登壇者の紹介
司会者:本日はお忙しい中、株式会社オルツ上場記者発表会にご来場いただきまして、誠にありがとうございます。私は、本日の司会進行を務めますフジタと申します。どうぞよろしくお願いします。
私どもオルツは、AIクローン技術の活用を通じて、深刻な労働力不足問題の打開を目指しており、クローンに人間の労働を補助・代替させることで、個人だけでなく、社会そのものの生産性向上の実現を押し進めてまいります。
当社は、おかげさまで本日東証グロース市場にて新規上場しました。あらためて当社の事業内容をご紹介します。また、今後の展望についてもお話しします。
まずは、代表取締役の米倉千貴よりご挨拶をした後、今後の展望についてプレゼンテーションをいたします。 それでは、米倉CEO、日置CFO、西村CTO、よろしくお願いします。
米倉千貴氏(以下、米倉):今、オンラインでクローンの参加を待っている状態です。少しお待ちください。クローンが入りました。よろしくお願いします。私は、代表の米倉と申します。本日はよろしくお願いします。
まずは、当社の概要などをご説明します。いつもどおり弊社のCFOのクローンが発表しますので、そちらをご覧ください。
日置友輔氏(クローン)(以下、日置(クローン)):私は、オルツのCFO日置のパーソナルクローンです。本日はどうぞよろしくお願いします。
設立者の紹介と企業の成長
日置(クローン):まず、サマリーをご説明します。この度は、当社の上場記者会見にてお時間を頂戴し、誠にありがとうございます。
当社は、23歳の時にメディアドゥの事業責任者を任された後、そのあとは経営者として25年、インターネット黎明期からIT業界でビジネスを成功させてきた連続起業家である米倉が、イノベーションを起こすために立ち上げたAIベンチャーです。
2014年の設立前から、一人ひとりが自身に最適なAIを所持する「One P.A.I.」(1人ひとつのパーソナル人工知能)を掲げ、世界最高峰のアカデミアネットワークを構築しながら独自の未来予測から逆算し、技術開発を推進させてきました。
今回のIPOでは、資金調達に加え、会社としてのステップアップを示すことで、現在も協力している日本政府や外国政府などとの連携を強化します。
生成AIをコア技術として自社保有し、生成AIプロダクトをマネタイズしている当社のような企業は、グローバルに見てもまれです。ぜひ「One P.A.I.」というイノベーションを実現するために、当社の新たなフェーズをサポートしていただきたいと思っています。
株式会社オルツの概要
日置(クローン):こちらは、当社の概要です。ARRが54億円、直近の年間成長率はプラス54パーセント、ユーザーは8,000社以上です。
株式会社オルツのポジショニング
日置(クローン):こちらは当社のポジショニングです。LLMの開発能力、いわゆる生成AI基盤の技術開発力はX軸、プロダクト開発力はY軸、経済マルチプルはZ軸で表現しています。
ご覧いただいているとおり、当社は今後も膨大な事業機会が予測されています。この図の右上に位置する生成AI市場でビジネスをしており、このエリアでプロダクトで収益を上げています。
主要メンバーの紹介
日置(クローン):最後は、主要メンバーについてです。基礎技術、応用技術、セールス、プロダクト開発のそれぞれの分野におけるプロフェッショナルメンバーと世界トップのアカデミア陣で当社は構成されています。
米倉千貴氏(以下、米倉(クローン)):では、私、米倉のパーソナルクローンからも説明します。これは会社概要ですね。ちょうど10年前に立ち上げて、グローバル基準でイノベーションを起こす企業として運営しています。
日本における生成AIのトップランナーとして評価を受けており、生成AIビジネスにおいて、グローバルプレイヤーたちと連携しながらビジネスを進めている状況です。
創業からの歩み
米倉(クローン):これは、創業からの歩みです。イノベーションを起こすと決めた会社で、覚悟はありましたが、振り返ると、耐え続けた8年間の中、売上をつけず研究させてくれたベンチャーキャピタルには非常に感謝しています。
その期間、蓄積させた高い技術があるからこそ、現在、強いプロダクトを開発できていると確信しています。
ビジネスモデルの紹介
米倉(クローン):こちらはビジネスモデルです。特徴は、AIプロダクトでしっかり収益を上げている点かと思います。人月単価でコンサルや開発を行う企業とは異なり、私たちは卓越したAIプロダクトを創出することに命をかける開発メンバーが揃っています。
ソリューション事業では、クライアントのニーズを収集しますが、基本的にはそれらを解決するAIプロダクトを開発することで、今後も収益を上げていきます。
組織図の紹介
米倉(クローン):今、説明したことを組織図で示したのがこちらです。AIプロダクト事業、AIソリューション事業、技術開発本部、それぞれが1つの生き物のように連動することで、ユーザーに価値の高いサービスを提供できています。
技術の紹介
米倉(クローン):当社技術についても触れておきます。このスライドは、Generative AIの商流をインフラからプロダクトまでを1つのツリーに例えて表現しています。
オルツはインフラからビジネス価値とアプリケーション、プロダクトまですべてカバーしており、一気通貫したノウハウを持っている会社です。
コア技術について
米倉(クローン):コア技術の一覧です。音声認識、自然言語処理、深層学習、画像認識などに加え、基盤モデルである大規模言語モデルや、コンピューティングやストレージのインフラも保有しています。
開発中のLLM
米倉(クローン):当社が保有している、もしくは開発中のLLMの一覧です。規模よりもクオリティの部分にフォーカスして開発しています。日本語評価、ベンチマークでナンバーワンを取った実績に加え、ハルシネーションの少なさや企業ごとにカスタマイズする容易性などが強みです。
パーソナライゼーション技術の紹介
米倉(クローン):特に他社との差別化を示すのが、このスライドで説明しているパーソナライゼーション技術です。ここは少し細かく説明させてください。
私たちが10年間研究してきて、今も研究を続けているものはまさにこの技術であり、ベンチャーらしい優位性を示せる部分だと考えています。
私たちは個性化モデルをいかに効率よく作るかを突き詰めてきました。個性という少量のデータをきれいに取り出し、そのデータで平均モデルを歪ませることで個性化させるという技術です。
当社はパーソナライゼーション技術をもって、個人個人にカスタマイズされた音声認識モデルを効率よく構築しています。平均モデルでは到達できない機微な情報も把握することで、結果として高い音声認識精度を実現しています。
平均モデルは、世界中が競争する中で、さまざまな分野でよりよいものが出てくるでしょう。しかし、ユーザーが求めているものはカスタマイズされたものであり、当社はそのラストワンマイルの技術を競争優位性として確立しています。
繰り返しになりますが、オルツは、個性化されたAIを世界中の人々に提供することを実現するために立ち上げられた会社です。
平均モデルを一から開発することは、ノウハウとしては必要ですが、ビッグテック含め、世界中が競争する分野になる、と10年前から予測していました。
そのため、戦略的にボトルネックとなるであろうパーソナライゼーション技術を、特に集中して研究してきました。今、私が米倉としてそれらしく話せているのも、パーソナライゼーション技術を駆使しているからです。
私たちが突き詰めてきた技術は、企業ニーズの変遷と、ChatGPTへの期待と現場での使いにくさをもとに、引き合いが強くなってきています。
当社は、あくまで一人ひとりに最適なAIを突き詰めた研究をしてきました。ビジネスの現場では、企業ごとの独自情報やノウハウを学習した、カスタマイズされたAIのニーズが強くなってきており、最近はさらに、当社の技術レベルおよびプロダクトレベルでの優位性が認識されやすい土壌が整ってきています。
Communication Intelligence「AI GIJIROKU」の紹介
話者:ここからは私が、事業として収益を生んでいるプロダクトについて説明します。
まずは、プロダクトのトラックレコードです。Communication Intelligence「AI GIJIROKU」は、直近3年で急速にセールス&マーケティングにアクセルを踏み、膨大な市場が存在するエリアで高い成長率を継続しています。
機能と価格体系は、スライドに記載のとおりです。文字起こし機能は当然ですが、LLMを活用した要約機能、会議データを把握した状態で、社員クローンのようにやり取りできるパーソナルエージェント機能、そして、企業として資産であるコミュニケーションデータを貯めておくことができるデータレイク機能を提供しています。
先ほど社長からも説明があったとおり、音声認識モデルにパーソナライゼーションを付加することで高い音声認識精度を実現しています。
アメリカでは、音声認識精度が1パーセント上がるごとに約2,000億円の市場ができてきました。なので、スライドの右に記載されている10パーセント弱の精度向上は、数字で感じる以上にユーザーにとって使いやすく、それだけ市場機会が存在するということになります。
当社のCommunication Intelligenceプロダクトは、音声認識、AIエージェント、GPTなどの生成AIの機能を持ち合わせているだけでなく、それらでは網羅されていない、ユーザーにとっては欠かせない機能も持ち合わせたプロダクトで、大きく3つの顧客価値を提供しています。
1つ目は、ミーティングアシスタントとしての価値。2つ目は、コミュニケーションデータレイククラウドとしての価値。そして3つ目が、働くAIプロとしての価値です。
コミットメントの高い販売パートナーと、特に大きな単価を取り扱うダイレクトセールスチームがあります。また、CSデータマーケティング部隊は、AIをフル活用した販売を行っています。
成約までの典型的なフロー
話者:成約までの典型的なフローを紹介します。まず、スライドの左がミーティングの自動化ニーズからの導入事例です。
議事録作成を効率化したいニーズを持っているクライアントが、他社プロダクトと比較検討をする上で、パーソナライゼーション技術による認識精度の高さを理由にトライアルを開始し、その過程でパーソナルエージェント機能などの価値を実感することで、ARR200万円以上の契約を継続してくださっています。
スライドの右は、全社的DXニーズからの導入事例です。大きなムーブメントであるニーズの中で、生成AIを活用しきれずに解決策を模索している企業は多くあります。会社ごとのAIエージェントを作り上げることでDX化していこうとするニーズは、当社の技術およびプロダクトとマッチし、経営層を含めたプロジェクトとして採用されます。
エージェントを育てるために必要な要素の1つである、会社のコミュニケーションデータをすべて捉える機能として導入が決まり、ARR200万円以上の契約に至る事例です。大企業と実際に契約が進んでいます。
先ほど説明した3つの価値のうち、1つ目のミーティングアシスタントとしての価値からの導入が左の事例で、3つ目のAIエージェントとしての価値からの導入が右の事例です。
他プロダクトの紹介
話者:次に、Communication Intelligence以外のプロダクトの中で、すでにマネタイズしているものについてお話しします。
1つ目は、ノーコードでAIエージェントを作成できるプラットフォームである「altBRAIN」。2つ目は、人財採用やプロジェクトマッチング・M&AマッチングでPoCが進んでいる「Clone matching」。3つ目が、映像や仕草まで本人に寄せたクローンを構築できる「CLONEdev」。
4つ目は、その名のとおり「AIコールセンター」。5つ目は、GPUリソースをホスティングするサービスである「EMETH GPU POOL」。
これらはすでにマネタイズしていて、クライアントからの強い引き合いを受けており、今後、それぞれが持つ大きな市場でプロダクトとしてスケールしていく予定です。
各プロダクトの導入事例
話者:具体的なケースを紹介します。1つ目の「altBRAIN」について。企業個別業務のAIエージェント化ニーズからの導入事例です。
カスタマイズの容易性や使いやすさを選定理由に、正式な開発に進み、継続運用されています。さまざまな大企業で実績があります。
2つ目は「CLONEdev」です。これは創業者や社長、著名人などのクローン化ニーズからの導入事例です。オルツブランドがこの分野でのパイオニアとして、他社との比較検討をされず、トライアルから正式開発、継続運用へ移行するケースです。こちらも大企業で実績があります。
3つ目は「Clone matching(CloneHR)」です。世の中に大量に存在するマッチングビジネスを自動化したいというニーズからの事例です。
LLMを用いて双方のクローンを構築し、デジタル空間での複数の対話をもとにマッチングさせる技術として、こちらもスムーズにPoCに移行します。
すでに大企業がPoC済みで、共同プロダクト構築に向けて動いています。この他にも、M&A仲介領域でのPoCなど、市場ニーズが非常に多くあるプロダクトです。
冒頭から説明しているとおり、オルツでは潜在ニーズを掘り起こす技術およびプロダクトを連続して売り出し収益化していきます。
成長戦略
話者:次に、成長戦略についてお話しします。まずは、当社の優位性です。これらの優位性があるからこそ、継続して高い成長をしていくことができます。
まずは技術です。これまで説明してきたとおりですが、豊富な基礎技術、常に最先端の情報が流れくるアカデミアネットワーク、そしてパーソナライゼーション技術の先行者優位性があります。
次に事業。技術を活かしたプロダクト実装の先行者利益と、先を行くユースケースを実現しているからこそのグローバルポジショニングです。グローバルビッグプレイヤーが組みたい会社として当社が選ばれる理由はまさにこの部分になっています。
最後に人財です。最高の人財はチャレンジを求めています。世界中の一人ひとりに最適なAIを提供するというビジョンは、グローバルに通用し、よい人財を集めるためのフラッグシップになっています。また、優秀な人財に対して、グローバルフルリモートで自由な働き方を提供してきたノウハウも優位性と呼べる要素になっています。
経営戦略
話者:次に、経営戦略です。当社が持つ技術、事業、人財の優位性は、他社が参入しにくい壁を構築しており、販売戦略、人財戦略、M&A戦略を駆使して企業価値を向上させていくつもりです。
事業の中長期の成長イメージですが、強いグロースを作っているCommunication Intelligenceプロダクトに、現在仕込んでいる複数のプロダクトが載っかっていきます。その後、「P.A.I.」をプロダクトとしてローンチして収益化していく予定です。
「P.A.I.」の ロードマップ
話者:「P.A.I.」 ロードマップについても少し触れておきます。オルツでは、プロダクトを通じてパーソナルデータを収集しながら、「CLONEdev」としての強度を上げていきます。
社内では、すでに正社員の稼働時間を超える業務時間をA.I.クローンが代替しています。今後は、決断、判断を行うクローンプロダクトを提供していきます。
こちらは、当社が現在提供しているAIプロダクトを人間の稼働に置き換えた場合の数値です。つまり、当社は現在1,500人以上に相当する労働をAIによって提供しているということになります。この数字が拡大していくことで、企業および国、世界中の人々の労働生産性を上げていきます。
市場について
話者:市場についてお話しします。足元は、音声認識市場、生成AI市場になりますが、今後、拡大していくと予想している自律型AIおよび「P.A.I.」市場も、膨大な市場機会があると予測しており、それらのトップランナーとしてシェアを取っていきます。
主要KPIについて
話者:最後に、ファイナンシャルについてお話しします。
売上高、ユーザー数、営業利益を特に重要視しており、「P.A.I.」の実現に向けたユーザー数を伸ばしながら、高いトップラインの成長率を保ちつつ、ボトムラインも適切にコントロールしていきます。
売上ですが、100億円の先に500億円、1,000億円を見据え、トップラインの成長を継続していきます。
それができるのは、音声認識と生成AIの持つ、莫大な市場機会が存在するからです。数十兆円単位の市場が存在するエリアで、当社プロダクトが優位性を持っているからこそ、狙っていくことができると考えています。
長くなりましたが、私からは以上です。ありがとうございました。
質疑応答:上場する主な理由
司会者:では、ここからは質疑応答のお時間とさせていただきます。「上場する主な理由は?」というご質問です。
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