目次

杉山憲太郎氏(以下、杉山):GMOフィナンシャルゲート代表取締役社長の杉山憲太郎です。2024年9月期第1四半期の決算説明会を始めます。

本日は第1四半期の業績サマリー、事業ハイライト、成長戦略の取り組み状況についてご説明します。

1.1 2024年9月期 第1四半期 総括

まずは2024年9月期第1四半期の総括です。定量面では、売上高が44億9,000万円でYoYプラス37.6パーセント、上期計画比48.8パーセントです。営業利益は4億8,000万円でYoYプラス71.9パーセント、上期計画比65.5パーセントです。売上高が予定どおりにスタートできたことと、営業利益は上回ることができたことが良い点として挙げられます。

品目別売上については、イニシャルが29億1,000万円でYoYプラス31.3パーセント、リカーリング型が15億8,000万円でYoYプラス51パーセントでした。

KPIについては、決済処理件数が1億6,000万件でYoYでプラス55.7パーセント、GMV(決済処理金額)は1兆4,000億円でYoYでプラス57.4パーセントです。

第1四半期の稼動端末台数は、32万6,000台でYoYでプラス10万7,000台の純増、YoYプラス49.5パーセントとなりました。

定性面では、事業トピックと組織トピックに分けてご説明します。事業トピックの1点目は、稼動端末台数の増加がリカーリング型売上拡大に大きく寄与したことです。後ほど詳細をご説明します。

2点目は、中期戦略であるプラットフォーム戦略「Vertical展開」によって来期以降のパイプラインを獲得し、複数の大手企業グループに対する開発プロジェクトをスタートできていることです。こちらも後ほどご説明します。

3点目はIoTプラットフォーム戦略ということで、無人化・省人化のニーズに対して、決済プラットフォームを展開しています。加盟店のDXに寄与するソリューション提案を進めており、奏功しています。こちらも後ほどご説明します。

組織トピックの1点目は、ESG関連です。昨年末にマテリアリティの特定を行い、開示しています。足元の進捗として、CDPの初回答にてBスコアを獲得できました。より高いレベルのAスコアを取得すべく、引き続きプロジェクトを推進していきます。

2点目はガバナンスについてです。総会の決議を受け、監査等委員会設置会社に移行しました。特別委員会も設置し、ガバナンス体制を一段上のレベルで強化しているところです。

1.2 業績サマリー

業績サマリーです。売上高は先ほどお伝えしたとおり、上期計画に対して48.8パーセントの進捗率でした。

売上総利益は12億7,100万円と、上期目標24億2,100万円に対して進捗率52.5パーセントとなりました。営業利益は上期目標に対して65.5パーセントの進捗率です。親会社株主に帰属する当期純利益は2億9,000万円と、上期目標4億7,200万円に対して進捗率61.4パーセントとなっています。

1.3 業績の変動要因

業績の変動要因についてご説明します。売上高YoYプラス37.6パーセントのトピックとして、イニシャルにおけるJTBさまの「C→REX(シーレックス)」を、設置まで順調に積み上げることができました。

リカーリング型については稼働端末台数が順調に積み上げられていることと、これらを支えるインバウンドの回復等が背景にあります。年末の需要に当社のプラットフォームが十分に応えられた点がポイントだと考えています。

売上総利益については、リカーリング型の売上高が成長し、利益率の押し上げに寄与しています。第1四半期は「stera」以外の端末も順調に設置でき、それらが一部寄与している状況です。

営業利益は、先ほどお伝えしたとおりYoYプラス71.9パーセントでした。人財・システム等を含めた成長投資や生産性の向上のバランスを取りながら、上振れ分については引き続きマネージしていこうと考えています。

1.4 品目別売上実績(YoY)

品目別売上の実績です。イニシャル売上は29億1,500万円で構成比が64.8パーセント、YoYプラス31.3パーセントです。リカーリング型は15億8,100万円で構成比が35.2パーセント、YoYプラス51パーセントとなっています。

リカーリング型売上を品目別にブレークダウンすると、ストック売上が3億8,700万円でYoYプラス49.2パーセントでした。フィー売上は8億5,300万円で、YoYプラス64.1パーセントです。

1年前に課題としてお伝えしていたスプレッド売上については、3億4,000万円でYoYプラス27.2パーセントとなっています。売上の開示が21パーセント強のため、そちらを上回り着実な成長を確認できました。課題は解消しているものの対前年成長と認識し、スプレッド売上に関しても引き続き施策を行っていきます。

1.5 品目別売上(四半期)

品目別売上の四半期推移です。スライド左側のグラフの青丸内には、イニシャル売上の各期四半期あたりの平均金額を記載しています。昨年の四半期平均27億7,800万円に対し、今第1四半期は29億1,500万円となっており、昨年の平均金額を超えています。これを1つの指標として、イニシャル売上もベースアップができたと考えています。

第1四半期のベースアップは、通期を予測するにあたり非常に重要なKPIになります。スライド右側のリカーリング型売上についても、今第1四半期は15億8,100万円と、年末の需要をプラットフォームが捉え、一定レベルのベースアップできました。通期における季節変動はあるものの、リカーリング型売上においてもベースアップができていると考えています。

2.1 イニシャル売上と稼働端末台数推移

KPIの推移についてご説明します。まずはイニシャル売上と稼働端末台数推移です。稼動端末台数については、QoQで2万7,200台の純増ができました。過去と比較すると、日本郵便さま向けの特殊な積み上げを除いても、高いレベルで積み上げができています。

これらを支えるイニシャル売上の推移についても、第1四半期で29億1,500万円と、設置ベースの積み上げができたと考えています。

2.2 連結KPI推移(稼働端末台数)

稼働端末台数の内訳です。「stera」を中心とした有人端末は、YoYプラス65.1パーセントと順調に成長しています。無人端末(IoT)については後ほど詳細をご説明しますが、YoYで9,900台純増と、プラス20パーセントの成長ができています。他社販売端末については大きな変更はなく、トレンドどおりです。

全体を比較すると、YoYプラス49.5パーセントの成長ができており、我々としては合格点だと考えています。

2.3 連結KPI推移(決済処理件数・GMV/四半期毎)

決済処理件数とGMVの四半期推移です。従前からお伝えしているとおり、YoYプラス50パーセント成長という高いレベルを1つの指標としていますが、決済処理件数もGMVもYoYでクリアしています。

3.1 当社加盟店の分布状況

事業ハイライトです。スライドの図は、横軸が単価、縦軸が加盟店の規模となっています。4つのマトリックスにおいて、業種・業態別のアクションプランを中心としたソリューションを展開しています。

スライド左上の「百円ショップ」については、引き続き拡大傾向にあります。セルフ決済がキャッシュレスで奏功している点が拡大のポイントです。「ドラッグストア」も順調に実績を積み上げています。

スライド中央付近の「アミューズメント」も拡大しています。スライド右にある「ホテル/旅行」においては、JTBさまの「C→REX」のアライアンスが拡大を押し上げました。

スライド下段は、加盟店の規模が固定されているお客さまです。引き続き、高単価の「個店飲食/小売」部分は「stera」のパッケージ商品.「stera pack」のサービスがミートしています。営業面では連結子会社であるGMOカードシステムが、多くのロングテールのお客さまにきめ細やかなサービスを提供しています。

このように、バランスよく当社のアクションプランが提供できていると考えています。

3.2 単1Q 加盟店業種別のトランザクション動向

加盟店業種別の決済処理件数とGMVの推移です。スライド左上の「チェーン・飲食」では、年末の会食需要をしっかりと捉えることができたことが顕著に出ています。

スライド左下の加盟店Bは「ホテル/旅行」です。こちらは空港の施設で、インバウンドの需要を捉えたことと、新型コロナウイルス感染症流行前の水準を超えるトレンドになってきたことが、拡大トレンドのポイントです。

生活必需品である「スーパー」や「ドラックストア」は、足元では安定的に推移している状況です。

3.3 単1Q 上位30加盟店 構成割合(GMV)

当社プラットフォームにおける上位30加盟店の構成割合です。前期は、単体第1四半期で1,762億円と、上位30加盟店の構成比が19.1パーセントでした。今期第1四半期は2,414億円と、上位30加盟店の構成比が16.6パーセントまで下がっています。引き続き、プラットフォームの裾野が広がっており、大手企業への依存が少しずつ軽減している状況です。

上位30社の新規契約についても、5社獲得しています。新規・既存ともに、お客さまの成長を当社のプラットフォームでお手伝いしている状況が読み取れると思います。

3.4 市場成長との比較(11月単月比較)

市場成長との比較についてご説明します。市場GMV(クレジット決済取扱高)がYoYプラス11パーセント伸びている状況です。

一方、当社プラットフォームを活用いただいている当社GMVに関しては、YoYプラス60パーセントの成長となっており、引き続き業界の成長を上回る成長ができている状況です。

3.5 加盟店と共に成長を実現する決済プラットフォーム

既存のお客さまと共栄するプラットフォーム戦略として、当社としてはお客さまとともに成長する環境を、引き続き提供できていると考えています。

既存加盟店のGMV成長率がYoYプラス24.2パーセントと、非常に高い成長を実現しています。全体でもYoYプラス57.4パーセントとなっており、新規と既存のバランスを、プラットフォームで提供できていると考えています。

4.1 業績推移のイメージ

成長戦略と取り組みの状況です。スライドには、当社の売上高と営業利益の成長イメージを示しています。我々は現在、市場シェア拡大フェーズであり、利益率を上げていくフェーズに向かって、まずは面を取っていきます。加えて、面を取りつつも少数精鋭の仲間で生産性を上げながらサービスを提供し、営業利益率もこだわって成長させていく所存です。

4.2 中長期 業績目標

スライドは、中長期戦略のイメージをグラフ化したものです。2030年の営業利益50億円を目標にコミットしています。その中で、従前よりお示ししている事業戦略4点について、具体的に施策に落とし込んで活動しています。2025年における営業利益15億円については上場来コミットしている数字ですが、これを約1年前倒して達成することを今期の目標として通過していきたいところです。

4.3 Vertical展開の加速

2030年の営業利益50億円に向けた案件の進捗状況についてご説明します。我々がプラットフォームとして提供している、業種・業態問わずご利用いただける水平的な拡張モデル以外にも、特に大手企業さまには本質的なDXを含めたキャッシュレスプラットフォームの提供が必要になります。

その課題を解決すべく、Vertical展開を加速していきます。決済プラスアルファの「アルファ」部分をサービスカタログ化し、それをソリューションアセットとして定義して個社対応を行うことで、大手企業グループさまに業種・業態問わず、共通的なDX支援やヘルプデスクなどを提供させていただくモデルです。

このご提案が少しずつ実ってきており、今期から開発を進めています。お相手があることのため、なかなかお客さまについては言えない部分があるものの、タイミングを見てプレスリリース等でお知らせできたらと考えています。

スライドに「2024~ A社提供開始」という記載があります。これは大手商業施設をお持ちの企業さまです。B社は交通インフラ等を担っているグループ企業さまで、C社はデベロッパーのお客さまです。

そのようなグループ企業さまに対して我々が共通のソリューションアセットを展開し、グループ間でDXを推進することにより、多くの商業施設や飲食店、小売や旅行業、そして不動産といったマネタイズできる業種を増やしていくことが可能になります。このように、現在は我々としてもウィンウィンになるスキームを展開しています。

4.4 Vertical展開の利益貢献イメージ

マネタイズモデルの積み上げイメージです。足元は仕込みのフェーズとして、Vertical展開のソリューションアセットを開発し、個社対応、グループ企業さま向けの共通的なアセットを展開する準備を行っています。これらの設置が進み決済のトリガーを引くことにより、リカーリングビジネスに移行していきます。

スライドに記載のとおり、業務DX支援による我々のマネタイズ、そして大手商業施設さまに対するトランザクションのマネタイズ、その中にある精算機、券売機またはセルフ決済といったIoTアライアンスでのマネタイズなどにより、グループ企業さまをお支えすることが我々のソリューションです。

その積み上げがリカーリングし、拡大することによって収益をもたらすということが、スライドのイメージ図になります。

4.5 決済プラットフォームの拡大(モビリティ領域)

モビリティ領域のアップデートです。こちらは関西圏のお客さまで、すでにプレスリリース出させていただいています。阪急電鉄さまや阪神電気鉄道さま、そして近畿日本鉄道さまも含めた関西圏における主な導入がトライアルで進んでいる状況です。

こちらについては、昨年は39事業者さまが導入され、足元では90の事業者さまが導入しており、YoYプラス51事業者さまが追加された状況です。進捗としても非常に広がりを見せています。

スライド右側は訪日外国人の方々の推移です。春節を前にしてこれだけの多く方々が訪日され、右肩上がりで増えています。そのトランザクションを見ていくと、導入済みのトランジットの件数も右肩上がりに伸びており、我々もここをしっかりと支えるべく推進していきたいと考えています。

4.6 クレジットタッチ決済(非接触IC)の普及

モビリティや無人端末(IoT)に非常に相性がよく、決済として認知されているクレジットタッチ決済(非接触IC)については、インバウンドの方々にもご利用いただくケースが多いです。

我々のセンターでお預かりしているクレジットカード決済の中でも、非接触ICの割合が非常に高くなってきています。足元で35.5パーセントまで広がってきており、YoYでプラス18.8ポイントとなっています。

我々はいち早く非接触IC対応ができる決済端末やセンターとしての準備も行ってきているため、そのような取り組みが少しずつシェアを広げて、今功を奏し始めたと考えられます。

4.7 無人端末(IoT)決済における進捗状況

無人決済(IoT)に関してはIoTの広がりが確認できています。もともと我々は2016年頃から、IoTの組み込みのキャッシュレスプラットフォームを展開すべく、活動していました。

しかし、当時は100台や200台など、まだまだサービスとしても成熟することができておらず、トラブルも多く、さまざまな経験を積み上げて、今ようやくこのような精算機や券売機、セルフレジのニーズに対応することができました。

この背景には、加盟店さまのニーズがあります。従来型の有人レジや、現金対応のみのコインパーキングを、施設はそのままにターミナルを組み込むことで変えていきたいといったニーズや、完全セルフ化やセミセルフ化を行って省人化していきたいというニーズなど、いろいろなIoTのニーズがありました。

そのような中で、インバウンド回復の準備や感染対策も含め、非接触ICと同時にこのようなセルフ化を行っていきたいといったニーズも我々のプラットフォームとして受け入れて、ソリューションを提供しています。

スライド左側に記載しているとおり、2020年の約2万9,000台の稼働から、4年間で6万台近い設置、稼働が確認できています。苦労して展開していったところが、少しずつ実ってきたことを確認しています。

スライド右側の案件進捗状況としては、1番目の100円ショップさまのセルフレジやファストフードチェーン、スーパー、ドラッグストアのお客さまもセルフ化のニーズが出てきています。そのようなところにしっかりサービスを提供し、我々としてもウィンウィンになるべく、このようなニーズにプラットフォームを提供していきたいと考えています。

2番目のコインパーキングさまでは、駐車場の精算機のお客さまも台数を増やしていくニーズが出てきています。3番目はゴルフやホテルの精算機のアライアンス先さまとの取り組みも、パイプラインとして積み上がってきている状況です。引き続き高いニーズが出てくることを想定して準備していきたいと考えています。

4.8 ESG対応の高度化

ESG対応の進捗状況です。スライド右側の「New」のフラグをつけているトピックについてご説明します。1番目はSBT認定(Science Based Targets)を受けるべく、プロジェクトの準備を開始しています。ひいては統合報告書作成に向けた1つのアクティビティとして、このプロジェクトを成功裏に進めていくといったところです。

2番目がCDPスコア向上です。我々も初回で回答し、結果としてBの評価を受けています。このBという評価は、業種平均やアジア平均、世界全体での平均がCであることを考えると、平均を上回るスコアではあるものの、ここはAマイナスやAを目指して引き続き進めていきたいと思います。

CDPについては、マテリアリティの特定と同時にこのスコアの取得も進めていき、AマイナスやAをターゲットとし、アクティビティを可視化して対応していきます。

私からのご説明は以上です。

質疑応答:「stera」対比の利益率と持続性について

榎本佑介氏(以下、榎本):「第1四半期について、『stera対比で利益率が高い決済端末売上構成比の上昇』が粗利率の向上に寄与したとありますが、『stera』対比でどの程度利益率が高いのでしょうか? また持続性はあるのでしょうか?」というご質問です。

杉山:当社は10種類程度の決済端末の取り扱いがあり、その粗利率は端末ごとに異なっています。一つひとつの端末について詳細な粗利率の開示は差し控えているため、この第1四半期においてどの端末が具体的に売れ、それが何パーセントだったかを明確に回答するのは困難です。

当社のイニシャル売上は四半期ごとにまだボラタイルな状況にあるため、端末ミックスによる利益率の上がり下がりという意味では、一時的なものであったとご理解いただければと思います。

質疑応答:第2四半期以降の追加投資の可能性について

榎本:「第1四半期の利益進捗率が高くなっています。第2四半期以降、追加的な成長投資を実施する可能性について教えてください」というご質問です。

杉山:先ほど申し上げたとおり、実施する計画はあります。ただし採用については、期待を超える良い人財を獲得できるかどうか、想定どおり進捗するとはなかなかいえないところがあります。特に人財への投資は引き続き強化するものの、良いご縁があるかどうかによっては、ずれ込むところもあるかと思っています。

システム等に関しては、外部の有識者や第三者の評価を受けながら、次世代のバックオフィスや会計の仕組み作りに引き続き投資します。社内的にもさらにDXを推進すべく、生産性とのバランスを取りながら投資していきます。このように従前からご説明している部分については、第2四半期も継続していく予定です。

質疑応答:フィー売上における交通系の寄与とロール紙売上の貢献度について

榎本:「第1四半期はフィー売上を強含んだ四半期に見えます。そこに交通系の売上寄与はどの程度あったのでしょうか? またフィー単価は、ロール紙売上の伸長が貢献しているのでしょうか?」というご質問です。

杉山:交通系はモビリティ領域としてご紹介しています。そこに対してフィー売上の貢献はあります。ただ、規模としてはまだそれほど大きくありません。

先ほどご紹介したとおり、展開を予定しているところも含めると90事業者に導入しており、フィー売上への本格寄与は、来年、再来年になってきます。今は、そこに向けた種まきに注力しているという状況です。

フィー単価の上昇へのロール紙売上の貢献は、ご認識のとおりです。ロール紙の売上は、年末商戦に向けて加盟店さまが前倒しで多く仕入れるという季節性があること、クレジット決済に加えQRコード決済や電子マネー決済といったさまざまな支払い手段の伸長によりロール紙が消費されるという、日本全体でキャッシュレス化が促進されていることが追い風になり、フィー単価の上昇に貢献しているとご理解ください。

質疑応答:今期計画におけるA社の割合について

榎本:「スライド23ページにあるA社は今期の会社計画にどのぐらい入っているのでしょうか? またいつ頃入るご予定でしょうか?」というご質問です。

杉山:今期末にリリースし、2025年9月期から設置が進んでいく見込みです。

質疑応答:Vertical展開の利益貢献パイプライン見通しについて

榎本:「スライド24ページにある企業グループのパイプラインは、現在あるA社からC社の3社に比べて、今後どのぐらい増やす想定でしょうか?」というご質問です。

杉山:このようなご提案は毎年行っているものの、提案してから半年や1年以上かかるものもあり、長きにわたる提案活動になります。提案活動は並行して行い、内諾をいただいたものがスライドに示したように積み上がってきています。

今後も、グループ企業さまを中心とした経済圏に対して我々のプラットフォームを活用していただくソリューションセットの提案は、引き続き行っていきます。

質疑応答:無人端末(IoT)決済の需要見込みについて

榎本:「スライド27ページの無人端末(IoT)パイプラインでは、需要が来期以降も継続するように見えます。この認識は正しいでしょうか? また、未経過部分・予想部分の稼動端末数の推移イメージは、貴社の会社計画の前提、イメージと捉えてよろしいでしょうか?」というご質問です。

杉山:我々はニーズに合わせてこのようなプロダクトを世に送り出しています。無人端末(IoT)のところも高い成長をすべくチームビルドしながら、提案活動を進めたいという覚悟で発表しています。計画どおりの成長ができるように、しっかり対応していきたい考えです。

また無人端末(IoT)も会社計画に入っています。インクルードされているというイメージでけっこうです。

質疑応答:競合との競争状況とVertical展開の利益貢献期待値について

榎本:「スライド24ページの大手企業さまの獲得に当たり、他の決済企業との競争状況では、どのような要素で御社は評価を受けたのでしょうか? 可能であれば、売上や設置台数への貢献期待値をご教示ください」というご質問です。

杉山:お答えしたいのはやまやまですが、具体的な回答が難しいところです。特にB社・C社はかなり大規模なお客さまで、提案から獲得までに2年ぐらいかかりました。この間にはコンペティターも当然、出てきました。

評価されたのは、「このようなキャッシュレスプラットフォームも、変化し続けるものだ」というGMOグループとしてのベンチャースピリットだと考えています。特に現場をマネジメントするお客さまの「キャッシュレスを、今までとは違う世界に変えたい」というニーズが非常に強かったところと合致したことが、我々を選ぶ要因の1つになったと考えます。

また提案活動では、人と人とがコミュニケーションを取っていくことになります。我々としては従前から人財にかなりこだわりを持っての採用や教育を行っています。そこでキーマンに入社してもらい、長い提案活動をリードしてもらったのが、このような結果になったと思います。

ただ、これからまた高い山を登ることになります。今期の仕込みでは、そのようなところも含めて十分にコストを活用しながら、次の成長に対する準備をしたい考えです。

質疑応答:営業利益の通期計画比について

榎本:「営業利益計画比で第1四半期は、上振れ基調と見受けられますが、売上のベースアップや粗利率の改善状況を考慮すれば、営業利益の通期計画比も上振れを見通せますか?」というご質問です。

杉山:先ほど申し上げた2025年の営業利益15億円という通過点を、前倒しできるかどうかがポイントの1つになります。営業利益も開示以上のしっかりとした成長ができるように今、第1四半期をダッシュしています。 そのタイミングがあれば開示というかたちでご教示したいと思います。

質疑応答:Vertical展開が加速する時間軸について

榎本:「大手企業さまへの展開で、商業施設向けではどのようなソリューションが支持されているのでしょうか? 大手商業施設で3社のパイプラインを掲げていますが、商業施設以外への展開はどのような時間軸で期待できるのでしょうか?」というご質問です。

杉山:支持されているのは、これから構築していく部分だけでなく、すでにあるPOSの仕組みや既存のCRMなどのシステムに連携するデータ還元の仕組みのほか、ポイントを含む決済のバリエーション、さまざまなキャッシュレス手段への柔軟な対応など、いろいろなニーズに我々がマルチアクワイアリングで対応できる仕組みを持っているところです。これらの柔軟さは、お客さまの検討のポイントの1つになったと考えています。

時間軸のイメージについては、まずはフェーズ1で実績をしっかり示すことによって、次のパイプラインが積み上がると思っています。さまざまな相談を受けている中で、いつまでにどの規模というところは、今後またご教示するタイミングがあると考えています。

先ほどの無人端末(IoT)もそうですが、単に人を介する決済のトリガーを引くだけではなく、決済のデータマネタイズなどのソリューションを我々が持っていること、そしてソリューションをカスタマイズすることによって、より企業さまが使いやすくなるといったところが、いろいろな決済シーンのおける我々のプロダクトへのご相談が、新たな業種から入るポイントかと思います。

例えば、飲料自動販売機やセルフレジ化へのご相談もあります。まずは最初のステップで信頼関係を作るところから始まると思っています。

質疑応答:Vertical展開を行う端末について

榎本:「Vertical展開は主に『stera』端末でしょうか?」というご質問です。

杉山:「stera」端末もそうですし、あれば「stera」端末以外の加盟店さまのニーズも含めて、我々のソリューションアセットをカスタマイズしてご提供するという考え方です。

「stera」にしかできないところは、加盟店さまのニーズに合わせてプロダクトを提案していくイメージです。

質疑応答:第1四半期におけるJTBの寄与度について

榎本:「第1四半期におけるJTBさまの寄与度はどのくらいだったのでしょうか?」というご質問です。

杉山:イニシャル売上や販売端末台数を具体的にお答えするのは難しいのですが、従前お伝えしているJTBさまトータルでのポテンシャルに対しては、おおよそ今期の上期で設置が完了すると考えると、第1四半期は計画どおりのアロケーションで設置が進んだとお考えください。