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貴田晃司氏:代表取締役社長の貴田です。本日はお忙しい中、インターライフホールディングス株式会社2025年2月期第2四半期の決算説明にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、最初に会社概要と事業内容、次に2025年2月期第2四半期の決算概要と中期経営計画の進捗、最後に2025年2月期の業績予想についてご説明します。よろしくお願い申し上げます。
01−会社概要
インターライフホールディングスは、商業施設・公共施設の設計施工、管理メンテナンスなどのトータルサービスを展開するグループの持株会社として、2010年に設立されました。
現在はグループの経営管理およびそれに付帯する業務を展開し、5つの事業会社と約300人の従業員を抱える事業集団となっています。
02−事業内容
当社グループの経営理念は「私達は、あらゆる人々に感動と喜び溢れる快適空間を提供し、社会に貢献いたします。」です。
当社グループは、この数年で工事会社中心のグループ体制再編を進めてきました。その結果、現在は日商インターライフが展開する内装工事事業、システムエンジニアリングと昨年11月にグループ入りしたサンケンシステムが展開する音響・照明設備事業、ファシリティーマネジメントと玉紘工業が展開する設備・メンテナンス事業の5社で、3つのセグメントを構成しています。
03−2025年2月期第2四半期決算概要
2025年2月期第2四半期の決算概要についてご説明します。今期は中期計画の最終年度です。「Action for The Future」を推進タイトルに、持続的な成長と企業価値向上を目指して3つの重点課題に取り組んでいます。
1つ目は「資本コストと株価を意識した経営の推進」です。ROE8パーセント以上、PBR1倍以上、配当8円以上の実現を目標に、当期は自己株式消却やIR強化に取り組みました。中間期では収益改善と株価上昇もあり、結果として目標数字をすべて達成しています。
2つ目は「収益力の強化」です。粗利率改善とコストコントロールにより、営業利益率3パーセントを目標に取り組んでいます。当期は原材料価格の上昇がありながらも、輸送業務の内製化や建材のリユースなどのコスト削減により、中間期では営業利益率5.5パーセントを達成しました。
3つ目は「M&Aを含めた新たな事業の開発」です。昨年取得したサンケンシステムでは、システムエンジニアリングとの共同仕入れや商材開発などを行い、シナジー効果を追求しています。また、大阪拠点の強化拡充を図っており、大きく成長に貢献しています。
03−2025年2月期第2四半期決算概要
当期の決算サマリーについてご説明します。我が国の経済は企業収益の改善が見られ、業況感は良好な水準を維持しています。また、建設業界は設備投資の旺盛さに支えられ、建設関連需要が増加傾向にあります。
このような環境の中、当期の連結売上高は前年同期比37.9パーセント増の81億6,000万円となりました。そのうち、大阪拠点の売上高は前年同期比186.0パーセント増の11億7,900万円となり、大きく成長しています。
その結果、営業利益は前年同期比224.0パーセント増の4億4,800万円を達成しました。営業利益率は前年同期比3.2パーセント増の5.5パーセント、ROEは10.20パーセント、PBRは1.12倍となりました。
これらの好調な業績に支えられ、配当金は前年から2円増配の10円を予定しています。
03−2025年2月期第2四半期決算概要
当期の連結損益計算書の概要です。受注済みの大型案件の進行や大阪や都市部の再開発案件の受注が好調に推移したことから、売上高は前年同期比22億4,400万円増の81億6,000万円となりました。
また、原材料価格の上昇等により売上総利益は若干低下していますが、販管費が売上の伸びに対してかなり抑えられました。そのため、営業利益は前年同期比3億1,000万円増の4億4,800万円、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期比2億7,100万円増の3億8,400万円となり、前年同期と比べて大幅な増収増益を果たすことができました。
03−2025年2月期第2四半期決算概要
連結貸借対照表の概要についてご説明します。資産合計は、現預金の増加などにより、前年同期比5億2,000万円増の86億5,500万円となりました。負債合計は、契約負債の増加などにより前年同期比2億6,400万円増の47億6,200万円、純資産は前年同期比2億5,500万円増の38億9,200万円となっています。
なお、自己株式の消却が5億4,400万円だったため、利益剰余金は2億7,500万円減少しています。
03−2025年2月期第2四半期決算概要
連結キャッシュフロー計算書の概要をご説明します。営業によるキャッシュフローは利益の増加により11億4,900万円、投資活動によるキャッシュフローはマイナス4,700万円、財務活動によるキャッシュフローは配当金の支払いなどによりマイナス1億9,000万円となりました。
その結果、現金及び現金同等物の四半期末残高は22億6,600万円となり、現金及び現金同等物の期首残高から9億1,200万円増加しています。
03−2025年2月期第2四半期決算概要
セグメント別の状況をご説明します。まずはセグメントの単純合計についてです。売上高は前年同期比49.7パーセント増の81億6,000万円、セグメント利益は前年同期比137.4パーセント増の5億800万円となりました。
ご覧のように、3つのセグメントすべてで増収増益となっています。
03−2025年2月期第2四半期決算概要
個別のセグメント状況についてご説明します。内装工事事業は、日商インターライフが展開しています。日商インターライフは、商業施設の企画デザイン・設計・施工を行う商環境工事部門と、内装の下地工事を行う専業工事部門を主業務としています。
商環境工事部門は、都市部の再開発に伴う商業施設などの大型案件の受注が大きく寄与し、売上高は前年同期比64パーセント増の約20億円となりました。専業工事部門も、案件の大型化等が寄与し、前年同期比20パーセント増の20億円となりました。大阪部門は、大阪・関西万博開催に向けた周辺地域の再開発に伴う受注件数が大きく増加し、69パーセント増の5億円となりました。
その結果、当期の売上高は前年同期比59.7パーセント増の48億9,400万円、セグメント利益は前年同期比134.3パーセント増の3億3,500万円と、大幅な増収増益となっています。
03−2025年2月期第2四半期決算概要
音響・照明設備事業です。こちらは、システムエンジニアリングとサンケンシステムが展開しています。
システムエンジニアリングは、ホテルなどの音響・映像・照明・吊物の演出特殊設備の企画・設計・施工・保守までの総合プロデュースを展開しています。サンケンシステムは、AVC機器設備のシステム構築販売・企画・設計・製作・施工・保守管理までの一貫支援を展開しています。
システムエンジニアリングでは、大阪営業所の売上高が前年比倍増の約7億円となったほか、大型工事案件の進行や保守サービスの新規受注増加も業績に寄与しました。さらにサンケンシステムの受注数増加がシナジー効果として寄与し、当期の売上高は前年同期比33.5パーセント増の25億1,900万円、セグメント利益は前年同期比134.4パーセント増の1億5,000万円と、増収増益で着地しています。
03−2025年2月期第2四半期決算概要
設備・メンテナンス事業です。こちらは、ファシリティーマネジメントと玉紘工業が展開しています。
ファシリティーマネジメントは建物の清掃・管理・修繕、メンテナンスを展開しており、清掃部門の新規取引の拡大に加え、玉紘工業との協業により学校施設の空調フロン点検業務などが堅調に推移しました。玉紘工業は、空調・電気・給排水・衛生などの設備の施工管理を展開しており、足立区の小・中学校や都立高校の空調改修工事が堅調に推移しました。
その結果、当期の売上高は前年同期比49.0パーセント増の7億4,600万円、セグメント利益は前年同期比214.3パーセント増の2,200万円と、増収増益となっています。
04−中期経営計画の進捗
中期経営計画の進捗についてご説明します。繰り返しご説明していますが、現在は2023年2月期を初年度とする第4次中期経営計画に沿って取り組んでいます。
「新たなイノベーションでビジネスモデルを進化更新させて、次の成長に繋げるポジションを獲得する。」を基本方針に、「ExPosition(エクスポジション)」というタイトルで3年間の計画を進めてきました。
重点課題には「新たな成長の実現」「グループの生産性向上」「社会的要請への対応」を3つを設定し、取り組んでいます。業績においては、最終年度の2025年2月期当初の計画である売上高155億円、営業利益5億5,000万円を上回る見通しです。
04−中期経営計画の進捗
当期における重点課題への具体的な取り組みについてご説明します。
「新たな成長の実現」では、工事会社主体の業務への再編を完了したほか、中期経営計画の推進タイトルである万博及び周辺開発案件の受注などにより、大阪拠点が大幅に強化・増強されました。
加えて、システムエンジニアリングとサンケンシステムの協業体制をさらに強化し、グループシナジーを推進しました。新たな成長領域の開発としては、危機管理センターをはじめ、特殊な事業分野を開拓しています。M&Aについては、継続的に検討を続けているところです。
「グループの生産性向上」では、グループのシェアード業務をホールディングスに集約するとともに、業務DXを一層推進しました。大きな課題である人材不足に関しては、専門性の高い経験と知識が求められる施工管理人材の中途採用を強化しています。社内では資格取得を支援し、施工管理技士などの資格取得を進めています。
「社会的要請への対応」では、資本コストと株価への対応としてIRの強化を進めています。また、サイバーリスクへの備えとして、その手口や対処方法について定期的な教育訓練を実施しています。
サステナビリティへの対応については、今期から始まっている時間外上限規制への取り組みを強化し、成果が出ています。また、温室効果ガス排出量のモニタリングも継続しているほか、建設新素材を開発し運用を開始しました。
04−中期経営計画の進捗
日商インターライフでは、ハイブリッド超軽量リサイクル紙・アルミ天井材の「アトラスボード」を開発しました。こちらは内装建材として設置を始めています。
震災では、体育館などで天井落下の事故が起こりました。天井落下は、経年劣化や天井材が湿気を含むことによっても生じ得ます。「アトラスボード」は今よりも安心・安全で、作業を行う職人が重作業から解放される建材を作りたいと考えて開発されたものです。
天井や壁材として多く使われている石膏ボードと比較しても、「アトラスボード」は約7分の1の重さです。現物を展示していますので、後ほどご体感いただければと思います。
特徴は、リサイクル紙を用いるなどの環境保全を重視していることです。また、軽量で施工が容易なため、職人不足という難しい課題の解決にもつながります。さらに、曲面の加工が容易で左官仕上げもできるなど、高度なデザインに対応できます。
現在は、著名なホテルのキッズルームの素材や、某大学の改修に採用されています。今後も活用の場が広がるものと考えています。
05−2025年2月期 業績予想
2025年2月期の業績予想についてご説明します。内装工事事業および音響・照明設備事業において期初計画以上の受注と完工が見込まれるため、当初の計画を大幅に上回る見込みです。また、下期には大阪・関西万博関連工事の完工が集中する見込みで、都心部の再開発案件の受注も堅調に推移しています。
これらを背景に、売上高は前期比28億7,400万円増の155億円、営業利益は前期比3億3,000万円増の6億円、当期純利益は前年比1,600万円増の4億円と予想し、過去最高益を更新する見込みです。
05−2025年2月期 業績予想
10年間の業績推移です。売上高のピークは子会社が15社あった2018年2月期で、207億3,800万円でした。コロナ禍以降の事業再編により、現在は工事主体の子会社が5社となっています。ピーク時よりも売上は減少していますが、コロナ禍後の2020年2月からは増加傾向にあります。
一方で、粗利率は原材料価格上昇や人件費アップなどの影響もあり、やや低下傾向です。これは今後の課題だと認識しています。
05−2025年2月期 業績予想
販売費及び一般管理費の推移です。2019年2月期の37億8,600万円をピークに減少傾向です。子会社が大幅に減ったため、当然ながら全体の販管費は落ちています。
また、直近の3年間は売上増加に伴って販管費率が低下しました。今期についても人件費アップ等が見込まれるものの、販管費率を落とすことで営業利益アップにつなげます。
05−2025年2月期 業績予想
営業利益・営業利益率の推移です。2022年2月期の営業利益4,500万円を底にし、急激にV字回復しています。過去の営業利益のピークは2020年2月期の3億5,600万円ですが、今期はそれを上回る6億円を計画し、営業利益率3パーセント以上を目指しています。
コロナ禍の影響をこの3年間で乗り越えて、新たな成長のステージに至っているという認識です。
05−2025年2月期 業績予想
親会社株主に帰属する当期純利益・純利益率の推移です。前期は子会社の株式売却益である2億1,300万円があったため、前期比であまり増えていないように見えますが、今期は特別利益なしで4億円を計画しています。
05−2025年2月期 業績予想
配当金の推移です。株主のみなさまへの長期的利益還元を重要課題のひとつと捉え、安定した配当を行うことを基本方針としています。過去に一度も減配したことがなく、この3年間は増配を継続してきました。
2025年2月期の期末配当は昨日開示しましたが、業績の大幅な上方修正があったことを踏まえ、前期配当より2円増配し10円とすることを決定しました。予定される配当性向は、38.8パーセントです。株主のみなさまの期待に応えることで、投資家の判断や今後の株価形成にプラスに作用することを期待しています。
ご参考
2024年8月31日現在の株主構成です。参考資料としてご覧ください。
以上で、2025年2月期第2四半期の決算概要、中期経営計画の進捗、2025年2月期の業績見通しについてのご説明を終わります。引き続きご支援ご鞭撻を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。