サマリー
清水竜一氏(以下、清水):みなさま、本日は大変お忙しいところをお集まりいただき、誠にありがとうございます。また、音声ライブ配信をお聴きいただいている方もよろしくお願いいたします。
サマリーについてです。スライドに記載のそれぞれの項目は、このあと詳しくご説明します。まず、後ほどの説明で出てこない「子会社ベクトル伸和との事業シナジー活動を開始」について、少しご説明します。
全株を8月31日付けで取得し、みなし取得日が9月30日のため、今回P/Lにはほとんど影響がなく、バランスシートの結合のみになっています。
ベクトル伸和という会社の合併の意図について少しご説明すると、この会社は、私どもが取引口座を持っていない半導体の製造装置や、半導体の測定機器を作っている会社と非常に強いパイプを持っている会社です。
規模はそれほど大きくはありませんが、非常に高い技術が認められています。今後、我々の自動車に次ぐ2つ目の柱として、電子部品の分野、中でも半導体を特に強化していくことを念頭に、買収に踏み切っているとご理解いただければと思います。
2022年3月期 第2四半期 連結業績ハイライト
決算概要です。在籍数の増加により、実は稼働時間などの生産調整もありましたが、結果的には増収増益となっています。しかし、みなさまもご存知のとおり、我々が当初懸念していた自動車系の半導体不足のみならず、ロックダウンによりワイヤーハーネス、そのほかの部品調達に課題がありました。
第2四半期後半は、実際に現場で人が働いていますが、本来の稼働に対して8割、工場では5割という稼働状況が何ヶ所かあり、収益に大きく響いています。しかし、我々は、日本で最も大きな自動車メーカーのグループと、しっかりと情報を収集し合っているため、仮に足元の収益を落とすことがあった場合でも、その先の収益をしっかりと勝ち取っていくために人を入れ続けているというところが、今に至るまでの足元の状況になります。
2022年3月期 四半期単位の連結業績
棒グラフで示したとおり、比較的、第1四半期は収益も順調に推移しましたが、四半期ごとに見ると、残念ながら第2四半期で大きく利益が下がってきている状況です。
2022年3月期 第2四半期 単体業績ハイライト
単体業績ハイライトです。先ほどお伝えしたことに加えて、前年と比較すると、販管費が非常に大きく膨らんでいることが目に留まると思います。販管費が前年同期比で8億3,800万円の増加のうち、約5億円は募集費の増加分になっており、昨年の上期においては、コロナ禍からの立ち上がりがまだ十分ではなく、今年と比べると大幅に募集費が少なかったという背景があります。
少しイレギュラーなところは、雇用調整助成金です。昨年は助成金の収入が2億3,100万円でしたが、今年はごく一部で、生産調整による不稼働に対する助成金、あるいは能力を開発するための助成金として、営業外における助成金収入として1,700万円が入っている状況になります。
先ほども少しお伝えしましたが、売上高については、在籍数の増加があったため、稼働時間やそのほかが非常に短いと言いながらも、昨年と比べると増収になっている状態です。
2022年3月期 四半期単位の単体業績
四半期単位の単体業績について、売上高と営業利益を棒グラフで表しています。先ほどお伝えしたとおり、第2四半期で利益が非常に少なくなっていることが、グラフを見てわかると思います。
昨年度はともかく、本来であれば、前年の第2四半期の過去最高売上を超えていってもおかしくありませんが、残念ながら、先ほどもお伝えした自動車メーカーの生産調整がまともに影響しているため、このような結果に終わっている状況です。詳細については、後ほどあらためてご説明します。
2022年3月期 第2四半期 業績サマリー
活動の概況についてご説明します。第2四半期の業績サマリーについては、このあと項目ごとに詳しくご説明します。
2022年3月期 第2四半期 業種別売上高(単体)
スライドの棒グラフは昨年と比較した売上高構成比になります。自動車、電子デバイス、精密・電気機械という構成になっており、当たり前のことかもしれませんが、いずれも前年と比較すると上がっている状況です。
2022年3月期 四半期単位業種別売上高(単体)
四半期単位業種別売上高(単体)の推移をご覧ください。先ほどお伝えしたとおり、第1四半期から第2四半期において、電子部品は、半導体が非常に好調ということもあり、過去最高の売上を更新していますが、残念ながら、自動車は過去最高レベルにまでまだ届いていない状況です。
ただし、自動車というカテゴリーで括った上で昨年の第2四半期を比較した場合、一人当たりの売上が8万4,000円少なくなります。単価については、少しずつ確実に毎月上がっており、単純平均でも上がってきている状況でありながら、自動車の分野では一人当たりの売上が8万4,000円下がっている状況です。
自動車というカテゴリーの中で働いている方の人数は、2021年3月期第2四半期が5,811名、昨年が4,898名となります。昨年より913名増えていますが、実は一人当たりの売上が8万4,000円落ちていることが利益に大きな影響を与えています。
ちなみに、我々のアカウントの自動車最大手グループにおいては、今の数字について、昨年度の第2四半期、9月で見ると非常にわかりやすいためお伝えすると、9月は一人当たりの売上が54万9,000円となりましたが、今年度の9月は42万8,000円となり、12万1,000円、一人当たりの売上が下がっている状況です。
これは、単価が下がったという意味ではなく、部品が来ないことによる生産調整の影響をまともに受けているためになります。対象になる方々は全部で3,249名と、昨年と比べて在籍数が623名増える結果となっています。
一人当たり売上高(単体)
一人当たり売上高です。同じ第2四半期比で、昨年と比較すると、それほど大きく下がっているようには見えませんが、やはり実際は一人当たりの売上に影響が大きく出ており、どのようなことが起こっているかについて少しお伝えすると、実は今年の7月くらいまで生産が順調に回復していましたが、8月に入り、一部の工場において、半導体の調達の兼ね合いから生産調整を行った背景があります。9月においては、半導体不足に加えて、東南アジアのロックダウンにより、ワイヤーハーネスを含めたさまざまな部品が影響を受けました。そのため、7月と比較すると、月の一人当たりの残業時間はだいたい8時間ほど減っている状況です。
また、この時間外以外にも、いわゆる本来稼働すべき日に工程を止めているなどの影響も出ていることを、この場所でお伝えします。ただ、単純平均ではありますが、昨年と比較しても、受注時間単価はおよそ30円上がっている状況であるため、本来であれば一人当たりの売上高はもっと大きくなったと言えると思います。
もう1つ説明しておきたいことは有給休暇の問題です。実は休業補償として、8割の補償を行っているのですが、有給休暇をとった場合、当然給料は100パーセント、つまり10割もらえることになります。
有給休暇取得の動きについて、9月は非常に大きく出ています。通常は、月の有給休暇取得率が一人当たりだいたい1日を少し切っているレベルになります。たいしたことがないように思われるかもしれませんが、この9月は1.2日となりました。
日数をトータルでお伝えすると、通常1万日を切るか切らないかというレベルに対して、1万7,000日ほどのレベルであるため、9月に7,000日分強、有給休暇を大きく消化されていることも、収益に大きなマイナスとしてインパクトを与えていると思います。
在籍人数(単体)
在籍人数の推移です。棒グラフで示したとおり、第1四半期の伸びと比べると、第2四半期は在籍人数が少し鈍化しているのではないかということが見受けられると思いますが、これには理由が2つあります。
1つ目は、8月の新型コロナウイルス感染症の拡大により、面接に来られる方の数が少し停滞したためです。2つ目ですが、9月はアカウント企業を中心に増員していると言いながらも、やはり部品調達の兼ね合いにより、もう少し様子を見たいという声などがあったためです。残念ながら第1四半期と比べると第2四半期は在籍人数、つまりアプライの伸びが少し鈍化している状態となりました。
ただ、足元がどのような状況になっているのかと言いますと、緊急事態宣言も終わり、ようやく、新聞にも記載されているとおり、自動車の回復が見受けられるとのことで、順調に人も入ってきている状態です。そのため、従来の在籍人数の伸びに戻すことが十分できると言えるのではないかと思っています。
在籍人数の伸びに対する考え方について、私どもの成長戦略と密接に関わりがあるため少しご説明したいことは、1つの考え方として、生産調整を実施している現場で人を配属しないという手もないわけではありませんでした。
ところが、当初9月で済むと思っていたことが10月、あるいは、11月に一部かかることで後ろ倒しになっていますが、結果的に、我々は新しく入った方々の給与の補填なども行いながら在籍人数を増やしたおかげで、12月以降は売上を大きく伸ばすことができる状況にようやくたどり着いています。
このことは、私どもの会社の判断として、仮に足元の利益に影響が出ることを覚悟しても、来期以降の増産に対応します。また、我々のアカウント企業に対するシェアを上げていくことから考えれば、経費を使うよりは投資をしていく覚悟で、そのようなことを行いました。
今年の春頃に我々が各自動車メーカーのみなさまからうかがっていたのは、9月から徐々に増産になり10月には挽回生産に入るということです。その結果、我々のアカウント企業グループは12月から一気に挽回生産に入ります。
それ以外の自動車メーカーは、12月から徐々に増産していくかたちに大きく状況は変わりました。12月以降、一人当たりの売上は、おそらく過去に経験のないレベルになるという話をいただいています。
例えば、12月には休出を最初から4日間対応してもらいたいという話をいただいています。このような状況から、12月は過去に経験のない稼働日数・稼働時間になります。
したがって、12月から今までの遅れた分を一気に取り戻しにかかることができます。しかし残念ながら暦には限界があり、利益については期またぎせざるを得ないと判断しました。そのため、今回投資した分については、利益を期末に向けて修正した状況です。
この在籍数の推移について少しお話しします。第1四半期は、当初計画より約3ヶ月程度前倒しで在籍の伸びを実現しました。第2四半期は、先ほどお伝えしたとおり369名となり、第1四半期と比べると半減しました。
第3四半期以降については、自動車の状況が挽回していますが、半導体の調達の目処も立ってきました。半導体関係のいろいろな部品の注文をいただくことで、中計で既存事業と呼んでいる領域については、来年のかなり早い時期に、3年目のトップラインに到達できると、着々と計画を遂行している状況です。
当初、来年は40億円の利益を出す計画でしたが、来期だけ見れば、おそらく今期の期またぎをした利益は、来期にその分が移行されていく考え方になります。我々としては、今の新中期経営計画3年目の大きなジャンプアップを意識しています。
40億円を超える部分については積極的に3年目の事業計画の蓋然性をより一層高めます。さらに来期は、新しい事業により一層投資することに、しっかりと向かえることができるのが現状です。
技能社員・エンジニア数(単体)
第1四半期から第2四半期に、エンジニアは40名、技能社員は128名増員できました。エンジニアについて考え方を説明します。我々は、この技術領域は後発になります。
そのため、通常、技術に特化した人材会社のように新卒や中途でそのような素養の方々を次々に採って増やしていく考え方よりは、現在ベースにある1万4,000数百人の中から適性のある方々を装置エンジニアや生産技術領域のエンジニア、AIのエンジニアというかたちで育成し、増やしていく考え方を持っています。
後ほどの研修の中で少しご説明しますが、技能社員と比べると、こちらの進捗は少し遅く見えるかもしれません。しかし、このエンジニア領域についても、後ほどご説明するとおり、前倒しで在籍数を増やしていることを付け加えたいと思います。
アカウント企業について(単体)
アカウント企業の推移です。本来であれば、先ほど申し上げたとおりアカウント企業を順調に増やしてきているため、このシェア率は他の事業が伸びている以上に伸びてもおかしくありません。
先ほどお伝えした自動車メーカーの稼働状況の影響が非常に大きく出ています。しかしながら、各自動車メーカーがいよいよ挽回生産に入っていきます。また、他の半導体あるいは受動体を作っている会社については、今後年明け以降さらに忙しくなることがはっきりしています。
したがって、全体のスケールが上がりながら、かつ、このアカウントの売上や構成比率も上がり、全体の売上の伸び以上の伸びを示していくことが言えると考えています。
このアカウント4グループのうち、1つ目の一番大きなアカウント企業グループは、先ほどお伝えした大手自動車メーカーのグループになります。
第2四半期で全体の43パーセントあった中、74億3,600万円の売上の中のシェアでは約6割になります。現在、時間外あるいは稼働時間が短い状態でも6割に達しているため、本来であれば60パーセントをすでに抜けている比率だと思います。
2つ目のアカウント企業グループは受動体、コンデンサーの世界最大手のグループです。こちらは電子デバイスの中に入れ、そのシェアは、この電子デバイス領域の中の39パーセントで、約4割を占めています。
3つ目のアカウント企業グループは、総合電機メーカーの中でとりわけ半導体を作っている企業を中心に増やしているグループです。こちらは、電子部品の中の約18パーセントの構成比率を占めている状況です。
4つ目のアカウント企業グループは、精密電機機械の中の複合機を作っている会社が入っており、その比率は30.1パーセントです。複合機という特性上、世界的なテレワークその他の推進があるため、残念ながら底は打ちましたが、他の業種のように反転しているレベルではないと思います。
このアカウント企業4グループを説明してきましたが、我々が取引している会社は大手メーカーを中心に約700社あります。その中で、何ヶ所かのグループを今後のアカウント企業にするべく、今、お客さまと交渉を重ねています。
アカウント企業は我々の1つの定義で、競争力があり成長性がある企業です。生産の担当役員、一般的には専務や常務などの役職の方々と直接話せて、提案できる会社だと定義づけています。来年度に向けて、そのようなところをしっかりと準備を進めていきたいという考え方を持っています。
離職率(単体)
非常に重要な指標である、離職率の状態です。第1四半期から比べると若干上がってはいますが、我々の今年度の離職率の考え方は4パーセントを切っていこうということでした。この第2四半期と第3四半期の足元の状況においても、4パーセントを切っている状況でコントロールできています。
そのため、募集との兼ね合いから、これを4パーセント以下でコントロールし続けることができれば、先ほどの在籍数、トップラインを上げていくことに非常に大きく効いてくると思います。
教育実績(単体)
教育実績についてです。先ほどのエンジニアの教育および保全の基礎教育です。我々の付加価値をこれから高めていくための非常に重要なポイントになります。
ここについては、先期はコロナ禍の影響がありましたが、先期の第2四半期、上半期と比べても大きく増やしていることが見受けられます。ようやくコロナ禍も落ち着き始め、この製造基礎教育についても積極的に実施することができ、これからエンジニアや技能社員の拡大に繋がっていきます。
従来のテクニカルセンター東日本とテクニカルセンター中日本に加え、九州でも受講できる体制が拡充しています。また、我々の強みである全体の母数を支えている教育についても、先期より1,000名程度増やすことができており、在籍数増加・定着率向上に繋がっていくと見られます。
個別単体売上高・営業利益比率
会社ごとに分類をしているグラフです。特に、全体の営業利益あるいは売上は、日総工産の製造人材サービスが大部分を占めていることが、グラフから見て取れると思います。
既存領域について
今年度から開始した新中期経営計画の中で「既存事業」「エンジニアの領域」「新規事業」の3つに分類しました。その流れについて説明します。
このグラフは、第1四半期と比べた伸びや売上の進捗です。今後も四半期ごとに進捗を見られるようにしたいと思います。
DXの推進について
このような時代のため、DXの一環として見てください。1つ目は「HRクロス」です。これは同業他社も同じような話をしていると思いますが、我々が行っている「HRクロス」は、元々は教育するために、業界の理事たちが中心となって出資している会社が開発しました。
新しい時代に、お客さまの負担や派遣元の負担を減らすため、契約管理やスキル管理の仕組みをしっかり作り、我々製造系人材サービスのインフラにしていくことを目指しました。今年の年初からシステム開発を行い、4月からトライしたものが、ようやくこの10月から大手メーカーを中心に何社か実際に使用する段階に移ってきています。
これを説明している大きな理由は、ここで我々が大きく利益を上げるからではありません。非常に大きいのは、中小企業も対象に含めた「同一労働同一賃金」を定める法律が今年4月に施行されたことです。これには「同じ能力のある方は同じ処遇にせよ」という政府の考え方があります。
以前からお伝えしているとおり、我々は同業他社と比べて質の高い人材をお客さまに提供していくことがひとつの差別化であり、成長の大きなエンジンになっています。このシステムを大手メーカーを中心に導入してもらうことで、極端なことを言うと、そのメーカーの派遣社員500人の能力を同じものさしで測れます。我々にとっては、これから非常に収益を大きくを押し上げるポイントになりますが、このようなことを進めています。
2つ目の「apseedsポータル」は、我々の従業員を管理している業務管理者と従業員とのコミュニケーションをより効率的にうまく進めるための道具として導入し、運用開始しています。
エンジニア領域について(業績)
エンジニア領域の推移です。少し残念ではありますが、エンジニア領域の初級の方々が増えたことで、一人当たりの売上は少し下がっています。しかし、働きながらスキルに応じたタンクをいただき、今後こちらについても中期的に上がっていくため、先ほどの既存事業と同じようにこの推移を見てください。
当初、今年度の技術者の平均在籍数をどのくらい置いていたかを少しお話しします。稼働人数は700名弱という数字を置いているため、すでにその数字を超えていることは先ほど説明したとおりです。こちらについても3年目はジャンプアップする計画になっているため、なるべく前倒しでスケールと収益の拡大を狙っていきたいと思っています。
エンジニア領域在籍人数
先ほどのエンジニアの在籍のお話、および、それぞれがどのようなエンジニアなのかというお話です。先ほどお伝えしたとおり私どもは技術領域エンジニアの後発の会社です。特に製造に強みを持っているため、ボリュームゾーンは、装置技術者と設備技術者になります。
中期的には、設備メンテナンスの方々や、製造に近い生産技術の方々を中心に拡大しながら、ITあるいはエンジニアの方々は新しく即戦力の方を雇って派遣するのではなく、育成しながら拡大していく考え方を持っています。
AIソリューションサービスについて
AIソリューションサービスについてです。昨年9月にAIを行っている会社と資本業務提携を行いました。昨年来から「AIソリューション導入の流れ」を進めていますが、現在私どもの主要取引先3社とプロトモデルを組み上げてる最中です。
みなさまもご承知のとおり、製造現場は慢性的に人手不足のため、今後実際の製造装置にAIを搭載しながら実装して、自動化あるいは最適な加工条件を導き出していくことが日本でも本格化することを前提に、現在この事業を作り込んでいる状況です。
離職率(既存・エンジニア領域)
先ほどの離職率からエンジニア領域を切り出しました。この離職率が上がっているところは、育成型ということでフォローはしています。しかし、その技術を習得することになかなか付いていきにくい方というのも若干名出てきています。
そのため、若干上の方向に振れているという状況ですが、基本的には引き続き離職率を抑えながらカリキュラムを工夫したり、コミュニケーションをもっとよくする工夫をしながら、エンジニアの離職率も引き続き抑え込んで拡大していきたいと考えています。
新規事業領域について
新しく実施するアノテーション業務のスタートについてです。これからIT分野事業を拡大するための、ソフトウェアエンジニアの手前と言った方がよいかもしれませんが、アノテーション業務をスライド内容のようなスキームで作っていこうと思っています。
ソフトバンクグループのベンチャー企業であるSBイノベンチャー株式会社が中核になりながら、我々もコンソーシアムに入って仕事を経験し、ソフトを開発する能力を高めていきます。ここで経験した方の一部は、先ほどのエンジニア領域に進みます。
ITなどのインフラになるものがアノテーション業務になるため、このような仕事を通して新規事業も拡大し、エンジニアの育成を行っていくと見ていていただければと思います。
その他の事業 事業収益
その他の事業における事業収益をご覧ください。「その他の事業」とくくっているのは介護事業になります。第1四半期の1,800万円に対して第2四半期は200万円の利益となりますが、一番大きな理由は何かと言いますと、やはり6号館の入居率に少し課題があると思っています。
また、当社の場合、介護施設を6号館まで、6棟運営しているのですが、5号館と6号館は医療対応型の施設であるため、残念ながらご逝去される方が非常に多い状況です。今年は夏が暑かったこともあるとは思いますが、入居されてすぐご逝去される方がいらっしゃった場合、実は入居一時金をお戻ししなければいけないため、その影響がこの第2四半期に出ているとご覧いただければと思います。
ご心配をおかけした赤字体質は脱却しているため、今後は収益性を上げながら、引き続きこの事業を継続していきたいと考えています。
まとめ(ターゲット別売上高目標 進捗)
ターゲット別売上高目標の進捗です。先ほどお伝えしたとおり、期初の計画に対して一番進捗が早い領域はエンジニアです。既存領域については進捗が遅く見えますが、在籍人数は前倒しで十分に増やしているというご説明のとおり、製造現場が正常な状態に戻ってくると、ここは進捗を前倒せる状況になります。
新規事業については、どちらかというと、JVとそのほかで準備している状況であるため、今のところは進捗率が0パーセントとなっていますが、すでにプロトモデルを作っており、これから売上を計上し収益も上げていくことになっているため、特に大きな問題はないと認識しています。
2022年3月期 通期連結業績予想の修正
2022年3月期通期連結業績予想の修正については、前回「このような計画に対して増収減益ではないか」とみなさまに大変ご心配をおかけしたところになります。「なぜこうなるのか」と非常にわかりにくいところではありましたが、先ほどお伝えしたとおり、我々は覚悟の上で一人当たりの稼働時間が短いことを承知しており、大手自動車メーカーのアカウントを中心に、人の配属を促進しています。
これがようやく、12月以降で成果に結びつく状況にたどり着いていきます。残念ながら営業利益については、当初の計画よりマイナス6億円です。期またぎになるとお話ししましたが、2月以降、我々もコロナ禍の問題がどのように収束するのかが非常に読みにくい状態です。
12月、1月にお話をいただいているレベルでこの数字を載せると、また違った結果になりますが、非常にわかりにくいコロナ禍の状況を考えた上で、営業利益はマイナス6億円、2割減として出している状況です。
基本的に、お客さまの状況に応じてしっかりと投資しながら、仮に今期、ここから上方修正を実施して30億円に届かないことがあった場合でも、来期以降、その分を十分に回収できるという目算のもと、トップラインを上げ続けていくかたちで臨んでいきたいと考えています。
株主還元方針
株主のみなさまへの還元方針の考え方について、配当は当初の利益の18円を据え置きたいと思います。我々の認識としても、我々が行っている採用、あるいは教育はむしろ計画より順調に推移しています。
今回、サプライチェーンの問題や、物流における一部の問題、また残念ながら稼働が思ったとおりにいかない状況がありましたが、中期的にはこれを十分に取り返し、余りある成果をあげる見込みのため、配当については据え置きたいと考えています。
少し長くなりましたが、以上をもちまして私のご説明とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:売上増加の一方で利益が減少した背景と要因について
質問者1:最後のご説明のところで、今回売上は増加した一方で、利益は減少となったというお話がありました。これを整理すると、結局、もともと見ていた計画より、一人当たりの稼働時間が厳しい状況の中、あえて人を入れることによって、利益が見ていたとおりにはならなかったということでしょうか? 減益の要因として、これが自動車関連で出たと理解してよろしいでしょうか?
逆に言いますと、トップラインが増額になったことについて、どのように理解すればよいのでしょうか? 期初計画に比べて売上が増額された部分も教えていただきたいです。
清水:まず基本的に、トップラインは当初の計画より、実は第1四半期から相当前倒しで伸ばすことができているため、その積上げになっています。一番大きく影響を受けているのは9月です。先ほどのアカウント企業における3,250名くらいの方々の売上が、1人あたり12万円以上と、昨年の正常な状態と比べて低くなっており、結果として売上も低くなっています。
しかし、これを承知の上で我々は増員を実施しており、また、今在籍している方々を定着させるために給与の補填などを行っています。お客さまも給与の一部補填の費用をくださっていますが、残念ながら、むしろその費用は我々の利益に残すわけではなく、そこに我々の費用を付け加えて出すことによって、離職を抑えるということを行っていた背景があります。
これにより8月は若干影響が出ていますが、やはり大きく影響が出たのは9月の単月でした。結果としては、先ほどお伝えしたとおり、収益が下がっているものの、在籍人数は当初の計画よりも早く、第1四半期からスピーディに伸びています。一人当たりの売上は低いのですが、在籍人数がそれを補うかたちで増収になっているとご理解いただければと考えています。
質問者1:分野で言いますと、自動車分野と電子部品、半導体のどちらになりますでしょうか?
清水:ほぼ自動車分野です。ほかの業種についても全部調べてみましたが、昨年と比べて遅れているものはありません。ただ、目に見えない領域では、自動車ほどはっきりはしていませんが、半導体の調達不足で、時間外によりもっと伸びている業種があるかもしれません。現状としては、我々もそこまで捕捉できていません。
質問者1:そうなると、自動車以外はほぼ、もともと見ていたとおりであるという理解でよいのでしょうか?
清水:おっしゃるとおりです。
質疑応答:最終決算の見通しや新規事業の目標について
質問者2:先ほどの清水社長のお話では、特に最大手の自動車メーカーで12月・1月の生産レベルが一気に戻ってくる状況が続くのであれば、今回の下方修正よりもかなり上にいくと聞こえました。
仮にそのようになった時に、中計の最終目標に向けて、最後にジャンプアップするために、いろいろな費用を先行的に投じていくお話をされています。仮に24億円の営業利益よりも上にいきそうになった時は、今期は先を見て一転、費用を先行的にいろいろなところにかけていく考えですか?
今回1回修正しているため、元の30億円に向けて上にいきそうであれば、自然体で利益が出るような決算を目指されるのか、決算に対する考え方を教えてください。
もう1点の質問は、新規事業の今期5億円の目標についてです。先ほど、AIソリューションサービスでプロトタイプができ、下期から売上が立ってくると説明されました。その結果、5億円がクリアできるという考えでよいか確認させてください。
清水:1つ目の質問について、今期は営業利益で6億円修正していますが、実は本来来期につながるための投資は落としていません。先ほど、再来期の40億円を超える部分という伝え方をしましたが、例えば2月・3月が、もし12月・1月のような水準になれば、おそらく過去に類のないような収益構造になってくると考えます。その部分は、今のベースのところに期末の利益に乗っていくという決算になると思います。
我々もそこをどのように読むのかというものがありますが、お客さまから情報を取れない状態で、希望的観測で積むのはまずいということです。2月・3月については通常のレベルという置き方で書いたため、これを割り込むことがないというのが私の読みです。
新規事業については、AIあるいはアノテーション以外にも、アメリカで盛んなHR Techというものがあります。既存の事業領域において、HR Techを使ったトライアルも、今すでに始めていることがいくつかあります。これらをしっかりと実証し、その後に外販していきます。率直に申し上げますと、新規事業については、売上計上の時間軸がずれるかもしれません。
ただし、以前この計画をお話しした時にもありましたが、3年目となるこれらの新規事業から18億円の利益を出せる事業を作っていくことに大きな目玉を置いています。いくつかトライして計画よりうまくいくことも十分に考えられますが、売上のスケールはビジネスモデルの取りようでどうにでもできるため、少なくても3年目には、むしろ18億円の利益が稼げる事業を確実に作っていきます。足元の今期5億円になるかならないかは、実はそれほど大きく問題視していないとご理解いただければと思います。
質疑応答:第2四半期の採用人数と今後の採用ペースの計画水準について
司会者:「第2四半期で実施した採用人数と、今後の採用ペースの計画水準をお教えください」とのご質問です。
清水:採用の状況について、今年の事業計画は、上期と下期では大きく考え方を変えています。下期は、10月1日から自社サイトのプロモーションを打っています。半期で3億円のプロモーション費用をかけ、自社サイトからの流入量が今の6割を超える状態にし、1,000名の採用を実現するのが今期のひとつの考え方です。
一方、上期の状況は750名程度のため、本来採用したい人数の75パーセントの出来栄えという状態です。残念ながら、8月だけはコロナ禍の拡大とお盆休みなどの影響があり、650名程度まで落ち込んでいますが、それ以外の月は750名程度を実現しています。
ちょうど11月の足元の状況を見ると、ようやくプロモーションの効果が出て、おそらく900名近く、あるいはそれを超える採用ができる状況になっています。