会社概要

池田昌史氏:本日は、お忙しいところお越しいただきまして、誠にありがとうございます。今まで東証の裏でやっておりましたが、今回から会社のすぐそばのこちらに会場を借りましたので、今後こちらでやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。それでは、2019年2月期決算説明会ということで始めさせていただきます。

まず、会社概要をいつもつけておりますが、毎回初めての方もいらっしゃいますので、簡単にご説明をさせていただきます。本社はまさにこのすぐそば、神田の須田町にございます。開発拠点として本社にもいるんですが、札幌に技術センターを構えておりまして、そこにエンジニアが数多くおります。連結でグループ今240名強です。

設立がちょうど2004年の4月でございまして、実はちょうど今月(2019年4月)で丸15年を迎えます。創業時プライムワークスという社名で発足をしましたが、上場しましてからいろいろグループ化を進めまして、最終的にグループを1本にして、ネオスとして2012年から社名変更しております。

資本金は19億円ですが、既にご案内のとおり、こちら2月末時点なのですが、3月・4月とワラント発行しまして、資金調達をしております。現状では、ここは約5億円程度資本金が増えているということになっております。発行済株式数も、ここでは約1,050万株ですが、100万株増えて約1,150万株になっています。

主要法人株主ということで、創業来、キャリアさんとの関係をさらに深めるということでご出資をいただきまして、ドコモさん・KDDIさんと、もともと創業1年後ぐらいからシャープさんということで、3社が株主として入ってらっしゃいます。トータル16パーセント程度になります。

ネオスグループ事業概要

今年度、というか2018年度からセグメントを改めまして、いろんなところでご案内しておりますが、ソリューション事業・コンテンツ事業・デバイス事業ということで、3つの事業でくくってビジネスを推進しております。

昨年(2018年)の3月末にジェネシスホールディングスということで、2015年の5月に業務提携をしまして、10月から約3割の株式を取得をしまして、持分関連会社ということであるグループ会社という位置です。デバイス事業といいますか、当時IoTという言葉がそろそろ世の中に出始めてた時代ですが。

そこからいろいろ、会社も場所も移転しまして、今神田でずっと一緒にやってきてましたが、いろんな意味で、人的交流含めて事業のシナジーも出てきたということもありますし、だいぶ体質も良くなって、昨年の3月から株式取得をして子会社化をしたということです。それに合わせて、事業セグメントというかくくりを、この3つに変えたということです。後ほど詳細についてはご説明させていただきます。

それでは、2018年度のまず業績の状況です。

2018年度サマリー

既に先週の金曜日に短信で発表しておりますが、売上高が89億円ということで、ジェネシスの連結効果で1.8倍と非常に大きくなりました。これが、売上増(の要因)ということは大きいのですが、もともとネオスでやっているソリューション事業も比較的堅調に推移したことも、売上をアップさせる1つの要因となっています。

あと、利益については、営業利益が5億400万円ということです。前年から、営業利益ベースで約8億強改善をしておりますが、2016年度・2017年度と非常に業績が苦しい2年間でございまして、ジェネシスの事業はいろいろ一緒にやってきたのですが。

それ以外の新しいソリューション事業・コンテンツ事業の部分に関して言いますと、いろんな事業で投資をしていたのですが、なかなかどれも、とくにものが良くてもやはり販売に関して昔のように……ガラケー時代はキャリアさんといろいろ提携をして、事業を進めることがしやすかったのですが、やはり自力で売っていくことをしなくちゃいけないということで。

あまり数も多くてもということで、思い切って2017年度にかなり、あるものはストップ、あるものは事業企画を見直して資産を軽くする。いろんなことをして絞り込みを行ったことが、2018年度は非常にうまくいったということが1つございます。

あと、全般的にやっぱり費用が……固定費が売上約50億円程度の、ネオス側に関して言いますと多いということで、費用構造の見直しを、製造費・販売費等も含めていろいろやってきたことがようやく実を結びまして、ジェネシスおよびソリューション事業の売上拡大による利益効果もあったんですが、このような費用面の改善も含めて、トータルで利益体質転換をできたということです。

それから業績のトピックスですが、ワラントの発行を昨年(2018年)させていただきました。実際には9月~10月、2ヶ月間で約8億円の調達を実施しております。こちらは、やはりジェネシスを連結することで、やはりデバイス事業ってお金が先に出るものですから、非常に資金需要が……もちろん入ってくるので、出て入ってくるという資金的には、売上が同じだったらいいんですが。非常に拡大をしているということで、前々に出る資金が非常に多いということ等々ございまして、実施したんですが。

昨年度の9月・10月ぐらいに実施した時と、さらに下期に予想を上回る勢いで事業を拡大したということで、実は4月・5月、もう1回やらせていただいたということになっています。とくにこちらに書いてございませんが、結果としては9億円強の資金調達をしております。

それから配当ですが、2017年度は2年連続営業赤字だったことを踏まえて、ずっと創業以来配当してたのでいったん配当を止めましたが、今回黒字化したということで、以前は1.5円を配当してたのですが、今回2円配当ということで復配をしております。

2018年度 連結決算の概況

今申し上げたところの数字です。2017年度は(売上高が)49億4,600万円(でしたが、2018年度は)それから89億円。営業利益は5億400万円、経常利益は4億8,100万円、当期純利益は4億3,600万円ということです。

(2019年)1月に上方修正しました数字と、ほぼ利益的には一緒なんですが、若干経常利益・当期純利益で上積みがあったということです。

連結業績推移(半期別)

半期別に見ますと、こちらの折れ線グラフが売上の推移、棒グラフが総利益でございまして、そこから明るい緑のところが販売費及び一般管理費ということです。残りの濃い緑が最終的な営業利益ということです。営業利益の外に営業外損失がございまして、括弧で経常利益をそこに記載しています。

2017年度は非常に厳しい状況だったのですが、とくに下期に関して言いますと、先ほど申し上げたある種の事業見直しを行って、かなり減損等も行った関係で、非常に総利益がマイナスになっていますが、販管費に関して言うと、2年間かけてずっとかなりスリム化を行ってきたということで、2017年下期が650億円ということでかなり比率的には少ない数字になっています。

2018年度に入りまして、上下と販管費が710億円、815億円となっていますが、これは当然事業拡張いたしましたのでデバイス量がさらに増えたということで、売上比率という意味では、むしろ(2017年度2Hが)26パーセント(2018年度1Hが)21パーセント(2018年度2Hが)15パーセントということで、販管費は非常に減ってきております。

そのような意味では、売上に比べると増えは少ないのですが、全体額としては増えて当然ということですが、かなり効率的な費用の運用を全事業を含めて行えていると思います。

売上自体は、2017年下期の24億5,500万円から(2018年上期は)33億6,200万円、2018年下期は50億円を超える売上ということでございまして、総利益は拡大をして、結果利益が出ているということです。

個別の事業において今利益は開示をしていないのですが、一般的に言えば、やはりデバイス事業は総利益率が低いということがございますので、売上が伸びて絶対額としては総利益貢献も非常に大きいのですが、総利益率は2018年度下期は20パーセント、販管費が15パーセントで利益が5パーセントぐらい出ている状況です。

連結損益改善推移(経常利益ベース)

今の経常利益ベースで、2017年度から2018年度の約9億円の損益改善が、どんな中身であるかということです。

左のこれが2017年度の連結経常利益ということで、マイナス4億3,100万円だったのですが、2018年度はプラス4億8,100万円になったということで、トータル9億1,200万円の改善。

このなかで、決算短信でも開示をしていますが、1ページめくっていただくと単体の業績が載っています。これはネオス単体の業績ですが、うち単体がマイナス3億1,900万円からプラス2億400万円ということで、単体の改善が5億2,300万円ございます。それ以外のグループ企業等による改善、緑の部分が3億8,900万円ということです。

単体の5億2,300万円がどんな要因かといいますと、ざっくり2億円強が費用採算性向上とか、さっき言いました、とくに下期に関して事業の見直しをして、あるものは減損を行い、あるものは特損等を出して中止を行ったということがありまして。

そのような意味では、ソフトウェア資産の償却がかなり重い状態があったのですが、それが2018年度に関してはなくなったという部分が約2億円強で、続けるということで残した事業に関して言いますと着実に売上は伸びておりますし、そこの償却が軽くなったということがあって、いわゆるプロダクト及びサービスの採算性向上ということです。

それから費用構造の改善も、先ほど申し上げました、とくに固定費の削減等々含めて、とくに人員に関してリストラとかしたわけではないのですが、契約でしていた人間等々を含めて内部効率化を図りまして。あとはいろんな経費の見直し等々を行って、これも約2億円程度の改善ということです。

それからソリューション事業に関して言うと、のちほどもう少し細かいご説明をしますが、売上が伸びておりますので、それによって利益が増えているということで1億円強ございまして、合わせて約5億円単体で改善したということです。

こちらの緑のグループ企業等の改善について言いますと、ジェネシスに限らずオフショアの法人とか、コンテンツ制作をするプロダクションとかを別会社に持っておりますが、それをトータルで含めての改善ということですが、やはりジェネシスを連結にしたことによる利益のプラスが一番圧倒的に大きいということです。

これを合わせて9億円強の改善が、1年間で実現できたということです。

セグメント別売上高推移

それでは売上の中身について、もう少しご説明したいと思います。

まず全体、年間で89億200万円ですが、上期にご説明した時はこの構成はだいぶ違ったのですが、コンテンツ事業ととデバイス事業がほぼ同じぐらい、残りはソリューション事業という感じだったのですが。

下期はご存じのとおり、ソースネクストさんの「POCKETALK(ポケトーク)」が大ヒットしたということで、私どもも潤沢な供給をということで一気にデバイス事業を拡大いたしまして、ソリューション事業が一番まだ大きいのですが4割を超える事業ということで、コンテンツ事業は10パーセント弱という構成になっております。

セグメント別売上高推移(半期別)

半期別に見ますと、このような格好です。

ソリューション事業は若干期によって研修の関係でプラスマイナスはあるのですが、ほぼ20億円前後ということでずっときていますが、デバイス事業はかなり上期に対して言うと4倍以上になったということです。

コンテンツ事業は、若干下期は上期よりダウンしたということです。

ソリューション事業 2018年度実績

各事業の状況です。まずソリューション事業ですが、何を「デジタル」、何を「リアル」と呼ぶかということが少し難しいのですが。基本的には、キャリアさんとかあるいはフィンテックベンチャーとか、いわゆる完全にデジタル事業を目的としてやっておられる企業さんを支援するソリューションと、それから保険会社でもけっこうですし製薬会社等々、いわゆるリアルのビジネスをやられていて……と言いながら、当然ネットを使っていろいろマーケティングもしますし、顧客の囲い込みも行いますし。そちらを支援するといったようなところで、「デジタル」と「リアル」と分けています。

2018年度に関して言いますと、とくにリアル系の事業がほぼデジタル系の事業、キャリアさんが圧倒的に多いんです。ほぼ横ばいであったということなのですが、とくに落ちることもなく堅調に推移したと認識をしております。

約6割がキャリア及び……あと、ベンチャーさんとかもどちらかというと増えておりまして、トータルでいくと若干増えているのですが、約6割がデジタル。リアル系が2桁くらい伸びました。

従来から私どもは外資系の、いわゆるグローバルの製薬メーカーさんと一緒にけっこう数多くの製薬会社さんとお付き合いがございまして。やっぱり外資系ということもあって、非常にインターネット活用に熱心でいらっしゃいまして、そこのお手伝いはわりと変わりなくあるんです。

とくに保険及び金融系の伝統的な大きな会社さんが、やっぱりIT活用ということに非常に熱心に最近なられておりまして、いろいろなご相談をいただいておりまして、そこは非常に増えています。

あとは新規の業種・新規顧客ということでも、交通運輸とかそのような……もともと全日空さんは本当にすごく長くやっているのですが、それ以外もそのような業種や新しい企業さんからいろいろなご相談があって、わりと大きなサービスの立上げ等を、実はもう今先行してやっております。ということで、ソリューション事業が7パーセントくらい伸びたということです。

コンテンツ事業 2018年度実績

コンテンツ事業です。

これは(2017年度の)10億3,000万円が(2018年度は)7億9,000万円ということで落っこちているのですが、実はここはもともと創業以来やっている事業が一番多いのでございまして、けっこうガラケー向けのいわゆるビューアーライセンスとか、いろんなものがまだ混然としています。

ガラケーはなくなったようですが、ビジネスとしては意外とまだ続いている部分もありまして、それが実は2017年度はけっこう大きく寄与したものが、2018年度はなくなったことが一番大きい影響になっています。

このなかで私どもが注力しているのが、後ほどお話ししますが、いわゆるキッズ分野・教育分野・知育分野。ここを注力しておりまして、約4割強くらいになってきております。これについて言うと、4年くらい前から手掛けてますが、2桁成長が続いております。

とくに昨年度は、『クレヨンしんちゃん』のキャラクターを使った知育的なアプリなのですが、これがヒットをしました。いわゆる課金収入だけではなくて、広告収入等々いろいろ始めております。これが引っ張っています。

デバイス事業 2018年度実績

デバイス事業は2018年度から連結です。

正確に言うと、2018年度も3月末に子会社化をしたので、フルフルで入っているわけではないのですが。2017年度は参考に、連結前の株式会社ジェネシスホールディングスの売上です。14億円くらいございます。これが39億2,000万円に拡大したということです。

大きな要因が2つございまして、こちらに書いてあるとおりなのですが、もともとは2015年に出資をしてビジネスを始めたころは、基本的にはタブレット・スマホ中心の供給で、いわゆる法人向けに、その頃は自社ブランドでもやってたのですが。その前には、イオンさんがMVNOではないのですが、いわゆる格安スマホを始めて。そのころそのようなものをやる会社さんは、みなさん自社ブランドでプロダクト調達をしておりまして、そこに供給してわりと業界では名前が知られたことが、私どもが実際にお付き合いする前はございます。

そのあと、私どもが入ってから法人向けのタブレット中心のビジネスでなかったということですが、昨年(2018年)くらいからVRとかロボットとか、少しそのような新しいIoTと言っていいかわかりませんが、いわゆる法人のタブレットではない新しいジャンルに手を挙げてきておったのですが、それが今年(2019年)になって急拡大したということです。「POCKTALK® W」は、よくご存じのとおりです。

あとはJapan Taxi株式会社さん、もともとは日本交通さんです。日本交通さんがJapan Taxi株式会社という、ある種日本交通に限らず、日本中のタクシー会社にある種プラットホームを提供しようということで作られた会社さんに(なりました)。もともと日本交通さんとは私どもも取引があったのですが、Japan Taxi株式会社ができて、Japan Taxi株式会社経由のお付き合いになっています。

そのような意味では、日本交通以外もJapan Taxi株式会社さんが販売されるいろいろな全国の会社に対して、私どものいろいろなデバイスを供給するというお付き合いをいただいております。

もともと昨年では、実はドライブレコーダーもやっておったのですが、サイネージのビジネスを始められるということで……タクシーの裏についているやつです。Japan Taxi株式会社さんから提供してまして。

さらに今回、今までバーコード決済というのはバーコードを出すだけなのでサイネージできたのですが、「FeliCa」をチップ内蔵して無線で決済できる。そこに関して共同開発ということで、開発にも支援をさせていただきまして、これが秋口から始まっております。

実は東京では、みなさんもタクシー乗られて(おわかりのように)「FeliCa」だけはサイネージと別のところで決済するパターンが多いと思います。それは、東京というのはすでにけっこうタブレットが入っておりますので、次にチェンジするときに変わってくるのですが。

地方は、行かれるとほとんど決済そのものが少ないんです。ただ、今地方も徐々にそのなかに入り始めるときには、実は地方が一番進んだ端末が作られている。実はそのような構造になってございまして、このあたりがまた拡大したということです。

法人向けに関していうと、実は2017年度は大半がそちらが多かったのですが、一部ロボットが……2018年度は実際作るだけの生産能力が割けないこともあって、こちらに書いてある「POCKTALK® W」とタクシー向けのビジネスをどちらかと優先をして、法人向けは若干抑えたというか、ごめんなさいをさせていただいたということがあって、大半そちらのIoT的な製品で39億2,000万円を作った格好になっております。

2018年度 貸借対照表概況

バランスシートです。

総資産が50億5,100万円で、創業以来初めて50億円を超えました。昨年度までは非常にバランスシートの内容もよろしくない格好だったのですが、利益が出たことと、おかげさまで資金調達をして増収したことがあって、純資産合計……いわゆる自己資本比率が66.6パーセント程度になりまして、利益剰余金も増えまして、非常に財務体質としてはいい格好になっています。

あとは流動資産の増ですが、現金調達も先ほど申し上げたようにしているのですが、その分ハードな事業を中心に拡大しているところにお金をどんどん入れてますので、いわゆる現金の増は(前期末の)29億1,800万円から(当期末の)42億6,100万円の中で3億円程度しか増えてございません。

とくに2月の切れ目でいきますと、それが生産途上で、ある種部品の買付とかに化けたりしているということがありまして、そのあと3月以降調達をしているのですが、かなり事業は拡大しているので、資産は拡大してますがお金もそれだけ投下をして回っている状況です。

以上、2018年度の実績ということでご報告させていただきます。