2018年6月期 第2四半期 -決算のポイント-

西田穣氏:みなさま、株式会社トラスト・テック代表取締役社長、西田穣でございます。本日はご多忙のなか、当社決算説明会にご参集いただきましてありがとうございます。これよりお手元の資料ならびに、前方のスクリーンを使いまして、2018年6月期第2四半期の、決算の説明をさせていただきたいと思います。

それではまず、決算のポイントとしてお手元に開いていただいております、2018年6月期第2四半期中間期でございます。決算のポイントといたしまして、売上高は想定どおりに進捗いたしまして、技術系領域を中心に、前年比45パーセント増の増収を果たすことができました。

去る2017年11月15日に公表させていただきました業績修正予想を、若干ではありますが上回る着地ができたことを、ご報告いたします。

次に営業利益でございますが、前年同期比で69.2パーセントの増益を果たすことができました。技術系・製造系・海外と、それぞれのセグメントで増益を達成することができました。とくに技術系領域においては、収益改善が大幅に進みまして、大幅な増益を果たすことができました。

最後に2017年12月でございますが、英国の人材派遣会社を子会社化いたしました。英国の人材派遣会社ギャップパーソネルを傘下にもちます、1998ホールディングスの株式の75パーセントを所得し、子会社化いたしました。

当社グループの成長戦略でございます、国内および世界複数国に事業基盤を確立する方針に則ったM&Aでございます。

以上、簡単に決算のポイントをご報告いたしました。それではこの後、少し詳しく決算について、ご説明をさせていただきたいと思います。

2018年6月期 第2四半期連結業績

2018年6月期第2四半期連結決算の概要でございます。お手元の4ページのところの資料でございます。赤囲みしておりますのが、前年同期との対比でございます。

売上高は296億円、前年と比べまして92億円の増収ということで、プラス45パーセントの増収を果たすことができました。

また、営業利益は22億1,000万円ということで、前期比9億円増、69.2パーセントの増益ということになります。

また、親会社株主に帰属する四半期純利益といたしまして、13億1,200万円を計上することができました。こちらも昨年対比プラス80.7パーセントと、大幅な増益で終了することができました。

2018年6月期 第2四半期連結売上高・営業利益分析

少し細かく内訳をご説明させていただきます。(資料の)左側に、セグメントごとに積み上がってきた売上、また右側には、セグメントごとに積み上がってきた利益を書かせていただいております。

売上は、技術系に関して自立成長でプラス29億1,000万円。そして昨年(2017年)の3月にグループ入りしました、株式会社フュージョンアイでプラス7億円。製造系でプラス6億円。そして、ギャップパーソネルを中心とした海外領域で、プラス49億7,000万円の増がございました。最終的に、昨年比では90億円超の、296億円というかたちの売上になりました。

利益は先ほどご説明したように、技術系がプラス7億円と、この中では非常に大きく占めております。製造系・海外それぞれではプラスになっておりますが、一部買収費用等がございましたので、(その分、グラフの赤い部分で)マイナス2億円となっております。全体では前年比プラス9億円で、22億円を超える営業利益で着地することができました。

それぞれのセグメントで売上・利益を着実に上げて、とくに主要事業でございます技術系の領域を大幅に好転したことによって、増益の幅も膨らんだと考えております。

2018年6月期 第2四半期 BS・連結財政の状況

続きまして、6ページに財務諸表を書かせていただいております。こちらはご覧いただいた通りでございまして、やはりM&A等に伴います資産の増加・負債の増加等がございますが、こちらに関しては、計画の中で推移していると考えております。

2018年6月期 第2四半期 事業セグメント別 売上高

それでは続きまして、事業セグメント別の売上高についてご説明をさせていただきます。

先ほども少し触れましたけれども、まず技術系領域でございます。機電系領域を主力分野とする技術領域で、自動車や電気機械などが中心でございます。また、一昨年(2016年)より注力しております、IT領域における技術系の分野の社員配属数が、順調に増加いたしました。セグメント別といたしましては、(技術系領域で)前年比プラス29.4パーセント増の、160億円を超える売上高を達成することができました。

また、海外におきましては、先ほどもご説明したように、ギャップパーソネルグループを中心としたイギリスでもM&Aが成功いたしまして、プラスの49億5,000万円ということで、大幅な増収を果たすことができております。

右のグラフを見ていただくとおわかりのように、青いところの技術系が大幅に伸びたこと、オレンジのところの海外が大幅に伸びたこと。これらが、半期の売上高を大幅に引き上げた要因でございます。

2018年6月期 第2四半期事業セグメント別 EBITDA

続きまして、8ページでございますけれども、セグメント別のEBITDAにつきまして、少しご説明をさせていただきます。

当社は日本の会計基準でございますので、EBITDAに少しはまらないところがあるのですけれども、それぞれの事業の稼ぐ力みたいなものを示させていただくために、セグメント別ではEBITDAを使って、ご説明をさせていただいております。

これもグラフの青いところ(技術系領域)・緑のところ(製造系領域)・オレンジのところ(海外領域)を見ていただいた通りですけれども、とくに技術系領域が大幅な伸長でございます。こちらは、稼働の人数が増えたことや、1人あたりの請求単価が上がったこと、原価構造(の改善)です。いろいろなことの改善を進めまして、大幅に増益に貢献しております。

プラス8億円ということで、今回の9億円の増益の大半を、この技術系領域で占めております。

2018年6月期 第2四半期 技術系領域①

少し深掘りしてお話しさせていただきます。次のページで、2クォーターごとの進捗状況、前年の進捗状況みたいなものを書かせていただいております。左下は、一昨年(2016年)の前々期からの、各四半期ごとの売上・利益の進捗でございます。

ご覧いただいたように、売上は着実に期ごと・クォーターごとに前年比を大幅に上回っています。また、利益構造では、とくに前第2四半期におきまして、収益の改善が非常に進みました。前年が少し横ばっておりますのは、このころから、事業構造の変革に着手をしている過程でございます。

主に地元採用・地元配属というのは、技術者の方にフォーカスを当てた採用戦略です。このような配属戦略を一昨年から行っておりまして、そちらの成果が昨年(2017年)の第2四半期に、大幅に出たと考えております。

(資料の)右側をご覧いただいたように、売上は前々期の2016年6月期の124億円から、(2018年6月期で)約36億円でございますけれども、増えた部分でございます。こちらの(内訳は)23億円が機電系領域、そして注力しておりますIT系領域で、8億円の増収を果たしております。

利益もそれぞれ(増収による粗利増で)7億円、(単価・原価改善による粗利増で)2億円ということで、この技術系領域で進捗をさせていくことで、成果になっているのではないかと考えております。

2018年6月期 第2四半期 技術系領域②

続きまして、2018年6月期第2四半期の技術系領域です。これも細かいところで今申し上げたところと重なる部分がございますけれども、当社の事業戦略の事業進捗を少しご理解いただくために、こちらに詳しく記載させていただいております。

左手の図が、それぞれの第2四半期における伸長の度合いでございます。先ほどの図からのちょっと細かい仕様でございまして、この前々期から注力しておりますITソフトウェア領域の事業拡大に、ようやく成果が出てきたところでございます。

この(2017年)1月には、IT事業の事業統合をいたしました。株式会社トラスト・アイパワーズという名で、新しく昨年買収した株式会社フュージョンアイ、及び前々年買収いたしましたTS(テクニカルソリューション)事業部を1つの会社にいたしまして、新たなスタートをきっております。

こちらの部分でIT領域の拡大をまず果たしていきたいと考えております。また、すでに発表しておりますけれども、2年前(2016年)にM&Aいたしました、フリーダムグループ。こちらは、自動車の制御・エンジンの制御・トランスミッションの制御・ナビゲーション、そして昨今注目されている、自動運転等の制御を得意とする事業会社でございます。

こちらもグループ再編をいたしまして、新たにトラスト・ネクストソリューションズという名で、より事業に特化したかたちで、この組込制御領域を進捗させていくつもりでございます。

前期はこのような効果を果たしていくための準備期間といたしまして、(2018年)4月からグループ全体で500名を超える新卒の技術者が、入社してまいる予定でございます。

右の図にございますように、一昨年(2016年)223名、昨年(2017年)339名、今年(2018年)515名の入社者となっております。非常に大きな規模でございますけれども、グループをあげて採用活動に注力した結果、ようやく当社としても500名の大台を超える採用ができるのではないかと考えております。

(2018年2月9日時点で)まだ4月1日を迎えておりませんので、最終的な入社確定ではございませんけれども、現状の状況では右下の図にございますように、昨年末4,500名を超えた稼働ニーズに対して、純粋にこの500名が乗ってくる。5,000名を超える技術者を抱えるグループに成長できると考えております。

以上、技術系のところを少し深掘りして、ご説明をさせていただきました。

2018年6月期 第2四半期 製造系領域

続きまして、製造系領域についてご説明させていただきます。製造系領域は、従前から利益構造を伴った成長をしていくということで、ご覧いただいたように、売上自体の年率での伸ばし方は、非常に着実だということでございます。

利益におきましては、この製造派遣・製造系業界では、ようやく突出して高い利益構造を構築できたのではないかなと思っております。

売上に関しましては、14.1パーセント増の49億1,800万円でございます。EBITDAに関しましては、44.9パーセント増の2億5,400万円ということで、利益構造は5パーセント強の営業利益が出せる事業になってまいりました。

こちらはエリア深堀における採用・配属・営業活動の注力化・効率化の効果が出てきたと考えております。また、採用活動においては(新規求人サイトの)「ジョブパーク」のブランドを展開するなど、地域に密着して人を移動させるのではなく、エリアの中で活用していくということが、ようやく成果に結び付いてきたと思います。

残念ながら、このマーケットの中での大幅な進捗はないのですけれども、事業の構造を作っていくという期初の目標計画は、着実に達成していけていると考えております。

製造系領域に関しましては、ご質問等があるかもしれませんけれども、現在の日本の構造のなかでは、まだまだフォローウィンドウが増えていると思いますが、採用・配属の難しさ等を考えながら、収益のしっかりと取れるところにフォーカスをして、成長の戦略として推し進めてきたと考えております。

2018年6月期 第2四半期 海外領域

続きまして、海外の領域について少しご説明させていただきます。こちらは、一昨年(2016年)に、まずMTrec社を買収いたしました。そして昨年(2017年)12月に、ギャップパーソネルグループを配下にもちます1998ホールディングス……こちらは純粋持株会社でございますので、このあとは「ギャップ」という名前でお話しさせていただきます。このギャップパーソナルグループを、傘下にもつことができました。

右の図をご覧いただきますように、一昨年買収いたしましたMTrec社は、地域的な被りがないといいますか、関連がないところでやっております。MTrec社はイングランドの北東部、そしてギャップ社は南西部で、事業展開をしております。

規模におきましても、ギャップパーソネル社の売上は約200億円の規模でございます。MTrec社は約70億円です。両方を合わせますと、だいたい270億円前後ということで、非常に大きなマーケットポジションを得たのではないかと考えております。

主に製造派遣・製造系・物流等々をやっております。そのような関係で、いわゆるEBITDA、利益構造としては、2パーセントから5パーセントの間を推移する事業でございます。現在は、3パーセント前後ぐらいで安定しております。

また、地域に根ざした顧客層をたくさんもちながら、大口顧客に左右されない事業構造の転換を、ギャップパーソネルで進めております。そのような意味で、安定的な成長が見込める企業だと考えております。

みなさまもご存じのように、イギリスのEU離脱に伴う政情不安であるとか、経済的な不安、これは非常に大きなポイントだと考えておりまして、我々も一昨年からこの海外買収戦略を進めるにあたって、慎重に検討をしてまいりました。

なかなか正解といいますか、確実な解がないのですけれども、現状では大きな影響が出ているというところはございません。また、将来的に向けても今のところマイナスの要素はない……と言っては嘘になりますけれども、大きく売上や利益が毀損するような因子は、今のところ見当たっておりません。

ただ、引き続き、経済状況だけではなく政治状況も注視しながら、このイギリスの事業を進めていきたいと考えております。また、イギリスを中心としたヨーロッパのマーケット自体は、非常に大きなマーケットでございます。我々としても海外戦略の中心として、まずこのイギリスでの事業を成功させること、そして着実に利益を上げていくことを優先して、体制を含めて進展させているところでございます。

2018年6月期 連結業績予想

最後になりますけれども、通期の業績予想と配当の予想についてご説明をさせていただきます。(資料を)めくっていただきまして、14ページ以降のところでございます。

まず、2018年6月期連結の業績予想でございます。こちらは先ほどから申し上げておりますように、(2017年)12月に買収したイギリスの会社などの業績や連結データが、通期で好転する部分もございます。

そのような意味で通期業績は、売上高が約5割、49.9パーセント増の645億円。そして営業利益は、35.1パーセント増の43億5,000万円。こちらも前年の末にM&Aをしたときに発表した数字を据え置いていますけれども、達成の予想をさせていただけるかと考えております。

2018年6月期 年間配当金

それでは最後になりますけれども、この2018年6月期の年間の配当でございます。すでにこの中間期2018年6月期の中間配当は、予想どおりの20円を実施させていただくことを発表させていただきました。また、期末配当金も、前年より5円増配した35円の予想を、引き続きさせていただくことになっております。

こちらはグラフにありますように、6期連続の増配というかたちで今期最終、投資家のみなさまのご期待にお答えできるように、進めてまいりたいと考えております。

以上、足早でございましたけれども、2018年6月期中間期の決算につきまして、事業内容と配当等をご説明申し上げさせていただきました。ご清聴ありがとうございました。