2016年度 IRトピックス
永井健一氏:社長の永井です。よろしくお願いいたします。まず2017年3月期の決算概要からご説明させていただきたいと思います。
昨年1年間で何をしてきたかをご説明いたします。大きく言うと、3つのことをやってまいりました。
1つ目が、リード開発品であるITK-1の第Ⅲ相試験を遂行すること。
2つ目が、GRN-1201。こちらは今、米国の臨床試験をやっているところですけれども、こちらはメラノーマを適応症として、現在第I相試験を進めていますので、その新規の適応の準備。
3つ目が、新規パイプラインの準備で、リソース整備と導入をやってまいりました。
1つ目のITK-1は収穫時期を見据えて粛々と実行を進めていくと。2つ目のGRN-1201は、小さく蒔いた種を大きく育てることをやってきたと。3つ目の新規パイプラインは、新たな種まきということです。
実際にITK-1の第Ⅲ相試験の遂行に関しましては、5月2日に症例登録を完了しています。
2つ目のGRN-1201はメラノーマに引き続き、2017年1月27日に、非小細胞肺がんを対象として免疫チェックポイントの抗体を併用する第Ⅱ相試験を米国で開始いたしました。
3つ目の新規パイプラインの拡充は、8月25日に川崎創薬研究所を竣工しています。私ども2003年の設立以来、久留米大学の研究成果を事業化するということで、臨床試験をずっとやってきた会社だったのですが、新たに創薬研究機能を加えています。
11月21日には、新規パイプラインの導入として、iPS由来の再生T細胞療法の導入を果たしています。
12月9日には、神奈川県立がんセンターの創成施設でネオアンチゲン・ペプチドワクチンの導入を果たしています。
2017年3月期 損益計算書
これらの活動を踏まえて、6ページが損益計算書になります。
売上高が連結ベースで5億2,900万円になりました。昨年が8億2,200万円でしたので、2億9,200万円の減少でございますけれども、いよいよITK-1の第Ⅲ相試験が収穫に向けて粛々と動いておりまして、症例登録も終えて観察期間に入っています。
ですので、富士フィルムさんから委託を受けて治験実施業務を行っていますけれども、こちらの業務量が平準化してきておりまして、ライセンス先である富士フィルムさんからの開発協力金も減少していると。
販売管理費および一般管理費、それから研究開発費ですが、販管費が11億1,800万円で昨年に比べて7,800万円の増額。研究開発費は前期に比べて3,200万円の減少です。こちらはGRN-1201が米国のPh1の試験実施中ですが、前々期と比べて治験薬の製造費用が発生しなかったということで若干費用が下がりました。
一方で、新規パイプライン創成のための組織のインフラ整備と導入を進めた結果、増額しておりまして、相殺分はあるにせよ、オーバーオールで7,800万円の増額となっています。
2017年3月期 貸借対照表
貸借対照表です。昨年は新株予約権を用いた資金調達を完了しておりまして、これによって現預金の増加がありました。
35億5,900万円になりまして、結果として流動資産が52億3,900万円。構成比としては96.9パーセントで昨年とほぼ同じになっています。
2017年3月期 キャッシュ・フロー計算書
キャッシュ・フロー計算書ですけれども、昨年の活動が新規パイプライン創成のためのリソース整備で投資活動によるキャッシュ・フローが9,600万円かかっています。こちらは主に川崎創薬研究所の創設に伴う設備投資です。
財務活動によるキャッシュ・フローは35億5,900万円の調達ですけれども、こちらは新株予約権スキームによる資金調達(株式発行)です。
前々期は26億7,200万円と、株式公開時の公募増資の調達額です。
2018年3月期 連結業績見通し
2018年3月期の連結業績見通しでございますけれども、売上高は昨年2017年3月期に引き続き、業務量が偏重化するため減少します。
2億4,900万円の減少ですけれども、こちらはITK-1が最終局面に入っていまして、今年度ではないのですが、2018年度にキー・オープンを実施する予定です。
営業利益、経常利益、当期純利益は引き続き損失でございますけれども、2017年3月期は11億円強の損失であったのに対して、20億円の損失を見込んでいます。
GRN-1201が米国で肺がんの試験が始まること。それから新規パイプラインは昨年導入したものを開発遂行すると。それからさらなる新規創成を想定しておりまして、研究開発費が昨年度8億1,600万円であったのに対して、16億円を見込んでおります。