2021年3月期第2四半期決算説明会
宮内謙氏(以下、宮内):本日はお忙しい中をお越しいただきまして、誠にありがとうございます。なおかつ、ネットではたくさんの方が見ていただいていると思います。そういう意味では、この機会をいただきましたこと、ありがとうございます。それでは、私の説明に入らせていただきたいと思います。
2020年9月
決算発表のお話をする前に、9月に私どもの親会社であるソフトバンクグループ株式会社が、当社の株式を10億株売出しました。その結果を少しお話ししたいと思っています。
売出総額
トータルの売出総額は1.2兆円でございました。ここのグラフに書いてありますとおり、日本郵政さんとかNTTさん、日本郵政さんが一番なんですけれども、民営関係を除きますと、2000年以来最大規模の売出しでありました。
私自身も2回IPOをしたみたいな感じで、たくさんのアナリストの方々、欧米・アジア・日本の方も含めて、いろんな方々とたくさんの時間をかけて、いろいろロードショーをやらせていただいた次第であります。人生の中で、IPOともう1回、こんな大きな売出しという、大変いい経験をさせていただいたのではないかと思っている次第でございます。
株主数
その結果として、株主数がなんと91万人で、日本でもトップに入るぐらいの株主の方々に、我々ソフトバンク株式会社の株を持っていただいているということで、本当にこれは身が引き締まる思いで、こういった公開企業として特に重い責任を負うとともに、これだけの方々に買っていただけることについて、大変うれしく思っている次第でございます。
株主構成
株主構成も、ここにありますとおり、従来、ソフトバンクグループが62パーセントでしたけれども、現在はみなさんもご存知だと思いますけれども、40.2パーセント。個人株主であったり機関投資家の方々含めまして、一般株主が過半数を超える。
その過半数の約60パーセントの中でも、個人株主と機関投資家が半々ぐらいという感じで、海外の機関投資家の方もたくさん私どもの株を買っていただいた次第でございます。
上場時と何が変わった?
ちょうど、上場してもうすぐ2年になるんですけれども、この2年間、我々がどんな活動をして、ソフトバンク株式会社を一生懸命大きくし、なおかつ安定した企業にしてきたかについて、少し最初にお話を申し上げたいと思います。
携帯会社から脱皮し 事業が「多様化」した
当然、携帯会社として、あるいは通信事業者として、これが一番、我々のコアの事業でございます。でも一方で、携帯会社から脱皮して、事業が非常にこの2年間で多様化することができました。
非通信領域の強化
みなさんもご存知のとおり、このページにもありますとおり、2018年12月、先ほど言いましたように、ちょうど2年前に公開させていただきました。
そして翌年の6月には、当時ヤフーと言っていましたが、今のZホールディングスを我々の子会社化しました。Zホールディングスは、インターネットの利用者数でナンバーワンであります。さらには、11月にはZOZOを子会社化することで、ファッションのeコマースでもナンバーワンの企業軍団になりました。
そして12月には、LINEとの経営統合の発表をしました。これは来年の3月ぐらいにいよいよ本格的な統合になると思いますけれども、これもメッセージアプリでナンバーワンです。
そして2020年7月、ちょっと前にPayPayは創業したんですけれども、ちょうど2年なんですけれども、実はつい最近3,000万人を突破しまして、QR決済ナンバーワンだと。こういうかたちで、我々があの時「Beyond Carrierです」と言ったことを、みなさんもご記憶にあるかもしれませんが、それを着実に一歩ずつ実行してきたのが我々であります。
収益源の多様化①
収益源の多様化も相当やっていまして、企業はいろんな収益源がきちっとバランスよく持たないと、何か1個ドーンと、今回もコロナがやってきたり、それこそ何が起こるかわからない中で、我々の責務として、あれだけのたくさんの株主を持っているソフトバンクとしては、常にきちっと成長させていかなければいけないという責務がございます。
売上で見ると、とりわけ昨年の10月以降、完全に端末と通信が分離されました。そういう意味で言うと、我々はコンシューマのモバイルを分解しました。モバイルの通信料としてのサービス、それ以外にブロードバンドや電気や、あるいはコンシューマのいろんな「あんしん保証パック」等のサービスがあります。端末の販売もあります。
これを分離すると、コンシューマ・モバイルの通信は38パーセントの売上だったのが、今現在は29パーセントで、コンシューマのモバイル通信料以外が71パーセントまで来ていることを、少し最初にお話し申し上げたいと思います。
収益源の多様化②
それから収益源、営業利益という面で見ますと、2017年頃には44パーセントであったものが38パーセントで、これはヤフーを我々の傘下に入れたこと、あるいは法人が伸びていること、ならびにそういったコンシューマのサービスも順調に伸びています。
モバイル通信も決して伸びていないのではなくて、全体が伸びることによってトータルの営業利益の収益源の多様化が進んだことを、この2年間で起こったことだと思っています。
ICTトップ企業の集合体に
結果として、ソフトバンク株式会社は、上場時は携帯電話・固定通信と法人・流通の会社でした。それが今は、ICTのトップ企業の集合体に進化しました。SNS・決済・メディア・eコマースといったものが追加されたということです。
成長戦略
もともと私が言っていました、真ん中の赤い線はなかったんですけれども、ちょうど2年前のIPOの時に、ブルーとグリーンの線で「これからBeyond Carrierです」と、「これを実行していきます」と、みなさんの前で、株主の前でも宣言したことを覚えています。
通信事業の部分を着実に成長させながら、そしてOver The Topの部分、インターネットの部分を大きく拡大し、結果として、それにプラス新領域の、PayPayをはじめとするいろんなジョイントベンチャーであったり、新しい事業を創造する。
これをトータルで、ソフトバンク株式会社が消費者、あるいは企業に貢献する。将来的にESGの世界、あるいはSDGsの世界に貢献する基盤がこの2年間でできたことを、みなさんに少し冒頭にお話を申し上げた次第であります。
売上高
それでは、決算数値の件について、今から決算発表の話をさせていただきたいと思います。連結業績、第2四半期。売上高は2兆4,284億円で、コロナ禍でも増収を継続させていただくことができました。
売上高 セグメント別
さらに、セグメント別に見ますと、とりわけヤフーと法人が順調でありました。コンシューマは少し減収していますけれども、これは端末の販売が落ちたとか、いろんなコロナの影響もあったと思いますが、トータルではこういったかたちで増収させていただくことができました。
営業利益
さらに営業利益はと言いますと、非常に堅調でございまして、7パーセントの増益でございます。ですから、増収増益を達成することができました。
営業利益 セグメント別
とりわけ営業利益をセグメント別に見ると、ここにありますとおり、ヤフーと法人が2、3割の大幅増益でございます。ヤフーが30パーセント、そして法人が18パーセントの増益となります。
そんな意味では、先ほど冒頭で話しましたように、事業が多様化していき、多様化することによって、コロナのような危機が迫ってきても、それでも増収増益ができる基盤が少しできてきたのではないかと思っています。
純利益
純利益については、少し落ちました。でも、通期では増益は間違いないと思っています。
純利益 増減分析
これは少し詳しくお話ししなければいけないと思って、このチャートを作りましたが、総じてビジネス・営業利益という面では、ここにありますとおり、昨年に比べて376億円という増益なんですけれども、金融損益。ここに書いていますように、前期の評価益。前回はいろんな売却とかがありました。そういったものとか、金融資産の評価減といった影響で、約200億円ダウンとなっています。
そして法人税は当然、利益が上がっていますから増えました。そしてZホールディングス、非支配株主持分です。こういったZOZOとかの子会社化の影響が少し出た。こんなことで、一時的に上期は減額になっています。でも年間では、間違いなく純利益も増収増益に向かうと思っています。
2020年度上期 連結業績
これを全体の図にしますと、ここにありますとおり、上期の売上が2兆4,284億円、553億円の増、プラス2パーセントです。営業利益がプラス7パーセント、376億円。純利益はマイナス4パーセントでございました。
計画対比 進捗率
これが、通期で見るとどれぐらいの進捗率なのかという図でございますが、通期では、売上高は目標が4兆9,000億円でございまして、それのちょうど50パーセントぐらいです。ただ、営業利益はもうすでに64パーセントまで来ている状況でございまして、順調に私がコミットした数字はクリアしていける。
純利益におきましても65パーセントで、去年が非常に高かった部分もあるんですけれども、順調にこれも増収増益に向かって走っていますということを、みなさまにお伝えしたいと心から思っている次第です。
ソフトバンクの成長戦略
それでは、少し時間をいただきまして、我々の成長戦略についてお話を申し上げたいと思います。非通信の拡大、それと通信の堅実な成長。冒頭に言いましたように、この2つについて、みなさまにお話を申し上げたいと思います。
法人事業 売上高
まず、法人事業です。実は法人事業について、たくさんのアナリストの方からも聞かれました。ちょうどロードショーの時もです。本当に今、非常に順調に伸びている事業であります。
ここにありますとおり、もともと固定通信だけの日本テレコムだったわけですけれども、そこからモバイルが増え、そしてソリューションが増えた。ソリューションは特に最近、大きく増えているわけですけれども、そういう意味で7パーセントの増収という、ソリューションは特に17パーセント増収で、全体の売上が順調に伸びています。
法人事業 営業利益
営業利益につきましては、この図にあるとおり、実は前回の決算発表でも申し上げたんですけれども、4月頃はこの先どうなるかと本当に思いました。でも、蓋を開けてみると、4月はモタモタしましたが、5月・6月・7月・8月と順番に、とりわけ7月・8月・9月と、テレワークの需要が爆発したようになりまして、こんな感じで18パーセントの増益になっています。
法人事業 ソリューション等売上高①
個々に見てみますと、とりわけクラウドです。当然、リモートワークをするということは、クラウドに情報がないと仕事はできませんから、そういう意味で、クラウドは1年間で、もともと力を入れてきた領域ですけれども、1.4倍になっています。
さらに、IoTの領域もいよいよ動き出しました。来年ぐらいになると、もう少し詳しいお話ができると思いますが1年で2.9倍となっています。
セキュリティが大変な勢いで伸びていまして、デジタルシフトがどんどん進むとこんなものではなく、もっと伸びると思っていますけれども、約2.2倍。まさにデジタライゼーション需要が拡大しているのが現状でございます。
法人事業 ソリューション等売上高②
さらに、法人事業のソリューションの売上高に焦点を当てますと、2桁の増収を維持して、これから大きな収益を拡大する世界になってくるのではないかと思っています。
後ほどお話ししますけれども、5Gが本格的になった段階になりますと、日本の産業界全体がデジタルシフトする。その時には、大変大きなビジネスのチャンスが待っている。2030年代には、5G関連のデバイス類だけでも50兆円のマーケットが日本にあるのではないかと言われているぐらいなものです。
それぐらいの、これはいろいろな調査機関のデータですけれども、そういう意味で、私はその手応えを強く感じている状況でございます。
法人事業の成長戦略①
先ほど冒頭に言いましたが、4月頃はどうなるか。法人事業の営業は、普通は大企業、特に我々の法人事業はエンタープライズの企業向けに営業活動をしています。そういう意味では、訪問することができなくなってしまったわけです。
でも、この半年間で、完璧にオンラインとオフラインを融合したハイブリッド営業ができるようになりました。むしろ、オンラインのほうがはるかに営業効果があることがわかってきました。
4月・5月はまだ「どうかな」と、「新規開拓ができるかな」と、「継続顧客のところへ行かなくてできるのかな」と、そういういろんな、我々の場合はネットワークを提供したり、データセンターのクラウドを提供したりしますから、そういう意味では「本当にできるんだろうか」と思っていましたが、メールマーケティング・ウェビナーを使うことによって、これを従来のかたちからオンラインに切り替えていきます。
それから、商談もオンラインでする。「Zoom」を使うということです。それから契約書も、どんどん電子サイン・電子契約に変えていく。そういう意味では運用サポートも、実際にインストレーションしてネットワークを提供するのは、当然オンサイトでやらなければいけないんですけれども、サポート関係も全部「Zoom」でできることがわかってきたんです。
法人事業の成長戦略②
第2四半期だけで見ると、顧客のコンタクト数です。我々、約3,000人近い営業部隊なんですけど、それが非常に電話やら、いろいろやっていたわけです。昔は訪問を中心に。それがオンラインをうまく利用することによって、顧客コンタクト数が5倍になりました。
これは事実のデータでありまして、我々自身がやったことを、日本のいろんな企業に今から売り込もうと思っていますけれども、コロナによって大変なGDPが落ちたり、これからもウィズコロナで苦労があるわけですけれども、一方で、デジタルシフトは一気に進み出した。
エンタープライズのお客さまも理解していたいだいて、むしろ顧客コンタクトをネットでやる世界が当たり前になりつつあるということでございます。
法人事業の成長戦略③
私は「デジタル三大革命」ということを、最近いつも言っています。1個は、先ほど営業の話をしましたけれども、デジタルコミュニケーション革命。これは完璧に起こっています。
今日のこの決算説明会でも、ここに来ていただいている方、それから遠隔で見ていただいている方、リモートで、たくさんの方々がいらっしゃる。時間・場所にとらわれない意味での、スマートフォン、あるいはタブレットを使って、そしてクラウドコンピューティングを使い、「Zoom」を使ってデジタルコミュニケーションを図ります。
2個目は、これがこれから本格的に来るものです。デジタルオートメーションでありまして、AIであったりビッグデータ、RPA、IoTにより出てきたデータを分析し、そして業務をどんどん自動化していく。自動化できる部分がいっぱい出てくると思います。
これが先ほど冒頭で言いました5Gの力で、日本中のあらゆる企業のいろんなプロセスがデジタルオートメーション化すると思うんです。これも可能になります。
そして3つ目。これは大企業だけじゃなくて、中小企業から零細企業まで含めて、デジタルマーケティングの時代が来る。完全にデータを使った営業。データを使って顧客コンタクトする。そして、マーケティングをする。そういったセールスリードを、ウェビナーを使って行うといったような世界が確実にやってくるということです。
SoftBank World 2020
先日、「SoftBank World 2020」をやりました。孫さんとジェンスン黃仁勳の話も非常におもしろくて、その後、実は裏話をすると、こんなにすごい人がみんな集まってくれるとは思っていませんでした。でも、ネットだからなのです。
これが例年のごとくザ・プリンスで、芝公園で例年行っていたんですけれども、それは物理的にやると、なかなかこれぐらいの人たちに集まってもらうのは難しい。でも、これから企業を牽引する旬の方々に、完璧にオンライン開催しました。1人も物理的なお客さんではなくて、リモートのお客さんです。
SoftBank World 2020 実績
その結果が、まだ初めてかもしれませんけれども、累計登録者数はそれほど変わりませんでしたけれども、実際に視聴していただいたのが、前年の3倍です。総視聴者数はなんと11.9万人で、6.8倍となっています。
1人当たりの視聴講演数。これもデジタルデータですから、誰が見てくれて、誰が途中でドロップしたか、全部わかるわけです。
だから、今までの講演会だと、ドッと来られてリストはあるんですけれども、その人が途中で抜けられても何してもわからないですけれども、デジタルなイベントにしたことによって、1人当たりの平均視聴講演数は2.3倍とか、セッション当たりはどうだと、もっと細かいデータがあるわけです。
そういう意味で言うと、たくさんの人たちに来ていただいて、これが我々からすると、その後、興味を持ったお客さまに我々のサービスをご紹介する。営業すると言うと直接的ですけれども、ご紹介することができる。
先ほど冒頭に言いましたように、法人の、あるいはその他の営業も、リモートでむしろ強烈にアップサイドになることが、この「SoftBank World 2020」で肌でわかりました。
法人事業の成長戦略 当社の強み
法人事業の成長戦略については、デジタル革命を推進する4つの基盤を、これからも徹底的に強化していこうと思っています。
1つは、デジタルコミュニケーションです。これについては、欧米の企業とものすごくパートナーシップを持っています。彼らと、とりわけ「Slack」・「Zoom」については、我々も社内で「Slack」をガンガン使いまくっていますけれども、Microsoftの「Teams」とか、Googleとも「LINE WORKS」も、いろんなものをエコシステムのように使っています。
それからデジタルマーケティングの領域は、これもAdobeの「Marketo」を使うことによって、これが営業活動、無茶苦茶できることがわかりまして、興味のあるセールスリードを引っぱってきます。単にたくさん来たからうれしいのではなくて、「この部分については、何に興味を持っていますか」というのが、Adobeのこのシステムを使うと使えるわけです。
なおかつ、「Cinarra」のロケーションデータやら、そんなものを全部うまく活用して、本当の意味でデジタルマーケティング、デジタルセリング、そしてデジタルオートメーション。これについては、今後、また大きく展開することになると思います。
単純な例で言えば、AIカメラを付けるだけで変わります。今度の新しい我々のオフィスは、AIセンサーとかが1,000個以上付いています。ですから、それによって、昼のランチの場所で混雑状況がどうなっているか、すぐわかるわけです。わざわざ見に行かなくても。単純な例で言えば、そんないろんなことができるということが、つくづく思っています。
その上でもっとも重要な4つ目が、セキュリティ基盤です。ですから、法人事業の成長については、みなさん、ぜひ期待していただけるのではなかろうかと心から思っている次第です。
ヤフー事業 売上高
次に、ヤフーです。ヤフーについては、先日も決算発表で川邊が詳しく話していたと思います。我々の子会社になって、非常に順調に伸び出しました。とりわけ上半期は、広告等のそういったものが落ちて、大変な状況になるのではないかと思っていましたが、蓋を開けてみると、トータルで15パーセントの増収です。
ヤフー事業 営業利益
そして、30パーセントの増益。当然、ZOZOが入っている数字ですけれども、非常に順調な滑り出しになっています。
ヤフー事業 eコマース取扱高
とりわけeコマースが、まだまだこれからZOZOやら、あるいはアスクル、そして「Yahoo!ショッピング」それから「PayPayモール」が、これから一気に広げていく状況になるんですけれども、eコマースの取扱高も、コロナによるEC需要の増加もありましたけれども、26パーセント増ということで、非常に順調に伸びたと思っています。
ヤフー事業 コマース領域
ただ、この数字だけでは満足していないということを、たぶん川邊がみなさんの前で申し上げたと思いますが、この下期はコマース投資を強化して、なにせ「2020年代前半に、eコマース取扱高国内ナンバーワンになる」と、ヤフーの首脳陣は言っています。そんな意味で、ここについては投資を強化して、よりシェアを上げていこうという動きになると説明したと思います。
ヤフー事業 広告関連売上収益
広告も、それこそ観光需要とか、すべてが一時期落ちていましたから、大変なことになるかということで、我々はコンティンジェンシープランで一生懸命検討をしてきましたけれども、結果としては、これも前年を超えることができたということで、第1四半期は少し落ちましたが、第2四半期でまた戻してきている状況であります。
ヤフー事業 メディア領域ソフトバンクシナジー
メディアの営業についても、ソフトバンクとの連携効果もだいぶ出てきました。去年の下期にスタートしました。下期44億円ぐらいでしたが、上期では68億円で、この下期も大変期待できる。実際に営業部隊が増強されて、動き出しています。
「PayPay」 登録ユーザー数
次に、「PayPay」です。スマホの決済サービス。これは2年ちょっとでございますけれども、おかげさまで2018年10月からちょうど2年、3,300万人を突破しました。我々としては、この短期間でここまで伸びたのは、我々の経験の中では最大でございます。
「PayPay」 決済回数
決済回数も、1年間で5倍。4.9億回です。実際に使っていただいている方がいっぱいいる。全国津々浦々、いろいろなところに私も行きますけれども、非常に増えてきました。二百数十万ヶ所ですけれども、「PayPay」が使えるところが増えました。そういう意味では、実際に使われている「PayPay」だということであります。
PayPayプラットフォーム戦略
従来もこの「PayPay」の全体の絵をお見せしましたけれども、まさにここに書いていますとおり、これからシナジー事業がナンバーワン。特にこれだけの数が増える。そして店舗数が増える。260万ヶ所でした。認知率が高い。どこを歩いていても、「『PayPay』が使えます」と書いてある赤い看板がある。
こういったことを、今はQR決済中心ですけれども、ここからはいよいよ本格的に金融サービス、あるいはこの上でのeコマース、モバイル。そういう意味でのスーパーアプリに、どんどんなっていっていると思っても間違いないのではないかと思っています。
「PayPay」×コマース・モバイル
そんな中で、「PayPay」とコマース・モバイルについてのロイヤリティプログラムをやっていまして、これでグループのシナジーをより強化していきます。
「PayPay」は非常にユニバーサルサービスで、どなたも使えるようになっていますが、一方で、「Yahoo!ID」と連携するとか、「Yahoo!」サービスをeコマース、ショッピング買うとか、クレジットカード、あるいはプレミアム会員、あるいはソフトバンクのスマホユーザーならということで、いろんな使い方をすると最大20パーセント戻ってくるという、大胆なシナジープログラムをやっている次第です。
「PayPay銀行」 (現・㈱ジャパンネット銀行)①
さらには、ジャパンネット銀行はもうすぐ名前がPayPay銀行に変わりますが、これももうすでにチャージとか、いろんなところで、残高連携とか。そのうちこれが、今もお金を借りることはできるわけですけれども、お金を借りる部分も強化していきます。
「PayPay銀行」 (現・㈱ジャパンネット銀行)②
そして、これをやり出したことによって、2年でジャパンネット銀行の口座数が1.7倍。さらには法人口座も4.4倍で、いかにスーパーアプリの威力は強いと、つくづく思う次第です。
「PayPay証券」 (現・ワンタップバイ㈱)①
次に、「One Tap BUY」。これはソフトバンクとみずほ証券のジョイントベンチャーですけれども、これもまだ、この上で株が買える段階には入っていませんけれども、「ボーナス運用」を始めました。要するに、「PayPay」で買ったボーナスを資産運用する。これを「One Tap BUY」で、チャレンジコース・スタンダードコースがあります。
「PayPay証券」 (現・ワンタップバイ㈱)②
僕もやっているのですが、これを始めて、驚くべき数字が出てきました。たった90日間で、100万人の人が活用していただいているんです。今現在が160万人。ほとんどの人が30代以下の方で、ボーナスを貯めていこうとされています。
「PayPayポイント」みたいなものですけれども、「PayPayボーナス」を運用するということ。資産運用サービス。これは、ある意味での導入実験プロジェクトのようなものですけれども、現実にはこういったかたちで動き出しました。
PayPayを中心とした 金融エコシステムの形成を目指す
これが次のステップ、PayPay証券となった時に、次のステップについてはまた後ほど、中山が発表することだと思いますけれども、いずれにせよ、「PayPay」を中心とした金融のエコシステムをじわじわと広げていっています。
顧客はドンと広げ、そしてその中のサービスを徐々に、どんどん金融エコシステムを作っていくことを、Zホールディングスならびにソフトバンク、PayPayで一緒になって、力を合わせて拡大していこうという状況です。
ソフトバンクの成長戦略①
今までが、非通信の拡大のお話でありました。次には、通信の成長についてお話ししたいと思います。
コンシューマ事業 売上高①
コンシューマ事業。端末販売は少し減少しました。モバイルであったり、ブロードバンドであったり、「でんき」であったり、サービス売上は増加しました。
コンシューマ事業 営業利益②
そんな意味で、利益もわずかであれ、堅調に推移しました。
コンシューマ事業①
我々は最近、これを細かく分類しています。通信。純粋な通信ビジネス。去年から、完全に端末と通信は分離されてきました。
ですから、そういう意味で言うと、コンシューマのビジネスの中はどういう構造になっているか。モバイル通信料・モバイル付加サービス・「でんき」・ブロードバンド・物販も、非常に伸びています。これが全部分解しました。営業利益も分解しています。
コンシューマ事業②
よく「値下げがあったら大変なことになるのではないか」といろんな方々に、マスコミも含めて書かれますけれども、当然、我々はお客さまあってのビジネスです。ですから、お客さまの信頼と、お客さまの喜んでいただけるサービスを提供しなければいけないと思いますし、通信料も然りです。
我々のコンシューマ事業の中も、全体的に売上も営業利益も伸びていますけれども、モバイル通信だけを見ると、ここにありますように、45パーセントから29パーセント、56パーセントから38パーセントとなっています。
私がちょうど社長になった時から比べると、そんなかたちで推移してきて、法人とかヤフーとか、そういうコンシューマ事業以外の部分も大きくなってきている。冒頭に言いましたように、事業の多様化によって何が起こっても、我々の事業は堅調に増益させていく、ということを描いている絵でございます。
大容量データプランの変遷
今まで、大容量データプランの変遷と言うか、携帯料金低廉化は取り組んできました。それこそ今から考えると、2015年頃までは「ホワイトプラン」はたったの7ギガバイトだったんです。「ギガモンスター」は20ギガバイト、それから「ウルトラギガモンスター」にして50ギガバイト。どんどん我々のネットワークトラフィックは、非常にたくさん使われています。
それぐらい我々のユーザーは、動画を見放題とかやりましたもので、ガンガン動画を見られる方、特に「動画SNS放題」をやり始めて、たくさん見ていただいている方がいっぱいいます。そんな中で、「使わない月は高い」とか言われる意見があったので、「メリハリプラン」を出して、使わない時は勝手に1,500円を値引くとかをやり出したわけです。
1ギガあたり単価の変遷(データ料金ベース)
1ギガバイト当たりの単価を見ますと、「ホワイトプラン」の時はギガバイト単価814円。7ギガバイトを超えると1,000円取っていました。そういう料金をやっていたわけですけれども、現実には5年前に比べると、ギガバイト当たりの単価はこんな感じで、80パーセント以上だと思います。「動画SNS放題」が入っていますから、それはカウントしていません。そういうことをやってきました。
マルチブランド戦略
なおかつ、マルチブランド戦略を徹底的にやりました。「Y!mobile」は5年前からスタートしました。中容量・低価格。その後、「LINE MOBILE」も2年ぐらい前にスタートしました。この3つのブランドによって、「シンプルにしろ」というご意見もありますけれども、お客さまによっていろんな選ぶものがあったほうがいいのではないかと、私は思っている次第です。
低価格の大容量データ新プランを発表
今回も発表しましたとおり、20ギガバイトの大容量を月々4,480円。これは通話料も込み込みで、非常にシンプルなかたちです。「Y!mobile」のブランドで出しました。今、小容量から大容量で絵を描くと、こんな感じになるわけです。
3ギガバイトで2,500円、10ギガバイトで3,500円、20ギガバイトで4,400円、そして50ギガバイトで8,030円ですけど、実際には平均で見ると6,400円です。ですから、今回「シンプル20」を作ったのは、よくよく考えてみると、真ん中ができて、お客さんにとってはいいことをしただろうと心から思っている次第であります。
携帯電話業界のさらなる活性化へ
同時に去年、思い切って契約解除料はゼロにしました。2021年の春までに、MNPの転出手数料もゼロにします。そんなことで、我々としては携帯電話業界、みなさんにとって使いやすいものを作っていこうと思います。
ユーザー1人あたりの平均単価
さらには、ユーザー1人当たりの平均単価も、これが一番スッキリした絵なんですけれども、いろんな割引前。昔は端末とリンクしていました。割引前で考えると、当時は5,720円ぐらいだったのが、今は4,750円で、1,000円ぐらいダウンしています。我々の場合は特に、「Y!mobile」を早くから出して、低価格なブランドを出したこともありまして、こういう結果になっています。
スマートフォン 累計契約数①
ただ、一方で申し上げたいのは、「Y!mobile」を出して「Y!mobile」だけが伸びたかと言うと、そうではなくて、ソフトバンクのブランドも順調に伸びていまして、「LINE MOBILE」も伸びています。カニバリゼーションは、昔はありましたけれども、今はお店も1,700店。3,000店のうち、ほぼ6割近くが両ブランドを扱っています。「LINE MOBILE」はインターネット中心ですので。
「Y!mobile」は5年で5倍ぐらい伸びて、トータルでも1.5倍伸びている。そういう意味で、スマホのユーザー数は2,500万件、毎年200万件ずつぐらい伸びてきている状況であります。
モバイル通信料 売上高
ですから、モバイルの通信料の売上高を見ますと、2015年から3年間落ちました。これはなぜかと言うと、「Y!mobile」を入れたり、低価格化したからです。ただ、一方で、一時的には減収しますけれども、その後、数が増えますと、我々のビジネスは数掛けるARPUですから、そういう意味では順調に伸びました。
これからも私は申し上げたいのは、「20ギガバイトプランが出ると減収になるのではないか」とご心配されている方がおられるかもしれませんが、若干ARPUが落ちても、数を伸ばしていくことによってトータルの収入は増えていくという計算を、私はそういうかたちでやっていきたいと思っています。
スマートフォン 累計契約数②
スマートフォンの累計契約数は、なんとしても3,000万件。これも、もしかしたら早倒しにできるかもしれない。あるいはその後も広げていくことを、事業としては考えている次第であります。
次世代ネットワークの展開へ
次世代のネットワークの展開についても、今日は宮川も来てもらいました。特に今日、急に1面記事で出てしまっていますので。
ネットワーク投資①
この間まで、ソフトバンク株式会社は赤字企業だったんです。2005年でVodafoneが入って、Vodafoneの時でたったの718億円の営業利益です。当時の競合他社の10分の1です。他社の比較は、出すのは失礼なので出しません。
それが昨年、9,100億円まで来た。これは、いろんな努力をしたからです。その間に14年間で、宮川が中心なんですけれども、設備投資でも5兆円かけました。これでも他社よりもコスト削減しながらがんばったつもりですけれども、そのおかげで、我々の事業は設備投資を徹底的にして、お客さんにとって使いやすい環境を作っていくことが非常に重要です。
ネットワーク投資②
そのおかげで、みなさんもご存知のように、我々は世界レベルの最高の品質を取りました。特に大事なのは、この2つです。音声アプリ部門とビデオ体感部門です。サクサク動くのと、音声がバッチリ。これは世界で1番。当然、日本でも1番ですけど。それから、ビデオも世界で3番。国内は1番です。これが、世界最高レベルの品質を実現したということであります。
基地局サイト数も、基地局は1個の中に3個付けると3ヶ所と計算しますけれども、僕らが言っているのはロケーションです。ロケーションは23万ヶ所にまで増えたわけです。ですから、今後の5G戦略において、我々は非常にいい場所にいます。
次世代ネットワーク投資
5G・6Gも含めて、これから10年間で2.2兆円を投資をする予定です。これは特に、真ん中の5Gの端末、コンシューマも大事ですけれども、法人が大事なんです。本格的な5Gが全国ベース、津々浦々全部つながることを達成しますと、本当の意味で地方行政から企業、工場、あるいは物流、全部デジタルシフトできます。これが大きな狙いであります。
そして当然、それ以外にも「HAPS MOBILE」も含めて実験成功していますけれども、完全圏外のない世界を作る。我々はコアとしての事業で、次世代のネットワーク投資を徹底的にする覚悟をしている次第です。
ソフトバンクの成長戦略②
超高速・大容量、多数同時接続です。超低遅延。特にこの2つが非常に重要で、そのへんができると、初めて自動運転やらスマートシティ、いろんなものができてきます。
そういう意味で、5Gは先端技術の要だと僕は思っています。これを我々ができることを、非常にうれしいし、誇りに思っています。これをベースに、どうやって成長戦略を描いていくかということが、一番の我々の重要なポイントだと思っています。
2022年度 業績目標
売上高は5.5兆円、営業利益は1兆円、純利益5,300億円を、2022年度、あるいはその前に達成できるかもしれませんが、やっていきたいと思います。私がコミットした内容は、絶対に達成すると思っています。
2022年度までの還元方針
さらには、還元方針も変えません。毎年減配なし、総還元性向は85パーセント程度でがんばっていきます。
情報革命で人々を幸せに
非常に厳しい環境にあった上半期でございますが、まさに情報革命がアクセラレートした。ものすごくスピードを上げた。それに我々は業務内容から、実際に働き方から含めて、全部対応した。これを日本中の企業、あるいは行政組織にも売っていくことができると思っている次第であります。
そんなことで、私の話、ちょっと長くなりましたが、どうもありがとうございました。