2020年2月期第2四半期損益計算書

島需一氏:本日は株式会社ハイデイ日高の2020年2月期第2四半期決算説明会にお越しいただき、ありがとうございます。それでは、2020年2月期第2四半期決算の損益計算書の概要についてご説明します。

まず、(こちらのスライドには2020年2月期第2四半期損益計算書を掲載しています)スライドの表の1番上の項目に売上高を記載していますが、今期の売上高は211億200万円となりました。前年同期の売上高は211億円500万円であり、残念ながら今期の売上高は前年同期より300万円下回りました。

2019年4月に通期の決算発表を行いましたが、今期の決算予測は217億円(となる計画)だったため、計画に対しては約6億円の未達となります。次のスライドでご説明しますが、要因としては通期の既存店売上高の計画に対して、(今期の売上高は)パーセンテージにて97.2パーセントとなり、約3パーセントの未達となりました。前年同期の売上高から計算すると、約3パーセント分である6億円のマイナスとなった結果、当初の計画である217億円に達しなかった理由となります。既存店売上高は8年連続で前年比より100パーセント以上となる売上を記録しておりましたが、残念ながら2020年2月期上半期の既存店売上高は97.2パーセントとなり、前年度を下回ったことが計画未達の最大の要因となります。

次に、売上高が下回った要因についてご説明します。1つ目が人手不足の影響により夜間の営業時間を短縮したこと、2つ目が政府による働き方改革の影響で残業時間が減り、お客さまが早く帰宅されるようになったことです。残業時間の減少により残業代が減少し、結果として可処分所得が減少したことも考えられます。そういった意味では、帰りに一杯飲もうという方も減っているのではないかと思います。当社はランチタイム営業の売上も若干減少しておりますが、前年対比で見ると夜間の売上が大きく減少したのが、要因でございます。

また、人手不足の関係で営業時間を短くした店舗の数は多くございます。われわれはドミナント出店をしており、例えば、池袋駅周辺にわれわれの店が6店舗存在して、その8店舗全てを24時間営業にすると無駄が生じるので、そのうち2、3店舗の営業時間を短くした結果、(売上高が減少するという)影響があります。今回たまたま池袋駅を例として挙げましたが、あちらこちらの駅でこのような状況が発生しております。これに対しては、2020年2月期下半期はさまざまな取り組みにより、売上高を挽回する方法を実行する段階となります。

次に、原価率についてご説明します。前年同期の売上高に対する原価率は27パーセントでしたが、今期は27.2パーセントとなり、0.2ポイント上昇しております。こちらは短信のなかにも記載しているように、たいした金額ではないものの、野菜のうちキャベツと白菜の原価が前年対比で合わせて2,000万円上昇した影響もあります。

そして、なによりも原価率を押し上げた要因は生ビールとなります。われわれは、通常定価330円で中ジョッキ一杯を販売していたときに、ハッピーアワーで290円に値段を引き下げて提供していましたが、2019年3月の半ばからオールタイム290円で提供しております。税込330円のものを税込290円で販売した関係で、販売価格は約12パーセント下がることになります。2020年2月期上半期におけるアルコールの売上比率は全体の約7パーセントとなり、そのなかで1番大きな割合を占めるのは生ビールの売上となるため、結果として原価率を27パーセントから27.2パーセントに押し上げることになりました。ただ、当初の計画では原価は27.3パーセントか27.4パーセントとなる見込みだと考えていたため、計画に対してはよい数字となりましたが、前年同期よりは上昇したことになります。

次に、販管費についてご説明します。短信では人件費を別途記載しておりませんでしたが、今期の人件費は約1億3,000万円となり、前年同期よりも上昇しました。売上高が前年同期よりも300万円減少し、人件費が1億3,000万円上昇した結果、人件費の売上高に対する構成比は前年同期の35.2パーセントから今期は35.9パーセントとなり、0.7ポイント上昇しました。

また、その他経費の売上高に対する構成比も、前年同期の25.6パーセントから今期は26.1パーセントとなり、0.5ポイント上昇しました。2019年4月にもご説明したように、こちらの数字は光熱費・電気代・ガス代が含まれることになります。

われわれは、すべての電気を東京電力から購入しており、約90パーセントのガスを東京ガスから購入しています。みなさまもご存知のように、この両社には燃料費調整制度が存在し、毎月の調整価格が変動します。2019年2月期と比較すると、2020年2月期第1四半期の光熱費は高く、2020年2月期第2四半期の光熱費は低い結果となりましたが、既存店売上高が計画に対して97.2パーセントとなった影響で光熱費の売上高に対する比率が上昇し、いわゆる固定費負担が増加したことになります。

また、今期のその他経費は約1億円上昇しましたが、このうちの6割が光熱費の上昇分となり、残りの4割のほぼすべては賃借料の上昇分となります。われわれは2020年2月期上半期に10店舗出店し、3店舗を閉鎖しております。2019年2月期末より7店舗増えた分の賃借料の関係で、その他経費が4,000万円増加いたしました。以上の結果を踏まえると、原価上昇分が約4,500万円、人件費上昇分が1億3,000万円、その他経費が1億円上昇したことになり(合計金額が営業利益の減少に直結し)ます。

(次に、営業利益についてご説明します)今期の営業利益は残念ながら前年同期より2億8,000万円マイナスの22億8,000万円となりました。当初の計画では26億円だったため、3億2,000万円の未達となります。この数字は先ほどまでご説明した内容の数字を合計していただくと、ほぼこの数字が出てくると思います。

当社は東証二部上場以来、上半期とはいえ利益が減少したのは、はじめてのことになります。以前、JASDAQに上場していたころを考えても、残念ですが、おそらく18年ぶりに営業利益が減少することになりました。それでも、さまざまな低コストオペレーションを徹底しているおかげで、10.8パーセントの営業利益は確保できております。このことが2020年2月期上半期決算の1番の概要となりますが、今後はなんとかして、2桁台の営業利益は維持していきたいと思っています。

また、営業外利益や営業外費用については金額が小さく、とくに説明する内容はございません。

次に、(経常利益についてご説明します)スライドの表には前年同期の特別利益の項目には200万円と掲載されていますが、実際の金額は299万円となります。(前年同期は)売却益が少しありましたが、今期はそういったものはございませんでした。

また、前年度の特別損失は1,400万円でしたが、今期は4,400万円となります。短信にも掲載したように、この4,400万円のうち約1,300万円は、現在営業中の店舗のうち収益が赤字である店舗を減損処理した際に発生した減損損失となります。この1,300万円のなかには、今年度中に閉鎖する店舗が含まれることになります。(例えば)2019年10月や11月に閉鎖する店舗では、閉鎖前までの毎月の収益では回収できない投資があるので、これを減損損失として処理しています。以上の理由から、2020年2月期上半期の決算には来年以降も営業を続ける店舗の減損損失は含まれないことになります。最近オープンした店舗を除くと、(収益の)足を引っ張るような店舗は存在しないことを申し上げたいと思います。

また、特別損失のうち、減損損失を差し引いた残りの3,000万円ほどは、5銘柄ほど所有している制作保有株のうち、ある銀行の株価が2019年8月末に取得原価と比べた場合、かなり下落したため、その株式について3,000万円の減損処理を行ったという内容となります。

以上、簡単ですが損益計算書の概要についての説明となります。

最近1年の既存店売上高前期比の動向

次に、最近1年の既存店売上高前期比の動向についてご説明します。

先ほど、2020年2月期上半期の既存店売上が97.2パーセントになったと申し上げたように、スライドの表に下側にある赤色の折れ線グラフとして記載した今期の既存店売上高は、2019年3月から8月にかけての6ヶ月すべてにわたって100パーセントに届かなかったことになります。

また、表の上側にある青色の折れ線グラフは1年前の既存店売上高のグラフとなり、こちらをご覧いただきたいのですが、前年度の上半期は前々年度と比較して、常に100パーセントを超えていたことになります。

通期の既存店売上高の計画は、(達成するのは)非常に厳しいものとしてスタートしております。残念ながら前年度と比較した場合、売上高は減少しましたが、前々年度と比較した場合、(今年度の売上は)約98パーセントから99パーセントとなります。2年間あまり成長がないのではないかというご指摘のとおり、(当社の売上高は)残念ながら2年前の水準に戻ったことになりますが、これを踏まえて努力していきたいというのが、現在のわれわれの姿勢となります。

営業利益 変動要因

次に営業利益の変動要因についてご説明します。こちらのグラフは前年同期の営業利益から、今期の営業利益を分解したものになります。まず、このグラフには修正すべき点があり、「その他経費の増加 衛生管理費、荷造運送費等」の1億8,200万円には、原価率の上昇分が含まれることになるとお伝えします。

(先ほどご説明したように)前年同期の売上高に対する原価率は27パーセントでしたが、今期は27.2パーセントとなります。「その他経費の増加 衛生管理費、荷造運送費等」には原価・光熱費・賃貸料の上昇分が含まれることになり(営業利益に対する変動要因として1番大きな影響を与えることになります)。また、こちらには時節柄のことにもなりますが、店舗での万が一の事故を防ぐための衛生管理費の増加や、運送料の増加も含まれることになります。

2019年2月期計画

(次に、2019年2月期計画についてご説明します)

スライドの表で、赤枠で囲っている部分が2019年4月に発表した、われわれの年間計画となります。こちらは年間計画の表となり、2020年2月期上半期の数字を並べて掲載できればよかったのですが、2020年2月期の売上高計画である435億円を達成するためには、この下半期で224億円の売上高を達成する必要があります。

2020年2月期上半期の売上高は211億円であり、下半期の売上高を約13億円増やせば計画は達成できます。13億円を6で割ると約2億1700万円となり(こちらの金額が1ヶ月に増やすべき目標となります)。われわれは現在1ヶ月に35億円の売上があり、約6パーセント弱売上が増加すれば達成できる数字になるため、現時点では計画の見直しをするのは早いと判断し、現時点では修正を行わないことにします。

現在、これから社長の高橋がお話しする「餃子キャンペーン」を行なっており、こちらの動きを見ながら売上高を訂正する必要があるなら、その段階で発表したいと思っています。

また、営業利益は48億円という計画になりますが、営業利益率を前年同期と比較すると、ほぼ横ばいとなる11パーセントとなります。先ほどご説明したように、2020年2月期上半期の営業利益率は10.8パーセントとなるため、下半期の営業利益率が11.2パーセントとなれば、この数字が達成できることになります。以上の結果より、現時点ではこの年間計画は達成できる水準になりますので、見直しは行いません。

また、原価については、毎年10月や11月に上がっていた業務用米の価格が、今年度は小幅の上昇になると見ております。先ほど申し上げたように、年間を通じた原価率は27.3パーセントから27.4パーセントとなると見ており、下半期の原価率は上半期の原価率である27.2パーセントを上回るような要因は、ほぼ存在しないと思っています。

逆に原価が若干下がるものとして、例として小麦粉が挙げられます。月間にして1,000万円に満たないほどであり、たいした金額ではありませんが、2019年10月以降の製粉会社からの政府売渡価格が下がることになり、原価として反映されることになります。ただ1つ気になることは、新聞等で報道されている、みなさまもご存知の豚コレラ問題です。現時点では国内市場(の影響はなく)、われわれが長い取引を続けている業者からの値上げの話はありません。変動要因のひとつとして、こういったことがある可能性もありますが、現時点では原価率の見直しを行う必要はないと判断したため、年間計画についても見直しは行いません。

ただ、短信でお知らせしたように、店舗数につきましては年間で30店舗の新規店舗を出すという目標でしたが、現時点では人手不足の影響もあり、無理な出店を避けるために年間で25店舗の出店という計画に下方修正した結果、新規店舗数は年間計画より下回る数字になりました。新規店舗を出店する際には、既存店の近くの場所であっても良い場所であれば出店し、既存店は閉鎖して収益性を上げることがこれまで一貫したわれわれの方針となります。2020年2月期下半期についても、後ほどご説明する資料には現在決まっているもの、公開してもいいと判断したものについては掲載しております。2020年2月期下半期では、無理な出店は避けていこうと考えております。

期間限定メニューの紹介①

高橋均氏:それでは、私から期間限定メニューについてご説明いたします。

まず、スライド右側の大宮担々麺についてご説明します。こちらは新メニューとして投入したものとなりますが、(いままでのメニューとは)少し味の嗜好も変えており、(われわれのメニューとしては)はじめて辛さが調節できるメニューとなります。

こちらのメニューはうんと辛い味を求める方には辛子を調節して、好きな辛さにして召し上がっていただくものになります。内容としては、とくにザーサイをふんだんに使っており、肉・玉子・玉ねぎに、(薬味として)ごま・ニラ・にんにく・唐辛子が用いられたメニューとなります。(このメニューには)多くの注文がありました。また、ネーミングについては、なぜ商品名に大宮が入っているのかという問い合わせを多くいただいておりますが、この大宮坦々麺はハイデイ日高の発祥地である、さいたま市大宮区より命名しております。

次に、スライド左側の定番メニューである黒酢冷やし麺についてご説明します。こちらは黒酢とリンゴ酢で仕上げて作ったメニューとなります。ただ、2019年7月はたいへん雨が多く、こちらのメニューが注文されることはあまりありませんでしたが、8月になってはじめて本調子になり、こちらのメニューが(多く)注文されることになりました。

期間限定メニューの紹介②

次に、スライド左側のガパオ汁なし麺についてご説明します。多くのお客さまより、なぜ日高屋でガパオ(というタイ料理)をはじめたのかという質問をいただきました。このガパオ汁なし麺をメニューに入れたのは、新しいお客さんの獲得のためです。

(ガパオ汁なし麺の導入経緯についてご説明します)日高屋ではバジルチキンライスという(ご飯の上にガパオをかけた)メニューを提供していますが、賄いで麺とガパオを一緒にかけてみたところ、とても相性がいいという声があったので、それを試してみたところ、たいへんおいしく食べることができたため、メニューとしてガパオ汁なし麺を追加投入することにしました。

次に、スライド右側の定番メニューであるごま味噌冷やしについてご説明します。ここ2年ほどのメニューとなりますが、いつ食べても飽きないため、とても評判がいいメニューとなります。こちらも、2019年も同じく8月以降に数が出たメニューです。

期間限定メニューの紹介③

次に、人気メニューであるモツ野菜ラーメンについてご説明します。2019年9月2日からはじめたメニューとなりますが、こちらには豚モツが100グラム入っているほどのボリューム満点の商品であり、野菜とモツを長時間かけてゆっくり煮込むと肉の旨味が出てスープが美味しくなりますので、こちらもたいへん人気が高いメニューのひとつとなります。

既存店売上未達の原因

いつもの説明会では、私からいままでの取り組みや人材採用、従業員の満足度向上といったさまざまな話をしてきました。例えば、600店舗の出店計画の進め方の話や、この先3年間で25店舗を出店する話、QSCについては(社内で資格制度をつくり)社員に資格を取得させることでレベル向上を進めていくといった話をおおいにしていましたが、先ほど島よりご説明したように、16年間継続していた増収増益に少し陰りが見えてまいりました。この状況のなかでわれわれはどうするのかについて、みなさまはご質問があると思いますので、ここに絞って説明いたします。

先ほど、島よりさまざまなご説明がありましたが、このスライドに掲載した5つの項目が、既存店売上未達の大きな原因となります。

まず1つ目が働き方改革となります。当社だけではありませんが、残業がなくなった結果、みなさまは(仕事が終わった後に)早く帰られるようになりました。現在も17時以降の電車は満席となっており、駅員の方が17時あたりで安全のために時間が遅れるというアナウンスがあるように、電車の時間が遅れることもございます。本当にここ1年前と違って、家に早く帰れるようなお客さまが増えております。

みなさまもご存じのように、当社は駅前の一等地に出店しております。とくにサラリーマンのお客さまにはよく利用していただき、ここまで成長することができました。(最近は)サラリーマンの方が早く帰られるので、昼間の時間帯にそれほど影響はありませんが、19時台と22時以降の売上が大きく減少し、22時ごろになると駅前でさえお客さまがあまり見つけることができないという現状となります。また、(これとは別の)大きな1つの要因としては当社においても働き方改革を実施しており、この影響も大きいことになります。居酒屋業界でも当社と同じような数字が出ているという感想があります。

2つ目は駅近くの飲食店のアルコール値下げとなります。われわれは16年前からさまざまなおつまみやアルコールを仕入れて提供しています。みなさまもご存知だと思いますが、最近はチェーン店や個人経営の店という業態に関わらず、駅近くの店舗が当社と同じように、例えば19時までサワーが100円、ウイスキーが190円になるといったように、アルコールの値段を大幅に下げて販売しています。いままではわれわれだけが安く飲める影響が強かった結果(お客さまを集めることができました)。当社の模倣というわけではありませんが、現在に限ってはアルコールの値下げの影響を受けたのが2つ目の原因になると思います。

3つ目は人材不足となります。当社は採用において正社員・パート社員に関わらず、大変な労力をかけております。当社に魅力がないからという(ご指摘が)あると思いますが、最近、当社は1都3県に出店しており、昼間の時間帯に1,500円の時給を支払っている店舗も存在します。夜間の時間帯になると2割5分増しの残業代も発生しますが、このような状況となりあます。

とくに、東京都内の当社の店舗付近にアルバイトスタッフ(の対象となる方)が住んでいないため、募集しても集まりにくい状況となります。時給の高い店舗である、目黒・三軒茶屋・杉田・下北沢・大井町・関内・赤坂の店舗では、時給を上げても人が集まらないという状況となり、こちらも売上未達の原因の1つとなります。

4つ目は(QSCの低下となります)現在の当社の外国人社員は42パーセントという比率になります。お客さまからのクレームとして、外国人は時給が安いという理由から多く雇っているのではないかという話をいただくことがありますが、日本国籍の方も外国籍の方も、仕事の出来不出来に関わらず、時給は同じとなります。このような状況のもと、やはりQSCの低下が発生します。当社は社員教育を行っており、外国人の学生は言葉の理解は可能ですが、日本語を話すことが難しいこともあり、QSCは若干低下します。

ただ、当社は2019年9月1日から新しく採用教育部を設けており、こちらで正社員とパート社員を採用し、教育トレーナーを巻き込んだうえでさらに時間をかけて一緒になって教育し、退職を防ぐといった取り組みをしております。採用教育部はこちらの取り組みを1つの部署で行うために発足したものとなりますので、これからは多少ながらも効果が出るのではないかと思っています。

5つ目は営業時間の短縮となります。現在、人材は不足しているものの、労協を破るわけにはいかないので、154店舗で時間短縮を行なっています。こちらが先ほどご説明した目標未達のうち、1パーセントほどの数字に影響を与えています。

また、(少し話が変わりますが)前回の説明会では、みなさまに券売機の話をご説明しましたが、今回、券売機からタッチパネルへの変更を行った(事例があるのでご紹介します)。券売機の良さというものはあるものの、日高屋のメニューはたくさんあるので探しにくい、メニューの追加が難しい、席を立って券売機の前に行く必要があるので注文がしにくい、店内でメニューを見ることができないので少し寂しい、アルコールの追加注文がしにくいといった(欠点が)ございます。

一部の店舗では、席で注文を受ける店もございますが、それでもアルコール注文はしにくいため、(店舗の売上高に占める)アルコール売上の比率は低い数字となります。

そういった理由により、現在、何店かにタッチパネルを導入しております。お客さまも他社の店で慣れているので、円滑な操作が可能となります。タッチパネルを導入した店舗では、アルコール注文もございますし、ホールも簡略化されました。こちらは人が辞めないことにもつながりますので、これからはタッチパネルで進めていく予定です。

以上の5つが、既存店の売上未達の原因となります。

成熟市場である外食産業で継続的成長とV字回復の実現

こちらのスライドの「成熟市場である外食産業で継続的成長とV字回復の実現」というタイトルは私が考えたものになりますが、これから日高屋がどのような取り組みを行うかについてご説明します。

成熟市場である外食産業で継続的成長とV字回復の実現:餃子の大幅リニューアル

まず、日高屋の餃子をリニューアルしたことについて、私からもう少し細かくご説明します。

多くの方より日高屋のホームページが寂しい、他社のホームページは充実しているという話は多く耳にしているように、当社は今まで宣伝広告費はほぼ費やしておらず、テレビCMは一切行っていませんでした。今回は餃子の大幅リニューアルを契機にテレビCMを行うことにしましたので、これからはテレビCMも含めて、宣伝広告を行っていきたいと思います。

私としては餃子はまだ脇役であり、他の料理やラーメンが主役であると思っていましたが、現在においてはさまざまな企業が餃子で(失敗し)後悔することがあったり、餃子を中心として提供している専門店が多くのお客さまを取り込んで繁盛することがあったりします。

このような状況を目にして、われわれは餃子に力を入れることを決意し、8年ぶりに大幅なリニューアルを行いました。リニューアルの内容としては、皮を薄くし、炭水化物を減らしました。また、肉を増量し、背脂を減らして、何個でも食べられる餃子を目指してさまざまな改良を行いました。これは企業秘密になりますので発表は行いませんが、ほかにも天然のタレやエキスが餃子に入っています。今までの餃子とは大幅に異なるものになりますので、本日お越しいただいたみなさまには召し上がっていただきたいと思っています。

また、先日である2019年9月30日に「ワールドビジネスサテライト」で日高屋を取り上げた放送がありました。スピーカーの調子が悪く、ほんの少ししか宣伝ができませんでしたが、(これとは別に)NHKが当社を取り上げ、テレビで放映してくれました。これからは餃子に力を入れて、ますます売上がアップできるように考えていきます。

また、スライドに記載されているように、2019年10月31日までの間、通常は税込230円で提供している餃子を税込170円で提供いたします。餃子についての説明は以上となります。

成熟市場である外食産業で継続的成長とV字回復の実現: ちゃんぽん専門店

続いて、ちゃんぽん専門店についてご説明します。

こちらは以前から説明しているように、(ちゃんぽん業態のなかでは)リンガーハットが1番手として業績を上げており、われわれがそれを真似しても絶対に1番手にはなれないため、来来軒や日高屋といった今までの経験を生かして、ちゃんぽんの仕組みを変えて、コンセプトをしっかり持って取り組んでいきたいと思っています。

また、すべてのメニューをちゃんぽんにするわけではなく、男性客も取り込めるように、つけ麺や汁なしといったメニューを入れ、飽きられないようなメニューを構成し、店舗を経営していきます。メニュー内容としては、豚骨・醤油・味噌ベースのちゃんぽんや、辛い味付けのちゃんぽん、鶏・牛肉・豚肉のちゃんぽんという、少し趣向を変えたコンセプトで店舗を展開していきます。

かねてよりみなさまには実行するとはお話ししていましたが、(埼玉県入間市にある)日高屋入間ヨークマート店が入居するヨークマート入間店の隣に、イオンスタイル入間店という大きなショッピングモールができた影響で、入間ヨークマート店の売上が下がっているため、2019年のうちに(こちらの店舗を閉鎖し、改装して)試しにちゃんぽん専門店としてオープンいたします。夜間の時間帯には日高屋と同じように、おつまみやアルコールを提供し、お客さまに利用していただくことを考えています。

成熟市場である外食産業で継続的成長とV字回復の実現:パスタ専門店

次に、当社の新業態であるパスタ専門店についてご説明します。

こちらについても、これからの出店を考えています。現在、日高屋には製麺工場がございますが、こちらの製麺機ではパスタを作ることができます。スパゲティについては、大手製粉メーカーとともに、さまざまな生スパゲティの製造の実験を済ませています。(材料となる小麦粉の構成割合では)デュラム小麦を100パーセント使うものの、たいへんもちもち感があり、麺としても30円少しぐらいのコストで1人前のものが用意できます。

今後、こちらの業態を展開していきますが、当社にはさまざまな店舗開発物件があり、現在、駅前一等地かつ日高屋の隣にある物件が多くあるなかで、(当社の業態のひとつである)焼鳥日高として展開するには難しい物件もございます。そのような物件についても、今後はすべて断らずに、日高屋とバッティングしないパスタ業態を展開していきたいと思います。

また、女性客がパスタを注文することがたいへん多いことから、日高屋とはカニバリゼーションしないと思っています。まだ新しい業態となり、社員採用にも効果があるのではないかと考えておりますので、今後はパスタ業態を展開していきます。

成熟市場である外食産業で継続的成長とV字回復の実現:餃子専門店

続いて、先ほど餃子の大幅リニューアルの説明を行いましたが、同じく新業態である餃子専門店についてご説明します。

(世間には)多くの繁盛店がございますが、今回、私は都内にある繁盛店等にかなりの回数、通い詰めました。今後の専門店の展開のため、例えばニンニク餃子やバジル餃子を作ってみましたが、女性に人気があったのはニンニクなしのバジル餃子、ニンニクなしの餃子となりました。

夜間帯となりますが、今度は逆にスタミナをつけたい方のために、ニラをたっぷりと入れて、ニンニクも入れた餃子をアルコールとともに提供いたします。また、餃子の種類を増やし、おつまみをメニューに入れて、アルコールとともに召し上がっていただくといった業態も考えています。

成熟市場である外食産業で継続的成長とV字回復の実現:本格的ラーメン専門店

続いて、ラーメン専門店についてご説明します。

当社には日高屋がございますが、個人店に負けないような本格的なラーメン専門店の展開を考えております。現在、駅前にある店のなかで、価格が高くても美味しいものを選ぶ人が増えております。

日高屋はラーメンを安い値段で提供していますが、味についてはそこそこですので、ラーメン専門店としては味を改良し、若干値段を上げたものをメニューとして提供します。現在はとくに人手不足でありますので、日高屋と比較してメニューを3分の1程度に絞り、本格的なラーメン店としてはじめていきたいと思います。

現在、たいへん美味しいラーメンを開発している最中ですが、みなさまは開発は簡単にできるのかという疑問があると思います。私は外食に強い専門プロデューサーという、素晴らしい方と出合いました。その方によると、ラーメン店の展開において大切なこととは、コンセプト・場所・条件だそうです。現在、メニューの内容や、食材や味付けの決定、値段設定について詳細な打ち合わせを行っています。われわれはさまざまな情報を集めて、お客様にはファンになっていただけるような業態を作っていきたいと考えています。

また、スープについては、現在われわれは茨城県の鶏メーカーの工場と取引をしており、その工場にはスープ釜がございます。そちらでわれわれが指定した食材を使用し、スープを作ってみたところ、素晴らしいものができあがりました。これからはこのようなスープを用いて、本格的ラーメン専門店という新業態を展開してきたいと思っています。

食べ物は味が1番なので、お客さまから日高屋の味が変わり、美味しくなったと言われることを追求してきます。将来的には日高屋の現在の味を改善していき、美味しくなった日高屋を目指して、取り組んでいきたいと思います。

成熟市場である外食産業で継続的成長とV字回復の実現:デリバリー、テイクアウトの拡大により中食需要にも対応

次に、現在取り組んでいるデリバリー・テイクアウト事業についてご説明します。

当社は出前館・楽天デリバリー・Eパークテイクアウトの(システムに加入し)、デリバリー・テイクアウトの拡大に努めています。現在、出前館は月間にして120万円程度、楽天は月間にして27万円程度、Eパークは月間にして1,500万円程度の注文がございますが、これからもこのような業態を検討していきたいと思っています。

成熟市場である外食産業で継続的成長とV字回復の実現:変化に対応したとりくみ

続いて(変化に対応したとりくみについてご説明します)

まず、現在取り組んでいる3S運動についてご説明します。今回、日高屋では餃子の大幅リニューアルを行いましたが、日高屋の店舗は少し汚いという話も聞きますので、現在、いわゆる3S運動である、整理・整頓・清掃の徹底を行っています。

また、みなさまはご存知だと思いますが、消費税の増税後も4品の人気メニューである野菜たっぷりタンメン・中華そば・餃子・生ビールは税込価格を据え置いており、(実質的には)値下げとなります。(変化に対応したとりくみとして)このようなことを実施しています。

また、営業時間の短縮による社員就労環境の改善を行っています。当社はピンチをチャンスに変えていきたいと思っており、社員の満足度を向上しないのは問題となりますので、インターバルの確保、有給休暇の取得促進、採用・社員定着率の向上の見直しを行います。これからも社員が楽しく働ける職場環境を作っていきます。

株式公開以来順調に推移〜売上高推移〜

こちらのスライドには、みなさまもご存知のように、株式分割の状況について記載しています。8年間で7回の株式分割を行ったため、スライドのグラフのような状況となります。

(ご参考)営業利益率

最後に、毎回説明している営業利益率のスライドとなります。

当社の営業利益率はたいへん高く、私も自慢しておりました。先ほど、パート社員の時給についてご説明しましたが、時給1,500円で180時間働いた場合、月収は27万円となります。この場合、新入社員の給与と逆転現象が発生するという問題が発生します。もちろんパート社員は大事ですが、正社員の給与を時給換算すると(パート社員より)低くなるというアンバランスな状況が発生しています。

われわれは当社に勤める正社員の満足度を上げることと、楽しい職場づくりをする必要があります。当社は日高屋が好きなので成長したい、辞めずに努力したいといった社員のための会社です。

現在、かなりの金額の内部留保がございます。最近のことになりますが、社内で検討を行ったところ、これからは今後の営業利益率が10パーセントを割り込んだとしても、社員の給与を上げる方向で進めていくことを決定しました。

大事なことですが、われわれは社員あっての会社です。いつの時代でも、どこの企業も同じですが、企業は人です。当社においても会社の成長とは、人の成長だととらえています。人が成長しているから、われわれは今まで成長することができました。これからもこの考えを続けていき、社員の満足度をあげていきます。現在は厳しい状況ではありますが、少し低迷している業績のV字回復を狙い、努めていきたいと思います。

駆け足でのご紹介となりましたが、質問の時間もございますので、説明については終了いたします。ご清聴ありがとうございました。