夫婦のお財布は別々、共通どっちがいい?
頼藤太希氏(以下、頼藤):それで、夫婦の家計管理は別の財布がいいのか、共通がいいのか、という話なんですけれども。あと、お小遣い派とかね。片方が管理して、というパターン。
高山一恵氏(以下、高山):これはね、お金を貯めている夫婦をいろいろ見てきていますが、やっぱり、ほとんどは小遣い制。
頼藤:それは専業主婦の場合じゃないんですか?
高山:いや、共働きとかでも旦那の給料だけでやる、みたいな。自分の収入は使わずに、旦那の給料だけでやり、かつ、旦那だけ小遣い制。
頼藤:それで、女性は自分の収入で好きなものをやったり?
高山:はい。
頼藤:えーっ!
高山:あとは、子ども費用ね。子どもがいる方は、子ども費用も自分で出すと。
頼藤:ああ、支出の担当を分けるというのはわかるんですけども、小遣い制なんですか?(笑)。
高山:某ハイブランド雑誌の読者の家計を見たら、けっこうみんなそんな感じで、コツコツ自分だけお金貯めているというような(笑)。
お小遣い制のメリットどデメリット
頼藤:専業主婦がいる家庭に小遣い制が多いというのはわかるんですけれども。
高山:それは一方のお金しか収入がないのでね。
頼藤:お小遣い制にすると、どういうメリットがあったり、デメリットがあったりするんですか?
高山:お小遣い制にすると、一方が家計管理をするじゃないですか。だから、何を何にどう使っている、というのを一気通貫で把握しやすいですよね。
1人が家計管理をしているから、お金の流れも見えやすいし、相手も無駄遣いしないでしょ? だって、3万円しかあげないんだから、というのがありますよね。
デメリットは当然、小遣い制の方がストレスが溜まりますよね。夫側にすごく不満が溜まるという。
頼藤:なるほど。あとは、家計管理をしていないから、状況がわからないんじゃないですか?
高山:まかせっきりにしているとね。
頼藤:生きていけないですよね。離婚とかして、急にまた自分の家計になったら。「どういう支出だったっけ」って。
高山:そういうのはあるかもしれないですね。
頼藤:生きていけなさそうですね。
高山:そうですね。
頼藤:ストレスが一番不満ですよね。稼いでいるのに。
高山:そうね。でもね、家計管理のうえでも小遣い制にしているところが、一番貯まっている気もします。
頼藤:なるほど。じゃあ、夫に不満が溜まらないように、ちゃんと転がすというのがポイントだということですね。
高山:そうそう、たまになにかプレゼントをあげたり、飲み会で……。
頼藤:それくらいじゃ解消しないと思うんですけど(笑)。
家計管理の「共通財布型」
頼藤:たぶん、小遣い制というのは正直、古いと思います。時代遅れの家計管理だと、僕は断言したい。
高山:なるほど。
頼藤:というわけで、このカップルは共働きなので。
高山:共働きは、やっぱり支出の担当をお互いに決めて、あとは自由裁量でやっている家庭も多いですよね。
頼藤:なるほど。
高山:それは一番ストレスがないやり方ではあるとは思うんですけど。
頼藤:共通の口座を作って。
高山:そう、共通の口座を作って、そこに自分の担当分のお金をそれぞれ入れ合うという。
頼藤:例えば?
高山:例えば、住宅費用だったり、公共料金だったり、あと保険料とか、ありますよね。
そういうのを、どっちがどれだけ出す、というのを決めて、理想なのは、そこで貯蓄もお互いにどうするというのを決めて、貯蓄口座は別に作る、というのがいいと思います。
あとは「余ったらお互い自由に使おうね」というパターンはあると思います。
ただ、共働きはお互いに財布を持ち合うので、相手が何にどう使っているかというのが見えにくいですね。
頼藤:それは、そうですよね。
高山:けっこうご相談に来ると、お互いに「もっと貯めていると思った」と。だから、お互いの貯蓄額を聞いて、「えー!」っとなって、ケンカになるパターンもけっこうあります。
頼藤:なるほど。ありますよね。支出はいいですよね。だいたい家賃や、家のローンは男性が負担することが多いかもしれないですね。
高山:傾向としては。
頼藤:これはイメージとしてね。食費とかは女性だと思うので。
貯蓄は夫婦共通の口座に、お互いが5万円ずつとか入れる、ということですよね。なるほど。
その貯蓄用の口座は1つだけじゃなくて、教育費用とかあるんですよね。余暇用とか。
高山:そうそう。老後費用とか。
貯蓄はしっかり、あとは自由裁量
頼藤:そんな感じで口座を分けてやっていると。問題点としては、お互いの貯蓄額とかも申告した方がいいかもしれない、ということですよね?
高山:本当はね、言った方がいいとは思うんですけど、それもさっき言ったように、女性は少しごまかしながらね。
頼藤:ごまかしながらやっていった方がいいのではないかと。お小遣いじゃないから、そこの不満は溜まりにくいと。
デメリットは、一緒に家計を管理するという意識が希薄になってしまう。
高山:そうですね。とりあえず担当分は出すけど、というのはあると思うんですけど、あとは自由裁量だから、相手が何にどれくらい使っているのかわからない。もしかしたら無駄が多いかもしれないけど、そこを言えないというか。
ただ、私としては、貯蓄をしっかりしていれば、「あとは使ってしまっていいんじゃない派」なんですね。だから、貯蓄の計画はどれくらいお金が必要なのか、2人でしっかり話し合って。そこに関してはお互いコミットしようね、というのをしっかり。
頼藤:それ以外は、自分のお金だから使っていいよと。
高山:お互いにNO干渉。
頼藤:そっちの方が僕もいいと思いますね。
高山:それが平和だな、というのは思います。
頼藤:個人の裁量の中で、投資もやっていいし、貯蓄もやってもいいし。そっちの方がトラブルがなくなりますよね。
高山:かな、という気はしますね。
頼藤:なるほどね。
家計管理の「全額負担型」
頼藤:じゃあ、このラジオネーム・レイコさんが結婚して子どもを産んで、そのあとパートとかになった場合ってどうすればいいですか?
高山:パートとかになった場合は、専業主婦の考え方というか。パートってどれくらい稼ぐかにもよるとは思うんですけど、結局は収入がすごく多い方の生活費で賄うことになっていくと思うので、小遣い制になるパターンもけっこう多いですね、旦那さんの。
頼藤:あとは、全額負担型っていうのがありますね。
高山:全額負担型。旦那さんのお給料だけでやるっていうことでしょ?
頼藤:そうですね。
高山:妻のパートは自分の小遣いという。
頼藤:お金が貯まるのは、共通財布にして、各自の裁量で使っていいよ、という感じですか?
高山:だと、私は(思います)。
頼藤:共通財布を設けて、それぞれの財布を設けて、3つの財布があるということですよね。
高山:さっき言ったように、とにかく貯蓄計画だけはしっかり。
頼藤:貯蓄計画を作ろうと。
高山:作って、それも教育費用、老後費用とかいろいろ分けて、お互いにいくら必要なのかね、というのを割り出し、そこはコミットする。
お互いの貯蓄を見える化する
頼藤:なるほど。共通の財布の中に、支出とか貯蓄も入れるんですか?
高山:貯蓄はまた別でいいんですけど、貯蓄も2人で見える化する方がいいと思います。
頼藤:なるほど、見える化ね。
高山:そうそう。貯蓄さえ、貯まっているというのをお互い確認できれば、「オッケー」ってなるじゃないですか。
頼藤:なるほど。全体の支出がどれくらいかかっているかは見なくていいんですか?
高山:それは見た方がいいですよ、もちろん。それも共通で、お互いに。
頼藤:それはどれくらいですか、1年に1回くらいですか?
高山:どうだろうね……家計の決算書作ろうとかっていう手はありますね。お互いに、半年に1回とか、1年に1回くらいは。
頼藤:それで見直して「もっと支出減らせるよね」とか「もっと貯蓄増やせるよね」とか。
高山:会議みたいなのはした方がいいと思いますね。
頼藤:じゃあ、給料が上がったタイミングとかはいいんですかね。
高山:ああ、給料上がったとかは、ちゃんと申告してくれれば。たまにいますよね、給料上がったけど言わないでいる。「奥さんに言わないでおきます」とか。あとは、「残業代が入ったんですけど、これは隠します」みたいな。いるじゃないですか。
頼藤:それは確かに(そう)なりますね(笑)。
高山:多いですよね!
頼藤:残業代の振込を。別の口座で貯めている、みたいな人いますよね(笑)。
高山:いるじゃないですか。
頼藤:前の会社にもけっこういました。
高山:いますよね。
(両者笑)
それも、確かに、このご時世だと家計の中で小遣いが、そうそう上がらないと思うんですよね。だから、それは男性の賢い1つのやり方なのかなと思います。
頼藤:理想は、お互いの収入、貯蓄を明かして、2人でやればいいんですけれども、それだと角が立つこともけっこうあるので、お互いの共通財布を作って、その中で支出管理、貯蓄管理をして、それぞれの残ったお金は自由に使っていいよ、というのがいいのではないかと。
それが、今風な家計管理ではないかと。
高山:なるほど。
頼藤:もちろん、今言ったことにもデメリットはあるんですけれども、臨機応変にやっていく感じですかね。
今ご紹介した内容で、レイコさんが「これがいいな」と思ったものをやっていただければと思います。
高山:そうですね。
頼藤:どうですか、大丈夫ですか?
相手にまかせっきりにせず自分ごと化する
高山:でも、長きにわたってご一緒する場合は、本当にお金のことってけっこう大事なので、そのところは一緒にいろいろお話しした方がいいと思いますよ。
頼藤:高山さんはちなみにどんな家計管理なんですか?
高山:うちは共通財布型ですよ。
頼藤:共通財布型。
高山:やっぱり、私も自由に使いたいタイプなので。あんまりいろいろ言われたくない(笑)。
頼藤:(笑)。僕も絶対、そういう感じのタイプがいいですね。
高山:ね! あとはやっぱり、貯蓄はちゃんとしていないといけないので、そこだけしっかり見える化すればいいのかなと。
頼藤:そうですね。納得して、相手の方がお金の管理がうまいから、まかせてしまっている、ということだったらいいです。
でも、もっとお金と向き合う機会って増やした方がいいと思うので、まかせっきりにしないで、たまには自分でもやってみるとか、ちょっと違うことをやった方がいいのではないかなと。
高山:そうですね、これからいろいろ、時代が厳しいじゃない。いろいろ、社会保障制度とかも、身近なことでもいろんな制度が変わってくると思うんですね。これから、あとは年金が減るかも、とかいろいろと言われている中で。
だから、やっぱり自分ごと化して取り組むという意識は、これからは本当に持った方がいいかなとは思いますね。まかせっきりにしないでね。
実際にお金の管理をやってみることが大事
頼藤:そうですね。例えば「株の銘柄を選ぶのうまいから、旦那にまかせているんです」、それだったらいいと思うんですけど、普通のお金の管理って、みんなできないといけないのではないかなと思うんですよね。
高山:本当はね。
頼藤:「お金の知識がないからできないです」ではなくて。
これって最近、「マネーリテラシー」「ファイナンシャルリテラシー」「金融リテラシー」という言葉が、リテラシーというのは読み書きができるということなんですけど、それを上げるにはどうすればいいかという話があるんですが、僕は勉強するということではないと思うんですよ。
まずやるっていうことなんですよね。やることで、リテラシーというのは追いつくんですよね。これは、証券アナリストジャーナルで確か論文にも出ていたんですけど、アメリカ人にテストしたんですよ。
マネーリテラシーテスト。日本人にもしたんですよ。これは、結果として日本人のマネーリテラシーは低かったんですけれども、勉強するかしないかではなくて、「投資をしているか、していないかという差が大きい」という結果だったんですよ。
高山:実際にね。
頼藤:そう。これは、例えば、ゲームとかスポーツと一緒なんですよ。ずっとルールブックを見ていてもうまくならないじゃないですか。絶対にならないんですよ。
僕はサッカーをやっていたんですけれども、サッカーにはワンツーとかあるんですよね。ワンツーって、理論上はわかるじゃないですか。ダイレクトで相手に返す、みたいな。
でも、やってみるとすごく難しいということがわかるんですよ。相手もいるし。その中で、「じゃあ、相手がこの位置だったら成功するな」とかって絶対にあると思うんですよね。
そんな感じで、やりながら覚えることというのがすごく大きいと。やると、例えば、「株ってこういう仕組みだ」というのがわかると思うので、そういうテストを受けてもわかる、ということなんですよね。
やらないことって忘れちゃうじゃないですか。だから、ぜひ、まず自分でやってみる。センスがなくてもいいんですよ。最初はみんなセンスがないんですから。最初はやってみていただいて。
あとは、お互いの能力が、マネーレベルが一緒だったら、成長しあえるじゃないですか。
高山:まあね、それはね。
頼藤:まかせっきりで、相手のせいにするくらいだったら自分でしましょうよという感じなので、今日お話しした家計管理もいろいろありますけれども、欲を言えば、一番良いのは共通財布型で、自分でも管理できるのが良いのではないかなと。
思わず僕、ちょっと最後に語っちゃいましたけど。
高山:でも、やっぱり体験が一番重要ですよね。経験、体験っていうところで。
頼藤:経験こそ、貴重な財産だと、いつもそう言っていますもんね。
高山:そうですね。
頼藤:失敗したっていいんですよ。
高山:やってみると。
頼藤:やってみるということです。というわけで、お時間もきましたので、新年1発目はこんなところで終了したいと思います。
頼藤太希と。
高山:高山一恵が。
瀬藤:お送りしました〜! またねー、See you!