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Bコミ×江守氏が紐解く市場観「株がどんどん上がっていく妄想は、やめていただいて…」

2018年12月15日に、決算説明会の書き起こしメディア「ログミーファイナンス」が個人投資家向けIRセミナー&講演会を開催。2019年に向けて注目の3社の企業説明や、江守哲氏と坂本慎太郎氏による対談などが行われました。本記事では、プログラム第1部・江守氏×坂本氏講演「2018年マクロと国内市場の振り返り」の内容を書き起こしでお伝えします。

シリーズ
ログミーファイナンス個人投資家向けIRセミナー&講演会 > 第1部・江守氏×坂本氏講演「2018年マクロと国内市場の振り返り」
2018年12月15日のログ
スピーカー
エモリキャピタルマネジメント株式会社 代表取締役 江守哲 氏
元ファンドマネージャー/元ディーラー 坂本慎太郎(Bコミ) 氏
フリーアナウンサー/証券アナリスト 叶内文子 氏
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ログミーファイナンス個人投資家向けIRセミナー&講演会 > 第1部・江守氏×坂本氏講演「2018年マクロと国内市場の振り返り」
2018年12月15日のログ
スピーカー
エモリキャピタルマネジメント株式会社 代表取締役 江守哲 氏
元ファンドマネージャー/元ディーラー 坂本慎太郎(Bコミ) 氏
フリーアナウンサー/証券アナリスト 叶内文子 氏

原油価格の天井を当てた江守氏

坂本慎太郎氏(以下、坂本) よろしくお願いします。本日は長いので、最初は若干緩めにいきたいと思ったんですけど。 本日のセミナーの演者は、僕とログミーさんで選定したんです。この時期……とくに今年は相場が荒れましたし、「来年どうなるの?」というのは、すごく興味深いところだと思うので。 そこで、「僕から誰に話を聞きたいかな?」といろいろと(考えを)巡らせましたけど、やっぱり江守さんじゃないかなと思いましたので、本日は江守さんに来ていただきました。 今年の江守さんは、原油の天井当てがかなりすばらしかったと思うので、そのへんから切り込みたいんですけど(笑)。 江守哲氏(以下、江守) 今日は株の話ですよね?(笑)。 (会場笑) 坂本 そうなんですけど(笑)。全体観をここで話して、見通しは一番最後のセッションで江守さんにうかがうかたちにしたいので、そういうやり取りをしながら進めていければと思います。 どうですか? 「原油の75ドル天井は、何からきたのか?」というのを、まずうかがいたいんですけど。 江守 これは、はっきり言って勘なんですけどね(笑)。 坂本 勘ですか?(笑)。 江守 今日は「みなさんが何をお聞きになりたいか」は、なかなかわかりづらいところがあるんですが。「IRセミナー」なので、個別株やIRなど、今日参加される企業さんの中身を知りたいという方がいらっしゃると思います。 私をご存じの方はたぶんおわかりだと思うんですが、基本的にマクロベースでマーケットを見る人間なので、どちらかと言うと、そちらの話がどうしてもメインになってしまうのですが。 原油は、市場を見ていないとなかなか(わかりにくいです)。「個別株まで落とし込むときに、原油(の状況)が必要か?」と言われると、ちょっと違うのかもしれないんですけども。原油は、マクロ的に見るときに必ず見ておかなきゃいけない市場であるのは、間違いない。ただ、これを正しく分析できる人が、日本には今ほとんどいなくて、海外にも数人しかいないのが現実なんです。 みなさんはご存じかどうかわからないんですけれども、例えば2008年に、リーマンショックの前に……あれは7月13日だったんですけども、原油価格が1バレルあたり147ドルまで上がったんです。私は、あの年に150ドルまで上がると予測していたんです。 もっと言うと2003年に、「2004年に、原油価格が初めて1バレルあたり40ドルを超えます」という予測を、グローバルでロイターに出していて。それが一番当たって、そこからみなさんにけっこう注目していただけるようになったんです。これは、ほとんどファンダメンタルです。ファンダメンタルで見ると、原油が上がるか下がるかはわかる。ただ、どこまで上がるかはわからないんです。 株式もそうですけど、要は、オーバーバリューがあるじゃないですか。買われすぎちゃうんです。当時の原油価格……(例えば)2008年のときは、100ドルが精一杯だったと思うんです。最後の50ドルも完全にやり過ぎで、需給的にはもう耐えられない値段だった。要は、先物です。 株についても、今もそうだと思うんですが、例えば日経平均のPERが12倍を割れているのに、まだ下がっているじゃないですか。普通なら「何でですか?」となるんだけど、結局売り込む奴がいれば、マーケットはアンダーバリューになるんです。先物市場のある投資対象は、そうなりやすい。 原油は、残念ながらふだんは先物市場のプレイヤーで動いちゃうので、値段がそっちで決まっていってしまう。ただ、長く見ればファンダメンタルズなんです。とくに物が足りないときや生産調整が起きたときは、完全にファンダメンタルズで動くので、そこのポイントだけを間違えなければいい。 去年の2017年の1月から、OPECとロシアが「減産をします」という話をしたじゃないですか。みんながあそこで何を言っていたかというと、ほとんどの「専門家」と言われる、私から見れば……今日はオフレコなのではっきり言っちゃうんですけど、ド素人の人たちが何を言ったかというと、「こんな枠組みなんか、たぶんうまくいかない」。そもそもOPEC自体が、今までうまくいっていなかったんです。ベネズエラとかいろんな国が、勝手に増産していたんです。 わかりやすく言えば、変な話、企業の経営者が「今期は、これだけいきます」と言ったのに、最後の決算で「いや、実はできませんでした」と言うのと同じです。決めたのはいいけど、実際にはできないし、やらない。勝手に増産する。それで値段が下がるということを、ずっとやっていたんです。 ただ、今回はロシアも入って「減産します」。私は、「これは間違いなくやるな」と思ったんです。だから、これは間違いなく60ドルや70ドルまでいくんだろうと(思っています)。実際にチャートを見ると、きれいなんです。

トランプ大統領の言動を、よく見るべし

江守 ただ、ここで読み違えたと言うか……ここから上がらなかったのは、トランプなんです。たぶんすべての市場で、今はトランプがものすごく影響を受けている。 だから、みなさんも今日(聞いていてもらえれば)……後ほどこのセッションで、また話が出るかもしれませんけど。この話、坂本さん大好きなので(笑)。 坂本 いやいや(笑)。これ、後でいいの? 今聞いちゃ駄目なんですか(笑)?。 江守 (笑)。「トランプの言動は、よく見ておいてくださいよ」ということです。 坂本 最近の江守さんは……当然、僕は見通しを興味深く聞いているし、資料もすごくきれいなんですけど。非常にまじめに、陰謀論に取り組んでおられまして(笑)。こういう言い方をしていいのかな、と思うんですけど(笑)。 陰謀論に(詳しいの)は、某さんとかがいるんですけど。本当はその人並みに、ラジオなどでもがっつりやってもらえれば、めちゃくちゃおもしろい(笑)。 江守 いかに某さんの情報量がめちゃくちゃかが、よくわかる。 坂本 オフレコなんですけど。 江守 そうそう、オフレコですよね。 坂本 オフレコじゃないかもしれない(笑)。あそこでビデオが回ってますけどね。 (会場笑) 坂本 僕は聞いていて、いつも「江守さんの陰謀論はおもしろい」と思っていて。その中から、けっこう投資のヒントが出たりするし。僕は「陰謀論を全部信じろ」とは思わないんですが、でも「その中にヒントはあるのかな」と思ったし。今回の原油の天井が当たったのは、ファンダメンタルで、需給と各国の思惑があったのかなと思うし。 あとは、1個質問したいんですけど。原油が下がりだすと、エコノミストなりストラテジストは、「原油が下がったから景気後退だ。だから、株が下がるんだ」みたいな話を必ずするじゃないですか。あれって、今回に関しては、僕は「オーバーシフトして、やり過ぎた需給の部分がはがれているだけ」だと思うんですけど。基本的な考え方としては、それでいいんですか? 江守 いいと思います。私も勉強不足だったんですが、これは認めざるを得ないと言うか。アメリカのシェールオイルってあるじゃないですか? 去年は「あれがこれから増えるから、値段が上がらない」と、みなさんはけっこう思っていたんです。実際に、生産量は出てきたわけです。だけども(価格は)上がっていった。 これはさっきお話ししたように、OPECとロシアの減産が効いたんです。プラス世界の景気もよくて、石油の需要もよくて。需給バランスは意外に緩まなかったので、値段が上がっている。 今年は景気もいいし、需給もそこそこ。ただ、出てきたのがトランプの「値段を下げさせろ」という話で、増産になったところ。あとは、アメリカのシェールオイルの生産コストが……思っていた以上に、実はものすごく低下しているということです。 坂本 今は、どのぐらいなんですか? 当然、掘る場所によって違うと思うんですけど。平均というかゾーンというか。昔は、70ドルとか言われていましたよね? 江守 今は、50ドルでもぜんぜんいけちゃう。40ドルでいけるものもたくさん出てきているし、30ドルでもいける。平均すると、50ドルぐらいになっています。 坂本 そうしたら、中東の変な国よりも掘削コストが安いということですよね? 江守 だから、中東のほとんどの国は、もう採算が合わないんです。サウジもそう。何で測るかは難しいんですけど……シェールオイルは民間企業で、企業ベースと考えると、生産コストと原油価格の差が収益になるわけじゃないですか。 主要な産油国……例えばサウジとかOPECの国は、基本的に国家財政が収支のバランスをするかどうかね。それが「分岐点」とよく言われるんですけども、サウジはもう80ドルを超えていますから。ずっと外貨準備が減っている状態。 ロシアなんかがおもしろいのは、つい数ヶ月前までプーチンが「原油価格は70ドルまで」と言ってたんです。1ヶ月前になったら、なんと60ドルに入っている(笑)。これは何なんだろうというと、アメリカに同調しているわけです。こんな話になっちゃうと、ちょっと(想定と)違う話になっちゃう。ロシアはやっぱり、アメリカにくっついてますよね。 なので、プーチンはトランプの言動を見ながら発言をけっこう変えて、どちらかと言うと、ちょっとトランプ寄りの政策になりつつあるので、それが原油価格にも反映されていますが。 いずれにしても、シェールオイルのコストがすごく下がっているので、それはやっぱり大きいです。逆に言えば、「そこまで下がってもいい」という話なんです。 それがけっこう効いてきちゃったので、証券系のストラテジストやアナリストの人たちが言っているポイントは、100パーセント間違いだとは言わないけれども、「影響として、どこが一番大きかったか?」という論点からすれば、やっぱり完全にずれてますよね。 坂本 あと(聞きたいこと)は、さっきのアメリカとロシアの話なんですけど。「後追いしている」というのは、米中貿易摩擦で、どちらかと言うと「アメリカ側に付いている」という考え方でいいんですか? ロシアも。 江守 結局、中国も(この)関係(については)、疲弊しているんです。疲弊していて、お金がないんです。今日、ビデオを撮っているので言いづらいんですけれども(笑)。 (会場笑) 江守 中国はお金がないんです。この間、安倍さんが(中国へ)行ったじゃないですか。あれ、本当は習近平が日本に来なきゃいけないんです。「お金くれ」と言って。だけど(姿勢としては)「(中国が日本を)助けてやる」。 安倍さんはあまりプライドがないから、習近平の顔を立てて日本から行ってあげているだけで、基本は中国が跪いているわけです。土下座状態なんです。みなさんがどう思われているかは別ですけど、これは本当ですから。土下座状態だと。「お金がない。だから日本、助けてくれ」。 あとはロシアも、それをわかっているわけです。それで、中国に足を向けている。ロシアは今何をやっているかと言うと、中国からものすごく大量の金を購入しています。それで今、中国は助かっている。ロシアは逆に、米国債をバーンと売って、そのお金を全部金(きん)に換えています。そういうことが、裏で起きている。これはどこにも出ていない生情報なので、どこにも出さないでいただきたいんですけれども。ビデオ撮っちゃってますけどね(笑)。 (会場笑) 江守 これは基本的に、絶対手に入らない情報なんですけど。そういう状況で、中国の立ち位置がものすごく弱くなっています。アメリカはもう完全に有利どころか、中国は何の武器も持っていない状態です。そこでファーウェイ(CFOの逮捕)でしょう? これは悲惨ですよね。これも、いずれそうなるだろうと思っていましたけどね。

中国の売買停止銘柄が増える理由

坂本 今後の中国は、内政崩壊はもっと先かもしれないですけど、どちらかと言うと経済崩壊のほうが早いというイメージなんですか? 江守 崩壊したいんでしょうね、たぶん。 坂本 これが明るみに出ていって……中国も、最近はあれじゃないですか。みなさんもあれ(ご存じのこと)ですけど、「売買停止銘柄が増えています」みたいな話が、去年からかなり増えてきたじゃないですか。やっぱり停止する理由は、「内情がまずいから」ですか? 江守 どうでしょうね。 坂本 それが増えているということは、「本当だったら、潰れているんじゃない?」という企業も入っているんじゃないかと思いますし。そう考えると、中国は危ないと思うんですけど。ただこれは、「いつ中国のリスクが吹き出てきて……」というのを予想するのって、ほぼ無理じゃないですか? 江守 難しいですよね。 坂本 それが一番難しくて、だから中国のアナリストやストラテジストも当たらないんじゃないですか? 江守 ここは、わからないですよね。 坂本 そうそう。だから、(売買停止銘柄が増えて)きたときが注意だねと。今回は、以前のように「企業の社債が償還できません」とか、そういう話が出てきても封じ込められたけど、次は「お金がない」という前提だと厳しいかなと思います。 江守 または、ニュースを見ていると、企業債務がものすごい状態だし。あとは、今お話があった「社債が返せない企業がたくさん出てきている」という意味では、報道ベースではもう(話が)出ていますので。これはたぶん、出ていない話を含めると相当な量です。 あと中国に関して言うと、一番怖いのは、家計と企業……民間の人たちの金融資産の膨らみ方が、異常なんです。これは何と比較しているかと言うと、GDPの増え方。率じゃなくて、金額です。毎年のGDPの増える金額の比較と、今お話しした家計と企業の金融資産の増え方の差が、ものすごく開いているんです。要は、国の成長以上に資産が膨らんじゃっている。 これと似たようなことが起きたのが、まさに日本の資産バブルです。1989年のときに、まったく同じチャートになっているんです。それで、日本は爆発した。そのときよりも、チャートの形がひどい。日本はそのとき、金額ベースでGDPがまだ増えていたんです。「毎月どれぐらいのGDPが、金額として増えていますか」と(見てみると)当時の日本は、まだ増えていた。 中国は、もう増えていないんです。(率として)6パーセントは、成長しています。だけど、もう「1年で、どれぐらいGDPが増えましたか?」という金額は、マイナスになっているんです。天井を打っちゃっている。 ということは、もう成長の度合いが著しく落ちているわけです。それに対して、なぜ金融資産だけが増えるんですか? これは、あり得ないんですよ。これは、どこかで崩壊せざるを得ない。やっぱり、時期の問題だけです。私は、もう終わってると思っていますけどね。 だからそれは、グローバルのマーケットからすると、「影響量は大きいか、小さいか」と言うと……あとでものすごく大きく出るんですけども、これに気づいたときには、もうその前にたぶん崩壊しています。だから、「それを前提に何かするのか」「崩壊してから何かするのか」というところの、差でしょうね。 坂本 「前提に何かする」というのは、もしあるとしたら、中国が米国に「すいませんでした」と言って、いろいろな制裁を(して)……「属国化」と言ったら言い方が悪いんですけど、そこまで踏み込まないと、やっぱり厳しい。この中国のバブルのソフトランディングは、不可能という考えなんですか? 江守 (そう)なっちゃうでしょうね。だから、昨日出ていた「自動車の関税を戻します」「25パーセントをやめます」とか、もう(実際に)そうなり始めちゃっている。完全に、アメリカの勝利です。「アメリカが負ける」という前提で、世の中は動いてませんからね。 それは私も、そういう前提でマーケットを見ています。アメリカに逆らった国……今年はどうなってます? (例えば)トルコは、通貨暴落でしょう? 今は、戦争しないじゃないですか。物理的にできないでしょう? 戦闘機を飛ばして実際にミサイルを撃ち込むかという……シリアとかはおいておいて、普通の国同士ではやらないじゃないですか。 何をやるかと言ったら、経済戦争でしかないわけです。それは何が一番簡単かと言うと、通貨を下げさせることです。これが、一番簡単じゃないですか。なぜなら、アメリカは基軸通貨を発行できる唯一の国ですから。その国の通貨を売り込めば、それでもう終わりです。 トルコはやられました。その後、南アフリカもやられました。最後がサウジです。(ジャーナリストの)カショギさんが殺されてしまった。もう、トランプはカンカンです。「何を余計なことをしてくれてるんだ。原油価格を下げさせたいのに、余計なことをするな」と。結局怒って、原油価格は最後の大暴落です。あれは完全に、アメリカが動かしていますよね。 坂本 ストーリーがきれいですね。お客さんを見ていても頷いている方がけっこういるのは、きれいな説明だった(からだ)と思うんですけど。 江守 こういう話は、頭の中で回転するといいわけです。こういう話をちゃんとタイムリーに聞きたい方は、私のメルマガを読まれるといいわけなんですけれども(笑)。 (会場笑) 坂本 (笑)。 江守 それは、ちょっとおいといて(笑)。 坂本 だから、陰謀論でもないけど……そういう世界の枠組みのストーリーとして考えるのは非常に大事だと思うし、僕もけっこうそれは(ふだん)抜けているところなんです。 やっぱり、情報源をつなぎ合わせるのは難しいし。例えば、みなさんがトルコリラだけに投資していて、「なんで、トルコリラはこんな下がるんだよ」「俺は100ドルから買ってて、もう4分の1じゃないか」「5分の1じゃないか」と言っている方も、いらっしゃるのかなと思うし、「トルコリラ債を証券会社とかから買わされて、すごく損してるよ」という人もいると思います。そういう人は、たぶん今の話に絶対気づかないと思うんですけど。そういうのは、すごく貴重だと思って聞いていました。

アメリカは転換期にきている

坂本 あとは親玉・米国がいよいよ、景気後退まではいかなくても……まあ、僕は鈍化すると思っているんですけど。「やっぱり、景気後退はあるのか?」という話について、江守さんは最初、どちらかと言うと強気でしたよね? 最近のアップデートと言うか、来年の見通しを含めて(詳しいお話は)後からあると思うんですけど、簡単にうかがいたいと思います。 江守 基本的には、設備投資が意外とプラスだったんですねという感じだったんです。基本的には、私は終わっていると思っています。だから今日は、あまりいいお話はできないかもしれないんですけれども。 ご案内のとおり……ご案内かどうかはわからないですが、アメリカの株については、ずっと強気で「上がりますよ!」と申し上げていました。実際にそうなりまして、よかったなと(思っています)。私のメルマガの読者のみなさんに、すごく喜んでいただいたんですが(笑)。 (会場笑) 江守 おそらく、この転換期にきているんです。なので、今はどうなっているかと言うと……本当はメルマガを読んでいただきたいんですが、かなり際にきている。昨日の「ダウが下がったから」という(一時的な)ことではなくて、もうそれが始まっているんだろうなと(思っています)。後ほど、最後の私の講演で詳しくやらせていただきますけれども、基本的には日本もアメリカも同じ状態かなと思っています。景気は、けっこうピークかな。 一番見なきゃいけないのは、やっぱり住宅です。住宅と金利って、リンクしているじゃないですか。住宅は、もう完全にピークアウトしています。今年の1月がピーク。見方によっては、アメリカは去年の11月がピークなんです。ただ、アメリカは広いですから、50州あって50個の国があるのと同じなので。西海岸と東海岸だけを見ていればわかるかと言うと、中はまったく別の国ですから。 東と西だけ(をそれぞれ)見ていると、「すごくいいな」となるわけです。(西の)シリコンバレーから帰ってきた人の話を聞いていると、「ものすごいぞ!」と言うわけです。(東の)ニューヨークから帰ってきた人に聞くと、「物価は高いし家賃も高いし、すごいですよ!」と。昨日もその人とランチして話してたんですけど、やっぱりそうなんです。 ただ、国全体がそうかと言うと、そうじゃないんです。あれだけ国が大きいので。だから、ワシントンにいる政治家が、そこだけ見て(東海岸・西海岸を別々に)やっているのかと言うと、それじゃあ選挙に勝てませんから。必ずラストベルトも含めて、広く見てやっているわけじゃないですか。そこは、なんとかしなきゃいけない。 大豆の問題(中国がアメリカ産の大豆の輸入再開準備を始めていること)とか、あるじゃないですか。そういうところはトランプを見ながら、硬軟織り交ぜながら中国と交渉するわけですよ。そう考えると、何を見ていくのが一番いいのかと言うと、やっぱり住宅です。価格も、ほぼピークアウトしちゃってきてるし。 坂本 金利の上昇が、とどめを刺した気がするんですけど。あの金利だったら……たぶん30年とか35年で借りたとしたら、5パーセントは超えるじゃないですか? 金利水準を考えると。 江守 そうですね。 坂本 5パーセントを超えると、住宅ってなかなか手を出しづらいですよね。日本だと5パーセントの金利は、ちょっとあり得ないですけど。アメリカでも物価上昇や賃金を考えると、5パーセントを超えるとけっこうつらいんですけど……それが今年は(ついに)いっちゃいましたから。 江守 いっちゃいましたね。やっぱり、昔の金利と今の金利の水準って、だいぶ違うでしょう? 坂本 そうですね。 江守 「昔」だと、私より上の方たちじゃないとわからないと思うんですけど。だって1980年ぐらいのすごく古い話で、まだお生まれになっていない方もいらっしゃるかもしれないんですけれども(笑)。アメリカが本当にインフレだったとき、CPIが15パーセントですから……とんでもないときがあったわけです。それは(さすがに)普通じゃないですけれども。 例えば10パーセントとは言わず、5パーセントなんて普通だけど、今は「3パーセントまで上げました」って(言っただけでも)ものすごく高く見えるけど、やっぱり金利の水準はすごく下がってきているんです。だから実は、3パーセントでもものすごく高いんです。 けっこう昔から取引されていたり、昔をよく知っていたりするベテランの証券アナリストやストラテジストの方は、「いや、昔と比較すると低いですよ」と言うんだけれども、今の3パーセントは昔の5パーセントぐらいです。そう考えないと(いけなくて)……今の経済環境からすると、たぶん今の3パーセントってものすごく高いんですよ。なので、これを「低いから、まだ上がります」と言うと、たぶん間違えてしまう。 けっこう有名な投資家なんかに、「いや、もっと上がる」とか言っている人もいるんですけれども……いや、そうかなあと。今の3パーセントは、昔の5パーセントや10パーセントの単位なんじゃないかなと、私は感じているんですけれど。 坂本 GDPの成長率を考えると、とくにそうなっちゃいますよね。 江守 そうですよね。今はやっぱり、成長率がすごく落ちていますからね。 坂本 どこの先進国でも(成長率が落ちているという)現象がずっと、リーマンショックの前後くらいからありますよね。ただそこは高い金利の中、12月は一応、米国の利上げもあることにはなったんですけれども。あと来年の2回くらいがMAXとは、言われているんですけれども。そのあたりの見通しはありますか? 江守 利上げはね、下手するとできないかもしれないです。 坂本 12月もない? 12月は、まああるんですよね。ただ来年がない? 江守 とりあえずはあります、たぶん。来年1回やったら、これで死にますよね。ほぼ死にます。耐えられないです。だから……。 坂本 だいたい0.5パーセント上がるということですよね? 来年。 江守 0.5パーセント上がったら、たぶん死にますね。 坂本 ということは、ほぼ3.6パーセントとか3.7パーセント。あそこの過去10年のピークアウトのところを付けちゃうと……これはさすがに厳しいです。 江守 0.5パーセント上がると、今の2年債の利回りとだいたい一緒になるので、そうなるともうほぼおじゃんですな。たぶん金利がもう上がらなくなってくるので、これで終わりますよね……なんか、すごい暗い雰囲気になっちゃったね(笑)。 坂本 そうしたら、要は円高になりますよね。また暗い話をかぶせましたけど(笑)。 (会場笑) 江守 為替はもう……為替の話、しちゃっていいですか? 坂本 どうぞどうぞ。 江守 「円安だ」という意識があるんですけれども。なんでこれが円高にならないか、わかります? みなさん。これ、安倍さんが抑えているんですよ……と言っても、「また胡散臭いな」と思われるかもしれないですけれども。「本当にそうやって為替が動いている」ということを、私はいつも声高に言うんですけれども。 session1_mremori_1 さっきから何度もお話ししていますけれども、為替は政治で決まっていますから。今は株価がこれだけ下がっているのに、なぜ円高にいかないのか? 今までだったら、為替ジャーナリストはよく「円高ですね」と言うじゃないですか。なんでそういうふうに、私が言っているように説明しないのかなと思うんですけれども……テレビですから、立場的に無理ですよね。 (会場笑) 江守 テレ東の朝(の番組)で、「なんとか銀行のなんとかさん、(ご意見を)どうぞ」と言われて、「いやー、これは安倍さんとトランプさんがうまくやっているんですよ」。 (会場笑) 江守 これは言えないですよ。この間も、三菱UFJの方と話したんです。「私はこう思っているんですけど、どうですか?」「いや、江守さん。これはテレビで言えないですよ」と言われて(笑)。 (会場笑) 江守 「私はそう思うんですけれども、どうですか?」(と言うと)「いや、たぶんそうだと思うんですけどね。私の立場じゃ言えませんよ(笑)」。 坂本 (笑)。 江守 そりゃ、そうですよ。金利や経常収支とか、やっぱりそういうのを説明せざるを得ないので。ただ円高にはなっていないので、日本株は助かっている。今回の日銀短観では、想定為替レートが109円まで落ちましたけれども。来年、110円以上はほぼないと思っていたほうがいいんでしょうね。100円くらいまでとは、一応見ていますけれどね。

ハイテクよりFAの息が長い?

坂本 そうなると……ようやく株の話になりますけれども、業績が厳しいですよね? 今年は112~113円平均で買いにいったとして、そこから10パーセントでしょ? だいたいマクロベースで為替が1円動くと、0.6パーセントや0.7パーセントくらいの業績のブレがあると言われているんですよね。 そうすると、業績は10パーセント弱くらいの下方修正になるかなと思うんですけれども。ただそうなると、さらに悲観的なバイアスがかかってくるので(笑)。 (会場笑) 坂本 (そう)なっちゃうので、ひょっとしたら……もう少し(影響して)15パーセントくらいの減益になるかもしれないんですけれども。 江守 あと、中国の影響がどうやって出てくるか。市場で、工作機械とか出ているんじゃないですか? 坂本 いや、もうかなり出ています。もうかなり出ているんですが、ただ今年は、ぜんぜん問題なくて。バックオーダーがすごくたまっているんで、そこをこなすし。ある考え方では、ファーウェイはけっこうまずかったです。 江守 やっぱりまずい? 坂本 うん。「設備増資を、とりあえず凍結しようかな」みたいなものは、当然せざるを得ないんですから。それで、ちょっとその話があったりして……スマホとか、そういうハイテク絡みの製造装置は、けっこう厳しくなったこともありまして。ここが、また新たな悪材料になるのかなと思っていますけれども。 江守 個別もそうなんだけど、今お話があったような為替や米中(貿易摩擦)の話で、けっこう業績に直で降ってきそうなところやセクターとか……できたら、具体的な銘柄とか。そのあたりは、どう見ているんですか? 坂本 基本は、今年の頭くらいまでずっと強かったFAと半導体のところが、一番大きい。機械もそうです……FAも機械ですが。中国は人件費がめちゃくちゃ上がっていて、「日本と変わらないよ」とか「熟練工は、日本より高いよ」みたいな話になっているんですけれども。それを少しずつFAに置き換えていく動きが、続いてきていまして。 これがまだまだ、10年とかのレベルじゃなくずっと続くでしょうと(考えています)。中国が工業化すればするほど、そこのFAの部分に需要があるというところです。「ハイテクバブルか」と言っている人がいました。けっこういいところまでFAも買われていたんですが、僕はハイテク以上にFAの息が長いと思っていて。ここは、ほぼ日本の独壇場なので。 だから中国が、さっき言ったような最悪のシナリオにならなければ、FAはかなり戻ってくると思っていて。そこは、もともとの利益水準から考えるPERが低すぎるので買いやすいですし。基本、単価を下げることはないと思うし、まだFAの会社はバックオーダーがかなりたまっていますので、1年位で受注が戻ってくれば、もう1回評価されてもいいと思うんですけれども。 ただ、PERがすでに高いところは、まだ調整の余地がありますよね。どこだろう……ハーモニック・ドライブ・システムズとか、あのあたりですよね。もともとPERが高いところは、調整(の余地がある)。将来の成長を期待して買われていますので。そこは、「高PERのFAだと厳しいよ」という話なんですけれども。今は一緒くたに落ちていますけれども、どこかで(成長するだろう)という話。あと、半導体……? 江守 そうだ。半導体について話そうと思ったんでしたよね。 坂本 半導体について、製造装置に関しては、受注をこなすという局面がどうしても出てくるのかなと思っていますので。もう1回、サイクルがくる。サイクルがくる1つの条件として、米中貿易摩擦のファーウェイのような懸念が、払拭されること。あとは、今年とどめを刺したのは、僕はインテルだと思っているんです。 江守 インテル? 坂本 はい。インテルのCPUを新しいものにしようとして、リプレースしていたんですけれども、それがいまいち歩留まりが悪くて。 江守 そうなんですか? 坂本 うん。それで、ちょっと供給不安が起こってしまったんです。それなら、一番高級品……サーバーに使えるCPUから、在庫がどんどんなくなってきまして。インテル®Core ™i7くらいまでは、かなり高くなってきた。よくギークの人が、Twitterに「アキバのCPUの値段が上がっている」と書いていましたけど。「あれ、こんなに上がっている」とか「売り切れている」とかが、もう目に見えてわかるんです。だから、CPUが相当不足していて。 CPUが不足するどうなるかと言うと、最終的にパソコンまで入れられないから、出ないんです。数が出ないので、そこもかなりネガティブに取られて、SOX指数が秋くらいから下がり始めた。日本のハイテク株は、もう年初過ぎからずっと下がったんですけれども……とどめをぶちこんできたのが、秋くらいにあったじゃないですか。 江守 逆に、ちょっと遅く出てきちゃった? 坂本 そうそう。それが、もともとはある程度わかっていたみたいなんですけれども、「完全に顕在化したのは、そこだ」というところがありましたので。これが払拭されていけば、半導体はちょっといいかなと思うんですけれども。 なかなかもう1回、この前のように「シリコンサイクルで、もう1発くるぞ」みたいな気運には、なりづらい。ただ、IoTが進んでくると、半導体を入れる需要が無限に増えてくるわけですから、それはたぶんあるでしょう。 だったら、もう王道を押さえておきゃいいんじゃないということで、ウェハーメーカーしかないかなと思って。「おもしろくないよ」という人いるかもしれないけれども、サムコとか信越化学工業かなと。 江守 固いところですね。 坂本 超固いです。だって、あれはほぼ日本が独占しているわけだし、過去に設備投資した分の減損をしたとか、苦い思いがあるので。2社は結託しているわけじゃないですけれども、極力設備投資を落として、ウェハーも「300ミリメートルより、もっとでかいやつを作れ」と世界からずっと要請するんですけれども、「いやあ……」とか言って、のらりくらりかわし続けている。 だから、それはもうほとんど寡占の状況になっていて。その中で、値上げをしているんです。 江守 そうなんだ? 坂本 うん。値上げをして、かつ複数年契約というむちゃくちゃな契約を結んでいるんです。 江守 それは(その契約を)持っている人が強いですよね。 坂本 強い強い。だから、値上げして2~3年の複数年契約を結んでいるわけですから、基本的に需要は落ちようがないし、ある程度使わなきゃいけないので。だから、収益が固いはずなんです。2~3年は収益が大丈夫だと思われているのに、さらに先の不安でたぶん売られている分だと思うので、そのあたりは固い。 そこに半導体・ウェハーの製造装置を入れている機械株とか、ウェハーの研磨剤の会社とかがあるじゃないですか。そのあたりは、本当は固いはずなんですけれども、一緒くたに売られている。 江守 まあ、今はしょうがないよね。 坂本 だからそれは、どこか落ち着いたところでいいかな。

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坂本 あとは日本株の……江守さんはどちらかと言うと全体の話をされるので、株の話をする機会があまりないんですけれども、あと10分あるので、そこをお話ししておきます。 僕は江守さんと同じで、「来年は厳しいよ」と(考えています)。まあ、「今年はもう厳しいよ」とは、10月から言っているんですけれども。 江守 (笑)。 坂本 そこはやっぱり、いつも言っていますけれども。米国の企業業績のピークアウトと、もちろん景気のピークアウトがありますよ。米国は、ずっと20パーセント前後で企業業績が伸びていたわけで。そこがポキっと折れたら、その先までをイメージして買っていた人が、少なくともそこの部分がないんだったら、売ってくるじゃないですか。 そこの株価調整を考えても、厳しいです。これが、たぶん続きます。僕はどちらかと言うと、来年は日本株よりアメリカ株の下落幅が大きいんじゃないかと思っています。 江守 私も、まったくアグリーです。 坂本 なぜかと言うと、日本は短期的な話では、昨日の米国市場の動きを考えると、「あんだけダウが下がったら、日経平均でもっと下がってもいいんじゃない?」と思った人がいたんじゃないかなと思うんですけれども。 それは「昨日は、先取りしていた」という考えがあるんですけれども。やはり今のところは、日本は1,000円くらいのところで……日本株って、どうしても下方硬直性が出ているところがあって。 それはなぜかと言うと、さっき江守さんから「PERを見ている人が……」という話もあったんですけれども。日本は固いと思っていますし、少なくともそれはあるでしょう。あとは、もっと言うと……まだそこまでいっていないけれども、PBR(について)。 日経平均って株じゃないから、「資産」と言うのはあれですけれども、一応算出はできるので。そこのBPS……1株当たり純資産を、リーマンショックの後にものすごくため込んでいるんです。日本企業は「お金を使わない」と言うじゃないですか。それが今は、来年の3月くらいで2万円近くになるんですよ(笑)。これ、リーマンショックや東日本大震災のときは、9,000円だったんです。 江守 あ、そんな感じなんですね。 坂本 だから、めちゃくちゃお金をため込んでいるんです。だから、たぶん下値を見るときは、僕はPERよりもBPSの1株資産になると思うので。そこはけっこう、実は鉄板であって。東日本大震災とリーマンショックのときは、これが0.8倍台でした。 江守 ああ、なっていましたね。 坂本 となると、0.8パーセントで計算すると、下値は1万6,000円とかになりますけれども。8倍台に突っ込んだと考えると、1万8,000円かなと。 江守 いや、すばらしいです。 坂本 一般と同じ見通しで、申し訳ないです。今はそこがオーソドックスだし、みんなの目線だと思うんです。基本的に日本株の大企業と言うか、日経平均採用企業のインデックスがマイナスになることって、ありえないじゃないですか。 江守 それはそうですね。 坂本 これ、実は(そうなる)可能性があったんです。昔、リーマンショックのときと東日本大震災(のときに)、予想EPSが一瞬突っ込んだことがあったんです。(実際には)ならなかったんですけれども。それは、よく外国人のアナリストとかが、「いや、インデックスのEPSが、10年間で2回くらいマイナスになりそうな国とか、先進国じゃねえだろ」と言っていたんですけれども(笑)。 江守 それくらいのショックだったというね。 坂本 でも、そのくらいハイテクとか機械とかを含めて、外部環境に依存していたというのはあるんですけれども、だいぶこのあたりがきれいになってきたと思います。各社を個別に見ると、設備投資もものすごく抑えていますね。もうリーマンショックのときに、「どんどん設備投資しよう」みたいな感じになっていて、最初はちょろちょろやっていたんですけれども、最後になったらぼんぼんやりだして。だから、「なんだろう?」と(笑)。 もう鉄鋼や電炉とか……東京製鐵とか、ひどかったですね(笑)。田原に工場を作って、何年かで「ほぼ全部減損しました」とか、むちゃくちゃな減損があったんですけれども。今、そういうむちゃくちゃな設備投資をしなくても、サムコみたいな感じで、もうぎりぎりの設備投資でいっているので。 だから、今後リセッションみたいなことが起こったとしても、もう大きな(影響は)……ある程度の特損は当然出ますけれども、EPSがマイナスになるような赤字とか。パナソニックが、2~3兆円突っ込みましたよね。ああいう構造改革をしなきゃいけないような突っ込みは、たぶんないと思うんです。 江守 そこまではないよね。 坂本 だから、リーマンショックは100年に1度だけれども、このリセッションは「100年に1度のリセッション」には、僕はならないと思うので。なので、やはりどこかで止まるはずなんです。ただ、緩やかに落ちていくと思います。ならば、今年(いくところまで)いったとしても、僕は1万9,000円くらいかなと思っているんですが。 session1_mrsakamoto だから来年も、たぶん1万8,000円割れくらいになったら、上値は重いけど、下はいってもある程度追って(いける)という動きになるかなと思っていますので。つまらない想像なんですけれども、下値にいったら、ある程度の銘柄を個別で探しておくのが大事かなと思うし。 好業績の銘柄は、当然ありますから。そこは逆に、みんなが期待していないときはサプライズ(になる)。この前四季報が出ましたけれども、その中でサプライズがあったりとか、個別銘柄のサプライズがあったりとか。そこを見つけていくような投資が非常に大事になってくるので、やはり個別銘柄分析に力を入れる時期だと思っています。 あとは、注意点ではないんですけれども……今までみたいな、「株はどんどん上がっていく」という妄想は、ちょっとやめていただいて(笑)。 江守 (笑)。 坂本 いや、ここは本当に大事なんですよ。だから、まずポジションの張り方を考えないといけないんです。たぶんだらだら下がってくるし、信用取引をやられる方は、半年でなんとかならなかったら負けなんですよ、基本的に。 なんで半年になっているかというと、いろいろな制度上の問題もあるんですけれども、今年の小型株は、とくに1月・2月が高値でした。もっと言うと、そこから半年が経っても、ずっと右肩上がりでなんともなりませんでした。 そこで、資金に余裕もあるし、損出しのクロスするかというと、まだ下がっていますという感じになるので(笑)。これは、半年で勝負がつかないようなタームに入っちゃったんです。 江守 そういうことだよね。 坂本 今までは、半年信用でがんばっていたら、「どこかで何か戻って、なんともなかった」というのがずっと続いてきたんです。このサイクルは、もう終わった。だから、押し目買い戦略とか(だと)買っていたらこう上がっているわけだから、どこかで買っていたらお迎えがきて、「俺のマイナスも、なんか金を突っ込んでいたら助かったわ」ということが(以前は)続いてきたけど、これがなかったということが、もう実証されたわけで。けっこうみなさんは、それで痛い思いをしているのかなと思いますので、やはりポジションは少なめにしてほしい。 あと、長期投資も計画的にやってほしい。「本当に、この会社は伸びていくんだ」「シナリオどおりにいくんだ」というところをしっかり見ていただいて、投資に臨んでいただければいいのかなと、僕は思うんですけれども。 やっぱり、低迷期は2~3年どころじゃないですか。最低でも、2~3年は厳しいと思っているんですけれども。 江守 (会場を見て)わかりました? 今のお話。 坂本 (笑)。 (会場笑) 江守 すごく大事なお話をしていますよ、今。 坂本 いえいえ。それで……。 江守 暗い(話だけど)? 坂本 暗い、大事な話なんですけれども(笑)。 (会場笑) 坂本 いや、でも……どうですかね? やっぱり、2~3年は厳しいかなと思うんです。と言いますのは、もっともっと……。 江守 うまくいけば、2~3年ですけれどもね。(短く見積もって)そのくらいですよね。 坂本 そうそう。最悪、5年くらいまで考えないといけないかなと思うんですけれども。 江守 やはり、いろんなことがある。よく株式市場関係者って、干支に例えるじゃないですか。干支は12年ですよね。私の感覚からすると、「それ、何か意味があるのかな?」というのは、あるんですけれども。 (会場笑)

オリンピックの前年は悲惨になる?

江守 それは、ちょっとおいておいて。再来年がオリンピックか。詳しい話は、私は(後ほど、講演の)時間をいただいているので、そちらで話してもいいんですけれども。 坂本 そうですね、そちらで。 江守 1個だけ、ちょっとここでお話ししておくと……来年は、オリンピックの前の年ですよね。「オリンピックまでは、なんかいいのかなあ」という雰囲気って、ありません? ぼやっとしたイメージというか。 いろいろ調べると、オリンピックの前の年のほうが悲惨ですよ。例えば、2016年のブラジル。その前の2015年に何があった? チャイナショック。2012年のロンドンオリンピックの前が、2011年の欧州債務危機。2008年の北京オリンピックの前が、サブプライムショック。それで、今回の日本。「消費増税できません」ですよ、これは。 坂本 おお。 江守 だから、たぶんきますよ。安倍さんは「リーマンショック級のあれがきた」と。今回ずっとBコミさんと話をしていて、「マーケットはこうだよ」という話は、リーマンショックじゃないんですよ。今回は、ハイテクバブルと同じなんです。つまり、バリュエーションの調整が入るんです。リーマンショックは、みなさんもご案内のとおり、債務が大きすぎた。それが崩壊した。 今は債務が、ほとんどたまっていません。では何が起きているかというと、バリュエーションが高すぎるだけ。これの調整が必要だから、株価が下がらなきゃいけないという話をしているだけで。割高だから、調整されるまで買っちゃいけないんです。それは後(の講演)で、私がチャートでお見せしますので、お話ししますけれども……そういうことだから。 だから、来年はオリンピックの前の年ですから、しっかりシートベルトを締めるというか、車に乗らないくらいの感じですよね。(そうすれば)もう事故に遭わない。 (会場笑) 江守 事故に遭わないようにしないといけない(笑)。自動運転とかなんとか言っていますけれども、乗って出ていって、事故ったら終わりですから。 (会場笑) 江守 私は今どうしているかというと、もうほとんど債券にしちゃっています。もう金利が上がらないと思っているので。債券に変えたのに、もうプラスになっちゃっているんですよ、リターン。もう金利が下がり始めているから。だから株はもう全部、現金が3分の1、あとは全部債券。株ゼロ。投資信託にちょっとだけあるけれども、これはゼロになってもいいやつなので、それくらい極端にやっています。ね、わかりやすいでしょう? (会場笑) 江守 それはどうするかは、もうみなさんのあれ(ご判断)ですから。私はそうしているだけで、ポジショントークでもなんでもないですから。マーケットが私のポジショントークで動くわけがないんでね、1つの参考になればと思います。 叶内文子(以下、叶内) 来年は厳しいんだろうなと思ってはいたんですけれども、「数年厳しい」と言われると、初っ端からちょっと暗くなった気もするんですけれども(笑)。 (会場笑) 江守 日本がすごく良くなるのは、たぶん2024年から2025年くらいですよ。 叶内 だいぶ先? 江守 だから、逆にそこで買えばいいんですよ。 叶内 でも、買い場ではあるんですよね。 江守 2019年、2020年、2021年。ここがたぶん悲惨なので。2021年くらいまでは、もしかしたら(悲惨)かもしれないですけれど。逆に、そこが長期投資で一番儲かるところなので。そこに現金を持っていなかったら、死んじゃうんです。 坂本 それまでは個別株戦略で……確かリーマンショックのときとかでも、銘柄が一応50くらいありましたよね? なので、ここはやはり新興成長株とかをうまく取っていくのと、わかりやすいストーリーの大型内需株とかなので。今日もこの後、内需中心の3社からお話があると思いますので、ぜひ聞いていただければと思います。 叶内 江守さん、坂本さん、どうもありがとうございました! (会場拍手) 江守・坂本 ありがとうございました。 江守 お粗末さまでした。 叶内 いえいえ。

  
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Bコミ×江守氏が紐解く市場観「株がどんどん上がっていく妄想は、やめていただいて…」
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