2017年3月期第3四半期業績レビュー
菊地耕一氏(以下、菊地):それではまず、第3四半期業績について報告いたします。スライドの4をご覧ください。
第3四半期累計では過去最高の売上、利益を達成いたしましたが、KPIはご覧のとおり、通期目標に対する進捗は記載のとおりでございます。
当初計画を下回る水準で推移しておりますため、通期計画を見直しております。詳細につきましては、後半でご説明いたします。
決算ハイライト(3ヶ月)
それではスライドの5をご覧ください。まず第3四半期決算、3ヶ月の業績について説明いたします。
売上は前年同期比1.7パーセント増の652億円。主に国内で新製品である「ポテトチップスクリスプ」および「じゃがりこ」などが伸長したことによります。
一方海外では、北米、韓国事業の不振、および円高による為替換算の影響等によりまして減収となりました。営業利益は前年同期比6.7パーセント減の84億円となりました。
国内の製造原価低減により、売上総利益率は0.2ポイント改善いたしましたが、国内の販売費の増加およびインドネシアの広告宣伝費等によりまして、販売比率が上昇しました。
結果として販管費率は1.3ポイント上昇し、営業利益率は1.2ポイントの減少となりました。
営業外損益で為替差益10億7,000万円を計上しておりまして、経常利益は前年同期比7.4パーセント増の95億円。
四半期純利益は前年同期比11.9パーセント増の64億円となりました。
営業利益分析
スライドの6をご覧ください。
営業利益は前年同期に比べ、6億円減少いたしました。増減の要因につきましては、まず増収効果で4億7,000万円、それから食油およびフルグラ原材料の価格低下等で原材料費は3億6,000万円の減少です。
原価につきましては、国内の動力費減、あるいは国内関係会社の生産性の改善などもございまして2億円改善いたしました。それと、減価償却費が1億3,000万円減少いたしましたが、海外の稼働率低下による原価悪化が影響し、6億円ございまして、全体では2億6,000万円の原価悪化となりました。
それから販売費につきましては、国内での主にフルグラの拡販注力により、8億6,000万円の増加、それから海外で4億2,000万円増加して、全体では12億8,000万円の販売費の増加となっております。
国内事業
スライドの7をご覧ください。国内事業3ヶ月についてご説明いたします。
まず売上ですが、国内事業は前年同期比2.4パーセント増収の582億円となりました。
ポテトチップスにつきましては、馬鈴しょ不足の懸念がございましたが、量の確保が済みまして、Bigサイズ等の好調により、2億7,000万円の増収。
それから「じゃがりこ」はGRANDバター、それからグレーバー展開品が好調で、6億5,000万円の増収となっております。
一方、コーン、豆系スナックはポップコーンの売上低調が続いておりまして、8億3,000万円の減収。
その他新規スナックにつきましては「ポテトチップスクリスプ」が10月から関東で販売開始となりまして、9億6,000万円の増収となっております。
それからシリアルは、国内シェアは拡大しておりますが、第2四半期に前倒しされました、海外事業の反動もございまして、2億8,000万円、4.5パーセント増にとどまっております。
営業利益につきましては、フルグラの拡販注力等により販売費比率が上昇しておりまして、製造原価低減によって利益率は0.3ポイント上昇しまして86億円と、国内のほうは増益になっています。
海外事業
スライドの8、海外事業です。
こちらは売上高現地通貨ベースでは、5.4パーセントの増収でございますが、為替換算影響で円ベースでは4.2パーセントの減収、70億円となりました。
北米につきましては、現地通貨ベースで14.9パーセントの減収。韓国は現地通貨ベースで8.0パーセントの減収。この2つの拠点での減収が海外事業全体に大きく影響いたしました。
その他地域では、インドネシア等の増収が寄与しております。香港、中国、タイ等の事業も堅調に推移いたしました。
利益ですが、やはり北米・韓国の生産性悪化。それからインドネシアの販売費の投下等により大幅減益となりまして、1億5,000万円の赤字となりました。
スライド9をご覧ください。国別に海外の事業について説明いたします。まず北米ですが、営業体制を強化し、大手の顧客を中心に商談を勧めておりますが、未だ回復の途上にございます。
それから韓国ですが、「Honey Buttre Chip」の売上減少をポテトチップスのその他の新商品でカバーすることができず、減収となりました。
その他では香港の中国向け越境EC事業が好調に推移しております。中国では焼きもろこし、それからタイでは中東向けの輸出も含めて「Harvest Snaps」が伸びております。
決算ハイライト(9ヶ月)
スライド10をご覧ください。9ヶ月の累計の業績はご覧のとおりです。
売上高は国内事業が3パーセントの増収。海外事業は6パーセントの減収。トータルで2パーセントの増収です。
営業利益は販売費の増加や北米・韓国の稼働悪化がありまして、原油安、円高の恩恵ならびにコスト・リダクション効果があったものの、1.5パーセントの増益にとどまっております。
スライド11が、それぞれ国内海外の売上高営業利益率の推移になります。
国内の営業利益率の上昇が海外事業の減収減益をカバーしたかたちとなりました。
2017年3月期通期計画修正
続きまして、通期計画の修正についてご報告いたします。スライド13をご覧ください。
通期の予想につきましては、当第3四半期、累計期間の業績をふまえて修正いたしました。
まず売上高ですが、北米・韓国事業の不振、および為替前提の見直し。それから国内におきましてはコーン系スナックや「Jagabee」の不調等から、前回公表値から120億円減少して、2,500億円といたしました。
営業利益は同じく北米・韓国事業の売上減、ならびに生産性悪化などにより、前回公表値から25億円減少して、285億円といたしました。
2017年3月期通期計画修正 海外事業
スライド14をご覧ください。まず大きな修正をいたしました、海外事業の計画修正についてご説明いたします。
海外の売上高は73億円減額して、279億円といたしました。
北米につきましては、第4四半期、この1月から3月に回復傾向を見込んではおりますが、第3四半期までの減収を取り戻すことはできないという判断をし、33億円減額して109億円、それから韓国につきましては、既存商品の減収傾向が続くという判断をいたしまして、21億円の減額で49億円に修正いたしました。
これに加えて、販売不振が続くスペイン、フィリピンにつきましても計画を修正しております。
2017年3月期通期計画修正 国内事業
スライド15をご覧ください。国内事業の修正について説明いたします。
売上は46億円減額し、2,220億円に修正しております。コーン系、豆系スナックのところで、ポップコーンの不振による15億円の減額。それから、Jagabee/じゃがポックルにつきましては、Jagabeeの不調により10億円の減額をいたしました。
それから、シリアルにつきましては、第4四半期も増収を見込んではおりますが、第3四半期の伸び率の若干の鈍化を反映いたしまして、9億8,000万円減額しております。
2017年3月期通期計画修正 営業利益分析
スライド16をご覧ください。通期修正計画の営業利益の増減要因でございます。
増収、それから原材料費減などの効果により、営業利益は前年同期に比べて3億7,000万円の増益を計画しております。
海外の稼働低下などにより、15億6,000万円の原価悪化を見込んでおりますが、国内での動力費減、生産性改善による原価改善で18億6,000万円、減価償却費4億3,000万円の減少によってこちらをカバーして、7億4,000万円の原価改善を見込んでおります。
販売費は30億円増加の見通しで、内訳は国内が23億円、海外が7億円の増加となっております。
通期計画達成に向けた施策 海外事業
スライド17以降で通期計画達成に向けた施策について説明いたします。
まず北米ですが、2月以降、大手顧客にて大規模なプロモーションを実施予定です。第4四半期の売上は若干上向くことを見込んでおります。
それから韓国では、これまでパートナー主導で新製品の開発を進めてきましたが、3月に日本の開発協力による新製品を上市する予定です。
インドネシアにつきましては、大手小売を中心に配荷の拡大を進めております。広告宣伝費なども積極的に投下し、売上の拡大をはかっていきます。
通期計画達成に向けた施策 国内事業
スライド18、国内事業です。
まず、ポテト系スナックは馬鈴しょ調達については、当期の使用量の確保については目処がつきました。
ただし、歩留まり等の悪化もございまして、上期に減収した分まではリカバーできない見込みですが、一方でポテトチップスクリスプの販売を強化していきます。1月末から中米エリアでの販売を開始し、今後も順次エリア拡大を行っていきます。
フルグラにつきましては、1月に糖質25パーセントオフの商品の発売を開始しました。2月以降も製品ラインナップの拡充をはかっていきます。
営業利益につきましては、原材料費や製造経費等の削減を確実に実行して、国内事業の通期での増収増益により海外事業の減収減益をカバーすることを目指します。
以上で、第3四半期の決算報告を終了させていただきます。ありがとうございました。