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本日お伝えするポイント3つ

安井卓氏:みなさま、こんにちは。リックス株式会社代表取締役社長執行役員の安井です。本日は、当社の2025年3月期第2四半期決算説明会にご参加いただきありがとうございます。さっそくですが、説明会を始めます。

はじめに、本日の説明会で特にお伝えしたい3つのポイントをご紹介します。1つ目は、当第2四半期は過去最高の売上を達成したという点です。

2つ目は、利益面が前年同期比で減少となった背景として、さらなる成長に向けた設備投資、人材投資、IT投資などを行ったという点です。

3つ目は、新中期経営計画「GP2026」における利益を拡大する具体的な施策など、関連トピックスをご紹介します。

目次

本日の目次はスライドのとおりです。

当社機能と顧客領域について

本日は当社の説明会に初めてご参加いただく方が複数おられるため、簡単ではありますが、まずは会社概要についてご説明します。

当社は、国内外の産業界に機器や部品などを製造・販売する「メーカー商社」という業態で活動しています。

1907年に創業し、今年で117年目を迎えました。国内は北海道から鹿児島まで37ヶ所、海外は7ヶ国12ヶ所に拠点を展開することで、顧客密着営業を心がけています。

当社はメーカー商社として、販売商社機能・メーカー機能・研究開発機能・サービス機能の4つを融合させ、お客さまの課題を解決する製品・商品・サービスを提供しています。

お客さまは、国内外の産業界大手企業がメインです。例えば鉄鋼では日本製鉄、自動車ではトヨタ自動車、電子・半導体ではキオクシアと、ものづくりの各業界のトップメーカーとの取引があります。

“メーカー商社”として自社製品を製造・販売

先ほどもお話ししたとおり、当社はメーカー商社という業態で活動しています。メーカー部門として、自社製品を製造する工場を福岡県糟屋郡に保有し、勤務する約140名の従業員が、設計・開発・製造・試験・研究などに励んでいます。

こちらの工場では、自社製品としてロータリージョイント、洗浄装置、オイルスキマーなど、流体制御に関する製品を開発・製造しています。

当社主力製品 ロータリージョイント

その中でも、当社の主力製品はロータリージョイントです。ロータリージョイントは、固定体から回転体に流体を漏らさず供給するための製品です。

鉄鋼・電子・半導体・食品など、さまざまな業界でお役立ていただいており、中でも工作機械業界向けのロータリージョイントは、国内シェア70パーセント以上となっています。

顧客の製造工程向けに製品・商品・サービスを提供

当社は、一般のみなさまの手に届く商品はほとんど取り扱っておらず、製造工程向けの製品・商品・サービスを提供しています。

スライドには、自動車業界向けの事業内容について例を示しています。自動車が作られるまでには、プレス、ボディ組付、塗装、組立など、さまざまな工程があります。その際に使われる機器や部品、例えばポンプや洗浄装置、インバーターなど、ものづくりに欠かせない多種多様な商材を販売しています。

以上で、会社概要のご説明を終わります。その他の当社概要や沿革、強みについてご興味のある方は、個別でのIR面談もお受けしています。当社IR担当までご連絡ください。

決算ハイライト(2025年3月期 第2四半期)

2025年3月期第2四半期決算についてご説明します。当第2四半期は、過去最高の売上高で4期連続の増収となりました。一方、営業利益・経常利益・四半期純利益は前年同期比でマイナスとなり、4期ぶりの減益となっています。具体的な伸長率と減少率は、スライド下部に記載しているとおりです。

売上ボリュームの大きい鉄鋼と自動車が前年同期比で大きく伸長したことで、売上高を牽引しています。

利益面では、当社のさらなる成長に向けて設備投資、IT投資、人材投資を実施したことで、販管費が増加しました。数字としてはマイナスの見え方となっていますが、こちらは当初の想定どおりです。

販管費の増加を踏まえた決算としては、順調に推移していると考えています。また、11月12日に通期業績予想と配当予想を上方修正しました。詳細は後ほどご説明します。

損益計算書

損益計算書についてご説明します。売上高と売上総利益は、前年同期比でプラスとなりました。一方で新しい研究開発施設である「リックス協創センター」の開所に関する設備投資、人員増加、基幹システムの更新などにより販管費が増加し、利益面に影響を及ぼしました。

先ほどご説明したとおり、これらは当初の想定どおりで、今期の通期見込み達成に向けては順調に推移しています。

セグメント別 売上高

セグメント別売上高の詳細についてご説明します。当社では、鉄鋼、自動車、電子・半導体など、8つのセグメントでご報告しています。

スライド右側の円グラフに示すとおり、当社の売上高は、鉄鋼、自動車、電子・半導体で約6割を占めています。

当第2四半期の売上高については、8セグメント中6つのセグメントで前年同期を上回る伸長がありました。各セグメントの詳細は、後ほどあらためてご説明します。

営業利益増減要因(売上増減ベース)

営業利益増減要因についてご説明します。先ほどご説明したとおり、8つのセグメント中6つのセグメントで売上高増加となりました。

一方、人材・IT・研究開発設備への投資による販管費の増加により、営業利益は6,100万円減少しました。これに伴い、営業利益率は前年同期比マイナス0.9ポイントの6.5パーセントとなりましたが、これらは当期の利益計画に織り込み済みです。

連結売上高と営業費用割合の推移

売上高と営業費用の割合の推移についてご説明します。売上原価率が前年同期比で増加したのは、利益率の高い自社製ロータリージョイントの販売が伸び悩んだことが原因です。

貸借対照表

貸借対照表についてご説明します。新たに開設した研究開発拠点「リックス協創センター」関連の投資で、建設仮勘定が増加しています。株主資本は、利益剰余金がプラス6億3,000万円となっています。

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書についてご説明します。前の中間期末日が休日だった影響で、当中間期末日時点の営業キャッシュフローが大幅に増加しています。

また「リックス協創センター」設立や基幹システム更新のため、キャッシュアウトが増加しました。現預金などの期末残高は増加して見えますが、これらの投資に関わる現金支出が10月以降となった影響が大きくなっています。

セグメント別概況(鉄鋼・自動車)

ここからは、セグメントごとの売上・利益の動向と、その背景についてご説明します。今回は8つのセグメントの中でも、当社が主要としている5つの業界に絞ってお伝えします。

まずは鉄鋼業界です。売上高は前年同期比プラス5.1パーセントの72億5,600万円、セグメント利益はプラス1.1パーセントの8億9,200万円、利益率は12.3パーセントとなりました。売上高は、第2四半期時点では過去最高となっています。

粗鋼生産量に伴う生産比例品だけでなく、整備部門への活動にも注力した結果、ベアリングの修理再生サービスなど「コト売り」が功を奏し、売上・利益とも拡大できました。

次に自動車セグメントです。売上高は前年同期比プラス22.1パーセントの55億8,900万円、セグメント利益はプラス1.9パーセントの5億7,200万円、利益率は10.2パーセントとなりました。自動車セグメントも、第2四半期時点では過去最高の売上となっています。

いわゆるCASE市場といわれるEV・HEVなどで注目される電池・モーター分野への営業に引き続き注力し、北米への電池製造工程向け設備機器の販売を拡大させたことが伸長の要因となっています。

セグメント別概況(電子・半導体/ゴム・タイヤ)

電子・半導体セグメントです。売上高は前年同期比プラス2.9パーセントの34億7,800万円で、第2四半期時点では過去最高となりました。一方セグメント利益はマイナス2.4パーセントの3億6,000万円となりました。

半導体製造装置の周辺機器の修理・再生で売上を伸ばしましたが、利益率が高い自社製ロータリージョイントの売上が伸びず、利益面で影響を受けました。

半導体業界向けのロータリージョイントについては、これまでお客さま側で当社品の在庫が余った状態だったため、今後は上向きになるのではないかと考えています。

ゴム・タイヤセグメントです。売上高は前年同期比マイナス5.9パーセント、セグメント利益はマイナス19.3パーセントで、利益率は10.6パーセントとなりました。前年に入った大型案件の売上を埋めるまでには至らず、減収減益となりました。

セグメント別概況(工作機械)

最後に、工作機械セグメントです。売上高は前年同期比マイナス15.1パーセント、セグメント利益はマイナス26パーセント、利益率は20.5パーセントとなりました。業界自体の低迷により、工作機械に組み込まれる当社製ロータリージョイントの販売も伸び悩み、売上・利益とも大幅に減少となりました。

なお、他のセグメントと比べ利益率が高い理由として、工作機械業界向け売上は、利益率が高いロータリージョイントなど、自社製品の販売が大きく占めることが背景となっています。

その他、3つのセグメントについては、スライド右側に記載のとおりです。

2025年3月期 通期業績予想

今期の通期業績予想についてご説明します。売上高は当社初となる500億円超えを目指していますが、増収減益を見込んでいます。

さらなる成長のために実施している設備投資を含む減価償却見込みが、前期比プラス50パーセントとなることで販管費が押し上がる見込みです。また見通しが不透明な為替差益・差損については、業績予想に織り込んでいません。

また、今年11月12日に発表しました通期見込みと配当予想を上方修正しました。売上高は前期比プラス4.5パーセントの520億円、営業利益・経常利益・当期純利益は前期比マイナス予想としています。

今期については利益面で減少予想となりますが、先ほどもお伝えしました成長のための設備投資により、長期的な目線で売上・利益を拡大していきたいと考えています。

株主還元(配当)

株主還元についてです。期初予想では配当が合計113円でしたが、11月12日に上方修正を行い、中間53円、期末67円の合計120円としています。

当社は配当性向40パーセントを目標に掲げています。今期はさらなる成長を目指した設備投資の減価償却の影響で利益面をマイナス予想しているため、前期比では減配の予想です。

新・中期経営計画「GP2026」

本年度よりスタートした中期経営計画「GP2026」と具体的な取り組みについてご説明します。

新中期経営計画「GP2026」の定量目標と定性目標です。スライドに示した4つの軸のもとに活動し、2026年度には売上高600億円、営業利益45億円、経常利益47億円を目指します。本日は赤枠で囲った主な目標について、具体的な取り組みを動画でご紹介します。

(動画が流れる)

トピック01:新製品開発を推進する「リックス協創センター」稼働開始

11月1日には、収益性向上に向けた取り組みの軸となる「リックス協創センター」が開所しました。既存製品にとらわれず、優位性があり、競争力や利益率が高い新商品・サービスを研究開発する場として活動させていきます。

EV・HEVの電池製造工程向け設備や機器の研究開発をはじめ、福岡県内の大学と水素関連技術の研究開発も行っています。

このセンターでは今後も、お客さま、仕入先、大学、研究機関、ベンチャー企業などさまざまな組織・機関と協力してソリューションを作り上げる「協創」を念頭に、社会課題、産業界の課題を解決する製品・サービスを生み出していきます。

トピック02:陸上養殖設備 開発・実証実験の進捗

成長分野で売上を拡大する取り組みについてご紹介します。昨年の中間決算説明会でもお話しした陸上養殖設備についてで、研究と開発、実証実験の進捗をご報告します。

みなさまもご承知のとおり、陸上養殖市場は活況で、全国で各社が取り組んでいますが、当社は「魚を育てて売る」のではなく、あくまでも「設備」を販売していく予定です。

そもそも当社が陸上養殖に取り組むのは、長年、流体関連機器に携わってきた知見やノウハウを活かし、食料不足や環境汚染など社会課題の解決に貢献するためです。

この度、魚にとって有毒なアンモニアを微生物で脱窒する技術を生み出したことで、日常的な水替えの必要がなく、陸上養殖で使われる人工塩水のコストを削減できるほか、排水を限りなく少なくできる設備が完成しました。

今年の夏に行われた陸上養殖設備の展示会にも出展し、さまざまなご要望をいただいている段階です。今後も提案活動を積極化させていきます。

トピック03:健康経営に関する当社取り組み

人材に関するトピックスとして、健康経営への取り組みをご紹介します。企業としてさらなる成長を目指すには、社員の前向きな気持ちと元気いっぱいの行動力が重要だと考えています。

そのためには、社員ならびにそのご家族が健康であることが基盤になるという考えのもと、「明るく、楽しく、伸々と」いつまでも健康に活き活きと働ける会社を目指して健康経営に取り組んでいます。

健康経営の推進体制については、代表取締役社長執行役員の私をトップとし、健康経営の推進担当部署、産業保健スタッフなどと連携しています。「従業員の生産性向上」「組織の活性化」を目標・指標に掲げ、さまざまな施策を行っています。

具体的には、健康診断時のがん検診費用の補助やメンタルヘルス対策、健康管理支援ツールの導入、従業員参加型の健康イベントなどです。これらの施策で社員が、明るく、楽しく、伸び伸びと働けるように取り組んでいきます。

さらに、2024年度中には経済産業省による「健康経営優良法人」の認定取得を目指します。

まとめ / 免責事項

本日の説明会のまとめとして3つを挙げています。

1つ目は、2025年3月期第2四半期時点では過去最高の売上を達成し、通期でも過去最高の売上を予想する点です。

2つ目は、利益面では前年同期比でマイナスとなっており、これは当社としてさらなる成長を目指し、設備・人材・IT分野などで投資を行った影響があったという点です。

3つ目は、利益面でさらなる成長を図るため、研究開発施設「リックス協創センター」を開所したほか、陸上養殖設備など成長分野に向けた取り組みを加速させている点です。

今後も挑戦を重ね、長期的に成長し続けられる企業を目指していきます。

以上で、私からの説明は終了します。本日はご清聴いただきありがとうございました。