業績サマリー(2024年3月期)
岡田祐司氏(以下、岡田):みなさま、こんにちは。オカダアイヨン株式会社代表取締役社長の岡田祐司です。本日はご多用中にもかかわらず、当社決算説明会をご覧いただき誠にありがとうございます。また、平素よりみなさまにはご支援を賜り、重ねてお礼申し上げます。
それでは、2024年3月期決算説明会を始めます。はじめに、2024年3月期業績サマリーについてご説明します。当連結会計年度における日本経済および世界経済は、コロナ禍明けの経済活動正常化により、緩やかな回復基調となりました。
一方で、資源・エネルギー価格の高止まりや、インフレに伴う欧米の高金利政策の継続、地政学リスクの高まりなどにより、依然として先行きの不透明感が続いています。
このような環境において、当社グループは、長期ビジョン「VISION30」の方針のもと、国内では、解体・インフラ工事需要に対応した増産と、生産性向上を軸にした生産体制強化を注力課題として取り組みました。
開拓余力の大きな海外では、拠点展開している米国・欧州・アジアでの営業体制強化を図るなど、さらなる持続的成長と企業価値向上に注力してきました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高が前年比14.9パーセント増の270億9,500万円、営業利益が前年比38.4パーセント増の27億1,900万円、経常利益が前年比43.5パーセント増の28億1,400万円、当期純利益が前年比33.4パーセント増の18億8,600万円となり、連結会計年度の最高売上、最高利益を3年連続で更新しました。
2024年3月期業績及び2025年3月期予想
当期については、国内の解体・林業分野の増収に加えて、北米でのM&Aが着実に寄与しました。
今期については、国内外ともに既存ビジネスの拡大・深化により、さらなる安定的な成長を目指していきます。
2024年3月期 売上高増減要因
当期売上高の増減要因についてです。国内セグメントでは、2023年3月期のケーブルクレーン事業の特需の減少を、当社の主力製品である圧砕機や、引き続き需要が堅調だったつかみ機、新商品「ハイブリッドバケット」が好調な林業機械、さらには円安で苦戦したものの売上増加となった輸入の大型環境機械などでカバーし、14億7,400万円の増収となりました。
海外セグメントにおいては、北米でのM&Aが着実に寄与し、20億4,500万円の増収となりました。
セグメント・事業別売上概要
セグメント・事業別売上概要です。構成比率に大きな変化はないものの、4つの売上区分すべてで売上高が増加しました。特に海外セグメントでは、海外事業の拡大方針のもと、既存地域の売上に北米でのM&Aが寄与し、海外売上比率が2023年3月期の21パーセントから25パーセントに上昇しました。
機種別売上
機種別の売上実績についてはスライドのとおりです。
主力製品(圧砕機)受注・生産・売上動向
当社主力製品である圧砕機の受注・生産・売上動向です。圧砕機全体では、アタッチメントの大型化と生産台数の確保により、前年比8.6パーセント増、前々年比23.7パーセント増と増収傾向が続いています。受注残は正常化に向けて落ち着いてきている状況です。
種類別では、圧砕機のうち大割機・鉄骨カッター等の鋳鋼品は、材料である鋳鋼部材の調達が追いつかず、納期長期化の影響で受注残が減少する傾向となりました。こちらの課題については、足元で鋳鋼部材の調達環境が改善傾向にあることから、今後は納期の短縮が見込まれています。
また小割機・つかみ機等の製缶品は、納期の短縮化に伴い、先行発注が減少し、受注残が正常化する傾向となりました。
海外 地域別売上構成(2024/3月期)
海外の地域別売上構成です。全体の売上における海外売上比率は、北米事業の伸びなどが寄与し、前年同期比4.9パーセント増の25.3パーセントとなりました。
地域別では、北米地域がインフレの長期化で昨年後半から需要が様子見傾向にある中、オカダアメリカの販売が底堅く推移し、M&Aの売上が寄与しました。その結果、売上高は前年同期比63パーセントにあたる48億1,700万円増となり、海外売上における売上構成比率は2023年3月期の62パーセントから70パーセントに増加しました。
欧州地域では、米国同様、昨年後半から需要減速の影響を受けつつ、売上高は前年同期比13.7パーセントにあたる11億5,600万円増と増収は確保しましたが、海外売上における売上構成比率は2023年3月期の21パーセントから17パーセントに減少しました。
アジア地域では、市場全体の需要減の影響もあり、売上高は前年同期比3パーセントにあたる5億8,300万円減となり、海外売上における売上構成比率も2023年3月期の12パーセントから9パーセントに減少しました。
営業利益増減要因
営業利益の増減要因です。国内は、ケーブルクレーン事業の減益を、解体環境アタッチメント、つかみ機、林業機械、大型環境機械等の販売でカバーしたほか、原価高を値上げ効果で吸収し、国内セグメント利益18億1,700万円、前年比9.4パーセント増となりました。
海外は、M&Aののれん償却費などが発生したものの、北米の増収や海上運賃の値戻しの影響が大きく、海外セグメント利益9億700万円、前年比178.2パーセント増の大幅な増益となりました。
設備投資・減価償却費実績
続いて、設備投資・減価償却費実績です。設備投資は、国内では札幌営業所と関西支店の移転用地の一部前払いがあり、海外ではアメリカ新本社の社屋と倉庫がありました。
減価償却費は、北米のM&Aののれん代償却や、アメリカ新本社の建物、設備償却が加算されました。
以上が、当期の業績概要となります。
長期ビジョン「VISION30」
2025年3月期の予想と中期経営計画ローリングプランについてご説明します。まず、2021年度から取り組んでいる長期ビジョン「VISION30」では、「人は環境をつくる」をスローガンに、「トリプル3」と「トリプル10」の数値目標を掲げ、主要3戦略として「人材戦略」「マーケット戦略」「経営基盤強化」を実施しています。
中計ローリング3カ年計画(FY2024-FY2026)
また、当社グループでは、この長期ビジョン「VISION30」のもとに、毎年度、3ヶ年の中計ローリングプランを更新しています。
今後3年間は、国内外で堅調な需要への対応とマーケットシェア拡大に注力し、安定的成長を確保するとともに、営業体制のさらなる強化、製造部門の増産と生産性向上、社員のエンゲージメント向上等により、事業の安定的成長と質の改善を目指していきます。
なお、「VISION30」の目標は、売上目標300億円の達成後には見直す予定です。
中計ローリング3カ年計画主要施策
中計ローリング3カ年計画の主要施策については、スライド20ページから23ページのとおりです。こちらのページでは、「人材戦略」「マーケット戦略」「経営基盤強化」の3つの基本戦略のもとに、過去3年間で実施してきた具体的施策と、今後3年間で実施予定の主要施策並びに数値的目標を記載しています。
マーケット戦略 国内拠点リニューアル
国内のマーケット戦略については、近年の解体需要の増加と機械の大型化等に対応するため、アイヨンテックの増産体制強化と、全国各地の営業所のメンテナンス体制強化を計画的に実施してきました。次期3ヶ年においても、さらなる成長を目指して計画的に設備の増強を図る予定です。
マーケット戦略グローバル展開
海外のマーケット戦略については、重点3拠点である米国・欧州・アジアでの、人・モノ・資金への投資を強化し、各地域に合った商材と人員によって、シェア獲得に引き続き注力していきます。
設備投資 実績・計画
設備投資の実績・計画についてです。当期までは、国内営業所兼メンテナンス工場の設備増強を実施してきましたが、こちらは2023年5月にオープンした札幌営業所で、一定の目途がつきました。
次期3ヶ年については、需要が好調な関東と関西の営業所の整備と、アイヨンテックの製造工場、本社、研修センター等の設備増強を検討しています。
株主還元・配当政策
株主還元と配当政策については、配当性向30パーセントを目標とする配当方針のもと、当期は前年比32円増の年間70円の配当を予定しています。
また、今期については、さらに4円増配の年間74円の配当を予想しています。今後も事業の安定成長のもと、累進的配当方針により増配を継続する方針です。
キャッシュフロー 実績・計画
キャッシュフローの実績と計画です。当期までの3ヶ年は事業拡大に備え、積極的に設備投資とM&Aを行ってきました。今期からの3ヶ年については、引き続き成長投資は行いつつもキャッシュフローを確保し、投資回収を図っていきます。
投下資本の生産性 実績・計画
投下資本の生産性の実績と計画については、スライドのとおりです。
以上が、今期からの中期経営計画ローリングプランのご説明となります。
質疑応答:利益が伸び悩んだ要因について
前西信男氏:専務取締役の前西です。私からは、主に計数面を中心に補足的にご説明します。みなさまからのご質問を想定して、事前に作成したQ&Aに基づいてご説明したいと思います。
「2024年3月期第4四半期の業績、特に利益が伸びなかったことの要因を説明してほしいです」というご質問です。
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