2026年3月期決算説明
トーヨーカネツ、今期は増配予定 主力の物流ソリューション事業でWMS・AI活用で業務領域拡大、価値向上を図る
ご説明内容

大和田能史氏(以下、大和田):トーヨーカネツ代表取締役社長の大和田です。本日はお忙しい中、当社決算説明会にご出席いただき、誠にありがとうございます。さっそくご説明を始めます。
本日は、2026年3月期の決算概要、中期経営計画1年目の進捗と展開、今期の業績予想、今後の展開として持株会社体制についての4点をお話しします。
連結業績サマリー

2026年3月期の決算概要についてご説明します。通期の連結業績は前年同期比で減収減益となりましたが、過去最高だった前期に次ぐ2番目の売上高となりました。
売上高は596億1,700万円となりました。M&Aによる積み上げがあったものの、物流ソリューション事業が前期を下回り、減収となりました。売上総利益は、継続的な原価見直し活動により前期比で増加しましたが、営業利益は主に人件費や営業活動費の増加によって前期比で減少し、35億8,100万円となりました。
経常利益は前年同期比5億600万円減の38億9,700万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に有価証券売却益を特別利益として計上した影響もあり、前年同期比10億8,200万円減の25億5,600万円となりました。また、ROEは6.5パーセントとなりました。
通期業績予想に対する達成率は、スライド一番右側に記載しているとおりです。1株当たり年間配当金は100円を予定していましたが、株主資本配当率(DOE)4.0パーセント以上の還元方針に基づき、前期比3円増配となる103円とします。
物流ソリューション事業の概況

各事業の概況についてご説明します。まず、物流ソリューション事業です。売上高は349億5,700万円、営業利益は34億2,500万円で、減収減益となりました。大型案件がいったん落ち着き、中小型案件を積極的に取り込んできましたが、前期の業績には及ばず、概ね業績予想どおりに着地しました。
一方、受注高は前年同期比で増加し、358億6,000万円と堅調に推移しました。通期計画に対しても103.9パーセント、13億6,000万円上振れました。受注残高も引き続き豊富な状況で、前年同期比で増加し344億4,700万円となりました。
プラント事業の概況

プラント事業の概況です。売上高は128億200万円、営業利益は10億200万円で、増収増益となりました。採算を重視した事業運営を進めた結果、営業利益率も改善しています。
業績予想に対する売上高は未達となりましたが、これは組織改編に伴い海外子会社も当事業に加わった影響によるものです。現地の状況により、当初想定していた作業進捗に至らなかったことが要因です。
受注高は前期比で減少し、127億3,400万円となりました。これは、前期に受注した海外タンク補修案件の反動減が影響しています。国内を中心とした受注計画を立てており、おおむね順調に推移していると認識しています。なお、受注残高は116億3,400万円となりました。
みらい創生事業の概況

事業概況の最後は、みらい創生事業についてです。売上高は116億2,200万円、営業利益は4億6,600万円で、増収減益となりました。増収の要因はグループ会社2社を新規で連結したこと、減益の要因は前期に需要を取り込んだ環境リサーチとトーヨーコーケンの反動減があったことによります。
連結貸借対照表

連結貸借対照表についてです。売上債権の回収とグループ全体のキャッシュマネジメントにより、短期借入金を返済しました。また、坂田電機の連結や環境計測の本社拡張などに伴い、有形固定資産や長期借入金が増加しています。
その他の主な増減内訳は、スライドに記載のとおりです。
連結キャッシュフロー

連結キャッシュフローの状況です。着実な売上債権の回収や契約負債の増加により営業キャッシュフローが改善し、それを投資キャッシュフローおよび財務キャッシュフローに充てました。現金及び現金同等物の状況と主な要因は、スライドに記載のとおりです。
まとめ

これまでご説明した内容をスライドの一覧にまとめましたので、ご確認ください。
連結経営指標等推移

スライドは主な連結経営指標です。資本コストや株価を意識した経営の実践により、PBRが改善しました。こちらも後ほどご確認ください。
以上で、2026年3月期の決算概要のご説明を終わります。
目指す未来

次に、中期経営計画1年目の進捗と展開です。まず、その前提となる目指す未来についてお話しします。当社グループが目指す姿は、「社会課題の解決で未来を支え続ける」会社です。
社是を経営理念に掲げ、経営ビジョンは「革新的な技術と実行力で、社会課題を解決する『ソリューションイノベーター』」としています。当社はもの作りの会社として、常に新しい技術やソリューションを取り入れて課題を解決し、インフラを支えていくことを経営ビジョンに掲げています。また、それを実行に移すことが最重要であると考え、スローガンを「ACTION FOR THE FUTURE」としています。
目指す未来

スライドは、経営のアクションとして優先的に取り組むべき重要な経営課題(マテリアリティ)を示したものです。前期に見直しを行い、新たに8つのマテリアリティを策定し、積極的にESG経営を推進しています。
特に、「事業を通じた社会課題解決」に資する重要テーマとして、プラント事業で低炭素社会の実現、みらい創生事業で生活・防災環境の強靱化、物流ソリューション事業で現場の省人化・無人化の実現を推進することで、サステナブルな社会の構築に貢献していきます。
目指す未来(現中計)

スライドは、長期戦略に基づく現中期経営計画の位置づけを示したものです。当社の主力事業である物流ソリューション事業の市場は、労働人口減少を背景に自動化ニーズの高まりが続いており、ハードだけでなくソフトに対する重要性が増しています。
プラント事業は、昨今のエネルギー環境を踏まえ、メンテナンス需要が安定的に推移すると予測しています。次世代エネルギー開発では、低炭素社会の到来に向けた準備として、水素タンクの研究開発を継続していきます。環境・防災に軸足を置くみらい創生事業は、激甚化が予想される災害への予防や予知など、生活環境の保全に取り組みます。
これらを見据え、2028年3月期までの中期経営計画基本方針を「未来に向けた成長基盤の確立」としています。
グループ中期経営計画の骨子

中期経営計画の1年目の業績は先ほどご報告したとおりですが、スライドに記載のとおり、2年目・3年目と業績を積み上げ、最終年度には本業でROE8パーセント以上の達成をKPIとして掲げています。
また、全社を挙げて取り組む3つの経営課題を明示しました。この3つは取締役主導で取り組み、その経営の取り組みの上に、各事業本部長が責任者となり、基本方針のもと事業拡大を図っています。これらの進捗状況と今後の展開については、次ページ以降のスライドでご説明します。
3つの経営課題の進捗

3つの経営課題に対する施策です。1つ目の「事業の成長」については、スピード感を持って企業価値を拡大するため、持株会社体制に移行する準備に取りかかりました。この件については、「今後の展開」の章でご説明します。
2つ目の「生産性の向上」としては、生成AIを全社導入しました。近年のAI技術の発展は当社業務の生産性向上に活用できるレベルに達したと判断し、迅速に導入しました。すでに現場ではAIエージェントを構築し作業時間を短縮するなど、具体的な効果が現れ始めていると実感しています。
3つ目は「人材力の強化」です。新たな人事制度の準備を進めており、今年10月から本格導入する予定です。詳細はスライドに記載のとおりですが、OJTにとどまらず、自ら進んで新たな知識を習得し実行に移すことを制度化し、評価や昇進・報酬と連動させていきます。また、管理職には行動評価を取り入れ、組織マネジメント力の向上を図ることで、強い組織作りを推進していきます。併せて、継続的なベースアップは今後も実施していきます。
物流ソリューション事業の進捗と今後の展開

各事業の進捗報告と今後の展開についてです。まず、物流ソリューション事業です。当社は物流センターでもっとも人手がかかる出庫・梱包・出荷といった後工程を得意としています。ただし、センター全体、特に入荷や保管といった前工程には業務領域の拡大余地があります。そのため、ここ数年は倉庫管理システム(WMS)の開発を進めてきました。
これにより、物流センター全体のデータを把握することができ、前工程も含めたセンター全体のソリューション提案が可能となります。また、全工程に対応するシステムをすでにラインナップ化しており、実績として製造業への納入も始まっています。
WMSが採用され稼働開始すれば、今後増加するセンター全体のリニューアルなどを機に、前工程から後工程までのソリューション展開が加速すると考えています。最終的には、WMSを輸配送管理システム(TMS)と連携することで、物流センターの前後の輸送課題、いわゆる物流2024年問題をソフトの力で解決することを目指しています。
物流ソリューション事業の進捗と今後の展開

WMSの進捗と展開です。すでにWMSのプロトタイプは完成し、実装段階に入っています。当社は、物流センターの現場特有の悩み・課題を熟知しています。そこで荷動きだけでなく人の動きも見える化し、センター全体の課題をソフトの力で解決するために、周辺の基盤システム群の開発も進めています。
また、AWS Professional Servicesと協働し、AIをビジネス活用する「T×A neo」プロジェクトを始動しました。これは、ビジネス上は類似していてもお客さまそれぞれで異なる個性に合わせて、基盤システム群から最適なシステムをベースにAIを活用しすぐにカスタマイズして提供するものです。
さらに、社内業務では特に川上で活用することで、業務フロー上のリードタイムそのものを短縮し、お客さまとの会話密度の向上や間口の拡大効果を狙っていきます。AIの目覚ましい開発・発展をいち早く社内外のビジネスに取り込み、収益の仕組み化を図っていきます。
タンク(プラント事業・次世代エネルギー開発)の進捗と今後の展開

次に、主に国内原油タンクのメンテナンスを行っているプラント事業についてご説明します。この業界では現場人員の確保が重大な課題ですが、当社では複数年契約を積極的にお客さまに提案することでより長期的な動員計画を立てることができ、これにより、お客さまと当社の双方にとってWin-Winの体制を構築し、より効率的なメンテナンスが可能となります。
また、タンクメーカーとしての確かな技術力と現場管理力をメンテナンス現場にも展開しています。具体的には、働きやすさや品質・安全に注力しており、無事故無災害を実現しています。
既存業務のみならず、新たなエネルギー媒体であるSAFに対応するタンク新設など、プラント現場での新たな需要を取り込む活動も進めています。このような活動を継続的に行うことで、営業利益率も向上しています。
大型液化水素タンクについては、2028年3月期の技術獲得完了を目指し、10分の1サイズのタンク製造に着手しました。計画どおりに研究開発を進めていきます。
みらい創生事業の進捗

環境・防災領域に軸足を置いた、みらい創生事業の取り組みについてです。各社の強みを整理し、独自の技術を結集することでシナジーを発揮する準備を進めています。
具体的には、関係3社の連携の仕組みを構築し、ビジネスを見据えた情報交流の頻度を上げ、市場探索や顧客情報の共有、プロジェクト組成、想定ターゲットとソリューションイメージまで、シナジーの具現化に向けたレベル向上を図っています。また、生活環境インフラに対する予知保全・予防といった方向性で事業を拡大し、第3の柱として育成していきます。
資本コストや株価を意識した経営の実践

進捗の最後は、資本コストや株価を意識した経営です。スライド左側には、実施済みの施策を記載しています。普通株式の分割による流動性の向上などを通じて、TSRは200パーセントを超えました。
IRでは、株主との関係性強化施策や個人投資家向け説明会を精力的に行いました。特に国内外の機関投資家との面談は、年間で延べ93件となりました。今後も市場との対話を通じて引き続き努力していきますので、よろしくお願いします。
今期の業績予想について

ここからは、2027年3月期の業績予想についてです。2027年3月期の業績予想は、売上高が前年同期比9パーセント増の650億円、営業利益が前年同期比12パーセント増の40億円、ROEは7パーセントを見込んでいます。また、受注高は505億円を計画しています。詳細については、次ページのスライドでご説明します。
今期の業績予想について

スライド一覧表の赤色の枠が2027年3月期の業績予想です。物流ソリューション事業は、1年かけて持ち直していく予想です。プラント事業は、安定収益を確保する見込みです。みらい創生事業は、坂田電機の年間収益の取り込みも含め、上積みを図る計画です。
詳細はスライドに記載していますので、ご確認ください。
資本政策及び株主還元方針

資本政策および株主還元方針については、スライドに記載のとおりで変更はありません。2027年3月期の配当予想は、安定配当を目指したDOE4.0パーセント以上の方針に基づき、2円増配の105円とします。今後もスライドに記載の方針を堅持していく予定です。
2027年度 持株会社体制への移行目的

本日のご説明の最後は、今後の展開についてです。スライドは、持株会社体制への移行についてお示ししています。
今後のグループ発展のため、グループ全体の売上・利益の80パーセントを占める物流ソリューション事業とプラント事業の2つの事業を、それぞれの事業特性に応じた経営体制で成長させたいと考えています。
この2つの事業は、市場環境や顧客、協業先、仕事の進め方や必要な技術がまったく異なることから、持株会社体制へ移行することが最良の選択であると判断しました。具体的には、スライドに記載のとおり、物流ソリューション事業とプラント事業を新たに事業子会社とし、持株会社の傘下に置きます。
目的と狙いは大きく3つあります。1つ目は、事業会社の迅速な意思決定です。2つ目は、M&Aやグループ内外のアライアンス等による成長促進です。3つ目は、市場に対する事業の透明性の向上です。これらを推進し、スピード感を持った事業成長により、さらなる企業価値の向上を図ります。
以上で、すべてのご説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:WMSとTMSの連携効果について

質問者:物流ソリューション事業についておうかがいします。WMSとTMSを連携させることで、どのような効果
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