2016年度第3四半期 連結業績

河井英明氏(以下、河井):本日はご多用なところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。最初に、本日のポイントをご説明させていただきます。

第3四半期は、売上高については、為替影響が大きく、減収となりましたが、為替を除く実質ベースでは、車載電池事業などが伸長し、ハスマンの新規連結の影響を除いても、増収を達成することができました。

調整後営業利益は、為替影響やソーラー事業の減販などにより、全体では減益となりましたが、車載・産業向けの売上が伸びたインダストリアル事業での増益や、AV事業、モビリティ事業が収益性が改善しまして、取組みの成果が着実に出てきていると考えております。

年間見通しは、足元の円安基調を受けて、年間業績見通しを上方修正させていただきます。

続きまして、第3四半期の決算概要をご説明いたします。こちらは、第3四半期3ヶ月ベースの連結業績であります。

年間決算はIFRSでの開示となることから、非検査ではありますが、IFRSベースにて業績のご説明をさせていただきます。

まず、売上高は、前年同期比97パーセント減収となりました。為替影響を除く実質ベースでは、堅調な車載事業などにより増収となりました。

次に、調整後営業利益は、インダストリアル事業の増販やAV事業などの収益性改善があったものの、為替影響などにより全体では154億円減益の1,076億円となりました。

その他の損益は199億円改善のマイナス100億円となり、その結果、営業利益は、45億円増益の976億円。純利益は、158億円増益の640億円となりました。

フリー・キャッシュ・フローにつきましては、338億円となりました。

なお、第3四半期末では、ネットキャッシュがプラスとなっており、引き続きバランスシートを重視した経営を進めてまいります。

こちらは、第3四半期累計9ヶ月間の実績となります。

事業別 売上高増減

続きまして、売上高の増減要因を、増減額が大きい売上開示事業単位で説明させていただきます。

為替影響を除く実質ベースで見ますと、新規連結による食品流通、車載事業の伸長によるエナジー、オートモーティブ、洗濯機などの白物家電が堅調に推移したメジャーが増収をけん引いたしました。

一方、欧州でテレビ事業の販売苦戦が強いられたAV事業などでは、減収となりました。

調整後営業利益増減分析

次に、調整後営業利益の増減要因をご説明いたします。

新規連結の影響に加え、実質ベースでの増販や材料合理化等が増益に貢献しました。しかしながら、将来成長に向けた先行投資を含む固定費の増加や為替影響により、全体としては154億円減益の1,076億円となりました。

事業別 調整後営業利益増減

こちらの表は、売上開示事業単位で調整後営業利益の増減要因を示したものであります。

車載・産業向けの売上が伸びたインダストリアル、収益性が改善しているAV事業、北米での販売体制強化に取り組んだモビリティなどが増益に貢献しました。

一方、エナジーシステムや、インバウンド事業減速の影響を受けたスモール・ビルトインなどでは、減益となりました。

営業利益・当期純利益

こちらは、営業利益と当期純利益であります。

その他の損益は、前年に訴訟関連費用などを計上していたことから、199億円良化のマイナス100億円。営業利益は45億円増益の976億円となりました。

税引前利益は、27億円増益の974億円。親会社の所有者に帰属する当期純利益は、158億円増益の640億円となりました。

セグメント別実績

続いて、セグメント別の実績でございます。

各セグメントの詳細はのちほどご説明いたしますが、第3四半期3ヶ月の実績はご覧のとおりとなっております。

続きまして、こちらは第3四半期(累計)、9ヶ月間の実績でございます。

アプライアンス(製販連結)

では、最初にアプライアンス、製販連結ベースの実績です。

引き続き国内家電は堅調に推移し、業界以上の需要を刈り取ることができ、国内シェアは第3四半期までの累計で、前年比で約1ポイント上昇しております。一方、海外の欧州などでは苦戦をしております。売上高は為替影響を除く実質ベースで前年同期比104パーセントの増収となりました。

事業別では、エアコンは日本では販売を伸ばしたものの、アジアや欧州で苦戦し、減収。メジャー事業は日本およびアジアで洗濯機、冷蔵庫が堅調に推移し、増収。AV事業は、4Kテレビが日本では好調でしたが、欧州市場での苦戦が影響し、全体では減収。

セグメント利益は、洗濯機や冷蔵庫等のメジャー事業による増販益、白物家電や4Kテレビ等の高付加価値商品シフトによる収益性改善、新規連結効果等により増益となりました。今後も業界以上の成長を図るとともに、高付加価値商品へのシフトにより収益性も改善してまいりたいと思います。

エコソリューションズ

次にエコソリューションズです。

第3四半期の国内の住宅着工は前年を上回る傾向にありますが、ソーラーの国内住宅向け市場の縮小により、厳しい状況が継続しております。売上高は、為替の影響を除く実質ベースで前年同期比で99パーセント。

ハウジング事業は増収となりましたが、ソーラーの国内住宅向け市場縮小や、ライティングの欧米デバイス事業が販売減となりました。

セグメント利益は、ソーラーの減益を、ライティングの収益性改善やハウジングの増販等でカバーし、ほぼ前年並みとなりました。今後のソーラー事業につきましては、国内市場での取り組みに加え、米国のテスラモーターズ様との協業など、海外事業の加速させ、グローバルでの事業拡大を目指してまいります。

また、昨年末にパナホームの完全子会社化について発表させていただきました。今後は両社でこれまで以上に連携し、リフォーム事業やエイジフリー事業の強化、海外事業の展開を加速してまいります。

AVCネットワークス

続いて、AVCネットワークスです。売上高は実質ベースで、前年同期比98パーセントとなりました。

モビリティはITプロダクツ事業、ここは日米大型件名納入などによりまして、増収でしたが、ストレージ事業の既存商品の減販影響で全体では減収。

映像・イメージングは高輝度プロジェクター、ミラーレス一眼などのデジタルカメラの新製品がけん引し、実質増収も、熊本地震の影響が残りまして、前年並みでございました。

コミュニケーションは市場の縮小が継続しており、とくにアジアでのアナログPBX・固定電話の販売苦戦により全体では減収。ソリューションは国内ソリューション事業で、公共件名等の販売を中心に伸長し、増収。

セグメント利益は国内ソリューションでの増販やモビリティ等での高付加価値商品シフトによる収益性改善により、増益となったものの、為替影響をカバーするには至らず全体では減益となりました。本年4月にはコネクティッドソリューションズ社を発足させ、引き続きBtoBソリューション強化に取り組み高収益事業体を目指してまいります。

オートモーティブ&インダストリアルシステムズ

最後はオートモーティブ&インダストリアルシステムズです。

第3四半期の事業環境は自動車はグローバルで総じて好調に推移しました。他方、スマートフォンやノートパソコン等のICT関連は緩やかな改善傾向にあるものの、低成長に留まりました。

これらの中、売上高は為替の影響を除く実質ベースで、前年から105パーセント増収となりすべての開示事業で増収となりました。オートモーティブは車載カメラ、センサー、スイッチ等の電装品が堅調に推移。エナジーは車載向けリチウムイオン電池が大幅に伸長し、全体をけん引。

インダストリアルではテレビ向け液晶パネルの撤退など事業縮小、終息の影響などがあってものの車載リレー、電子材料など車載・産業向けが伸長。ファクトリーソリューションは、中国ローカルスマートフォンメーカー向けに実装機が好調でした。

セグメント利益は、為替影響に加え、車載向け先行投資の増加があったものの、車載・産業向け増販益や引当金の減少等によるその他の損益の改善により、全体では増益となっております。

引き続き、車載・産業向けを中心に増販を図るとともに、材料合理化、固定費圧縮などにも取り組んでまいります。

大規模6事業部・テレビ事業部(第3四半期)

こちらは、大規模6事業部・テレビ事業部の第3四半期、3ヶ月の実績です。 二次電池事業部の増収は成長領域として車載事業に取り組んでいけた成果の表れと考えております。調整後営業利益については、将来成長に向けた先行投資のフェーズにあるインフォテインメント、二次電池、パナホームにおいては、前年から減益となっております。

一方、その他の大規模6事業部とテレビ事業部は前年から増益となっており、着実に経営体質が強化されております。

2016年度 年間業績見通しの修正

続きまして、2016年度年間業績見通しについてご説明申し上げます。足元の円安基調をふまえ、想定為替レートを見直し、年間業績見通しを上方修正いたします。

売上高は、10月31日公表の年間業績見通しから1,500億円修正し、7兆3,500億円といたします。調整後営業利益は200億円修正し、3,400億円。当期純利益は100億円修正し、1,300億円とさせていただきます。

なお戦略投資を除くフリーキャッシュフローは、期初公表から修正はなく、1,500億円以上を目指します。

セグメント別の見通しの修正

次に、セグメント別の見通しの修正です。

ご覧のとおり、為替影響の大きいカンパニーを中心に、売上高・調整後営業利益を修正させていただきます。

ご説明は以上となります。