2024年3月期第3四半期決算説明

佐藤海氏:株式会社Rebase代表取締役CEOの佐藤海と申します。弊社の2024年3月期第3四半期決算説明をご視聴いただき、ありがとうございます。この時間を通じて、弊社についてのご認識とご理解をいただけたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

なお、これまでのご案内のとおり、第1四半期と第3四半期は今回のような説明動画の録画配信を行います。決算に関するご質問については、弊社IRサイトの問い合わせフォームからお送りいただければ、順次ご回答します。

目次

本日の流れです。弊社の事業概要、2024年3月期第3四半期の業績、成長戦略の順にご説明します。会社概要等についてはAppendixにスライドを追加していますので、そちらもご参照ください。

インスタベースとは

弊社の事業についてご説明します。私たちは会社設立時より、「インスタベース」というレンタルスペースのマッチングプラットフォームを運営しています。

「インスタベース」は、「場所を探し、使いたい人」と「場所を持ち、提供したい人」をマッチングするサービスです。一人ひとりの目的や条件に合うさまざまなレンタルスペースを、使いたい時に使いたい分だけフレキシブルに予約して使うことができます。

2023年12月時点での掲載スペース数は3万2,000件を超え、日本最大のサービスとなっています。

インスタベースのビジネスモデル

「インスタベース」のビジネスモデルは、非常にシンプルです。「インスタベース」上で成立した予約金額の一部をスペース掲載者から手数料としていただくのみの、完全成果報酬モデルのサービスとなっています。

ユーザーに寄り添った料金体系

料金体系も、わかりやすくシンプルな設計にしています。スライドの左側に記載しているスペース利用者は、スペースを使うためのスペース利用料のみが発生します。月額会員費用やスペース利用料に上乗せして徴収する手数料などは、一切いただいていません。

スライド右側に記載しているスペース掲載者は、先ほどもお伝えしたとおり「インスタベース」上で成立した予約代金の一部を、成約手数料として弊社にお支払いいただくのみとなっています。スペース掲載料などの月額固定費用は一切発生せず、仮に「インスタベース」上で1件も予約が発生しなければ、お支払いいただく金額はありません。

このように安心してスペースを掲載できる環境を用意しており、リスクなく遊休スペースをレンタルスペースとして有効活用できます。

幅広い利用用途でマッチング効率を追求したプラットフォーム

スライドには「インスタベース」の特徴的な要素を載せています。1年間で約2,500万人以上もの方々にサイトへ来ていただき、「インスタベース」に掲載されている3万2,000件以上のスペースのいずれかを検索し、ご覧いただいています。

スライドの円グラフは、一昨年の10月から昨年9月までの1年間における利用用途別の予約数の割合で、「インスタベース」の強みとも言える特徴が表れています。ご覧のとおり、どれか1つの利用用途に予約が集中することなく、幅広く集客ができています。

これは、1件でも多くのスペースに1件でも多くの予約を受け付けられるようなプラットフォームを目指して取り組んできた結果であり、現在も目指すところは変わりません。

リピート率の高い利用用途で安定的な成長を実現

利用用途ごとのリピート率についてです。幅広い利用用途で集客できているだけではなく、高いリピート率を実現できていることも「インスタベース」の特徴の1つです。リピート率の高い利用用途で予約数を積み上げていくことで、安定的な成長基盤を構築しています。

インスタベースの成長を支える当社の強み

弊社の強みの源泉と構造についてご説明します。創業時の原体験から、私たちには「ユーザーファースト」「効率性重視」「コスト意識」のマインドが文化として深く根づいています。

徹底したコスト意識を持つことでデータドリブンで効率的な集客に磨きをかけ、ユーザー目線でプロダクトを作り込むために自社開発にこだわり続けて開発力を高め、「インスタベース」から得た幅広く豊富なデータアセットをさらなる集客や開発に役立ててきました。

これらが高いリピート率と効率的なサービス運営へつながり、そこから生み出される利益を自分たちの強みに一つひとつ再投資することで、さらなる好循環を生み出しています。

私たちはこれらの強みを基盤に、変化対応力の高い柔軟な経営を実現してきました。コロナ禍において売上と利益を落とすことなく右肩上がりの成長を実現できたのも、そのような取り組みの結果です。今後、コロナ禍のような不測の事態が再び生じたとしても、可能な限り機動的かつ柔軟な経営で成長を続けていきたいと思っています。

【前提】レンタルスペース領域におけるシーズナリティ

2024年3月期第3四半期の業績についてご説明します。業績予想に対する進捗状況をご説明するにあたり、まずは「インスタベース」のシーズナリティについてお話しします。

レンタルスペース市場は成長市場にあることに加え、第3四半期にあたる10月から12月が、レンタルスペースに対する認知とニーズが1年で最も高まる繁忙期となります。そのため、上半期よりも下半期に売上が偏重する傾向があります。以上を踏まえ、次のスライドより業績についてご報告します。

重要指標における成長率は堅調に推移

「インスタベース」の重要指標についてご説明します。「インスタベース」における最重要指標は利用総額で、スペースの利用数と予約の平均単価の掛け合わせで構成されています。そのため、それぞれの指標が成長していれば、当然ながら利用総額も大きく成長します。利用総額の成長のために、弊社では特に利用数の成長に重きを置いて取り組んでいます。

第3四半期累計の結果としては、利用総額、利用数ともに過去最高を更新しました。最もレンタルスペースのニーズが高まる第3四半期において、大きく業績を拡大できています。

重要指標の成長推移:利用数

各指標について詳しくご説明します。まずは利用数です。第3四半期は28万9,000件のスペース利用があり、前期比で22パーセント増と3四半期連続で過去最高を更新することができました。 業績予想に対する進捗率は73パーセントです。昨年度の通期実績に対する第3四半期までの累計実績の進捗率も73パーセントでしたので、進捗率も順調に推移していることがご理解いただけるかと思います。 第3四半期は、レンタルスペースに対するニーズが1年で最も高まる時期であることも関係し、人数・規模を問わずさまざまな用途での利用が増加しました。中でも特に「ビジネス」「趣味・遊び」「パーティー」「勉強・読書」の用途の利用数が大きく伸びた四半期でもありました。

重要指標の成長推移:平均単価

平均単価です。特に利用数の多い「ビジネス」「趣味・遊び」「パーティー」「勉強・読書」の用途における利用人数が増加傾向にあり、平均単価も増加傾向にあります。結果として、第3四半期の平均単価は前期比4パーセント増の約4,900円となりました。少人数利用も引き続き拡大しているため、平均単価の戻り自体は緩やかに推移していくと考えています。

なお、第3四半期は例年どおり季節要因も相まって単価が増加しているため、第4四半期は昨年同期と同水準の4,500円程度になると想定しています。

重要指標の成長推移:利用総額

各重要指標を成長させることができた結果、最重要指標である利用総額は前期比28パーセント増の14億円を超え、過去最高を更新することができました。業績予想に対する進捗率は74パーセントとなっています。昨年度の第3四半期累計の進捗率が72パーセントであったことから、こちらも順調に推移しているとご理解いただけるかと思います。

重要指標の成長推移:掲載スペース数

掲載スペース数です。自然流入によるスペース獲得に加え、さまざまな業界の大手企業とのアライアンスを実現してきた結果、大手企業によるスペースの追加掲載も増加しています。第3四半期の掲載スペース数は、前期比28パーセント増の3万2,100件となりました。

これにより、期初に計画していた掲載スペース数3万1,000件を前倒しで達成することができています。今後もこのような取り組みを行っていくことで、掲載スペース数の最大化を実現していきたいと考えています。

2024年3月期 第3四半期 業績

各重要指標を成長させることができた結果、第3四半期累計の業績は、売上高が前期比29パーセント増の10億8,500万円、販管費が前期比27パーセント増の7億8,700万円、営業利益が前期比25パーセント増の2億5,600万円となりました。

販管費をしっかりとコントロールしながら事業成長できたことで営業利益率も24パーセントとなり、業績予想に対して堅調に推移しています。

販管費の内訳(前年同期比較)

第3四半期における販管費の内訳です。主に広告宣伝費、支払手数料、人件費等が増加したことによって、販管費は前期比で5,800万円増加しました。

広告宣伝費は、費用対効果を図りながら利益を確保できる水準で投下することで、集客の強化につなげています。また、認知広告のテスト運用も実施しているため、第3四半期の売上高比率は第2四半期同様の19パーセントとなりました。

支払手数料の増加は、第2四半期と同様に「インスタベース」の利用総額拡大に伴う決済手数料の増加が主な要因です。人件費等についても、第2四半期と同様に人員の増加や給与のベースアップを実施したことにより増加しています。

四半期推移:売上高

四半期別売上高の推移です。2024年3月期第3四半期の売上高は、前期比30パーセント増の4億2,500万円と過去最高になっています。

四半期推移:販管費の内訳

四半期別販管費の内訳です。2024年3月期の第3四半期の販管費は、前期比25パーセント増となりました。主な増加要因は、集客強化のために広告宣伝費を積極的に投下したことです。

トピックスサマリ:掲載スペース数の増加

弊社の成長戦略に沿って取り組んでいる、第3四半期の主なトピックスをご説明します。

まずは、掲載スペース数の増加に関連するトピックスです。カルチュア・コンビニエンス・クラブや東急不動産といった大手企業とのアライアンスを引き続き進めており、新たな体験を生むスペースの掲載が増加しています。

その結果、2023年10月末時点の掲載スペース数は3万件を突破しました。成長戦略に掲げているとおり、これからも継続的にスペース掲載数の増加・最大化に取り組んでいきます。

トピックスサマリ:集客力の向上

集客力向上に関連するトピックスです。2023年7月に発表したダンス協会との協業の一環として、昨年12月に来場者数が1,000人規模のダンスイベントを開催しました。

本イベントは、全国のキッズダンサーたちが輝く舞台として、日頃の練習の成果を発揮する場作りへの貢献を目的に開催するとともに、イベント来場者に向け、「インスタベース」をはじめとした弊社が提供しているサービスの認知拡大を図る取り組みも行いました。

その他にも、レンタルスペースの利用を促進する特集やキャンペーン施策等を積極的に実施し、集客の強化を図りました。

トピックスサマリ:IR

IRに関連するトピックスです。これまでにも各種セミナーやイベント等へ登壇していますが、第3四半期は音声メディアの「Voicy」や証券会社が運営する情報メディアに出演し、積極的に弊社の事業や業績、今後の成長戦略についてアピールをしました。

このような貴重な機会をいただける限り、今後も積極的に発信していきたいと考えています。

市場規模

成長戦略についてご説明します。私たちが展開している「インスタベース」は、スペースシェア市場にカテゴライズされており、2022年度の市場規模は約3,800億円です。2032年度には、その規模が約4.8兆円にまで拡大すると想定されており、成長軌道にある市場でサービスを展開できていると言えます。

また、スペースシェア市場には、貸会議室やレンタルスペースだけではなく民泊市場や駐車場市場なども含まれます。そのため、貸し会議室・レンタルスペース等の市場については、各種調査データをもとに弊社で推計しています。そちらによると、2022年度の約1,800億円から2032年度には約1.7兆円と、約10倍にまで市場が拡大する想定です。

現段階での市場シェアは2パーセント程度ですが、市場の拡大に貢献しながらも成長軌道にある市場でシェアを高めていくことで、より大きな事業規模を目指していけると考えています。

なお、この市場規模拡大の背景には、当然ながらインターネットの普及があり、個々人があらゆるアセットを気軽にシェアできる環境になってきたことが挙げられます。シェアリングサービスは、あらゆる「ムリ・ムダ・ムラ」を解消する力を持っています。スペースの領域においても、遊休スペースを開放して利活用がどんどん促進されることで、そのスペースを拠点とした経済活動が生まれます。

それにより、日本中どこであっても、誰であっても、思い描いていたことややりたかったことへの一歩を踏み出せる世の中になっていきます。

インスタベースの成長戦略

これらの飛躍的な成長の実現に向けた、既存事業「インスタベース」の今後の成長戦略として、集客力の向上、UI/UXの最適化、平均単価の引き上げ、掲載スペース数の最大化の4つに注力していきます。

掲載スペースの最大化は、集客、CVR、平均単価いずれの指標にも直接的・間接的に寄与するため、横ぐしの項目としています。それぞれの項目におけるこれまでの具体的な施策内容は、先ほど2024年3月期第3四半期のトピックスでお伝えしたとおりです。

今後は、これまでに開始した取り組みの拡大だけではなく、新たな取り組みにも積極的に取り組んでいく予定です。その中でも特に、大手企業とのアライアンスの強化には引き続き注力していきたいと考えています。

既存事業の成長を主軸においた新規事業の展開

弊社の今後の成長戦略についてです。まずは既存事業である「インスタベース」から生み出される利益を最大化し、既存事業の周辺領域に新たなサービスを展開します。その後、その先の新たなマーケットへの進出を目指しています。

新たなサービス展開

「新規事業で周辺領域を開拓」について、具体的な取り組みをご説明します。今回、スペース利用者が抱えている課題を解決するサービスとして「TOIRO(トイロ)」をリリースしました。

スペース利用者、すなわち催し物を主催する人が困っているのは場所だけではありません。日程調整や出欠管理、参加者とのコミュニケーション、集客や集金など、さまざまな課題があります。「TOIRO」はそれらを解決するサービスです。

新サービス「TOIRO」のご紹介

「TOIRO」はコミュニティイベントサービスとして、誰でも簡単にイベントを開いたり、招待されたイベントに参加したりできるだけではなく、日程調整からイベント終了後の思い出共有など、これまでにない新たなイベント体験を提供します。

まずは、イベント主催者の「できる」を当たり前にすることを目指し、イベントの日程調整、イベントの作成および出欠管理、オープンチャット「TOIROG」というシンプルな機能のみを実装してリリースしました。

今後は、イベント主催者にとってかゆいところに手が届く便利な機能など、さらなる付加機能を順次開発・実装し、リリースしていきたいと思っています。

決算説明動画および質疑応答について

弊社の決算説明会の開催方針として、第1四半期と第3四半期は今回のような説明動画の録画配信、第2四半期と通期はリアルタイムでのオンライン配信を予定しています。いずれの決算説明会でも、書き起こし記事は公開する予定です。

また、決算に関するご質問については、スライドに記載の弊社IRサイトのお問い合わせフォームからお送りください。順次ご回答します。これまでにいただいている決算に関するFAQは、「QAステーション」というサイトにまとめていますので、スライド下部にあるリンク先をご参照ください。

以上で、第3四半期の決算説明を終了します。ご清聴いただき誠にありがとうございました。