2017年3月期第3四半期決算説明会

竹内康夫氏(以下、竹内):オリンパスの竹内と申します。本日はご多忙の中、オリンパス株式会社2017年3月期の第3四半期の決算説明会にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。それでは、さっそくですけれども決算概況についてご説明を申し上げます。

今第3四半期決算における主なポイントはこちらの3点でございます。

第3四半期累計の連結実績の進捗は、前年同期比では円高の影響で減収減益となったものの、おおむね第2四半期決算発表時の公表の見通しに沿った推移となっております。事業ごとに見ますと医療事業は、新興国がけん引しまして、堅調に推移しております。

科学および映像事業につきましては、第2四半期までの営業損益から一転しまして、第3四半期累計で営業利益を計上しております。

通期の業績見通しにつきましては、為替の見通しを若干円安方向に見直したこともあり、営業利益以下の段階利益が改善する見込みでございます。当期純利益は600億円、過去最高だった前年度に続いて2番目の水準となる見通しです。

2017年3月期第3四半期 ①連結事業概況

それでは、第3四半期の決算の概況について詳しくご説明申し上げます。こちらは、連結業績の概況でございます。

円高による為替のマイナス影響を大きく受け第3四半期の累計の売上高は、前年同期比で10パーセント減少の5,335億円。営業利益は同じく26パーセント減少の547億円と前年同期比では減収減益となっております。

しかし、こちらにハイライトしてございますように、為替を除いた実質ベースでは、堅調な医療事業に加え、科学・映像事業も事業環境の改善や、新製品効果によって営業利益を計上したことで、第3四半期では営業利益が29パーセント増と大きく改善し、第3四半期までの累計でも増収増益となっております。

また、営業利益率は科学・映像事業の業績改善に伴って第2四半期累計の9.8パーセントから10.3パーセントへ改善しております。経常利益は、営業利益の減少の影響を受け、前年同期比では31パーセント減少の445億円となりました。

当期純利益は経常利益段階までの影響を受けつつも、特別損益の改善、そして繰延税金資産の計上等により、税金費用が減少したため、ほぼ前期並みの411億円となりました。

2017年3月期第3四半期 ②セグメント別概況

こちらは、セグメント別の状況でございます。

医療および科学事業では、連結業績でご説明いたしましたように円高の影響を受け、前年同期比で減収減益となる一方で、ミラーレス一眼の新製品導入効果や、普及モデルの販売価格維持等により映像事業は増益となりました。

為替を除いた実質ベースでは、当第3四半期において、主要3事業すべてで増収増益を達成しております。

2017年3月期第3四半期実績 ③医療事業

続きまして、事業別の決算概況についてご説明いたします。まずは医療事業です。

医療事業の第3四半期累計の売上高は、為替影響により、前年同期比で8パーセント減収の4,103億円となりましたが、為替を除いた実数ベースでは内視鏡、外科、一部の全分野で増収を達成いたしました。

消化器内視鏡分野は好調なアジア等の新興国が成長のドライバーになって、安定した成長を継続しております。外科分野は当初見込みまでは至っていませんが、引き続きエネルギーのサンダービートが日、欧米、そして中国で販売を拡大し、期を追うごとに成長が向上してきております。

また処置具分野は、アジアが高い成長を維持しているほか、先進国においても販売体制の強化、および製品ラインナップの効果もあり、順調に推移しております。

営業利益につきましては、円高など厳しい事業環境でありましたが、継続的に進めているコスト管理の徹底の効果もあり、営業利益率はほぼ前年並の20パーセント。為替を除く実質ベースでは23パーセントを確保しております。

なお、左の棒グラフですけど、点線で囲った数値は前期と同じ為替レートで比較した場合の売上高および、営業利益の増減率、そして営業利益率をそれそれ記載しております。

2017年3月期 第3四半期実績 ④科学事業

次に、科学事業の概況です。

第3四半期累計の売上高は、前年同期比14パーセント減収の663億円。営業利益については77パーセント減益の13億円となりました。

為替の影響を中心に引き続き、減収減益となっておりますが、第3四半期においては、資源安による資源関連投資の低迷や、国内の設備投資の抑制が続いている事業環境の一部で回復が見られはじめ、第2四半期までの営業損失という状況から改善し、第3四半期累計で営業利益は黒字に転換しております。

2017年3月期 第3四半期実績 ⑤映像事業

続きまして映像事業の概況です。

第3四半期累計では市場規模の縮小、および、熊本地震の影響などにより、売上高は前年同期比21パーセント減収の488億円となりましたが、営業利益につきましては、新製品導入効果、そして、販売価格の維持により、前年同期比で6億円増益の、7億円の実績となりました。

連結貸借対照表

バランスシートの状況になります。

総資産は前期比と変わらず、9,980億円となりました。また、純資産は当期純利益411億円の計上により、前期比で337億円増の4,216億円となり、有利子負債の削減も進んだ結果、自己資本比率は3.9パーセント改善して、42.1パーセントとなりました。

連結キャッシュフロー計算書

キャッシュフローの状況でございます。医療事業を中心とした事業が堅調に推移し、営業キャッシュフローは691億円となりました。

投資キャッシュフローですけど、投資有価証券や子会社株式売却による収入があった一方、医療事業の製造拠点や八王子の研究開発拠点を拡張するための設備投資により支出があったことで424億円のマイナスとなりました。

以上によりまして、フリーキャッシュフローは267億円のプラスとなっております。

2017年3月期 通期業績見通し

通期業績見通しを説明申し上げます。第2四半期決算時の見通しに対しまして、売上高は7,430億円で据え置いておりますが、営業利益は40億円増の760億円。当期純利益は30億円増の600億円と上方修正いたしました。

なお、為替の前提ですけど、第4四半期の見通しを1ドル115円、1ユーロは120円として年間によりますと、1ドルが109円、1ユーロは119円の見通しになります。

為替を除いた実質ベースでは、第3四半期までの進捗を踏まえて売上の見通しを若干引き下げております。

一方、営業利益は引き続き、全社的にコスト管理を徹底する等で前回見通しからの改善を見込みます。

営業利益以下は営業利益の改善に伴い、経常利益、当期純利益についても前回見通しから上方に修正いたしました。また、期末の配当については従来どおり、28円を予定しております。

2017年3月期 セグメント別業績見通し

業績のセグメント別の見通しになります。医療事業は円ベースでは売上高、営業利益ともに見通しを変更しておりません。しかしながら、為替を除く実質ベースでは主に外科分野における第3四半期までの進捗を踏まえまして、年間の見通しを見直しております。

これにより、実質ベースの医療事業の成長率は5パーセントの見込みとしております。科学事業は第3四半期における事業の回復を受けまして、営業利益を10億増益の20億円といたしました。

映像事業は熊本地震の影響があったものの、価格維持による粗利増等により、ブレイクイーブンを達成できる見込みでございます。

最後になりましたが、昨年2016年は大きな政治イベントを受け、為替をはじめとした外部環境が急激に変化いたしました。

そうした環境においても、当社中期経営計画、16CSPで掲げた、2021年3月期の数値目標の達成に向けて、各事業や研究開発、製造、販売など各機能が施策を実行し、着実に前進しております。

2017年も外部環境の先行きに不透明な状況が続いておりますが、まずは今年度の残り2ヶ月、本日お話した数字をしっかりとやり遂げ、来季以降の業績拡大につなげてまいりたいと思っております。

私からは以上でございます。ご清聴ありがとうございます。