2016年度 連結業績概要(対前年)

松本一郎氏:松本です。今回より、私がご説明を申し上げます。

まず、2016年度の決算のご説明をします。売上高は2016年度8,378億。対前年242億の増収となりました。その内訳ですが、海外子会社の為替換算差による減収がマイナス42億、新規連結による増収が48億あり、実質的には236億の増収となっています。

次に営業損益ですが、営業損益は447億円。対前年では3億減。営業利益率は5.3パーセントとなりました。

この増減の内訳ですが、コストダウン、売上増による増益がありましたが、価格ダウン、生産減、食品流通を中心とした生産減、固定費の増。さらに、電子、パワエレを中心に為替の影響が35億あり、最終的にはマイナス3億ということになっています。

この結果、経常損益のほうは、463億円で、対前年7億の増。営業外損益の内訳ですが、こちらは主に、為替差損益の好転による増となっています。

次に特別損益については、特別損益は主だった増減は投資有価証券の売却益であり、こちらは富士通株式の売却益も含んでいます。この結果税引き前の損益が、639億。法人税等を除き、当期純損益は410億円と、過去最高益を更新しています。

2016年度通期 セグメント別売上高・営業利益(対前年)

次にセグメント別の売上高、営業損益です。こちらでは、インフラ系の部分が堅調に推移したものの、コンポーネント系のパワエレ器機、電子デバイス、食品流通の部分で減益があったという内容です。

2016年度通期 セグメント別売上高・営業利益(対前年)①

続いて個別にご説明をします。

まず発電・社会インフラについて、2016年度の売上は1,948億。対前年193億の増収。営業損益は119億円で、22億の増収になりました。

この内訳はまず、発電プラン分野は、水力発電設備の大口案件増加により増収、増益。社会システム分野は、スマートメータの増加により、増収増益。社会情報分野は、公共向けの大口案件の増加、並びに、文教向けの増加により、増収増益と、いずれの分野でも増収増益となってます。

次に産業インフラ部門ですが、売上高は2,091億、対前年で97億の増収。営業損益は146億で、対前年34億の増益となっています。

こちらも、変電分野は、国内の産業向け大口案件が寄与したことにで、増収増益。産業プラント分野は、国内の省エネ、更新需要が堅調に推移したことで増収、あるいは、データセンター向けの新規ソリューション事業の増加により、増収増益となっています。

また、産業計測機器分野は、国内の更新需要が堅調に推移したことで、増収増益。設備工事分野も、売上高は前期同水準となりますが、原価低減等により、増益を図っています。

2016年度通期 セグメント別売上高・営業利益(対前年)②

次に、パワエレ機器の分野ですが、売上高は2,059億、対前年では29億の減収となりました。営業損益は、86億円で、対前年では8億円の減益。

ドライブ分野については、為替の影響に加えて、鉄道車両用電機品の海外大口案件が減少したものの、インバータ・サーボが堅調に推移して増収、海外生産拠点をはじめとする先行投資により、残念ながら減益となっています。

一方、パワーサプライ分野はメガソーラー向けのパワーコンディショナの需要減少、および、為替の影響により減収となりましたが、こちらも原価低減等の推進により増益。

器具分野は工作機械をはじめとする機械セットメーカー、および、受配電機メーカーの需要減少により、減収減益。この分野につきまして、為替の影響が売上高でマイナス21億、営業損益はマイナス8億含まれており、営業損益の断面で申し上げますと、対前年並であったという評価です。

次に電子デバイスですが、2016年度売上は、1,185億。対前年17億の減収。営業損益は80億で、対前年17億の減益となっています。

まず半導体分野は、為替の影響がありましたが、産業分野および情報電源分野において、需要回復が進み、自動車分野も堅調に推移したことから増収増益となっています。

一方、ディスク媒体分野は、市況悪化に伴う需要減少により大きく減収減益となりました。こちらも為替の影響が、営業損益でマイナス25億入っておりますが、この点で申し上げますと、営業損益については、実質的には増益という内容です。

2016年度通期 セグメント別売上高・営業利益(対前年)③

食品流通分野の2016年度の売上は、1,096億で、対前年マイナス5億。営業損益は60億で、20億の減益となりました。

こちらは、自販機の分野は、国内市場の需要、業界再編、および、国内飲料メーカーの投資抑制に伴う需要の減少、あるいは、中国市場において、顧客の開拓は進むものの、設置計画の見直し等が影響して、減収減益となりました。

店舗流通分野につきましては、コンビニエンスストア向けの店舗設備の機器、および、自動釣銭期等の需要増加により増収しましたが、機種構成差等により、残念ながら減益となっています。

2016年度通期 売上高[国内/海外・地域別](対前年)

次に売上高の国内、海外、地域別の内容です。全体としては、国内は、発電・社会インフラ、産業インフラを中心とした需要増によって、大きく増収となりましたが、海外は、為替換算差影響と発電プラントの減、これを主因とし、減収となりました。

個別にはこちらの吹き出しに書いてあります。まず、国内は、発電プラント、社会システム、社会情報の増で、大きく増加している。あるいは産業インフラ、これも、変電、産業プラント、産業計測機器の増がありました。一方で、パワエレ機器につきましては、パワーサプライの減がありました。

海外につきましてはアジアで、発電・社会インフラの、発電プラント、火力・地熱の進行基準案件の減があり、こちらが大きく減少。一方、産業インフラにつきましては、産業プラントの増がありました。また、パワエレ機器のパワーサプライの増がありました。特殊面として、電子デバイスのディスク媒体の商流変更による増が、こちらに入っています。

一方、中国はこちらは電子デバイスの半導体の増にがありますが、ディスク媒体の需要減、および商流変更による減が入っています。また、食品流通も、中国自販機、こちらも減があります。米州につきましては、発電・社会インフラの発電プラントの増がありました。

2016年度通期 連結業績概要(対前年)

次に2016年度の対予想の増減の説明です。

まず、売上高の増減で申し上げますと、売上高は前回予想よりも178億の増収ですが、このうち海外子会社の為替換算差による増収が141億あります。発電・社会インフラの増収も113億。一方で、産業インフラの減収として89億のマイナスが入っています。

次に営業損益のマイナス3億の増減の大きな内訳ですが、まず産業インフラ分野においては海外変電大口案件の延伸、あるいは国内産業プラント大口案件の延伸と、投資先送り等による減収の影響がありました。

また、パワエレ機器につきましては、UPSを中心とする減収影響が出ています。食品流通分野におきましては、中国自販機の期ずれによる減収、および鋳鋼生産による影響、これらがあり、こちらの3部門を中心に、最終的には3億未達となりました。

営業外損益の部分はプラス23億になっておりますが、これは為替差損益の影響が大きいです。それから、特別損益の中には、先ほど申し上げました、富士通株の売却等がありまして、当期純損益につきましては、前回予想を上回る410億という着地となっています。

2016年度通期 連結貸借対照表

次に、連結の貸借対照表です。

2016年度末の総資産は8,867億で、前年度末に比べて413億増加しています。ここで大きな増になっているのが、投資その他資産のところですが、こちらは投資有価証券の時価評価、16年度は株価が上昇しているので、こちらに評価益が大きく乗っています。

それから、富士通株式の売却によって金融債務を圧縮するかたちにできました。さらにそれも含め、当期利益410億円で利益剰余金を324億積むことができました。

この結果、指標類で申し上げますと、こちらの自己資本比率は32.8パーセント。ネット金融債務残高につきましては、1,093億と、大幅に圧縮することができました。ネットD/Eレシオにつきましても、0.4倍ということで、財務体質がかなり改善されたというかたちになっております。

2016年度通期 連結キャッシュフロー

連結のキャッシュフローについては、こちらも富士通株式の売却による好転影響があり、フリーキャッシュフローは、対前年では、大幅に好転して、679億のフリーキャッシュフローとなっています。

剰余金の配当

最後に剰余金の配当です。従来未定としていた、期末の配当は、6円を予定しており、その結果、年間は、対前年1円増配の11円を予定しています。

16年度の決算のご説明については、以上でございます。