2019年12月期第3四半期決算説明会

佐藤健太郎氏:みなさま、お忙しいなかお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。社長の佐藤です。それでは、2019年12月期第3四半期の決算について、説明させていただきたいと思います。

本日の決算の要点は、今、もっとも成長を期待している「FREENANCE」の事業に投資を行いつつも、過去最高業績を達成しているということです。

2019年3Q決算概要

まず、第3四半期の決算の概要について説明させていただきます。EC支援事業の業績が拡大したことにより、過去最高の四半期売上高となり、営業利益をはじめとする各段階利益についても、同様に過去最高となっています。

営業利益に関しては、売上高の増加に加えて、今期「minne」のプロモーションコストを抑え、「minne」の事業自体を黒字化するところを目標に掲げていました。その結果としてプロモーションコストが減少し、営業利益が大きく上昇しました。

営業利益増減分析

営業利益は、単体では8億2,700万円という状況でしたが、第2四半期から連結しているGMOクリエイターズネットワークの営業損失を吸収しまして、6億9,200万円という着地となりました。

四半期売上高推移

四半期の売上高の推移も、ご覧のスライドのとおりになっています。2015年から「minne」への投資を始めており、ハンドメイド事業が大きく伸びてきています。

もちろん、既存のインフラサービスも伸びています。とくにEC支援事業も大きく伸びてきており、EC支援事業とハンドメイド事業を合わせますと、ホスティング事業と同じくらいの規模にまで成長している状況です。

四半期営業利益推移

こちらが営業利益の推移です。先ほど申し上げたとおり、2015年から「minne」への積極投資を開始しており、2018年まで投資を行っていました。

2019年は「minne」を黒字化することで、投資前の2014年の水準から見ても伸びている状況です。しかしながら、第2四半期以降にGMOクリエイターズネットワークへの投資を開始していますので、その分で若干利益が下がっているのが今の状況です。

セグメントサマリー

各セグメントの結果はご覧のスライドのとおりになっています。「その他」に関しては「FREENANCE」の事業が含まれております。

ホスティング事業

まず、ホスティング事業について説明させていただきます。売上高は前年同期比で102.9パーセントの34億300万円となりました。営業利益は前年同期比で97.7パーセントの10億4,900万円となり、増収減益となっています。

ホスティング事業(ロリポップ!)

各サービスの状況です。まず「ロリポップ!」の状況ですが、売上高は前年同期比で105.2パーセントの13億5,100万円、営業利益は前年同期比で93.6パーセントの6億6,900万円となりました。

顧客単価が上昇していることが、増収の要因となっています。一方、今期は、契約件数の増加を図るために、プロモーション投資を行うことを計画していますので、その影響で減益になっている状況です。

ホスティング事業(ムームードメイン)

「ムームードメイン」の状況ですが、売上高は前年同期比で101.7パーセントの15億4,200万円、営業利益は前年同期比で114.7パーセントの2億200万円となりました。

ホスティング事業における取り組み(ロリポップ!)①

ホスティング事業の取り組みですが、先ほど申し上げました「ロリポップ!」にて新しいプランを新設しています。こちらのプランは、これまでのプランに比べると2倍ぐらいの価格設定をしているのですが、とくにスピードと安定性の部分を強化しており、このプランを今後の「売り」にしたいと考えています。

ホスティング事業における取り組み(ロリポップ!)②

9月からハイスピードプランを提供開始したのですが、9月の新規契約のうち、7パーセントがハイスピードプランになってきています。

これまでの平均月額利用料金は順調に伸びてきていますので、このハイスピードプランでもう一段、平均利用料金が上がるような施策になるのではないかと見ています。

これ自体はまだ契約件数の増加にはつながっていませんが、単価が上がっていますので、うまくプロモーションを実施して契約件数を伸ばしていくことに注力します。

EC支援事業

EC支援事業ですが、売上高は前年同期比123.1パーセントの18億5,800万円、営業利益は前年同期比104.0パーセントの6億7,100万円となりました。

EC支援事業(カラーミーショップ)

「カラーミーショップ」については、売上高が前年同期比106.5パーセントの10億1,600万円、営業利益が前年同期比105.7パーセントの6億400万円となりました。

契約件数については減少傾向ではあるものの、アップセルやクロスセルを行ったことにより顧客単価が上昇して、売上、利益ともに増加しています。

EC支援事業(SUZURI・Canvath)

オリジナルグッズ作成・販売サービスである「SUZURI」と「Canvath」についてです。売上高は前年同期比で168.4パーセントの6億5,400万円、営業利益が前年同期比で94.0パーセントの6,200万円となりました。

利益に関しては、今期は人員の増員を行い体制を強化しているところであり、減益となっていますが、投資をしている成果としてトップラインが積み上がってきている状況です。

EC支援事業における取り組み(カラーミーショップ)

EC支援事業の取り組み内容です。「カラーミーショップ」は、月額課金ということで、ストック型ビジネスで安定的ではありますが、大きく成長するのがなかなか難しいビジネスモデルです。

店舗数が4万店舗以上ありますので、その店舗に対していくつかのアップセル、クロスセルを行えるプラットフォーム化を目指しているなかで、「アプリストア」の提供を開始しています。

これは、サードパーティでECツールを作っているベンダーに対してプラットフォームを提供し、「カラーミーショップ」のユーザーにアプリケーションを提供していきます。ベンダーはアプリの利用料を受け取り、我々は、プラットフォーム手数料をいただくかたちになっています。

アプリストアの状況

この「アプリストア」の状況ですが、まだまだ全体の件数としては少ないものの、累計インストール数は順調に増加しています。9月末時点では、有料で提供しているアプリケーションが12件あり、年内で20件まで増やしていくことを目指しています。

今月、10月24日に、日本郵政のグループ企業であるJPメディアダイレクトが提供しているアプリケーションの提供を開始しています。

このアプリは、オンラインと言うよりはオフラインのツールに近いのですが、このように我々がECサイトを支援していくなかでいろいろなツールを提供できる機会を持てるようになったところが、1つの強みになると思っています。

EC支援事業における取り組み(SUZURI)

「SUZURI」の状況ですが、流通額は順調に増加してきているところです。詳細につきましては、また後ほど、お話をさせていただければと思います。

ハンドメイド事業

ハンドメイド事業ですが、売上高は前年同期比で105.2パーセントの12億100万円となりました。営業利益については、プロモーションの抑制や収益性改善を行った結果、前年同期比で6億1,400万円増の7,800万円の黒字となっています。

minne 作家数・作品数・アプリDL数

「minne」における各種KPIです。作家数が57万人、作品数が1,039万点、スマホアプリのダウンロード数は1,097万ダウンロードと、引き続き順調に増加している状況です。

minne 流通額・注文単価・注文件数

流通額、注文単価、注文件数ですが、流通額についてはプロモーションを全般的に抑えており、新規獲得のプロモーション、流通に寄与する販促プロモーションを抑えた結果、前年同期比で101.1パーセントという状況です。

プロモーションを抑えた結果、流通額の伸びは現状においては弱いのですが、そこの打ち手として、今まで「CtoCのハンドメイドマーケット」と言っていたところから、8月以降は「ものづくりの総合プラットフォーム」への変革を図っています。

ものづくりの総合プラットフォームへの変革

今までは、それぞれの作家が自分で手作りしたものを、オンラインでCtoCというかたちで「minne」のプラットフォームの中で販売していくというものでした。そのなかで、オーガニックな成長を続けていくにあたり、ターゲットである作家のジャンル、作品、商品のラインナップといったものを増やしていくところです。

またオンライン以外のところで、リアルな対面販売、あるいはワークショップのイベントのように表現する場を拡大していきます。

プラットフォームの売上だけではなく、いろいろなところの接点、タッチングポイントを増やして売上を増やしていこうというところで、今、さまざまな施策を行っている段階です。

minneにおける取り組み

そのなかで、CtoC以外に、「BtoCも増やしていきます」というところを進めている状況で、現在80社に参加いただいています。年内までに150社に参加いただきたいと思っており、法人の販売者に入っていただくことにより、安定的に作品や商品を提供いただくことができます。

CtoCの場合では、どうしても個人の方の手作りとなるため、供給量に限界がありますので、そのような点を解決するための施策として実施しています。

国内FinTech市場推移

続いて、冒頭でも申し上げました「FREENANCE」の状況についてお話をさせていただきます。

まずは簡単に、「FREENANCE」の属するFinTechの市場規模がどのくらいかというところですが、年間平均で52パーセント以上成長している状況で、これからもFinTech自体のさらなる成長が見込まれる状況です。

市場規模

そのなかで我々の狙っている市場の規模はどの程度なのかという話ですが、基本的に我々はフリーランスとして働く方々をターゲットとしています。内閣府が、現在228万人の方が専業のフリーランスであるという統計を出しています。

そこに、ざっくりとですが専業のフリーランスの方々が一般的な平均年収程度の収入があると仮定し、そのうちの5パーセントくらいの方がファクタリングを利用するとすれば5,000億円規模になるのではないかと考えています。

フリーランス向け金融支援事業

「FREENANCE」の事業ですが、どういったものかということであらためてお話をさせていただきます。

世の中では、いろいろな方々が個人でフリーランスをされていらっしゃると思うのですが、そういった方々がお持ちの債権を我々が買い取ります。フリーでお仕事をされていらっしゃる方は企業に勤めていないため、例えば、1人で50万円や100万円のWebサイトの制作案件を受託したとして、納期が2ヶ月であった場合、納品する2か月後まで収入が入ってきません。先にお金が必要であるという場合に、請求書を即日で買い取るといったようなものが「FREENANCE」の事業です。

我々の強みと言いますか、なぜこのビジネスを実現できたかというところですが、「FREENANCE」を展開しているGMOクリエイターズネットワーク自体が、もともとはカメラマンやライターの派遣を行うなど、編集プロダクションのような事業を運営しています。多くの個人の方々、フリーランスの方々のお仕事をサポートしているという特徴があり、そのようななかで「働き方を改善していきたい」というところから生まれたのが「FREENANCE」です。

一方で、「FREENANCE」を利用されるのは、カメラマンやライターだけではなく、プログラマー、エンジニア、デザイナーなど、いろいろな方がいらっしゃるのです。そのような個人で活躍されていらっしゃるクリエイターさんがとくに多いのが我々GMOペパポで、そのようなところでユーザー基盤を共通化して、「ここに集客していきましょう」というかたちです。

GMOインターネットグループ各社とのシナジー

なお、GMOインターネットグループとあおぞら銀行で一緒に立ち上げたGMOあおぞらネット銀行の口座を活用して、API連携によって即座に口座を開設できるようにしています。

またファクタリングですので、取引先に対する与信、あるいは保証といったところは、SMB領域に強みのあるGMOペイメントゲートウェイの仕組みを利用して実現しています。

このようなGMOインターネットグループ各社の強みを活かした取り組みにより、このサービスの提供が実現している状況です。

請求書買取額及び広告宣伝費の推移

現在の「FREENANCE」の状況についてです。請求書買取額はご覧のスライドのとおり、リピーターが7割ぐらいの状況です。新規も積み上がっていますので、初回利用してもらえれば、多くの方がリピートしてくれる状況になってきています。

売上高推移①

GMOクリエイターズネットワークを連結したのが4月からですが、6月以降に広告宣伝費を強化しています。また、我々のユーザーに対する集客も行っていますので、その部分でも買取額がだいぶ増えてきている状況です。その結果として、売上も成長しています。

今後は、我々が持っている顧客基盤、あるいは働き方改革の一環でフリーランスが増えていく状況、またFinTechの流れによって、規模がさらに拡大していくのではないかと見ています。

今後の施策①

今後の施策についてです。今は、フリーランスの方に申し込みをしていただいてからご利用開始までに、若干のタイムラグがあります。さまざまなリスクを排除するために、本人確認も自主的に行っています。このように「KYC(Know Your Customer)」を行うことで時間がかかっているため、オンラインの「eKYC」を導入して、初回利用をスムーズにできるようにします。

そして、freeeのように請求書を持っている金融系のSaaS、あるいはお金を管理するようなサービスとの連携も含めて、利用者を増やしていく、タッチポイントを増やしていきます。

また、仕組みを連携することによって、請求書を発行するときにAPIですぐに「FREENANCE」に飛ばすこともできますので、リピートを増やしていくために他社さまとのサービス連携も強化しています。

スライドには、freeeやマネーツリーを記載していますが、ほかの企業やサービスとの提携もいくつか進めていますので、それが増えていくことによって初回利用が増えていくのではないかと見ています。

また現在は、1万円から1,000万円の買い取り枠を設けていますが、少しずつ与信、スコアリングの精度も上がってくることから買い取り額を引き上げて、平均買取単価も上げられるようなオプションができるのではないかと見ています。

フリーランス人口は増えていきますので、そこに対してGMOインターネットグループ各社とのシナジーを活用して、「FREENANCE」は、とくにフリーランスで働く方向けの金融サービスとしての圧倒的No. 1を目指してまいります。

以上が、「FREENANCE」についての説明となります。

SUZURIとは

今回とくにトップラインの引き上げの要因となっている「SUZURI」について説明させていただきたいと思います。「SUZURI」とは、オンラインでオリジナルのグッズをすぐに作れるサービスです。

一般的にグッズを作るときは、100個、1,000個といったロットで作らなければなりません。また、入稿がすごく面倒だったりもします。

個人が在庫リスクを抱えないといけない、あるいは法人でもよいのですが、在庫を持たないといけないという点がグッズを作るときのハードルになっていますので、「SUZURI」ですべてを簡単にします。

海外事例

海外でも同様のサービスはいくつかあるのですが、我々が正確に数字を出せるところが、オーストラリアで上場されている「Redbubble」です。

多分、アメリカにはこれよりも大きいサービスがいくつかあるため、市場規模としてはもっと大きいと思いますが、現在の我々の流通額はまだ数億円程度で、「Redbubble」でも240億円規模になりますので、我々はまだまだ伸ばしていける余地があるのではないかと見ています。

SUZURIの強み

「SUZURI」にはどういった強みがあるのかについてですが、オンラインでプリントできるサービスは世の中にたくさんあるなかで、なぜ「SUZURI」が強いのかについてです。

我々は今まで、インターネットのサービスをいくつか運用してきて、個人の方が簡単に表現できる仕組みを作ってきましたので、それらをうまく活用して、シンプルにグッズができる仕組みを作ったことが1つ目の強みです。

とくに今、InstagramやTwitterなどのSNSでフォロワー数が多いイラストレーターさん、あるいはインフルエンサーの方々が自分のグッズを作りたいといった場合に、我々を選んでいただけるように集客しており、どんどんソーシャルで獲得できています。

そのような方々に使っていただき、自分のグッズを作り、それをソーシャルで拡散いただくことで、購入してくれる人がたくさん訪れることが強みです。

また、提携している工場や素材メーカーとも話をして、クオリティの高いアイテムをコンスタントに提供できる体制であったり、先ほど申し上げたインフルエンサーのような方々とのコラボレーションによって新しい企画を実施するなど、マーケティングもできるような組織体制を構築できたことが「SUZURI」が伸びているポイントになっています。

売上高推移②

その結果、売上も順調に伸びており、2019年に関しては前年対比で2倍以上の成長になると見込んでいます。

今後の施策②

この事業において、今後どういった施策を取っていくのかについてです。今、スマホアプリはそれほど強くはありません。iOS版は提供しているのですが、Android版がないといったことがありますので、まずはスマホアプリを強化することで、購入体験を向上させていきます。

また、作成可能なアイテムを増やしていきます。今は、何でもかんでも作れるわけではなく、作れるアイテムを選定しています。

よくあるプリントサイトでは「いろいろなものが作れます」ということで、すごい数のラインナップがあります。そうなると、何を作っていいのかわからないですし、作ったものがすごくカッコ悪いみたいなことになってくるため、「SUZURIで作れば、絶対にカッコよくなる」ようなものを提供しようということで、アイテム数はすごく絞っています。

そのため、アイテムを追加するときには、しっかりとしたいいものが出来上がるようにしています。そうすることによって、インフルエンサーの方々にも「ここで作るなら、いいものができる」と思っていただけると考えています。

そうしたところに手をかけて、良質な作成可能なアイテムを増やしていくことで商品数が増加します。

クリエイター数及び流通額の推移

そして、やはり作っていただける方々を増やすことが重要です。もちろんイラストレーターもそうなのですが、現在とくに強化しているのがインフルエンサーの方、フォロワーが多いYouTubeやeスポーツのプレイヤーなどの新たな領域を開拓しています。

フォロワーが多い方たちが入ってくることで、フォロワーの方たちが購入してくれますので、購入数の増加につながる施策となっています。

クリエイター支援

2014年からのクリエイター数の推移を見ると、2018年からだいぶクリエイターが増えてきています。その結果、流通額も伸びてきている状況ですので、やはりクリエイターを増やしていくのが「SUZURI」のビジネスでは重要であると認識しています。

そのようななかで、「SUZURI」で活躍されている人、あるいはまだ活躍されていない人、これから使っていただけそうな人たちに対してコラボレーションを企画し、実施しています。

「SUZURI」から「一緒にやりませんか?」とアプローチし、イベントに参加いただいたり、いろいろなクリエイターがリアルでイベントを開催されていますので、そのようなところとタイアップをしたり、イベントのお手伝いをすることで関係を築いています。

また、「SUZURI」で活躍していらっしゃるクリエイターが自分の活動領域を広げるため法人化し、新しい領域に進出しするための支援として、本日、資本提携させていただきました。「サポートしますので、クリエイターとしてどんどん活躍していってください」ということでお手伝いをしています。

クリエイターを増やして支援していくことで、「SUZURI」のクリエイターが増えていき、結果として購入者も増えていく仕組みが出来上がるのではないかと思っています。

成長戦略としての基本方針

サーバーホスティングを提供していたときからなのですが、個人の方々が表現活動する際に必要となるインフラやアプリケーションのプラットフォームを提供しています。

今後も我々のサービスを使っていただいているユーザーに対して、さまざまなソリューションを提供できるかたちを目指していきたいと思っています。

作れるものを増やすこともそうですし、金融領域のサービス、あるいはクリエイターの方が活動の幅を広げたいときに投資していくなど、表現活動を支援する企業として、ユーザー数を圧倒的に増やしていきたいと考えています。

以上、第3四半期の決算概要と今後の戦略についてお話をさせていただきました。ご清聴、ありがとうございました。