連結PL実績

丹智司氏:それでは、5ページ目の連結PLからご説明をさせていただきます。

3Q累計で、連結売上高が前年同期比107.0パーセント、経常利益が同じく120.3パーセントの増収増益となっておりまして、業績は継続して順調に推移をいたしました。

売上高は、株式会社UA、および株式会社コーエン等が増収をいたしまして、販売チャネルではネット通販が、引き続き大きく増収をしております。

売上総利益率は、前年同期から0.1ポイント改善いたしまして、52.7パーセントとなりました。販管費率は、前年同期から0.9ポイント低減いたしまして、44.2パーセントとなっております。

以上の結果、営業利益・経常利益は、前年同期比で約2割の増益となっております。また、減損損失の増加があったものの、四半期純利益も1割強の増益となっております。

単体 売上高実績 チャネル別

続きまして、6ページ目が単体の売上高実績チャネル別でございます。

単体の売上高実績チャネル別は、前期からクロムハーツ事業を除いた前年同期比で107.1パーセント、含めた比較で101.1パーセントとなっております。既存店売上高前期比は、104.4パーセントとなっております。

ビジネスユニットは、小売・ネット通販とも前年同期を上回って推移をいたしまして、とくにネット通販は、引き続き約2割の増収となっております。

売上構成比は、ネット通販が17.7パーセント、アウトレットが14.8パーセントとなっております。

小売既存店客数前期比は98.5パーセントでございますが、小売プラスネット通販の既存店客数前期比は102.8パーセントと、前年同期を上回って推移をいたしました。

単体 売上高実績 事業別

続きまして、7ページ目が単体の売上高実績事業別でございます。

すべての事業が、ビジネスユニット売上高および既存店売上高につきまして、増収をしております。

UA事業は、メンズカジュアルおよびウィメンズ全般が順調に推移をいたしました。GLR事業はウィメンズ全般、SBUは一部の事業を除きまして、おおむね全般が順調に推移をいたしました。

連結売上総利益率実績

続きまして、8ページ目が連結売上総利益率の実績でございます。

3Q累計でございますが、前年同期から0.1ポイント改善の52.7パーセントとなっております。

前年同期との主な差異要因は、連結売上総利益率に与えた影響でございますけれども、次の通りでございます。

まず、株式会社UAのビジネスユニットによる影響は、プラスマイナスゼロでございました。ビジネスユニット自体の売上総利益率は、前年同期と同等でございました。

上半期は為替……こちらは調達期間が円高でございましたので、プラスに影響いたしました。

反面、第3四半期の3ヶ月間、(2017年)10月・11月・12月につきましては、ハウスカード会員さま向けセールの需要拡大等によりまして、セールの前倒しが発生いたしまして、一時的に低下をしております。その結果、3Q累計では前年と同等でございました。

株式会社UAのアウトレット等における全体への影響は、プラス0.1ポイントでございます。アウトレット等自体の売上総利益率の前期差は、プラス0.6ポイントでございます。事業品およびアウトレット専用品双方の売上総利益率の改善が、主な要因でございます。

株式会社UAのその他原価による影響は、プラス0.1ポイントでございます。商品評価損、商品廃棄、ロイヤリティの減等によりまして、プラスの影響となっております。

その他の要因による影響は、マイナス0.1ポイントでございます。こちらは、主に連結売上高に占める株式会社UAのアウトレット売上高の、構成比の上昇によるものでございます。

連結販管費実績

続きまして、9ページ目が連結販管費実績でございます。

3Q累計での販管費は、前年同期比104.9パーセントとなっており、販管費率は前年同期からマイナス0.9ポイントの、44.2パーセントとなっております。売上比における前年同期からの主な増減内容は、次の通りでございます。

変動が大きな部分だけご説明いたしますと、まず人件費率でございます。一部欠員による減はございますものの、増収に伴いまして相対的な低減をしております。

また、その他の販管費率は、たな卸資産の効率化に伴う関連コストの減や、一部子会社の出店一時経費の減等がございました。

連結BS実績

続きまして、10ページ目が連結のBSの実績でございます。

連結総資産は、前年同期末比97.6パーセントの765億円となっております。

前年同期末との主な差異要因は、以下の通りでございます。こちらの資料の通りでございますので、後ほどご参照いただければと思います。

2つ、米印のところだけご説明させていただきます。

まず、長短借入金残高でございますけども、こちらは前年同期末比66.8パーセントの126億円となっており、着実に減少傾向でございます。

もう1つは、たな卸資産でございます。こちらも前年同期末比95.5パーセントと、前年を下回って推移しております。こちらは、冒頭の(ご説明の)通り、売上につきましては前年同期から7パーセント増でございますけども、効率化が進んでいると考えております。

連結CF実績

続きまして、11ページ目が連結のキャッシュ・フローの実績でございます。

第3四半期末の現金及び現金同等物は、68億円となっております。また、営業キャッシュ・フローも、前年のマイナス25億円のキャッシュアウトから68億円のキャッシュインということで、大幅に改善をしております。

営業キャッシュ・フローは、今申し上げた通り68億円のキャッシュインとなっております。キャッシュインの主な内訳は、税前四半期純利益89億円、仕入債務の増41億円でございます。一方、キャッシュアウトの主な内訳は、売上債権の増48億円、たな卸資産の増30億円でございます。

投資活動によるキャッシュ・フローは、22億円のキャッシュアウトとなっております。キャッシュアウトの主な内訳は、新規出店等に伴う有形固定資産の取得の18億円でございます。

財務活動によるキャッシュ・フローは、33億円のキャッシュアウトとなっております。キャッシュインの主な内訳は、短期借入金の増18億円でございます。キャッシュアウトの主な内訳は、長期借入金の返済30億円、また配当金の支払21億円でございます。

グループ合計出退店 3Q累計実績、通期見込み

続きまして、12ページ目が出退店の実績と見込みでございます。

まず第3四半期までの連結実績は、(グループ)合計で新規出店が18店、退店が10店で、第3四半期末の店舗数は368店でございます。

通期の(グループ合計出店の)見込みでございますけれども、新規出店が20店、退店が32店、期末店舗数の見込みが348店でございます。こちらは退店数が大きく増えております。第1四半期のときに発表させていただいた通り、撤退の事業がある関係でございます。

こちらの(期末)店舗数は、前回の見込みからの変更はございません。

参考:(株)UA 3Q累計出退店実績

続きまして13ページ目は、株式会社UAの実績の明細です。

参考:3Q末までの出退店明細

それから14ページ目は、グループ会社を含めた個別の出退店の明細でございますので、後ほどご参照いただければと思います。

グループ会社の進捗

私から、最後にグループ会社の進捗のご説明でございます。

まず、株式会社フィーゴでございますが、3Q累計では減収減益となっております。売上高は、前年同期比96パーセントの20億円となっております。第3四半期は一部のビジネス需要、ギフト需要等が目論見を若干下回って推移をいたしましたが、減益の幅は小さいので、連結業績への影響は軽微となっております。

続きまして、株式会社コーエンでございます。3Q累計で、増収増益となっております。売上高は、前年同期比113パーセントの82億円でございます。引き続き、好調を継続しております。第4四半期は株式会社UAと同様、中長期の成長に向けたコストを使用する予定でございます。

続きまして、CHROME HEARTS JP合同会社でございます。(2017年)4~12月の全社の売上高は91億円でございまして、ビジネスユニット売上高は、前年同期比102.0パーセントでございます。国内売上、免税売上双方が前年同期を超えておりまして、順調な推移でございます。

続きまして、台湾の動向でございます。売上は苦戦いたしましたけれども、売上総利益率の改善や経費の抑制等によりまして、利益は計画並みに推移いたしました。10月にUA TAIWAN LTD.における4店舗目、UAストアブランドの店舗として2店舗目を出店いたしました。アウトレット以外では、初のインショップとなります。

最後に、株式会社Designsでございます。第3四半期(10月)までの業績は苦戦いたしましたけれども、11月以降は、売上が回復傾向となってきております。

以上が、第3四半期の概況でございました。ご清聴ありがとうございました。

単年度経営方針「収益性の早期改善」進捗

竹田光広氏:あらためまして、竹田でございます。よろしくお願いいたします。本日はお忙しいところ、また非常に寒い中、弊社の説明会にご出席賜りまして誠にありがとうございます。

私からは、重点取組施策の進捗として、まず単年度の経営方針でございます「収益性の早期改善」についての進捗や見通しを、簡単に説明いたします。

続けて、前回の説明会の中でご説明した中長期に向けた投資の中で、とくにみなさまから多くの質問をいただいておりますRFIDの導入につきまして、現状と今後の予定について、説明をさせていただきます。

それではまず最初に、単年度経営方針である「収益性の早期改善」の進捗について、説明いたします。第3四半期までの業績は、前半の丹からの数値説明の通りでございます。ここでは通期の見込みも含めて、説明をさせていただきます。

1つ目は、売上総利益率の改善でございます。第3四半期までの実績は、前年同期に比較して、0.1ポイントの改善となっております。

第3四半期のみの3ヶ月間における売上総利益率につきましては、前年同期より低下しております。これは、前半の説明の通り、12月のハウスカード会員向けセールが好調に推移したことに伴う、セール需要のずれでございます。現在までの進捗は、見込みどおりでございます。

下期につきましては、円安によるマイナス影響が若干あるものの、在庫の適正化が順調に進んでおり、(2018年)1月以降の値引ロスの抑制等を踏まえ、 通期は計画並みの着地を見込んでおります。

2つ目が、在庫効率の改善でございます。上期同様に、主に株式会社UAや株式会社コーエンにおきまして、在庫効率の改善が図れたという状況です。

引き続き、 コーエンは著しい改善が図れており、売上高が前年同期比で13パーセント増である一方、たな卸資産は約25パーセント抑制できたという状況です。なお、期末の連結たな卸資産につきましても、前期末以下の水準を目指しております。

3つ目に、販管費率の改善です。前年同期に比較しまして、0.9ポイントの低減となっております。一部欠員等はあるものの、売上成長や在庫効率化に伴う販管費率の低減が、大きな要因であると認識しております。

第4四半期につきましては、前回の説明会でご説明した通り、中長期成長に向けた戦略投資を実行していく予定でございます。また、販管費率の中長期的な見通しとしましては、収益改善プロジェクトの推進により、適正化を目指していくという方向性に変わりはございません。

4つ目に、EC拡大による収益性の改善です。ネット通販売上につきましても、引き続き順調に推移しております。

とくに、自社ECサイトの「UA オンラインストア」について は、第3四半期までの売上高が前年同期比134パーセントと、極めて好調に推移いたしております。

背景になるのは、今までご説明している通り、2016年8月に実施したハウスカード会員とUA オンラインストア会員の統合によるものや、2017年4月に実施したブランドサイトとUA オンラインストアの統合などが、継続的に寄与していると認識しております。また、ECへの在庫供給の拡大も引き続き実施し、売上の拡大をさらに目指していきたいと思っております。

以上によりまして、3Q累計での経常利益率は1ポイントの改善を図ることができたということで、「収益性の早期改善」についての進捗でございました。

RFIDの導入および活用状況

続きまして、前回の(決算説明会の際に)ご質問で多くいただいている、RFIDの導入についての当社の現状と、今後の予定を説明いたします。

まず、導入済みの事業です。スライド資料に記載している通り、2014年の春夏シーズンからGLRにおいて、そして2016年の秋冬シーズンからコーエンにおいて、RFIDを導入しております。また、一部の小型事業につきましても、すでに導入が終わっております。

RFID活用による効果としましては、大きく分けて4つの項目が挙げられます。

1つ目は、棚卸し業務の軽減です。各店舗で年4回行っている棚卸し業務について、RFIDを導入することで、工数の大幅削減と棚卸しの精度向上につなげております。

2つ目は、店舗出荷業務の軽減です。店舗から物流センターへの商品の返品など、実店舗から商品を出荷する際に、大量の商品を同時にスキャンできます。また、雑貨など、商品タグが箱の中に隠れているような商品でも、非常にスキャンができるため、出荷作業が短時間で終わるようになっています。

3つ目は、会計レジでの使用です。複数商品もまとめてスキャンできるために、とくにセール時などの繁忙期におきましては、お客さまの待ち時間の短縮につながっているという状況です。

そして最後に4つ目は、物流センターでの活用です。これは今のところまだ、コーエンのみで行っている状況です。物流センターにRFID読み取り機器というものを設置することで、商品入出荷時の業務工数を減らし、物流業者さまにかかるコストの低減につながっているという状況です。

以上が(RFIDの導入)効果です。

RFIDの導入効果

続きまして、それぞれの施策の現状の成果について、ご説明いたします。

まず、棚卸し業務の軽減につきましては、1店舗当たり、1回の棚卸しにかかる平均人時が、RFID導入前の86.5人時から導入後は13.5人時となりました。約84パーセントの効率化が、できたということになっております。

店舗出荷業務の軽減につきましては、商品出荷時のスキャンの時間が、導入前に比較して3割から5割程度、削減できているという状況です。

また、会計レジでの使用につきましては、セールなどの繁忙時に平均2~30分かかっていたレジの待ち時間が、約半分程度となっている状況です。

RFIDの導入効果(参考値)

今までご説明した、これらの取り組みによりまして、店舗の業務環境が改善しました。RFID導入済みのGLR店舗における販売員の平均残業時間は、他の主要事業と比べ、約8掛け程度に抑制されているという実態です。

また、コーエンにつきましては、物流関連コストの売上比が当第3四半期現在で、前年同期から1ポイント弱、改善しているという状況です。

ただし、これらの改善には、(RFIDの導入と)同時に行っている店舗付帯業務の見直し、人員の効率的配置、品番数の削減等、RFID導入以外の要素も多数含まれているため、あくまでも参考値としてご覧いただければと思います。

今後の予定

それでは最後に、今後の予定についてご説明をいたします。

来期より、レギュラー事業からアウトレットまで、RFIDを段階的に導入してまいります。2018年の秋冬シーズンにはSBUの各事業、2019年春夏シーズンからは、ユナイテッドアローズおよびビューティ&ユースに導入をいたします。

そして、2020年の春夏シーズンからはアウトレット専用品に拡大することで、2021年3月期には、アウトレットに到るまで、全社の商品にRFIDの導入が完了する予定でございます。

次に、今後の取り組みと期待される成果をご説明します。先ほどの説明のように、RFIDの導入に伴い、販売員の付帯業務の軽減等、業務環境の改善を図ることができます。これにより、実店舗の効率的な運営や採用難への対応が期待できるということです。

また、株式会社UAの物流倉庫におきましても、RFID読み取り機器の設置を進めまして、物流委託費の低減に努めていくという予定でございます。

将来的にはRFIDの活用により、商品の動きを詳細まで把握・分析することで、MD精度の向上や在庫効率の向上を目指してまいります。こちらにつきましては、具体的な手法も含め、今後詳細を詰めていくという状況でございます。

以上がRFIDの現在の活用状況で、今後の予定についての説明でございました。今後、RFIDの効果が具体的に見えるようになった際には、またあらためまして、みなさまにその成果について、ご説明させていただきたいと思っています。

最後に、今期につきましては、中期ビジョンで策定したさまざまな施策が奏功し始めたという感触でございます。業績の山である第3四半期につきましても、おおむね順調な推移となったと思っております。

一方、衣料品関連の外部環境は、ウィメンズで一部回復傾向にあるものの、まだまだ楽観はできないと思っております。今後も中長期的な安定成長を目指し、必要な施策を実施していく所存でございます。

取り組みやその結果につきましては、その都度お伝えしていきますので、引き続きご指導ご鞭撻、そしてご支援をいただけますと幸いです。

ご清聴ありがとうございました。