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荻野洋基氏(以下、荻野):ノバレーゼ代表取締役社長の荻野です。本日はお忙しい中、当社の個人投資家向けIRセミナーをご視聴いただき誠にありがとうございます。
本日のアジェンダはスライドに記載のとおりです。1つ目が当社の事業内容や特徴・沿革、2つ目が当社の置かれている市場環境ならびに収益構造、3つ目が出店戦略ならびにビジネスモデル、4つ目が人的資本に対する取り組み、5つ目が今後の出店計画と成長戦略、6つ目が株主還元となっています。
会社概要
荻野:ノバレーゼについてご説明します。まずは会社概要です。
当社は2000年に、婚礼プロデュースおよびドレスショップを営む会社として創業しました。「Rock your life 世の中に元気を与え続ける会社でありたい」という基本理念のもと、激変する世の中で、ブライダル事業を通じて新しい価値を創造し続けることを目指しています。
事業内容
荻野:事業内容です。当社は、主にブライダル事業とレストラン特化型事業に大別されます。
ブライダル事業は、スライドに記載の3つの部門で構成されています。1つ目は、貸切型の婚礼施設のゲストハウスを中心に、シンプルモダンをコンセプトとした結婚式を提供する婚礼プロデュース部門です。2つ目はウエディングドレスのレンタルおよびサービスを中心とする婚礼衣裳部門、3つ目は婚礼の宴会飲食を提供するほか、一部の婚礼施設において平日にランチ・ディナー営業を行うレストラン部門です。
レストラン特化型事業は、高級店からカジュアルレストランまで幅広く展開しており、ブライダル事業のレストラン部門全体のクオリティアップやスタッフの成長フィールドの選択にも貢献している部門です。このように、ブライダルにおけるあらゆるニーズにワンストップで対応するサービスを提供し、お客さまの人生における「ハレの日」をトータルでプロデュースしています。
より詳細な事業内容についてご説明する前に、本日ご参加のみなさまに、私たちが提供している結婚式の様子をイメージしていただくため、短い動画を用意しました。実際に当社のゲストハウスで結婚式を挙行したお客さまの当日の様子を記録した約1分間のダイジェスト映像をご覧ください。
(動画流れる)
婚礼施設(都市型ゲストハウス/モノリス)
荻野:各事業および部門ごとの特徴をご説明します。婚礼プロデュース部門について、当社の直営婚礼施設をシリーズ別にご紹介していきます。
1つ目は、都市部でアクセスの良いロケーションに展開する、シンプルでモダンな都市型ゲストハウス「モノリス」です。こちらは洗練された都会的なイメージや、高級感を演出するスタイリッシュなデザインとダイナミックな空間構成が特徴となっています。
婚礼施設(郊外型ゲストハウス/アマンダン)
荻野:2つ目は、郊外で自然の景観に恵まれた地域を対象に展開する、郊外型ゲストハウス「アマンダン」です。先ほどの映像では、「アマンダン」シリーズの1つである高松の「アマンダンカルム」の様子をご覧いただきました。
海の目の前や緑あふれる大自然の中に建つ会場など、都心部にはない景観の優位性を空間構成に取り入れています。海外リゾートのようなプライベート空間や非日常を感じさせる建築と空間が特徴的なリゾート型ゲストハウスです。
婚礼施設(再生型ゲストハウス)
荻野:3つ目は、歴史的・文化的な価値の認められる由緒ある建造物やホテル、婚礼施設などの既存建築物を、当社の開発・運営手法を投入してリノベーションした再生型ゲストハウスです。旧来の建物が持つ特徴を可能な限り生かし、その土地の文化や景観に合わせた物件を最適化するシリーズとなっています。モダン建築との融合により、より付加価値を加えた建築物へと再生しています。
婚礼施設(M&A/リゾート型婚礼施設)
荻野:4つ目は、旧来型の結婚式場やホテルをM&Aにより取得し、初期投資を抑えリーズナブルな販売価格でサービスを提供する「フレアージュ」です。当社のノウハウを用いて改装・リブランディングすることで、お客さまのニーズに応え、集客力のある会場を生み出しています。
5つ目は、豊かな自然を感じるリゾート地に展開している「キラナリゾート」です。雄大な自然に囲まれ、その土地ならではのロケーションを生かしたデザイン邸宅にて、心からの開放を感じられる1日を過ごしていただけるようなデザインとなっています。
受賞実績
荻野:当社の受賞実績についてご紹介します。2023年4月に開業した「アマンダンブルー青島」が「宮崎市景観賞 商業施設部門 最優秀賞」を受賞しました。
当社の婚礼施設は、それぞれの土地に合わせたシンプルでモダンな設計が特徴です。業界に多く見られる白亜調の会場とは一線を画すデザインで、他社との差別化を図っています。
新規開業施設のほか、国の登録文化財に指定されている建造物を再生している施設もあり、いずれも建築物として高い評価を得ています。今回は当社として23件目の建築賞受賞となりました。
ドレスブランド
荻野:当社が展開する2つのドレスブランドをご紹介します。1つ目は、都心部を中心に出店している「NOVARESE(ノバレーゼ)」です。こちらは主に、欧米諸国でブランド展開するデザイナーのウエディングドレスやタキシードを取り扱っており、当社のブランディングデザイナーがデザインやカッティングをカスタマイズしたアイテムを展開しています。
2つ目は、地方都市を中心に出店している「ecruspose(エクリュスポーゼ)」です。こちらでは当社オリジナルブランドのドレスを取り扱っています。スタイリッシュでエレガントな印象のドレスがそろう「NOVARESE」ブランドと比較すると、より親しみやすく、かわいらしいデザインが特徴のブランドです。
レストラン(レストラン特化型事業運営)
荻野:レストラン特化型事業のレストラン運営についてご説明します。高級店からカジュアルレストランまで、幅広く展開しています。ブライダル事業のレストラン部門との人材の流動性もあり、全体のクオリティアップやスタッフの成長フィールドの選択に貢献しています。
店舗一覧
荻野:店舗展開の状況です。当社は人口25万人以上の都市を中心に、現在、直営の婚礼施設を37店舗、ドレスショップを25店舗、レストラン施設を9店舗展開しています。海外では、ハワイのホノルルで、海外フォトウエディング事業とスパ事業を1店舗展開しています。
今後も短期的な利益拡大を目的とすることなく、人材採用や育成、出店エリアのマーケット状況、投資回収期間などを総合的に勘案し、クオリティの高いサービスが提供できる速度で、着実に店舗の出店を進めていきます。
沿革
荻野:当社の沿革についてご説明します。当社は2000年に創立して以降、着実に店舗展開を進めるとともに、周辺事業の内製化にも力を入れ、質の高いサービスと多岐にわたる事業を展開しています。
2016年の上場廃止以降は、出店・退店基準をより明確にし、不採算店舗の閉鎖や新規出店、食材の自動発注システムの導入やエリア制の導入等により、コスト管理やガバナンスの強化を進めています。
市場環境 ①
荻野:当社の置かれているブライダル業界の市場環境ならびに収益構造についてご説明します。当社が事業を展開している国内の挙式・披露宴市場は、コロナ禍前は約1.4兆円の巨大産業でした。
コロナ禍の影響で市場全体が大きく落ち込みはしたものの、足元ではコロナ禍前の水準までしっかりと回復しています。当社に関しては、市場全体よりも早いペースで業績が回復している状況です。
市場環境 ②
荻野:国内の挙式・披露宴市場が巨大な産業である一方で、上位10社の寡占度はわずか23パーセントとなっており、当社のシェアは1パーセント程度にすぎません。中小零細プレーヤーが多数存在する市場ですが、全国の結婚式場はコロナ禍を契機として二極化に拍車がかかっている状況です。婚姻組数が大きく変わらない中、プレーヤーの淘汰が進む局面は、当社にとってさらなるシェア拡大の好機であると考えています。
市場環境 ③
荻野:スライド左側のグラフのとおり、結婚式を行う新郎新婦のうち、披露宴を実施する割合は半数程度です。そのような中、当社の提供するサービスはすべてのセレモニーをカバーしています。
披露宴自体も、現在はホテルより当社の基本コンセプトである貸切型ゲストハウスが選好される傾向にあり、この割合はアフターコロナにおいてさらに高まっています。このようなお客さまの趣向の変化は、当社にとっては追い風になると捉えています。
当社の収益構造
荻野:ブライダル事業の収益は年間施行組数と組単価に大きく分解でき、それぞれをさらに4つに分解しています。
なお、結婚式は気候が穏やかで祝日の多い春と秋が人気です。そのため当社では、4月から6月の第2四半期、10月から12月の第4四半期の比重が高くなる傾向にあります。中でも、新規開業施設が本格稼働する第4四半期は、売上と利益が大きく伸びる構造となっています。
受注・施行の推移
荻野:2019年12月期以降の受注および施行推移です。スライドの折れ線グラフは、受注組数をコロナ禍前の2019年と比較した実績となっています。受注組数、施行組数ともに、コロナ禍前の水準以上を維持している状況です。
平均ゲスト数の推移
荻野:平均ゲスト数の推移です。スライドの折れ線グラフは前年同期比を示しています。先ほどもご説明したとおり、平均ゲスト数は着実に回復しています。
2019年は平均人数が65名ほどでした。その後、コロナ禍で大きく落ち込みましたが、昨年第4四半期にはしっかりと右肩上がりで回復しています。
今期に関しても、ゲスト数はさらに増加する見込みです。足元でも、ゲスト数60名以上を希望するお客さまの割合が前年同期比10パーセント程度増加しており、今期はさらなる回復が見込まれます。この平均ゲスト数の増加が利益に大きく寄与するため、今期もゲスト数の回復に向けて、さまざまな施策を行う予定です。
2024年12月期 業績予想(連結)
荻野:2024年12月期の業績予想です。2024年12月期は、平均組単価の回復および婚礼施設におけるレストラン営業の拡大、またレストラン特化型事業も強化することから、増収増益を見込んでいます。
スライドをご覧いただくと、施行組数が昨年と比較してマイナス70組程度と、少しショートしているのですが、今期は非常に堅い業績予想としました。今期は平日や閑散期の稼働に対してしっかりと施策を打っているため、単価アップも含めて、このあたりのマイナス面はしっかりと回収できると考えています。
ビジネスモデル・強み
荻野:出店戦略ならびにビジネスモデルについてご説明します。当社が持続的に成長している背景として、シンプルでモダンなデザインの施設を地方都市中心に出店する独自の戦略をとっていることや、さまざまな婚礼関連サービスを一気通貫かつ高品質に提供できる体制を確立していることが挙げられます。
出店戦略・出店余地
荻野:出店戦略および今後の出店余地についてご説明します。今後も、高い投資効率が見込めるエリアを十分に精査の上、出店を進めていきます。先ほどもお話ししましたが、特に人口25万人から100万人の都市圏への出店に注力します。
スライド左側の図にあるとおり、人口25万人から100万人の都市は全国に78ヶ所ありますが、その中で当社の出店は開業予定を含めて19都市です。出店割合は24パーセントと、拡大余地が十分に残されているため、今後も引き続き出店可能な領域があると考えています。
もちろん高い投資効率が期待できれば、出店割合の多い人口100万人超えの都市への出店も検討していきます。東名阪や横浜などの既存エリアにも今後出店できる余地があると考えており、現在は神奈川に3店舗オープンしています。関西圏にも多数出店しているのですが、マーケット的にはドミナントというかたちで、実際にはまだまだ出店余地があると考えています。
出店計画については、1店舗当たり約5億円の売上を見込める店舗を、年間3店舗程度としています。出店の手段は、更地から自前で新築する出店に加えて、地方で苦戦する同業他社の買収や、居抜き物件の賃貸なども含めた多様な形態で進めていきたいと考えています。
また、先ほどご説明したとおり、人材の採用や育成を高品質に保つことは非常に重要だと思っています。これらをしっかりと見極めながら、マーケットや投資効率などを鑑みて、今後も着実に出店していきたいと考えています。
01 シンプル・モダンなデザイン(式場デザインの差別化)
荻野:当社のコンセプトとしては、シンプルなデザインかつ、基本的には1施設当たり1バンケット・1チャペルを店舗戦略として他社との差別化を図り、お客さまを取り込んでいきたいと考えています。1つの施設で複数のバンケットを抱える施設や、豪華さを重視した施設とは一線を画した戦略をとることで、競合の少ないブランクスペースで事業が展開でき、顧客の取り込みにも成功している状況です。
1施設当たりの投資額で比較しても、シンプルな設備によってリーズナブルな価格での投資を実現できており、損益分岐点の低い体制を構築しています。
02 地方都市圏を中心とした店舗展開(地方出店のメリット)
荻野:当社は、競合状況が比較的緩やかな地方都市圏を中心に、出店立地を精査した上で店舗を展開しています。当社の出店エリアである地方都市圏は、都市部に比べて競合が少ないため、地代や広告宣伝費等の運営コストを安く抑えることができています。
3大都市と当社の既存進出エリアを比較すると、地代家賃には大きな差異がある一方で、結婚式の1施行当たりの売上収益は、大阪や愛知と同程度の水準を確保できています。そのため、非常に収益性の高いビジネスが実現できていることがおわかりいただけるかと思います。
02 地方都市圏を中心とした店舗展開(投資効率・投資回収の優位性)
荻野:先ほどもご説明したとおり、初期投資の負担や運営コストを抑えながら収益性の高いビジネスモデルを構築しており、1施行当たりの収益最大化を図っています。その結果、同業他社と比較して投資回収期間が短く、高い投資効率を実現しています。
一般的に結婚式場の投資回収には10年以上の期間を要すると言われていますが、当社の投資回収イメージとしては、新店が開業してから約5年以内での初期投資回収が可能となっています。
02 地方都市圏を中心とした店舗展開(再生・M&A)
荻野:当社は、新規出店とは別に、婚礼施設の再生・M&Aを行いながら店舗展開を進めている状況です。採算の取れなくなった旧来型の結婚式場やホテル、歴史的建造物を、当社が持つ人材育成や内製化のノウハウを注入することで立て直してきた実績があります。
スライド右側の写真は、琵琶湖のほとりで非常にすばらしいロケーションの「フレアージュダリアンス」という会場です。もともと施設はありましたので、初期投資費用を抑えて短期間で開業でき、非常に投資効率の良い物件でした。今は人気の会場となっています。
二極化が加速する中で、今後は閉鎖する式場が増えていくと予想されますので、積極的に情報収集等を行い、チャレンジしていきたいと考えています。
03 サービス内製化による収益性向上
荻野:当社の婚礼周辺サービスにおける内製化について、詳しくご説明します。スライド左側の図に記載のとおり、婚礼周辺サービスとしてはドレス、映像・写真、装花、ギフトが挙げられますが、競合他社の多くは各サービスを外注しているケースがほとんどです。
一方、当社では各サービスにおいて自社機能を有しており、内製化を行っています。お客さまとのタッチポイントを増やすことで、婚礼サービス全体での収益機会を最大化できるだけでなく、外注コストが抑えられるため、結果として高い収益性が確保できています。ここが競合他社との最大の差別化要因です。
また、スライド右側の図にあるとおり、当社の内製化されたサービスを外部事業者向けに販売することで、新たな収益機会の獲得にもつなげています。
03 サービス内製化による収益性向上(ドレス事業の内製化)
荻野:特に、ドレスレンタル事業の内製化が、当社の収益性の高さを支える大きな源泉となっています。これは、当社がドレスレンタル事業を祖業とするために実現できているモデルです。自社会場で行う結婚式の特性やお客さまのニーズ、トレンドなどを把握しているため、それらの情報をドレスのデザインに反映させることで、お客さまにご満足いただくドレスが提供できます。
また、スライド左側の図のとおり、ドレス販売の収益機会は1度程度ですが、レンタルは1回当たりの収益は小さいものの、収益機会が複数回あるため、トータルの収益性で見れば高いマージンの獲得が可能となっています。それでも当社はドレスの品質にもこだわっていますので、基本的には1着に対して5回程度レンタルした後には処分するなど、品質管理も徹底している状況です。
高い顧客満足度を実現する人材の確保
荻野:人的資本に対する取り組みについてご説明します。当社では、優秀な人材の採用および教育に関する取り組みを、経営の最重要課題と位置づけています。また、人事方針を「スタッフの幸福の最大化の追求」とし、独自の福利厚生や社内制度を設置しています。
高い顧客満足度を実現する人材の確保
荻野:高品質なサービスを提供するために、採用活動から社員教育、働きやすい環境づくりなどの人材マネジメントサイクルを、さまざまな観点で整備しています。結果として、人材に関しては業界トップクラスの評価をいただいていると自負しています。
また、人手不足が叫ばれる中、当社の就職応募者数および採用人数は増加傾向にあり、採用市場からも高い評価をいただいています。このように適切な人材のマネジメントサイクルを通じてスタッフのレベルアップを図ることで、お客さまへの上質なサービス提供を可能にしている状況です。
人的資本の状況 ①
荻野:当社の研修制度についてご紹介します。当社の社内研修は、ビジネス基礎や職務専門スキルをインプットするとともに、企業理念の浸透・企業文化の構築を担う重要な役割であると捉えて、研修のすべてを内製化しています。現在は100を超える研修プログラムを実施しており、2023年度の年間総研修時間は246時間、受講人数は918名でした。
研修の目的は、会社の理念とそれに基づく考えや行動を知ることで、当社で活躍するための土台が整うことや、社員が自身の職務で成果を出し、評価されることによって貢献実感を得られるよう、個人の能力を引き上げることです。
また、当社には国家資格であるキャリアコンサルタントの資格を有する社員が複数名在籍しています。今後も新しい研修プログラムの開発に努め、同業他社などサービス業界への外販にも注力していきたいと考えています。
人的資本の状況 ②
荻野:当社は充実した福利厚生制度を有しており、男性・女性ともに、長期的に働きやすい環境を構築しています。一般的な企業と比較して、91.7パーセントと高い復職率、12.5パーセントと低い離職率を誇っており、いかに働きやすい環境であるかがおわかりいただけるかと思います。
スタッフに働きやすい環境を提供することがお客さまの笑顔にもつながっていると考えていますので、引き続き経営陣がしっかりとウォッチしながら、より良い環境を整えていきます。
人的資本の状況 ③
荻野:1月26日に『日経ビジネス』が公表した「社員の士気が高い企業ランキング」において、当社が第11位にランクインしました。今後も経営理念の浸透・企業文化の構築に努め、人的資本の価値最大化に注力していきたいと考えています。
出店計画
荻野:今後の出店計画と成長戦略についてご説明します。出店計画としては、今期は婚礼施設2店舗、ドレスショップ1店舗、レストラン特化型2店舗を出店し、さらに収益基盤を拡大していきたいと考えています。
2月17日に、仙台市青葉区にドレスショップ「ノバレーゼ仙台」がオープンしました。6月はレストラン特化型店舗として、広島市中区に「割烹SHARI(仮称)」を出店します。7月にも婚礼施設の「青龍荘」がオープン予定です。
9月は福島県福島市に婚礼施設の「アマンダンアイル」を出店します。衣裳についてはドレスショップは出店しない予定ですが、郡山市の結婚式場にあるドレスショップ「エクリュスポーゼ郡山店」に送客することで、さらなる稼働率向上を見込んでいます。
先ほどのドミナントのように、当社は全国にドレスショップを有していますので、今後は同エリアに結婚式場を作ることによってドレスショップを作らなくてよくなり、既存店の稼動アップにもつながると考えています。投資効率も良くなるため、ドミナントにも力を入れていきます。
また、12月は大阪市浪速区のホテル1階に、レストラン特化型店舗を出店します。ホテルのインショップは、三井ガーデンホテル内の「SHARI東銀座」に続き2店舗目です。さらに、先日適時開示したとおり、2026年4月に富山県富山市への出店も決定しました。
以上のように、婚礼施設およびレストラン特化型店舗のいずれも、新規出店に関する店舗開発が順調に進んでいます。優秀な人材採用と育成も順調にできているため、よりクオリティの高いサービスの提供に努めていきたいと考えています。
新規出店計画 (直営ゲストハウス)
荻野:新店の概要です。今期7月に開業を予定している仙台市の「青龍荘」については、仙台藩祖伊達政宗公の霊廟である「瑞鳳殿」に隣接する高台に位置し、豊かな眺望が広がる好立地となっており、想定を上回るペースで受注しています。周辺には豊かな緑や美しい眺望が広がる圧倒的なロケーションで、他社との差別化ができている会場です。
オープン後はランチ営業も行いますので、結婚式以外にも、観光客のみなさまを含めて多くの方にご利用いただけると考えています。仙台市は10年近く婚礼施設の出店がなく、しっかりと勝てるエリア・店舗だと思っていますので、引き続き受注活動を進めていきます。
今後の成長戦略
荻野:今後の成長戦略です。着実な出店による収益基盤の拡大に加えて、当社の優位性を生かせる事業領域の拡大を推進していきます。
ハード展開については、国内市場において、婚礼施設を年間3店舗程度と着実に出店していきたいと考えています。新築のほか、歴史的建造物の再生、M&Aや運営受託にも取り組みます。レストラン特化型も年間1店舗から2店舗を出店していきたいと考えています。
また、海外市場においては、ブライダル事業は投資リスクを回避するため、ドレスショップの出店および婚礼施設の運営受託も推進していく考えです。レストラン特化型事業についても、日本食文化を発信するべく、海外展開を目指していきます。
ソフト展開については、法人向けの展開として、婚礼周辺サービスの内製化における圧倒的な優位性を生かし、同業他社への販売を強化していきます。そして、歴史的建造物と差別化された空間や景観を生かし、飲食におけるインバウンド需要もしっかりと獲得していきたいと考えています。また、業界における圧倒的な採用力を生かし、人材紹介事業へも参入していく予定です。
個人向けの展開としては、年間約5,000組ずつ積み上がる婚礼顧客に対して、カスタマーリテンションのための新規事業も推進していきます。現在はECサイトもありますので、しっかりと力を入れて事業を拡大していきたいと考えています。
ハードの優位性に加えて、高いホスピタリティによって需要が拡大しているインバウンドウエディングも獲得します。沖縄の「キラナリゾート」では、海外カップルの利用実績がすでにありますので、エージェント等としっかり組んで、富裕層向け等の結婚式を手がけていきたいと考えています。
沖縄以外にも、日本にはすばらしい観光地がたくさんあります。当社は全国に婚礼会場を展開していますので、海外カップルに日本国内で結婚式を挙げていただけるよう、マーケットをしっかりと切り開いていきたいと考えています。
株主還元
荻野:株主還元についてご説明します。2023年12月末時点で当社の株式を保有していた株主さまに対し、株主優待を発送します。2,000円相当の特選ギフト、引出物で使用しているWeb型カタログギフト、ブロスダイニングでのお食事割引券です。ブロスダイニングについては、今期は広島と大阪にも出店しますので、そちらもぜひご利用いただきたいと考えています。
また、今期の1つの施策として、結婚式以外にも平日に婚礼施設を稼動していきます。現在、多くの会場でランチ営業やイベント等を行っていますので、今後は結婚式場での優待利用など、使える機会をさらに増やしていきたいと考えているところです。
配当については、当社は株主に対する利益還元を経営上の重要課題と位置づけています。しかし、現時点においては配当を行うための剰余金が不足している状況です。今後も事業活動を着実に推進して、早期に配当を実施できるよう努めていきたいと考えています。
本日のご説明は以上です。ご清聴いただき、誠にありがとうございました。
質疑応答:婚礼施設の出店計画の実現性について
川合直也氏(以下、川合):今後、婚礼施設を年間3店舗くらい出店していくとのことですが、スライド14ページのグラフでは、年間の増加率は1店舗か2店舗に見えます。そこから加速していく実現性について、コメントをいただけますでしょうか?
荻野:2023年は宮崎と沖縄に1店舗ずつオープンしました。2024年には、仙台と福島にオープンします。レストランもオープンする予定ですが、婚礼施設としては昨年も今年も2店舗の出店となっています。
2025年は、今のところ新規出店予定はありませんが、先ほどお伝えしたとおり、M&Aの物件等であれば、数ヶ月でオープン可能です。そのため、今期、来期については、新規出店に加えてM&Aにしっかりと注力しながら、出店活動をしていきたいと考えています。
川合:M&Aだと数ヶ月でオープンできるとのことですが、自社で出店する場合は、検討やリサーチにどのくらいの期間がかかるのですか?
荻野:契約内容にもよりますが、物件を見つけてから「ここに出店しよう」と決めるまでに、1年前後はかかります。
川合:良さそうな物件があれば、収益性や人口構成などを調べていくかたちですか?
荻野:おっしゃるとおりです。
川合:検討段階ではかなりの数が上がるものの、リサーチの過程で案件数が絞られ、結果として年間2店舗の出店に収まっているということでしょうか?
荻野:はい、そうです。情報としてはかなり上がってきますので、私自身も実際に物件を見に行くことも多々あります。
実は上場廃止した時に、KPIで「どのようなところに出店すればノバレーゼが勝てるのか?」という視点で細かく要点をまとめました。非日常的な空間であることが、結婚式には重要ですので、例えば「物件の近くに飲み屋街がないか」など、一つひとつ細かく見ていくと、なかなか最後まで残るところは少ないのです。
このように確率が非常に低い中でも、出店できているほうだと思います。同業他社ではいまだに新規出店しているところはほとんどありません。私どもは、今後もブライダル業界を盛り上げていくことを使命としていますので、しっかりと出店活動を行っていきます。
そのため、リサーチから出店につながる確率をもう少し上げていきたいと思います。高品質な結婚式を提供するという前提はぶらさずに、勝てる場所で、かつコストも鑑みながら出店していく考えです。
質疑応答:出店上の人員の問題について
川合:出店していく上での人員の問題や制約はいかがでしょうか?
荻野:2023年は年間を通して採用活動を行い、ありがたいことに新卒・中途ともに優秀な方に入社していただきました。その人材が、今、非常に成長しています。
現在、サービス業全体で人手不足が叫ばれています。しかし、当社では各店舗に人材が充足しており、良いサービスが提供できています。
新店がオープンすると、既存のスタッフが何名か先行します。しっかり立ち上げのオペレーションを行い、高品質なサービスが提供できるタイミングまで張りつきます。その後、地元の方を採用して、店舗運営するのが基本的な流れです。地方に出店すると多くの方に注目いただくため、採用についても順調で、それが当社の強みだと考えています。
質疑応答:人材確保がうまくいく要因について
荒井沙織氏(以下、荒井):「人材確保がうまくできている要因は何でしょうか?」というご質問です。
荻野:最終面接の時に「なぜ当社に興味を持っていただいたのか?」と質問すると、「Rock your life 世の中に元気を与え続ける会社でありたい」という当社の理念に共感してくださる方が非常に増えていると感じます。ホームページや求人ページにも「ブライダルというすばらしい事業を通じて誰かの人生を豊かにする」「1人でも多くの人に笑顔を届ける」というメッセージを大々的に打ち出しているため、その効果もあると思います。
業界の中でも特に給料が高いということはないのですが、当社の理念に共感してくださる方が増えたことは非常にありがたいです。コロナ禍を経て、あらためて人と会うことの価値や、大勢の人が集まり、笑い、時には涙する結婚式という空間を一緒に作っていきたいと考える仲間が増えた実感があります。
荒井:そのような人材が多いと、サービスのクオリティも高いですよね。
荻野:間違いありません。また、採用決定までに、実際にスタッフと会ってもらっています。ホームページなどでは、いくらでも良いことが言えますので、実際に会場に足を運んでもらい、どのような仲間が働いているのかを自分の目でジャッジしてから入社していただきます。この取り組みが離職率の低下にもつながっていると感じます。
質疑応答:婚姻組数の減少について
川合:スライド17ページのグラフを見ると、2022年までは婚姻組数が減少トレンドにあるようですが、2023年の肌感覚はいかがでしょうか?
荻野:ニュースなどでも、婚姻組数が減ってきたという話題はよく出ていると思います。そのため、月次の新規来館組数、つまりお客さまが会場見学にいらした組数が私たちの重要な指標になってきます。
今期もすでに2ヶ月が終わりましたが、ありがたいことに来館組数は両月ともに昨年を上回っており、その点は業界の中でも非常にありがたい立場にいると考えています。ここも二極化が進んでおり、来館組数が多いところと少ないところの差が大きくなっていると感じます。
川合:来館組数は、KPIとして開示していないのでしょうか?
荻野:開示はしていません。
川合:とても参考になりそうですので、ぜひお願いします。
荻野:そうですね、開示したほうがよいかもしれないですね。
質疑応答:少子化対策の考え方について
川合:婚姻組数の減少には、少子化という長期トレンドも影響していると思いますが、少子化対策の考え方を教えてください。
荻野:少子高齢化はブライダル業界だけでなく、国として非常に大きな話題になっていますし、今後の大きな問題にもつながっていくと感じています。
この業界においては、私どものシェアは1パーセント程度のため、今後もまだまだ獲得していけると考えています。二極化していく中でも、足元で多くのお客さまに支持いただいている状況です。
これからは、良い結婚式を提供することが非常に大事になってくると考えています。現在は、入籍しても結婚式をしない方が半数以上いるため、私どもは集客に関しても、ブライダル情報誌『ゼクシィ』やSNSなどいろいろなことに取り組んでいます。
お金をかければ、目先の集客は非常に簡単です。一時的に多くの方にご来場いただくことは可能ですが、この業界で重要なのは、中長期的に考えていくことだと思っています。
例えば「結婚式をしよう」というCMを打ったり、テレビドラマを作ったりすれば、一時的には結婚式が増えると思います。しかし、お子さまも含めた潜在顧客となりうる参列者に「こんな結婚式は今まで経験したことがない」「これなら私も結婚式をやりたい」と思っていただける結婚式を業界全体で提供していくことのほうが重要です。
現在、どのような業界も足元に目が向いてしまっている部分があると思います。そうではなく、やはり中長期的に未来を見据えて、質の高い、良い結婚式をしっかり行っていくことが、結果的に結婚式の増加につながると考えています。
その点も非常に大事なのですが、一方で、私どもの戦略としては海外のお客さまの結婚式にも注力します。今、インバウンドが戻ってきていますし、日本にはすばらしい観光地がたくさんあります。観光産業とブライダルを結びつけて、海外から旅行に来て、結婚式も挙げてほしいと思っています。
要は日本人がハワイで結婚式をするようなイメージです。現在、沖縄にも多くのお客さまに来ていただいています。
日本には伸びしろがたくさんあります。日本の一番の強みである観光資源やおもてなしのホスピタリティは、海外にはまだまだ通用すると思います。国内人口が減るのであれば、外国の方を呼んで、日本をもっと活用していただくことが非常に大事なポイントの1つだと考えています。
また、別軸として新事業も一緒に行っていきたいです。
質疑応答:M&Aについて
川合:M&Aの件数を上手に増やしていけば、成長に大きく寄与すると思いますが、他にも積極的にM&Aをしているプレーヤーはいるのでしょうか?
荻野:一時期、上場企業であったと思いますが、今はあまり積極的に行っている企業はないと思います。
質疑応答:国内のフォトウエディングについて
荒井:「婚礼件数も結婚する方も減っているとのことですが、国内で、いわゆるフォトウエディングのプランは展開しているのでしょうか? 展開していない場合は、今後検討する可能性はありますか?」というご質問です。
荻野:実際に当社で結婚式を挙げていただく方の前撮りなどは行っているのですが、現在はフォトウエディング専門の事業は行っていません。今、業界は激しい価格競争になっています。あえてそこに参入せずに、しっかりとお金をかけてでも、「良い結婚式を挙げたい」という方を対象に、今後新しいビジネスのベースを考えていきたいという理由から、今後も展開予定はありません。
荒井:映像を拝見すると、大変すてきな会場をお持ちですよね。
荻野:ありがとうございます。
荒井:すべて内製化されているため、空いている時間帯やフォトグラファーを使って、そのようなビジネスも可能なのではないかと思ったのですが、そのあたりは考えていないということですね?
荻野:平日はお客さまの前撮りがかなり入っています。例えば、神戸のすばらしい場所に「ジェームス邸」という会場がありますが、横浜の方がそこで前撮りしたり、逆に神戸の方が鎌倉の会場で撮ったりすることもあります。そのように挙式会場と異なる場所で前撮りすることも多いです。
荒井:そのようなところで、かなり集客できそうですね。
質疑応答:資本業務提携したIBJ社の寄与度について
川合:IBJ社と資本業務提携したと思いますが、御社の施行組数に対して、どれくらい寄与していますか?
荻野:送客してはいただいていますが、当初の予定よりも減少している状況で、お恥ずかしながら受注率はあまり良くありません。要因としては、少人数の結婚式が多いためです。
当社では、少人数の結婚式は常時は受け付けていません。要は、組数も戻ってきているため、ある程度大人数の結婚式を取っていくべく、少人数の場合は挙式当日の4ヶ月前を切ってから空いている日程をご案内できるといったルールを設けています。
そのため、IBJ社と資本業務提携したことで、実施組数が増えたとは言えません。そこは今後もしっかりとコミュニケーションを図りながら、さらに施行組数を増やしていければと考えていますし、伸びしろはまだまだあると見ています。
質疑応答:インバウンドウエディングの施策について
川合:インバウンドのウエディングを獲得していくために、すでに実行している施策はありますか?
荻野:海外のエージェントと、今、契約を徐々に進めています。海外のお客さまも、安く挙式したい層と富裕層で二極化していると思いますが、私どもはなるべく富裕層向けに、しっかりと価値のある結婚式を提供していきたいと考えています。現在、実際にエージェントとも業務提携をしています。
川合:日本人の結婚式よりも、単価としては高くなりそうですか?
荻野:まだ、わかりません。現状では日本人と同じくらいの単価にはなっていますが、まだまだ単価は上がっていくと思っています。
特に宣伝など何も行わなくても、SNSから知っていただく海外の方も見られます。先日も、厚木にある緑豊かな山の中にある会場で、何組か海外の方にご利用いただきました。当社の魅力を突き詰めていけば、マーケットはまだまだ開拓できると思っています。
質疑応答:インバウンド向け、国内向けの強みについて
荒井:「競合他社もコロナ禍からの回復で、レストランやゲストハウスなど順調に収益を上げてきている中、インバウンド向けにレストランも強化していきたいとのお話もありました。あらためて、御社ならではの強みについて、インバウンド向け、国内向け、それぞれでも一緒でもかまいませんので教えてください」というご質問です。
荻野:やはり「人」だと思っています。本当に優秀な人材が今たくさんいます。先ほど少し触れましたが、平日の稼働と閑散期の稼働に一気に舵を切っていきたいと思っています。
土日は基本的に結婚式が入りますし、金曜も比較的結婚式が入りますが、平日にあまり稼働しないというのが業界全体の悩みです。私どもには豊富な人材がいますので、今年は全国11店舗でランチ営業を行います。
さらに、ビアガーデンも開催予定です。夏期は閑散期になりますので、6月から8月にかけて、会場によっては9月頃まで、全国17店舗で夏のイベントを徹底的に実施します。ランチ、ビアガーデン、宴会には昨年から専門スタッフを配置しており、非常に好調です。
このようなことができるのも、優秀な人材がいるからこそだと思っています。ここが他社との圧倒的な差別化要因であり、私どもの強みです。優秀な人材がいるからこそ、いろいろな戦略が打てて、攻めにいけるところが強みだと考えています。
荒井:ビアガーデンはプレミアム感がありそうですね。
荻野:結婚式場の庭園などが会場ですので、料金は少し高めに設定していますが、価格以上の価値があります。ぜひお越しください。
当日に寄せられたその他の質問と回答
当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。
<質問1>
質問:自己資本比率が22.1パーセントで有利子負債がかなりありますが、今後、負債圧縮および自己資本の積み増しは可能なのでしょうか?
回答:さらなる収益基盤の強化および収益力の向上に努め、自己資本の積み上げを図ります。なお、金融機関各社とは密にコミュニケーションを取っており、運転資金および成長投資に必要な借り入れは、問題なく実行できています。
<質問2>
質問:都市部と地方ではドレスの好みは違うのでしょうか?
回答:エリアによって、ウエディングドレスに対する趣味嗜好の違いには一定の傾向があります。そのため、当社では「NOVARESE」と「ecruspose」の2ブランドでドレスショップを展開し、出店エリアのマーケット特性を鑑み、ドレスショップのブランドを決定しています。
<質問3>
質問:婚礼者は減少してきているのではないかと思うのですが、10年後も顧客数は維持できるのでしょうか?
回答:全国の婚姻組数は減少トレンドにありますが、コロナ禍を機に業界内の二極化が進展し、プレイヤーの淘汰が進む局面は、当社にとってさらなるシェア拡大の好機と捉えています。
また、当社においては今後の出店余地も多分にあることや、内製化サービスのさらなる外販推進により顧客とのタッチポイントを増やせる見込みがあることなどから、中長期的な顧客数の水準は向上できると考えています。
<質問4>
質問:優待があることはありがたいですが、有利子負債をある程度圧縮できるまで、一定期間凍結してもよいと思います。御社のお考えをお聞かせください。
回答:当社は、株主のみなさまに対する利益還元を、経営上の重要課題と位置づけています。また、株主優待制度については、より多くのみなさまに当社事業に対するご理解を深めていただき、中長期的に当社株式を保有していただくためにも効果的な施策だと考えています。引き続き、利益水準と財務状況を総合的に勘案し、弾力的な利益還元策を行ってまいります。
<質問5>
質問:同業他社より確実にシェアを獲得できるのでしょうか?
回答:同業他社が店舗縮小や事業撤退を余儀なくされる局面においても、継続的な出店戦略の遂行、内製化サービスの外販推進、インバウンド需要の獲得等により、さらなる市場シェアの獲得に向けて尽力してまいります。
<質問6>
質問:ハワイでは現在、フォトウエディングとスパのみの展開なのでしょうか? 挙式自体の需要もあるかと思うのですが、いかがでしょうか?
回答:現在、ハワイではフォトウエディングおよびスパ事業に集中し事業を展開しています。今後、さらなるサービス拡充については、前向きに検討しており、情報収集に注力しています。
<質問7>
質問:御社はスタンダード市場上場企業ではありますが、低PBRの0.9倍であり、改善が必要だと感じます。PBR1倍は通過点に過ぎない話です。この部分についての改善計画は考えておられるのでしょうか? また、その計画があればその実効性について詳しく教えてください。
回答:具体的な計画は策定していませんが、引き続き収益力の向上に努め、ガバナンスおよびIR活動の強化による資本コストの低下により、PBR改善に努めてまいります。
<質問8>
質問:挙式を検討する際、多くの競合がある中で御社を選んでもらうための広告戦略などはあるのでしょうか?
回答:現在は、SNSを活用した広告戦略に注力しています。広告代理店業を営む株式会社Doをグループ会社に有していることを最大限に活かし、費用対効果の最大化に取り組んでいます。
しかし、会場検討段階における競合との最大の差別化要因は、新郎新婦およびご参列いただいたゲストの体験談や口コミだと考えております。すべてのお客さまにご満足いただける結婚式をお手伝いし続けることこそ、当社会場を多くのお客さまにお選びいただける結果につながるものと確信しています。
<質問9>
質問:人口減少にある日本で、長期的な目で見ても婚礼事業は難しいとしか思えないのですが、将来的にインバウンド事業に舵を切るイメージはお持ちでしょうか? 例えば、レストラン・ゲストハウスの売上構成比率を高めるというようなかたちです。
回答:近年、需要が拡大しているインバウンドウエディングの獲得強化に向け、エージェントとの新規契約などのさまざまな施策に取り組んでまいります。また、婚礼施設におけるレストラン営業ならびにレストラン特化型事業においても、インバウンドの獲得強化に注力してまいります。
<質問10>
質問:地方での人材確保についても工夫があれば教えていただきたいです。
回答:特定のエリアに強みのある地方求人媒体や人材紹介のエージェントと密に連携し、安定的な応募数の獲得に努めています。また、当社スタッフから知人や友人を紹介するリファラル採用の事例も多く、採用難と言われるエリアでも優秀な人員を確保できています。
<質問11>
質問:サステナビリティの観点でご質問です。一度きりでのドレスの廃棄という部分について、業界内や機関投資家から使用生地の指定などといった対策や提案などは出されているのでしょうか?
回答:サステナビリティに対する取り組みにつきましては、機関投資家からもご質問が多い項目です。
ウエディングドレスについては、1着ごとにレンタル規定回数を設けており、その規定回数が到来した商品は廃棄しています。業界全体では、1着につき数十回のレンタル規定回数を設けているウエディングドレスが多く流通していますが、当社では上質な素材を活かして制作されたウエディングドレスも多く、3回から5回程度までにレンタル規定回数を制限するなど、品質管理を徹底しています。
一方、サステナビリティの観点より、廃棄資材のウエディングドレスを、子ども用のパーティドレスにアップサイクルしています。サステナビリティの推進は経営の重要課題と捉え、今後も積極的に取り組んでまいります。
<質問12>
質問:御社で挙式される方の平均単価や単価のボリュームゾーンは大体どのくらいなのでしょうか?
回答:2023年12月期の平均組単価は317万円です。
<質問13>
質問:株主優待に関する質問です。以前は食事優待に「モノリス」なども含まれていましたが、なぜ今回は含まれなかったのでしょうか?
回答:コロナ禍の影響にともない、弊社婚礼施設でのランチ・ディナー営業を縮小したこと等の理由から、今回はブロスダイニング運営店舗のみとさせていただきました。今後、当社婚礼施設でのご利用の可否も含め、さらなる改善に努めてまいります。