2020年3月期決算説明会

宮道建臣氏:平素は格別のご高配をいただき誠にありがとうございます。社長の宮道でございます。

はじめに、このたびの新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々、ご遺族の方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、罹患されている方々や困難な状況におられる方々の1日も早い回復と感染症の早期収束を心よりお祈り申し上げます。

このたびは新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、予定しておりました2020年3月期業績説明会の開催を中止し、動画配信とさせていただきました。業績説明会へのご参加を予定してくださっていたみなさまには大変申し訳ございませんが、なにとぞご理解のほどお願い申し上げます。

現在、世界経済に大きな影響を及ぼしている新型コロナウイルス感染症に関しては、当社グループも少なからぬ影響を受けています。業績への影響を慎重に見極めているところではありますが、今後の感染症拡大の収束時期や影響範囲の予測が困難であり、業績予想を合理的に算定することが難しい状況です。

そのため、本来予定していました2021年3月期の業績予想および2022中期経営計画の計数計画は、現時点では未定とします。今後、業績への影響を慎重に見極め、合理的な予想が可能となった時点で速やかに開示いたします。なにとぞご理解のほど、お願い申し上げます。

2019中計実績

それでは、当社グループの経営の現況についてご説明します。本日は2019中期経営計画の総括および本年度より開始しています2022中期経営計画の取り組みをご説明します。

なお、これより中期経営計画は「中計」と略してご報告します。また、表示の金額については、すべて「億円」未満は四捨五入での表示となっています。

まず、2019中計の総括についてご説明します。スライドは2019中計期間の業績を示しており、2019中計では2017年度から2018年度は増収増益で、営業利益において7期連続で最高益を更新しました。

最終年度である2019年度は対前年度で減収減益となりましたが、2019中計で掲げた営業利益ならびに営業利益率は達成できました。

売上高・営業利益の推移

こちらは、売上高と営業利益の推移と2019中計値をグラフ化したものです。緑色の棒グラフと折れ線グラフは2019中計の計画値、オレンジ色の棒グラフと折れ線グラフは実績値を示しており、中計期間の3期において営業利益計画を達成できました。

2017年度から2018年度は高機能・高付加価値製品の拡販など各種施策への取り組みに加え、外部環境にも恵まれた結果、増収増益を達成しました。

しかし、2019年度は原燃料影響や固定費減など増益要因があったものの、米中貿易摩擦の激化や中国経済の成長鈍化による販売減などの減益要因に加え、年明け以降は新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、対前年で減収減益となりました。

営業利益・営業利益率の推移

こちらは、営業利益と営業利益率の推移を示したグラフです。青色の折れ線グラフで示している営業利益率は、高機能・高付加価値製品の拡販と生産性向上によるコスト低減などの施策により、2019中計期間3期にわたり14パーセント以上を達成しました。

セグメント別売上高の推移

こちらは売上高推移をセグメント別に示しています。オレンジ色の棒グラフの機能化学品セグメントは、2017年度から2018年度は脂肪酸誘導体、界面活性剤、特殊防錆処理剤の売上高が伸長しました。しかし最終年度は、計画値は達成したものの対前年で減収となりました。

緑色の棒グラフのライフサイエンスセグメントは、DDS医薬用製剤原料の堅調な出荷により3年連続で増収となり、計画値も達成しました。青色の棒グラフの化薬セグメントは、2017年度の落ち込みから回復に時間を要しており、計画値には届きませんでした。

高機能・高付加価値製品の売上高推移

次に、高機能・高付加価値製品の売上高の推移です。2019年度は2016年度と比較して売上高で73億円の増加、伸長率は12パーセントとなりました。2019中計の利益計画の達成には、高機能・高付加価値製品の販売増加が寄与しました。

海外売上高推移

海外売上高の推移になります。2019中計では、海外営業要員の増強やナショナルスタッフの活用などの施策を展開することにより、2017年度から2018年度は海外売上高が伸長しました。しかし、2019年度は中国、アジア市況の低迷の影響により販売が減少し、計画値も達成できませんでした。

営業利益の差異内訳(対2016年度)

2019年度の営業利益における、対2016年度の差異内訳になります。2016年度の営業利益243億円からの増益要因は機能化学品セグメントやライフサイエンスセグメントの増販で34億円、棚卸影響で4億円です。

一方、減益要因は原燃料などのコストアップで7億円、固定費増などで5億円となり、2019年度の営業利益は26億円増益の269億円となりました。

2025年 ありたい姿に向けて

続いて、本年度より開始している2022中計について、取り組みの背景と基本方針についてご説明します。

当社は2025年のありたい姿を「豊かで持続可能な社会実現のため、『ライフ・ヘルスケア』、『電子・情報』、『環境・エネルギー』の3分野において、化学の力で新たな価値を協創する企業グループ」と定めました。目指す3分野における「ライフ・ヘルスケア」は、従来のライフサイエンスからより幅広い分野での価値創造を目的として変更したものです。

棒グラフは過去3回の中計最終年ごとの営業利益の推移を示していますが、目指す3分野に対して高機能・高付加価値製品へのシフトが着実に進んだ結果、2013年から2019年の6年間で100億円以上の営業利益の増加となりました。

次の2025年までの6年間においては、前半の3年間を「StageⅠ」の基盤強化ステージとし、成長分野への積極投資を推進するとともに収益基盤の強化を図ります。そして、後半の「StageⅡ」の収益拡大ステージにおいて、業績拡大を図り成長を持続していきます。

なお、2022中計の計数計画は現時点では未定としますが、新型コロナウイルス感染症の業績への影響を慎重に見極め、合理的な予想が可能となった時点で速やかに開示します。

日油グループの目指す分野

こちらの図は目指す3分野における製品群について示したものです。「ライフ・ヘルスケア」分野は2019中計でも伸長しましたが、2022中計においても引き続き拡大を期待している分野です。技術の進展とともに、健康、医療ニーズが多様化しており、当社の独自素材を生かして事業拡大を図っていきます。

「環境・エネルギー」分野は、有望な環境ソリューション製品が揃っており、活発な需要が見込める中国、アジアを中心に、引き続き拡販を図っていきます。「電子・情報」分野については5G関連やデジタルトランスフォーメーションなど、技術革新が進行中の分野であり、当社グループの素材供給を図っていきます。

日油グループの開発技術と製品群

当社グループの開発技術と製品群の体系図です。当社グループには多岐にわたる事業展開の中で培ったコア技術があり、2019中計では、その組み合わせにより生み出した新しい製品を展開することで目標を達成していきました。

2022中計においてもありたい姿に向け、これまで以上に新製品開発を加速するとともに、顧客需要に素早く対応することで独創的な製品を生み出し、持続可能社会の実現に貢献していきます。

2022中計の基本方針

多様性が重視され、社会環境や仕組みの変化が非常に早い今、中間素材メーカーである当社にはさらに柔軟な発想で多様な素材を生み出すことが求められています。当社グループは2022中計において基本方針を「挑戦と協創」と定め、変化に挑戦し社内外とのシナジーを追求して新しい価値を生み出していきます。

重点課題はお示しする5点です。これらの課題への取り組みを遂行し、さらなる事業革新を進め、国際競争力のある強靭な企業体質を築いていきます。

当社グループは独創性のある製品を国内外の市場に提供できる機能材メーカーとして進化を遂げ、信頼され存在感のある企業グループの実現に向けて、引き続き邁進していきます。

ご報告は以上となりますが、引き続きみなさまにおかれましては日油グループへのご支援、ご高配をお願い申し上げ、私からの報告を終了させていただきます。

連結決算概要

石垣良一氏:日頃より、ご理解、ご支援をたまわりあらためて厚く御礼申し上げます。私は経理部長の石垣でございます。2020年3月期、2019年度決算についてご説明します。

今回のご説明については、新型コロナウイルス感染症の影響により2020年度の業績予想が困難な状況であるため、2019年度決算のみとなります。なお、表示の金額については、すべて「億円」未満四捨五入での表示となっています。

まず、連結決算概要です。2019年度の経営環境については、国際通商問題による中国経済の成長鈍化に加え、国内では期の後半において消費増税や大型台風などにより個人消費が低調に推移しました。年明け以降は新型コロナウイルス感染症の影響により、経済活動の減速が顕著となりました。

過去3期の連結決算の概要をスライドに示していますが、2019年度は売上高、各利益項目ともに昨年の実績を下回る結果となりました。

連結損益計算書

連結損益計算書についてご説明します。2019年度の売上高は1,809億円で、前期に比べ83億円、率にして4.4パーセントの減収となりました。営業利益は269億円で、前期に比べ15億円、率にして5.5パーセントの減益です。経常利益は288億円で、前期に比べ13億円、率にして4.2パーセントの減益となりました。

特別損益では前期に比べ投資有価証券売却益が増加する一方、減損損失が増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益は211億円で、前期に比べ9億円、率にして4.1パーセントの減益となっています。

連結営業利益の差異内訳(対前期)

次に、連結営業利益について、前期との差異要因をご説明します。2018年度の営業利益が284億円、2019年度の営業利益が269億円で15億円の減益です。

赤色で表示している減益要素は増減販の41億円と棚卸影響の6億円です。増益要素は青色で表示していますが、原燃料価格の影響を含むコストダウンが28億円、固定費減他が4億円ありました。これらを合わせて15億円の減益となります。

主要3セグメント実績

主要セグメントの実績について、前期比較でご説明します。機能化学品セグメントの売上高は102億円の減収で、1,173億円となり、営業利益は27億円の減益で、176億円となりました。

脂肪酸誘導体、界面活性剤、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド誘導体、有機過酸化物、ディスプレイ材料、特殊防錆処理剤のすべての製品群において需要が低調であり、売上高は減少しました。

次にライフサイエンスセグメントですが、売上高は26億円の増収で304億円となり、営業利益は11億円の増益で85億円となりました。DDS医薬用製剤原料で、欧米への出荷が増えたことなどにより売上高が増加しました。

化薬セグメントですが、産業用爆薬類、宇宙関連製品の売上高が減少したことなどにより、4億円減収の318億円で、営業利益は1億円減益の19億円となりました。

連結貸借対照表

次に、連結貸借対照表についてご説明します。2020年3月末の総資産は前期末に比べ93億円減少し、2,352億円となりました。主な増減は、現預金で110億円の増加、売上債権は前期末が休日だった影響もあり69億円の減少、投資有価証券は期末の時価評価額が減少したことに加え、一部株式を売却し127億円減少しました。

負債は97億円減少し、565億円となりました。仕入債務が49億円減少したほか、繰延税金負債が投資有価証券の評価減にともない37億円減少しました。

純資産は4億円増加し、1,787億円となりました。株主資本は、当期純利益で211億円のプラス、配当金の支払い71億円および自己株式の取得42億円によるマイナスなどで、差し引き98億円の増加となりました。その他の包括利益累計額は、主に投資有価証券の評価減により94億円減少しています。

連結キャッシュ・フロー計算書

連結キャッシュ・フロー計算書についてご説明します。2019年度の営業活動によるキャッシュ・フローは278億円です。主な内訳は、税金等調整前当期純利益302億円、減価償却費53億円、運転資金の増加31億円と法人税の支払い96億円などによる減少です。

投資活動によるキャッシュ・フローは48億円の支出です。主な内訳は、設備投資の77億円の支出ですが、収入として投資有価証券の売却収入27億円などがありました。

財務活動については、自己株式の取得42億円、配当金の支払い71億円などがあり、113億円の減少となりました。キャッシュの期末残高は、期首から113億円増加し、507億円となりました。

指標推移(1)

当期の主な指標について前期と比較しています。売上高営業利益率は14.9パーセント、売上高経常利益率は15.9パーセントと前期並みとなりましたが、ROAは12パーセント、ROEは11.9パーセントとそれぞれダウンしました。

D/E レシオは0.06倍と、引き続き低水準です。自己資本比率は75.6パーセントと安定的な水準を維持しており、財務状態は堅実に推移しているものと認識しています。

指標推移(2)

1株当たり当期純利益は前期に比べ7.6円減少し、251.7円です。1株当たり純資産は前期に比べ32.2円増加し、2,141円となります。1株当たり配当は前期と同じ78円とする予定で、配当性向は31パーセントになります。3月末における当社株価は3,430円で、PBR1.6倍、PERは13.6倍です。

日油グループの目指す分野

最後に、日油グループの目指す3分野です。事業変化に柔軟に対応し、独創性のある製品を国内外の市場に提供できる機能材メーカーとしてさらなる進化を遂げ、信頼され存在感のある企業グループの実現に努めていきます。

引き続き、ご支援、ご鞭撻をたまわりますようお願い申し上げます。