決算概要

細川慎一氏(以下、細川):本日はお忙しいなかお時間いただきまして、ありがとうございます。GMOリサーチ株式会社、代表取締役の細川でございます。

2016年の連結の段階利益につきましては、売上は14.4パーセントの30.91億円。営業利益で76.7パーセント増の2.85億円で。最終利益に関しましては2.3パーセント減の7,700万円となりました。

通期業績予想に対する着地

通期予想に対する着地に関しましては、売上98パーセント、営業利益129.9パーセント、経常利益135.6パーセントで、最終利益においては、投資有価証券損により62.6パーセントの達成となりました。

こちらは、後ほどご説明させていただきます。

営業利益推移

営業利益の推移にいたしましては、こちらに示すとおりなんですけれども、売上においては、DIYの売上の拡大、パネル供給変革による広告関連の売上の駆け込み需要もございました。あわせて、日本・欧州で順調な売上推移がありました。

原価においては、すべて計画どおりなのですが、原価率が押し下げるようなものが順調に売上を伸ばしておりますので、原価率は下がってございます。

あわせて販売管理費に関しては、会員向けの広告、マーケティング関連でお客さまの向けの施策、売上の連動による販売コストが増えまして、結果、営業利益がこのようになってございます。

サービス別売上高推移

次に、サービス別の売上高の推移になります。

当社はアウトソーシングサービスとDIYサービスという売上を大きな軸にさせていただいていますが、アウトソーシングサービスは前年比で12パーセント増、DIYサービスが前年比で11パーセント増。

DIYは全体の17パーセントになりましたので、昨年よりも全体比率で1ポイント上がった状態になります。

DIYが増えると、DIY売上は、当社のなかでは我々のオペレーションが必要なく売り上がるものですので、利益率が全体的に上がる構造になっておりまして、こちらも収益の改善に貢献してございます。

国内・海外売上高推移

次に、国内・海外売上高推移になります。

国内の売上高は、前年比4.9パーセント増。海外の売上は15パーセント増となりました。結果、海外売上比率が24パーセントとなっております。

年度で申しますと、今期が21.64パーセントなんですが、昨年は19.45パーセントですので、全体的には海外の売上が伸びてきているということが言えます。

海外エリア別売上高推移

ただし、次に示しますように、エリア別の売上でより詳細をご説明させていただきますと、欧州は第4クオーターで28パーセント増、累計で42パーセント増となっておりまして、非常に大きな成長を実現できてございます。

あわせて北米なんですが、大統領選だとか為替の影響で、途中売上の成長が一時的に限定的になっておりましたが、第4クオーターで順調に数字を伸ばすことができました。結果は、通期では6パーセント増と、第4クオーターだけでは11パーセント増というかたちでの成長になっております。

アジアに関しては、年度では26パーセント減になっておりますが、第4クオーターの比較では6パーセント増となっております。

こちらは、前回の決算発表でもご説明させていただいたんですが、中国のマーケット全体の停滞と、あと高粗利案件にフォーカスしていってることにより、トップラインの売上を下げている状態でございますが、対昨年度比で成長まで持ってこれたかなと思っております。

あと、案件絞込みをしておりますので、非常に利益率がこちらは改善していってるという状態でございます。

KPI

次に、KPIの、当社が掲げておりますポイントの発行量なんですけれども。当初通期目標で8.5億円を想定しておりましたが、最終的には8.9億円まで実現することができました。

「ASIA Cloud Panel」に入ると、実際ポイント原資がいろんなところにいくというところでは、非常に先行指標としてはいい数値が出てきているかなと思っております。

投資有価証券(Ignite Vision社)評価損について

先ほどご説明いたしました、投資有価証券の評価損についてご説明させていただきます。

昨年度に出資をさせていただきましたIgnite Vision社の事業計画が、出資時の見込みを下回ったことにより、評価損9,200万円を特別損失に計上させていただいております。

主な要因としては、ここに書いているとおり、出資当初に見込んでいた事業計画を中国の景気低迷によって大きくマイナスになっておる分が、実質的な赤字に影響をしてございます。

ただし、もともとこちらの投資の前提でありましたのは、当社といたしましては、インターネットリサーチに使えるアジアのパネルを作って、その事業のほうで回収できるという見込みがメインがございました。

こちらにおいては、当初約2年で出資回収を想定してございましたが、多少の開発の遅れ等ございました。現在は1年遅れ、出資してから約3年で回収できるペースで進んでおりますので、順調な回収は進行してございます。ですので、ここは出資金額ぐらいは少なくとも見通しとしては回収していけるだろうと考えております。

ただ、こちらの会社の業績に関しては、今後、回復傾向にありますので、我々との事業連携をさらに進めていきたいなと思っております。

当社の新フィロソフィー

次に、2017年の事業戦略をご説明させていただきます。

まず、当社は新しいフィロソフィーを設定させていただきました。「想いを、世界に ─ GMOリサーチ」というものなんですが。

こちらはここの下に書いてるようなところなんですが、簡単に言いますと、消費者の方々が当社においては事業にとって最も重要で、生活者の方々に寄りそって、その方々の想いを世界に届けるという役割が我々の使命であると考えてございます。

あわせて、企業さまの想いも消費者に届けると。それも世界レベル。というのが、我々が目指す想いでございますので、こちらに連動してホームページも刷新しましたので、ぜひともご覧いただければありがたいです。

当社のビジネスモデル

次に、当社のビジネスモデルといたしましては、これは昨年と同様なんですが、まずはお客さまからの案件が来ると、それが発行ポイントになって、生活者のほうに発行ポイントの金額が増えていきます。

ここが2016年で約8.9億円発行されていますが、その金額が増えると、生活者の方で「調査に協力したい」、もしくは事業者の方で会員を持たれている方々が、当社のネットワークに入りたいというニーズが増えますので、よい循環のサイクルができると。

現在、アジア全域で13ヶ国で展開しておりますが、ここをさらに拡大していくことが当社にとって一番重要だと思っております。

パネル供給変革

次に、そのための当社のビジネスモデルなのですが、パネル供給変革というのを掲げておりまして、具体的にはメンバーシップマーケティングというソリューションを、会員を持たれている会社さんにご提供させていただいてます。

これが当社のCloud Panelというネットワークにつながっていくわけなのですが、会員を持たれるお客さまの媒体に、当社のアンケートの一部をこういったかたちでご提供することができます。

これをすると、お客さまとしてはマネタイズできたり、媒体を活性化していったり、お客さまのいろんなアンケートで答えていただいた属性がわかるので、その媒体を持たれている方のマーケティングを今後やりやすくなっていくということができますので、そういったソリューションで、当社は「ASIA Cloud Panel」を拡大していっております。

アジアクラウドパネルの状況

現在、アジア13ヶ国に展開しておりますが、2,119万人のクラウドパネルネットワークを構築してございます。

こちらに示すとおりの国々に展開しておりますが、アジア全域で73媒体の会社様と一緒に展開しております。この会社様には、当社の、先ほど言ったような、メンバーシップマーケティングソリューションを提供しておるわけなんですが。

そのなかでも、当社グループ、GMOグループも含めますと、infoQという媒体で日本とベトナム。ベトナムのほうはGMO RUNSYSTEMという会社で運営しておりますし。

あとタイのほうで、これ最近始まったんですが、Z.com Researchというのが、NetDesignというグループの、GMOインターネットグループの会社のほうで運営している媒体がございますので。

こういったかたちで、グループの媒体、それ以外の媒体も含めて、今後も展開をしていきたいと思っております。

アジアの市場規模

次に、なぜアジアで成長なのかといったところなんですが、日本を含めて、日本は約1,850億円程度の規模、為替によってだいぶ変わってくるんですが、現在このぐらいの市場規模があると思っております。

これがESOMARというところで出ているのですが、ここの46パーセントが日本の調査市場になりますが、これが中国・香港、その他アジアでも、それ以上の規模の市場がございました。

ここのネットリサーチ比率が、中国でまず10パーセント。その他アジアで19パーセントですので、ここがまだまだ伸びてくるというふうなところを、我々が先に仕込みたいと思っております。

そのためには、当社が掲げているような「ASIA Cloud Panel」などのパネルを先に作れば、この市場を先に取れると思っておりますので、ここの先頭を走りたいと思っております。

2017年12月期業績予想

次に、2017年の業績予想になります。

まず、売上においては約13パーセント程度の成長を見込んでおります。営業利益も3.25億円と、大きく成長をさせていきたいと考えております。売上以上の成長率を営業利益のほうで伸ばせるんじゃないかなと思っております。

理由は、先ほど言いましたように、ある程度の当社の戦略に乗っかったDIYを販売したり、もしくは当社のパネル、自社の「ASIA Cloud Panel」のパネルを使う案件を増やせば、利益率が上がっていく構造になっております。

次期通期業績予想に対する着地

次に、今までの過去の業績の推移グラフを、こちらのほうに示させていただきました。

CAGRで4年間をひっぱりますと、売上で約19パーセント、営業利益で27パーセントを、 継続的な成長を見ていただけるんじゃないかなと思っております。

多少波がありますが、全体的にはいい傾向でのトレンドになってるかなと思っております。継続して成長するビジネスに仕上げたいと思っておりますので、このままいきたいと思っております。

株主還元方針

次に、株主還元方針です。

こちらは2017年には過去最高の54.70パーセントを実現したいと考えております。

2016年は、先ほどご説明させていただいたとおり、当期純利益のほうが減損がございますので、配当性向50パーセントで見直しをかけさせていただいております。

次期KPIの見通し

次に、先行指標のKPIにしております、発行ポイントの額でありますが、今期は約15パーセント増の10.2億円を想定して、現在引いております。

「想いを、世界に─ GMOリサーチ」。以上になります。ありがとうございました。