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嵜本晋輔氏:バリュエンスホールディングスの嵜本です。本日はお忙しい中、2023年8月期第2四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

それではさっそく、ご説明に入ります。本日は、こちらの目次に沿ってご説明します。

Corporate Profile

会社概要です。バリュエンスホールディングスは2011年に設立し、現在は国内外連結子会社10社、持分法適用関連会社1社の、グループ合計12社で事業運営を行っています。

スライド右側は、グループ事業ブランドです。ブランド品・骨董品の買取、販売のみならず、不動産や自動車と事業展開しています。

なお、2023年2月末付で株式会社米自動車を子会社化し、新たにYONE MOTORSが事業ブランドに加わっています。

また、より洗練された企業イメージを醸成するため、多くのラグジュアリーブランドの旗艦店が軒を連ね、流行の発信地となっている表参道へ、2023年2月20日に本社を移転しました。

Purpose

2022年8月期の決算発表時にお伝えしていますが、あらためてパーパスをご説明します。私たちは「Circular Design for the Earth and Us」をパーパスとしています。日本語にすると「地球、そして私たちのために、循環をデザインする」です。

2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにするという「カーボンニュートラル」が世界的に掲げられており、サステナビリティは重要なテーマであると認識しています。

私たちは、世界中の実物資産を、不要になった人から必要とする人にマッチングし、モノを循環させるサーキュラーデザインカンパニーであり、事業の中核には、循環型社会における重要な取組の1つであるリユースを据えています。

だからこそ、これまでのように売上や利益のみを追求するのではなく、環境問題や社会課題を解決できる企業となるために、このパーパスの下で企業活動を行っています。

Mission

ミッションは「大切なことにフォーカスして生きる人を増やす」です。世の中を見渡してみますと、あまりにも自分の人生を生きている人が少ないと感じます。

事業活動を通じ、他人や社会が作る正しさに翻弄されることなく、自分にとっての本当の幸せや豊かさを見つめ直すきっかけを提供することで、大切なことを尊重して生きる人を増やしたいと考えています。

Circular Design Company 2030年に目指す姿

2030年に目指す姿は「Circular Design Company」です。循環をデザインする会社として、当社を中心に、グローバルで価値が循環する世界を実現し、新たな収益機会を創出します。

2023年8月期 第2四半期(累計)サマリー

2023年8月期第2四半期の業績についてご説明します。第2四半期累計サマリーです。

時計相場は下降トレンドが継続したものの、相場動向に応じて戦略的かつ機動的に粗利が確保できる販路選択や、小売の好調な推移により、売上総利益率は前年同期比0.5ポイント改善の27パーセントとなりました。

相場の影響で時計の仕入は苦戦したものの、オークション委託比率の拡大と小売施策により、GMVは前年同期比41パーセント増加の370億円、売上高は前年同期比28パーセント増加の336億円と好調に推移しました。

また、人員拡充やオフィス移転の一時費用発生などの費用増加を吸収し、営業利益は前年同期比2.4倍の5億円へ伸長しました。

2023年8月期 第2四半期 業績

第2四半期業績の資料です。売上高は、前年同期比27パーセント増加の163億円と堅調に推移しました。第1四半期で小売在庫として戦略的にプールした商品を、第2四半期で計画どおり活用したことにより、売上総利益は前年同期比33パーセント増加の44億円、売上総利益率は前年同期比1.3ポイント改善の27.3パーセントとなりました。

販管費については、オフィス移転の一時費用発生等もあり、前年同期比27パーセント増加となりましたが、営業利益は前年同期比13.6倍の2億円での着地となりました。

先ほどご説明したとおり、第2四半期累計の売上高は前年同期比28パーセント増加の336億円、営業利益は前年同期比2.4倍の5億円となりました。

2023年8月期 第2四半期(12月-2月)トピックス

第2四半期のトピックスです。買取面においては、第1四半期以降も時計相場の下降トレンドが継続しました。これにより時計仕入は苦戦しましたが、バッグやジュエリーなど、その他ジャンルの商品は前年同期間の仕入高を上回って推移し、仕入高全体としては前年並みの115億円となりました。

出店は計画どおりに進捗し、国内1店舗、海外2店舗の純増となりました。店舗数は国内135店舗、海外38店舗の合計173店舗となりました。

販売面については、「ALLU心斎橋店」オープンや「ALLU AUCTION」開催といった小売施策により小売売上が増加し、売上総利益率も向上しました。

また、インバウンド回復への期待から、オークションの国内販売比率が上昇しました。なお、自社オークションにおける委託も引き続き好調に推移しています。

売上高・売上総利益率

売上高・売上総利益率の推移です。第2四半期の売上高は前年同期比27.4パーセント増加の163億円となっています。季節要因や時計相場の下降トレンドにより仕入が減少し、売上高も直前四半期比では5パーセント程度減少しました。

仕入が厳しい状況下でしたが、戦略的に確保した第1四半期の在庫を小売中心に販売し、売上総利益率は27.3パーセントまで改善しています。

仕入高・店舗数

仕入高・店舗数の推移です。当社の第2四半期は12月から2月となり、通常の四半期に比べて営業日数が少なく、雪や寒波等の季節影響もあり、仕入が伸びにくい傾向があります。

当期は、下落傾向だった時計相場が第2四半期でさらに悪化したこともあり、時計仕入が通常より減少しました。これにより、仕入高は直前四半期比17.1パーセント減の115億円での着地となりました。

一方で、仕入高は前年同期比では横ばいと、時計相場の影響は受けながらも、バッグやジュエリーなど、その他のジャンルの仕入でカバーしています。

販売費及び一般管理費

販管費の推移です。第2四半期の販管費は、前年同期比9億円増加の42億円となりました。現中期経営計画で掲げているとおり、今後のビジネス発展を見据え、積極的に採用を行う方針であることから、当期も人員拡充は継続し、人件費は前年同期比2億円増加の15億円となりました。また、オフィス移転に伴う二重家賃の発生等により、地代家賃も前年同期比約1億円増加しています。

一方で、効率のよいマーケティング施策により広告宣伝費のコントロール等を行い、販管費は直前四半期と比較すると約1億円減で着地しています。

バランスシートの概況

バランスシートの概況です。商品が前期末から約13億円増加していますが、これは第1四半期に仕入が拡大したことに加え、2月末付で米自動車をBS連結したことによるものです。

借入金については、仕入資金や設備投資、米自動車のM&A等の事業拡大に向けた資金確保により増加しています。

GMV推移

GMV推移です。自社オークションにおける委託が引き続き好調に推移し、委託落札額は前年同期比4.3倍の22億円、自社オークションに占める委託比率は前年同期比13.5ポイント上昇の20.7パーセントとなりました。

オークションにおいては、国内・海外パートナーに数多く参加いただくことにより競争率が上がり、高値で販売できています。日本国内での認知もさらに大きくなり、委託商品が増えていますので、今後も引き続き委託の拡大に努めたいと考えています。

売上高:販路別(toB/toC)

販路別の売上高推移です。「ALLU心斎橋店」のオープンや「ALLU AUCTION」の開催により、小売売上高は前年同期比14.3パーセント増加の23億円となり、売上構成比は直前四半期比約6パーセント増加の14パーセントとなりました。小売の強化は売上総利益率の向上にも寄与しています。

また、自社オークションにおける委託が好調に推移したことにより、自社オークション手数料は前年同期比44.9パーセント増加の6億円となりました。

売上高:販路別(国内/海外)

国内・海外の売上高推移です。インバウンド回復により小売売上が増加し、国内売上高は前年同期比21.6パーセント増加の126億円となりました。また、海外売上高比率についても23パーセントと、依然として高水準を維持しています。

売上高: toBオークション実績

toBオークションの実績推移です。国内の「STAR BUYERS AUCTION(以下、SBA)」は月4回、骨董品の「THE EIGHT AUCTION」は月1回、ダイヤモンド専門の香港の「SBA」は四半期に1回の開催とし、頻度の変更はありません。

国内の「SBA」の月4回開催が安定的に稼働していることに加え、国内外のパートナー拡大により、落札率は90パーセント超の高水準を維持しています。

SBAパートナー会員数

第2四半期ハイライトについてご説明します。「SBA」のパートナー会員数は国内で2,099社、海外で705社の合計2,804社と、国内・海外ともに好調に拡大し、BtoBでの世界最大規模のオークションに成長しています。

SBA落札額の国内/海外比率

「SBA」における国内/海外の落札額比率です。直近ではインバウンド回復を見越した国内パートナーの積極的な落札もあり、国内比率が引き続き上昇していますが、海外パートナーによる売上比率がシーズンを通じて30パーセントを超える水準で推移するオークションは、日本には他にありません。引き続き営業活動を積極化し、世界でも唯一無二のオークションに育てたいと思います。

買取店舗展開

買取店舗展開についてです。国内は年間の新規出店計画である10店舗から15店舗に対して順調に進捗し、第2四半期末の国内店舗数は135店舗となりました。第3四半期以降も順次出店予定です。

海外についても、特に東南アジアでの出店が加速し、第2四半期末の海外店舗数は直営店舗とパートナー店舗を合わせて38店舗となりました。

中期経営計画「VG1000 ver2.0」主要KPIの進捗

中期経営計画において主要KPIとしている項目に関して、第2四半期までの進捗は以上のようになっており、FY25の中期経営計画最終年度の目標に対し、順調に推移しています。

ALLU AUCTIONの開催

「ALLU AUCTION」開催についてもご説明します。現在、顧客とのエンゲージメント強化のため、小売施策に力を入れています。2023年1月28日に、当社グループとして初となる個人向けオークション「ALLU AUCTION」を開催しました。銀座にある当社のプレミアム顧客向けラウンジ「VALON」でのリアル開催に加え、海外からのオンライン参加も可能にする環境を整えています。

国内の個人富裕層に加え、「SBA」パートナーにもご参加いただいています。今後は海外からの入札をさらに増やしていき、まずは日本でのポジションを確立していきたいと考えています。今後は四半期に1度の開催を予定しており、次回は2023年5月6日に開催予定です。

M&Aの完了

M&A完了のご報告です。昨年末に公表していた米自動車のM&Aが完了し、2月末日をもって当社グループに加わりました。第2四半期末にBSを連結し、第3四半期からPLも連結する予定です。

「なんぼや」でも自動車買取を行っていますが、これまで米自動車が蓄積してきたノウハウを活用することにより、さらに買取・販売を拡大していくことができると考えています。当社顧客データからも、高級自動車と高級時計・ブランド品は非常に親和性が高いという結果が出ています。

グループ間でさまざまなカテゴリから相互送客することにより、自動車事業の拡大のみならず、既存事業へのシナジー効果も期待できると考えています。

米自動車は正規代理店並みの技術力により自社で高級輸入車の整備を行うことができるため、顧客との定期的な接点の維持ができる強みもあります。リカーリング型へのビジネス転換を目指す中で、米自動車も重要な役割を担っていくと確信しています。

SBAでのコラボオークション機能の提供開始

第3四半期以降の取組についてご説明します。2023年3月より「SBA」にてコラボオークション機能の提供を開始しました。コラボオークションとは、当社の「SBA」サイト上においてパートナー企業が市場主となり、オークションを開催することができるサービスとなっています。

市場主となるパートナー自身は買主の開拓をせずにオークションを開催することが可能です。また、写真撮影を含む出品作業・保管・配送業務については当社がすべて請け負うかたちとなるため、出品や管理の手間を省くことができる仕組みとなっています。

買主側も「SBA」サイト内で複数の市場やオークションを見ることができますので、効率的な仕入が可能です。当社にとっては委託と同様にGMV拡大に寄与し、後ほどご説明するフルフィルメントサービスの対象となる商品が増えることにもなり、収益機会を増やすことにつながるだろうと期待しています。

フルフィルメントサービスの開始1 -現状-

フルフィルメントサービスについてご説明します。これまではパートナーに対し「SBA」を通じて商品を販売するという一方通行の関係であり、継続的な関係性を構築することができていませんでした。

フルフィルメントサービスの開始2 -2023年5月以降-

それに対し、現在は「SBA」にて委託販売も請け負うことで、パートナーの仕入だけでなく販売面のサポートもできる関係性へ変わってきています。

さらに、かねてより準備を進めてきたフルフィルメントサービスを2023年5月にローンチする予定です。パートナーは落札した商品を自社で保管することなく、「ALLU」を含む当社が保有する小売チャネルへ出品可能となります。さらに、当社が出品作業や商品の保管・管理、販売後の顧客への配送までを請け負うため、落札パートナーの販売面における負荷も軽減できるサービスとなっています。

パートナーの利便性を向上することでプラットフォームの価値を高め、さらなるエンゲージメント強化を図っていきます。

通期業績見通し(概要)

通期業績見通しについてご説明します。第2四半期までの業績を踏まえ、下期の業績見通しについて精査しました。この後、詳細な数値をお示ししますが、通期営業利益25億円の計画は変更していません。

外部環境については、足元の時計相場も下げ止まり、回復傾向が見られるものの、前提に急激な回復は織り込んでいません。金相場についても高値が継続していますが、相場が大きく変動することによる買取増加等は想定していません。

仕入についても、季節要因やブランドの新製品発表等のタイミングであることから、当社の仕入は例年、下期に伸長する傾向にあります。外部環境見通しおよび当社の仕入傾向を踏まえ、第3四半期以降の仕入は、前第3四半期並みである145億円レベルの計画を前提としています。

トップラインは仕入計画および売上総利益率の見通しを基に設定しています。オークション委託比率の向上等は見込まれるものの、インバウンドによる回復は考慮せず、保守的に設定しています。

売上総利益率は、第2四半期実績の27.3パーセント水準を確保できる見込みです。販管費については、第3四半期にTVCMを予定していましたが、Webマーケティングによる効率的な集客施策を重視する方針に切り替え、広告宣伝費の見直しを行いました。

また、新規出店は期初計画どおり行いつつも、不採算店舗の閉店を実施し、期首計画よりも買取店舗に係る地代家賃や人件費等の削減が可能となる見込みです。

通期業績見通し1

第2四半期までの進捗を踏まえ、売上高は期首計画の785億円に対し、通期業績見通しを750億円としました。また、当社のマネジメントアプローチにおいて重要視している営業利益については、先ほどご説明したとおり、販管費を精査し期首計画比10億円削減の179億円とすることで、期首計画の25億円から変更していません。

通期業績見通し2

下期の業績見通しはスライドのとおりです。先ほどご説明したとおり、上期と比較し、売上高・各段階利益ともに下期に大きく伸びる見通しとなっています。当社の業績が下期偏重となる要因については、次のスライドでご説明します。

営業利益推移

スライドの棒グラフは、直近3ヶ年の営業利益について四半期推移、半期推移で表したものです。左側の四半期推移では、第2四半期に落ち込み、第3四半期、第4四半期と伸長していること、右側の半期推移では下期に大きく伸長していることがおわかりいただけるかと思います。

特に、第2四半期は年末年始や営業日数の少ない2月を含むこと、天候の影響等もあり、当社の仕入は例年減少し、第3四半期以降に増加する傾向があります。

さらに、オークション参加パートナーがクリスマスや年末に向けた仕入を夏頃から行うため、当社業績は下期偏重となる傾向があります。

仕入の拡大見込み

先ほどのスライドでもお伝えしましたが、仕入は下期に伸びる傾向があります。今期も第3四半期以降に145億円程度の仕入を見込んでおり、下期偏重となる見込みです。

時計相場に関しては現在下げ止まり、回復傾向にあると見ています。また、インバウンドの回復により国内パートナーの買い意欲が旺盛になり、オークション相場が高まってくると、買取価格もより高く値付けできるようになるため、仕入回復に寄与してくるだろうと考えています。

配当予想

配当予想については、期初予想の30円から変更はありません。私からのご説明は以上となります。ご清聴ありがとうございました。

Q&A

質疑応答に関しましてはこちらに掲載されております。