エグゼクティブサマリー

松尾茂氏:まず、決算概要ですが、事業方針として前期から申し上げていた「SHIFT’ 100」が終わって、2018年としては中期計画の中のステップとして「SHIFT’ 300」、300億円を目指していくことに対しての方針を立てています。

その中で、この第1四半期の決算ですが、まず、数字の話が(slideの)1番にあります。大きくポイントとして書いていますが、前年同期比で約2倍の成長を達成いたしました。

具体的にはその下に、売上高は26億5,700万円、前年同期比1.95倍の成長となっております。また、売上総利益、粗利益ですが、ここにつきましても7億7,900万円、前年同期に対しては1.95倍という成長になっています。

営業利益につきましても同様に大きく成長していまして2億3,200万円、前年同期は、販管費のバランスもありまして非常に低かったので、約10倍という大きな成長となりました。

その背景としては、ひとつは2番目にあります高利益率体質への改革に、昨年から取り組んでおりましたが、着実に進展してきているということになります。

その下にコメントを書いていますが、まず、前期から取り組んでいる効率化・可視化などの社内業務体制の改善が、今期もさらに進んでいます。

また、昨年(2017年)からも説明しておりますが、M&Aを含めて、グループ会社が非常に多くなっていますので、グループシナジー効果などにより、グループの子会社も利益貢献も非常に大きくなってきています。こちらによって、成果が出はじめてきているという状況になっています。

3番目、大型案件の増加も昨年来、一貫して取り組んでおり、ご説明もしていますが、その下にコメントがあるように、SHIFT自身の信頼度向上により、既存顧客の受注規模が大きく拡大しています

もう1つは、その一環の中で認知度が非常に上がってきていると考えていまして、新規の大型の顧客の獲得などが大きく増えてきています。後ほど、ご説明しますが、この第1四半期においても、年間売上規模で1億円を超えるお客さまが、6社も増加しました。

高利益率の体制、シナジー効果、大型案件の受注が、すべてまとまったかたちで、数字として表れてきた、この第1四半期の結果だと、ご理解いただければと思います。

次のページ以降で詳細について説明いたします。

連結損益計算書

5ページが決算概要の詳細になります。

先ほど申し上げたように前年同期比で(売上高、売上総利益が)約2倍の成長となりました。また、昨年(2017年)第4四半期に営業利益率10パーセントを超える非常にいい決算を出しているのですが、この第4四半期からの利益率を一定規模で維持しながら、「SHIFT’ 300」に向けた順調なスタートを切れた第1四半期だったのかなと思っています。

具体的に数字で見ていただくと、一番左の赤いところが今期の実績です。昨年の第1四半期、前年同期比の数字がその右側にあります。またその右側に、直近の期間の、昨年2017年度の第4四半期の数字を置いてあります。

一番右側に、実力値として見ていただきたいということで記載させていただいていますが、SHIFT PLUSというグループ会社を、今期から子会社から持分法適用会社に変更しています。その影響を加味した実力ベースの数字、昨年の第4四半期との比較を載せています。

まず、昨年の第1四半期との比較で見ていただくと、先ほどご説明したように、売上高が今期は26億5,700万円と、(増加率が)94.9パーセントですので約2倍(の増収)。

売上総利益率につきましても、今期は29.3パーセントと、こちらは昨年の第1四半期はビジネスモデルが大きく変わってきて、現状エンタープライズ系で、まだ、利益が取れないところもあるのですが、ここも比較的堅調に推移していまして、昨年第1四半期と同水準を確保しています。

販管費は上がってきていますが、先ほど申し上げたように、営業利益は昨年の利益のバランスから考えると、2億3,200万円ということで前年同期に比べると非常に大きく約10倍、営業利益率は今期は8.8パーセントと、こちらも前年同期に比べると非常に大きく増加しました。

一番下にある純利益が1億6,300万円、昨年はほとんど(純利益は)出なかったので、(前年同期比で)1703.4パーセント、約18倍と大きく増えています。

昨年の第1四半期とこの第1四半期と、非常に大きく会社のかたち変わってますので、直近の数字から見ていただくのが一番右側になります。

(実力ベースで修正した)直近の数字が、例えば、(前年)第4四半期の売上高でいうと24億1,300万円だったわけですが、今期の数字を見ていただくと、10.1パーセントの増となってます。

こちらは、昨年はグループ会社が非常に伸長して、とくに第4四半期は季節性など、さまざま(要因は)ありますが、グループ会社の数字が非常に大きく貢献してくれたのですが、今期のひとつの特徴として、SHIFT単体の数字もかなり上がってきてます。

10.1パーセントというのは連結ベース、持分法の数字を除いた実力ベースの数字になってますが、単体だけですと14パーセントを超える売上高の伸長があったというかたちで、さまざまな施策が、成果として、この売上高の数字に表れていると思います。

売上総利益も、昨年の修正ベースで見るとプラス29.0パーセントですので、昨年の第4四半期でかなり利益率も改善してきていますが、そちらと比べても0.3ポイント上がってきているということになります。

販管費につきましては、今期5億4,600万円に対して、前期は販管費を抑えた関係で利益率が上がったところもありますが、今期は(前四半期比で)プラス20パーセントほど販管費を使い、下期に向けての戦略的コストというかたちで、集中して強化しています。

一方、営業利益は販管費のバランスもありますので、2億4,300万円から2億3,200万円と、4.5パーセントの若干の減少となっています。

営業利益率につきましても同様に、昨年は第4四半期だけ10パーセントを超えるかたちでしたので、今期は8.8パーセントとかなり大きく出ていますが、ここは全体の利益のバランスを見て利益率をコントロールしながら、一定の利益を出したかたちになっています。

一番下の純利益は、このような状況を考慮して、営業外等のものも含めると、営業利益ではマイナスとなりましたが、純利益は逆にプラスの6.8パーセントの増加となったことが、この第1四半期の決算概要になります。

四半期業績推移

その業績を四半期ごとの推移で示したものが次の6ページの資料になります。

タイトルにありますが、四半期ごとの売上高、売上総利益ともに過去最高値を更新しています。営業利益は(前年)第4四半期に比べて若干低かったわけですが、先ほど申し上げたように純利益は(前年)第4四半期を上回っていますので、実態ベースの四半期比で見ると、第1四半期は売上高、売上総利益ともに過去最高値と、いいかたちに上がったのかなと思っています。

一方で、先ほど申し上げたように、タイトルの下の行にありますが、人材採用などの戦略コストが販管費に入っており、ここにつきましては前年第4四半期に比べて20パーセントほど増やしています。積極的な投資は継続しながら、利益を出せるというかたちにもっていった第1四半期だと見ていただければと思います。

セグメント別業績推移

次に、セグメント別の状況を説明させていただきます。7ページになります。

上と下に(各領域の状況が)ありますが、まず、エンタープライズ系は堅調な成長トレンドに入っています。

エンターテインメントにつきましては、一時的な減収と見えますが、ここは先ほど申し上げたSHIFT PLUSという会社が、子会社から持分法適用会社に移行したことに伴う数字の影響が出ていますので、実質的には堅調に成長したと見ていただければと思います。

(エンタープライズ領域を)具体的に見ていただきますと、グラフがございまして、2017年は四半期ごとにだんだん成長してきており、この2018年の第1四半期の売上が23億1,400万円、セグメント利益が5億1,100万円というかたちで、こちらも順調に成長してきています。

概況は昨年からお話しさせていただいているハイスキル人材、昨年度から、大手のお客さまとの窓口として活躍できる人材を積極的に採用していますが、この活躍によって、大規模案件のお客さまが非常に順調に推移しているかたちになります。

もう1つは、開発を加速させるという意味で、アジャイル開発に対するサービスの提供を開始していまして、この結果として我々のサービスの幅が広がり、顧客層が拡大しました。

あとはグループ連携を進めて、セキュリティ、オフショアを含めたサービスの展開も本格開始するということ等を含めて、今回、6年ぶりにはなるのですが、中部地方、名古屋に、拠点としてエンタープライズの事務所も進出して営業網の拡大も図っています。

エンターテインメント領域に関しましては、赤い棒グラフが財務会計の数字ですが、そこから持分法適用会社に移行した会社の影響を省いたところが淡い色の棒グラフになります。

売上高で見ていただいても、営業利益で見ていただいても、結果的に今期の数字は若干ではありが売上高では増加、営業利益ではほぼ同等というかたちで、堅調な推移となっています。

ここ(エンターテインメント)に関しましては、規模的にはエンタープライズに比べて小さいわけですが、我々としてはきちんと力を入れていまして、(グラフの)右側に概況がありますが、大規模のお客さまも増加していること、さらなる拡大に向けて、エンタープライズと同じく6年ぶりに関西地方、大阪に拠点を進出して営業網を拡大するという施策を採っています。

エンジニア数の推移

次の8ページが、人員の状況になります。

我々はお客さまから注文をたくさんいただいていますが、注文に応えきるための人員の確保が非常に大きな課題になってきています。

グラフを見ていただくと、これはデリバリーといって、実際に現業でお客さまからお金をいただくために働く我々の従業員の数ですが、昨年も含めて非常に増えてきていて、2018年の第1四半期は1,616人というかたちで、こちらにバックオフィス系を含めれば2,000人という数字が見えてくる規模の会社になってきています。

一方で、(前年度第4四半期)1,563人と(今年度第1四半期)1,616人の差分が増加分かというと、そういうわけではありません。右側に少し細かく書いていますが、SHIFT PLUSを連結から控除した関係で(人員が)減ったところがありますので、実質的にはこの第1四半期で159人、現場の人員が増え、ここが売上高の増大に寄与したかたちになっています。

販管費の推移

次のページが、先ほどから申し上げている戦略的投資としての販管費の内訳になります。

冒頭ラインに書いてあるとおり、引き続き、戦略的投資の大部分は人材の採用関係になります。

今期については一番左にある赤いラインですが、こちらのボトムで見ていただくと5億4,600万円、売上高に対する比率は20.6パーセントとなっています。

大きな数字としては、やはり人件費がありますが、採用費も非常に大きく、前年同期の第1四半期と直近期の第4四半期の比較がありますが、第4四半期と比較していただいても採用費は62.2パーセントの増加と、先ほど申し上げた採用の増加に伴い採用費が増えてきているという状況です。

一方で、利益という意味では、営業利益はかなり販管費に依ってくるところがありまして、昨年の第4四半期は10パーセントを超える営業利益率を出しています。(前年度)第4四半期の「実績」の一番下の段にありますが、対売上高比で18.9パーセントと、こちらはかなり、ある意味、利益を出すというところも含めて、販管費を絞り込んできたというところがあります。

その影響も含めて、この第1四半期、第2四半期は販管費を使うというところで、採用費の増加にいたっていますが、それでも(対売上高比)20.6パーセントということで、利益とのバランスの中でコントロールしながらお金を使っていくということが、我々の会社としてのPL戦略になってきます。

連結貸借対照表

10ページは連結貸借対照表です。

タイトルにありますが、要点を言いますと、更なる成長の加速、次のステージへのステップアップのための最適な資本構成・資本戦略を追求していくステージになると思っています。

具体的な数字を申し上げると、赤いラインの真ん中に総資産がありますが、55億100万円です。

下から3行目の自己資本が20億8,700万円、一番右にありますが自己資本比率は前期の36.1パーセントから37.9パーセントと、財務の健全化は図られています。ただ、現在さまざまな資本戦略を、事業の拡大にあわせて検討している中で、この貸借対照表も会社の成長にあわせて、順次再検討しながら進めていく準備をする段階になっています。

業績予想と実績について

11ページに、業績予想と実績について記載しています

決算短信でも出していますが、この状況を踏まえて、上期および年間の予想につきまして、上方修正をいたしました。売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、すべてについて上方修正になります。

修正理由を3つ記載しております。

1つは、売上高は堅調な受注環境にあり、また、金融など流通の領域で顧客拡大が加速的に進んでいる状況です。

2つ目として、お客さまの状況はあるわけですが、人材の獲得力の強化により、サービス需要に対する必要人材のアセットの確保は堅調に進んでいる状況も見てとれます。

3つ目の利益率に関しても、ご説明しているとおり、高利益体質への改革やグループ経営の推進によって、社内的な予算の第1四半期の実績を上回るかたちでの着地になっていますので、その結果、そこから見えてくる上期と下期の状況を踏まえて、上方修正をしています。

その下に、金額がありますが、上期で見ていただくと、売上高が54億円から56億円と、2億円の増加、営業利益に関しましては3億円から4億円と、1億円の増加、それに伴う純利益は1億8,000万円から2億7,000万円と。9,000万円の増加としています。

通期の数字につきましては、売上高はさらに下期に積んだうえで120億円を125億円というかたちで、年間で5億円の増加としています。

利益に関しましては、下期も販管費の使い方等を鑑みて、上期の利益をそのまま引きずったうえで、従来8億円で公表していたものを9億円と1億円の増加。さまざまな税金費用のバランス等も考えて、当期純利益は5億円を6億円と、1億円の増加というかたちで、それぞれ上方修正をさせていただいています。