めています。

日総グループの教育実績について

教育実績についてです。エンジニアの在籍数が増えているため、エンジニア系に対する研修も増えています。エンジニア系研修の受講者数は、前年同期の1,057名から1,465名まで増えています。

NISSO HR Development Service(外部社員研修)に関しては順調にニーズがあり、前年148名だった実績に対して、今年は279名まで伸びています。こちらもニーズに応じて対応していきたいと考えています。

日総グループ成長サイクルの実現に向けて

日総グループの成長に向けた施策についてご説明します。中期経営計画に示している7つの施策に対する進捗状況を記載しています。

新たに追記した箇所は、「人材流動化への対応」の「外国教育機関と日本での就労に関する協定及び基本合意書を締結」の部分です。ホーチミン市工科大学と新たに協定を締結しました。これにより、ベトナムの教育機関と5校目の締結となりました。「人材流動化への対応」は重要な施策であるため、引き続き強化していきます。

日総グループ トピックス

日総グループのトピックスです。熊本県立技術短期大学校と「半導体人材の育成に関する連携協定」を締結しました。

同校が半導体の教育コースを新たに新設され、その中で半導体製造装置の実機を使った教育ができないという課題がありました。そこで、当社の日総テクニカルセンター熊本へ、校長以下関係者のみなさまに幾度となく見学にお越しいただきました。我々の研修内容を評価いただき、このような締結に至りました。

同校の2年生を対象とした教育課程で、我々の施設を使用し、我々の講師が授業を行うことが決まりました。非常にありがたいことだと思っています。

また、先ほどもお伝えしたように、ホーチミン市工科大学とも協定を締結しました。これでベトナムでは5校目となります。2026年度に第1期生をホーチミン市工科大学から受け入れる予定です。

日総グループ トピックス

スライド左側の画像には当社代表取締役社長の清水が写っています。XR技術を利用した研修の効率化を目指す一環として、VR技術を使い、工場のもの作りの現場で起こりうる危険を体感してもらう試みをスタートさせました。

装置は持ち運びもできるため、これから当社の各拠点を回り、間接社員も含めた教育や、ニーズによってはお客さまの工場に出向いて危険体感教育を行っていく予定です。

技術的な教育はもちろん大事だと思っていますが、まずは働く方が安全かつ健康に、怪我することなく製造の仕事に就いていただくことが最も大事です。教育の第一歩目は安全教育ということで、その一環としてVRを導入しました。

スライド右側は、以前から公表していたeラーニングツール「Start engineer」です。販売はプロシーズ社に委託しており、順調に受注していると報告を受けています。こちらも引き続き強化していきます。

日総グループ トピックス

スライド左側について、オリコン顧客満足度調査で3年連続の総合1位を獲得しました。6項目で評価していただくのですが、昨年は6項目中5項目で高評価だったところ、今年は6項目すべてで高評価を獲得し、3年連続総合1位と非常にありがたい結果をいただきました。

これは実際に当社で働いたスタッフのみなさまによる評価となり、生の声であるという意味でも非常にありがたい評価をいただいたと思っています。

スライド右側について、ブランドムービー第2弾を制作しました。キャリアチェンジをテーマにしたドラマとなっています。13分と少し長いのですが、我々の人材育成に対する思い、人と人とのつながりの大切さをふんだんに盛り込んだ結果、どうしても動画の尺が長くなってしまいました。お時間がありましたら一度見ていただければ大変ありがたく思います。

日総グループ トピックス

トピックスを時系列で並べたものです。参考までにご覧ください。

2025年3月期 通期連結業績予想

今後の見通しについてです。売上高1,060億円、営業利益38億円、経常利益38億円、当期純利益24億円は据え置いて、まさに今、第4四半期でがんばっているところです。これらの数字は変更せずにこのままいきます。

株主還元方針

続いて株主還元方針です。基本方針としては配当性向30パーセント以上と決めています。したがって、今期の配当金額は1株あたり22円を予定しています。

連結貸借対照表

財務状況です。ポイントは表の上から2番目「現金及び預金」です。ここは昨年3月末に比べると減っていますが、ツナググループ・ホールディングスの株式取得により、数字が変わっています。そのほかの項目については後ほどご確認ください。

用語集

用語集に関しては、新たに追加した用語はありません。