アジェンダ

嘉屋雄大氏(以下、嘉屋):みなさま、こんばんは。株式会社キットアライブ代表取締役社長の嘉屋雄大です。

今週はお盆ですので、本日は夏休みという方も多くいらっしゃるかと思います。また関東を中心として、台風の被害に遭われている方もいらっしゃるのではないかと思います。お見舞い申し上げます。

本日は大変お忙しい中、私どもの決算説明会にご参加いただき誠にありがとうございます。2024年12月期第2四半期決算説明を始めます。どうぞよろしくお願いします。

本日のアジェンダはスライドのとおりです。

北海道から日本のクラウドビジネスを支える Kitalive Inc.

私どもの事業概要です。会社は北海道札幌市にあります。お客さまは日本全国にいらっしゃいますが、「Salesforce」というパブリッククラウドのプラットフォームを導入支援するクラウドビジネスを手がけています。

株式会社キットアライブについて

弊社のプロフィールです。本社は札幌駅から歩いて5分ほどのところにあります。東京事業所は日本橋にありますが、従業員62名のうち5名が東京で、残りは札幌にいます。平均年齢は34歳ほど、設立から約8年のまだ若い会社です。

事業概要は後ほどご説明します。スライド右側に札幌証券取引所アンビシャスのロゴを記載していますが、札幌証券取引所には2022年に上場しています。

サービスの特徴

サービスの特徴についてです。「Salesforce」を看板に、クラウドソリューション事業の単一セグメントとして展開しています。

スライドの①②のうち、②「Salesforce」製品開発支援からご説明します。「Salesforce」上には「App Store」のビジネス版のようなアプリを販売するマーケットプレイスがあります。

例えば、どの企業でも必要になる販売管理費や名刺管理などのアプリケーションをキーワードで探し当て、何度かクリックするだけで、すぐにその会社の環境で使えるようになります。まさに「App Store」と同じような仕組みです。これを私どもは製品と呼んでいます。

「Salesforce」上のマーケットプレイスで市場に参入したいと考えている企業は多くいらっしゃいます。非常に多くの技術体系、ビジネスのノウハウが必要になりますが、私どもはこちらの支援を長く手がけているところが強みです。技術体系や商慣習が分からずなかなか参入できないお客さまに対し、例えば企画の段階から、SaaSサービスを世の中に広めるためのご支援を行っています。

次に、①「Salesforce」導入支援についてです。こちらは、企業の強みを最大限に活かすかたちで「Salesforce」のプラットフォームを導入するご支援を行うビジネスです。一般的なシステム開発の流れに沿って、コンサルティングのほか要件定義、設計、開発、テスト、運用支援などをワンストップでご提供しています。

①②はそれぞれ独立しているわけではなく、例えば、②に当たる私どもの製品導入時には、①に当たるコンサルティングや、併せてその企業のビジネスを全般的にご支援するなど、①②を組み合わせたビジネスを行っています。

ビジネスの流れ

スライドの系統図はビジネスの流れを示しています。私どもは右から2列目にある製品開発委託元企業から受注し、SaaSのサービスを製品として開発します。企業はそのSaaSのサービスを広げるために営業活動やマーケティング活動をしていくことになります。

実際の受注で、先ほどのスライドの①のようにコンサルを必要としているケースなどがあれば、総合的にご支援しています。このスキームで私どもはビジネスを伸ばし、製品開発委託元企業も私どもが開発した製品でビジネスを伸ばしています。この流れの中で新たなお客さまや案件を紹介してもらうこともあります。これらの相乗効果で、それぞれが伸びていくような仕組みを構築しています。

お客さまはスライド一番左のセールスフォース・ジャパンからも紹介してもらっています。紹介を受けアライアンスを組むこともあります。ライセンスについてはセールスフォース・ジャパンから直接ではなくテラスカイを経由して仕入れています。以上が簡単な流れになります。

当社の市場ニーズ

私どもが市場から期待されるニーズを一言でまとめると、「クラウドを活用し、全国のお客様の生産性向上に北海道から貢献すること」になります。

2024年12月期 第2四半期 累計業績ハイライト

第2四半期の業績です。最初にお話ししますが、前年比マイナスは前中間会計期間に大型案件の検収があるなど大きな売上高と利益が生じた反動です。

スライドの表のオレンジで囲っているところが1月から6月累計の結果です。売上は3億9,000万円、営業利益・経常利益は5,600万円、当期純利益は3,800万円で着地しています。

私どもは下期に売上・利益とも偏重するところがありますので、予実進捗率は50パーセントを少し割るようなかたちで進捗しています。

2024年12月期 第2四半期 貸借対照表

貸借対照表です。自己資本比率が2.9ポイントほど減少しましたが、それでも81.6パーセントで健全な財務基盤を維持していると思っています。

売上高/経常利益の推移

売上高と経常利益を示したグラフです。売上高は4億円弱、経常利益は5,700万円となっています。後ほどご説明しますが、今期に関しては増収減益を予定していますので、階段状に上がっていた昨年度までに比べると少し見劣りする半期の結果になっています。

純利益、1株当たり純利益の推移

純利益と1株当たりの純利益の推移はスライドに記載のとおりです。

純資産額/総資産額、1株あたり純資産額の推移

純資産額、総資産額、1株当たりの純資産額の推移です。純資産額と総資産額は右肩上がりとなっています。同様に1株当たりの純資産額も右肩上がりでこの半期を終えています。

売上総利益・売上総利益率の推移

売上総利益と売上総利益率です。売上総利益はスライド左側のグラフのとおりです。スライド右側のグラフで示した売上総利益率は45.3パーセントと昨年度を若干下回っていますが、それでもまだ高い利益率だと考えています。

都道府県別取引先と累積取引先社数の推移

先ほど「北海道から日本全国のお客さまへ」と申し上げました。スライド左側の図をご覧いただくと、北海道がグレー、それ以外の都道府県が水色になっています。今、弊社は18都道府県のお客さまとの取引実績があります。この第2四半期までの累計で積み上げたお客さまの社数は120社ほどです。

スライド右側のグラフについては、ちょうどコロナ禍が始まった時期にみなさまがWeb会議を導入されるようになったことをきっかけに、北海道以外のお客さまが増え始めたことが見て取れるかと思います。

主たる取引実績

弊社のホームページからの転載になりますが、一部のお客さまのロゴを掲載しています。北海道のお客さまもいらっしゃいますが、北海道以外のお客さまとも取引しています。

私どもは、例えば中小企業や地方の企業、また比較的大きい企業などであっても、スタートアップのプロジェクトや、予算規模がそれほど取れないもののこれから伸びる可能性があるプロジェクトなど、最初の段階では予算や期間の制約が非常に厳しい中でどのようにビジネスを伸ばしていくかといった相談を受けることが多い会社となっています。

2024年12月期 通期 業績予想

今期の業績予想です。当初予想からの変更はありません。売上高は9億1,000万円で、営業利益は1億2,000万円、経常利益は1億3,000万円、当期純利益は9,100万円を予定しています。

2024年12月期 通期 業績予想

売上高は段階的に上がりますが、経常利益は1億3,000万円と減収減益を予定しています。

2024年12月期 採用施策

今期の減益は、エンジニア拡充のために広告宣伝費と従業員募集費を重点的に投下していることが要因です。エンジニアの採用目標は19名で、8月までに11名が入社しています。中途が2名、新卒・第2新卒が9名です。残り8名を埋めるため、活動を継続しています。

そのため、セグメント型広告を大幅に増やしたり、社員からのリファーラルを増やすために紹介料を改善したりしています。加えて、これまで4月採用のみとしていた第2新卒の採用を今年度からは10月にも行い、若年層を増員していきます。採用した社員に対する教育のほか、リファーラルへの投資も継続しています。

第2新卒の10月採用を新設した経緯です。私どもは、4月以外に入社したいという希望があった際も、教育研修の関係から4月入社でないと難しいということで、入社をお断りしてきた過去があります。せっかく私どもの会社に興味を持ってくださったのにお断りするしかないのが非常に心苦しかったこともあり、今後はチャンスを逃さないよう10月採用を新設しています。

今後の成長イメージ

今後の成長イメージについてです。スライド左側の売上高は来期・再来期も階段状に伸ばしていくイメージです。スライド右側の経常利益は、今期の落ち込みに対して来期以降は回復を見込んでいます。

国内クラウド市場予測

市場性についてです。国内のクラウド市場は、2023年から2028年の年間平均成長率が16.3パーセントで推移するものと予測されています。特に私どもの会社がある北海道など、首都圏以外にはまだ大きなホワイトスペースも見られ、堅調に伸びていく市場だと考えています。

国内CX関連ソフト/CRMアプリケーション市場予測

国内のカスタマーエクスペリエンス、CXの関連ソフトと、CRMアプリケーションの市場予測です。これらは、いずれも伸びています。

スライド左側のCX関連は年間平均成長率8.0パーセントで伸び続けており、2024年でも8,000億円弱と非常に大きな市場になっています。

私どもが中核としているスライド右側のCRMも年間平均成長率9.6パーセントと、CXよりも1.6パーセントほど高く伸びており、2024年は2,700億円ほどの市場となっています。したがって、外部環境としては堅調な状況が当面続くと考えています。

少人数プロジェクトの特徴

外部環境に対する当社の取り組みについてです。「Salesforce」のビジネスの特徴として、例えば3人か4人くらいで1つのチームを組むかたちでの少人数のプロジェクトが多いことが挙げられます。

少人数プロジェクトの特徴の1つは、複数工程の経験です。大人数になると、分業によりプログラムだけ、もしくは顧客と折衝するだけという役職のメンバーができてしまうことがあります。一方、私どもは少人数のため、非常に多くの工程を個人で経験する必要があります。したがって、経験年数が短くても、お客さまへの提供価値や生産性を向上させる経験を得ることが可能になります。

また、お客さまと近いところでビジネスをしますので、業務理解度の向上が可能になります。直接会話することは、若者にとって、早くから非常に得がたい経験ができます。このようなことを少人数プロジェクトの特徴と考えています。

採用・育成

そのような経験をしてもらうために、北海道で積極的に採用を行っています。中途、新卒・第2新卒ともに積極的に採用しています。育成支援制度を使い、業務理解度の高いITエンジニアを育成し、下流工程、プログラムだけではなく、お客さまとの折衝などの能力も早くから習得してもらいます。そして、Web会議を使い、全国のお客さまに「Salesforce」の導入を支援しています。

北海道大学様との連携を強化

私どもの本社から歩いて10分ほどのところに北海道大学があります。非常に近いこともあり、特に最近、北海道大学との連携を強化しています。

私どもは、アントレプレナーシップを養う「北大テックガレージ」という人材育成プログラムの支援を1社独占で行っています。このプログラムは、世の中にないものを自分たちで考えて作っていくというものです。

例えば、部品代として必要となる費用など、事業計画のようなものを書いて申請すると、その費用に対し弊社が寄付し、その寄付から部品代として使っていただくかたちとなっています。

全社員のうち27%が北海道大学出身

この取り組み自体は、まだ始めたばかりであり、長期的に行っていきたいと考えています。現状、弊社の社員のうち27パーセントは北海道大学の出身となっています。先ほど、北海道大学まで歩いて10分ほどとお話ししましたが、北海道地場の企業として、私たちの会社を選んでいただける機会が少しずつ増えてきているのではと感じています。

私自身も、北海道大学の出身です。北海道大学出身の方に、首都圏だけではなく北海道地場でしっかり活躍してもらえるような場を私たちも用意していきたいと考えています。

Salesforce認定資格保有者数一覧

「Salesforce」に特化した話になりますが、認定資格者数はスライドに記載したとおりです。表の上のほうに「アーキテクト」という資格がいくつかありますが、これがいわゆる難関資格です。特に「アプリケーションアーキテクト」「システムアーキテクト」の2つは複数の資格を複合して獲得できるものです。難関資格の保有者も少しずつ増えてきています。

地域とともに成長を

先ほど北海道大学への寄付のお話をしましたが、もう少し広く、子どもの育成支援として「Kids Alive」という寄付活動を行っています。

社内でお子さんがいる社員には、お子さん1人当たり月1万円をこども手当というかたちで支給しており、それと同額を四半期ごとに寄付しています。

今は、主に札幌市に寄付しており、こちらも大学生の活動支援に寄与することが多いです。私たちの会社だけが成長することは難しいと思っています。地域の成長に伴い、私たちの会社も成長する、正のスパイラルをどんどん大きくしていくために、このような活動を行っています。

従業員持株会の設立

従業員持株会を設立しました。スライドに記載したとおりの拠出金、奨励金付与率で、拠出時期は6月となります。こちらで、弊社の株式を継続的に購入することも行っています。

私たちのミッション

私たちのミッションは「Challenge together.」です。単にシステムを導入して終わりではなく、お客さまのビジネスをそこからどう変えていくかということで、改革という言葉を使っています。改革は私たちの会社だけではできないものですので、お客さまと一緒に汗をかきながら行っていく必要があるという意味をこの言葉に込めています。

質疑応答:民間企業と大学や自治体との取引実績の比率について

嘉屋:「取引実績のところを見ると、北海道大学があります。民間企業以外に大学や自治体も対象になりますか? 民間との比率のようなものがあれば教えてください」というご質問です。

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