連結決算ハイライト
藤本隆氏(以下、藤本):資料をご覧ください。
連結決算 全体損益
9ヶ月の対比の損益です。
真ん中の太枠のところ、2017年3月期第3四半期累計の決算ですが、前年同期に対して、売上減収、営業利益と経常利益は減益です。当期純利益は増益となっております。
売上高が2,804億円ということで、前年同期比95パーセントでございました。141億円の減収でございます。エラストマー事業・合成樹脂事業・多角化事業の3事業とも、円高が影響して減収でございました。
2行目の売上原価は1,976億円となりまして、前年同期比93パーセントでございます。142億円の減少です。
売上原価率は前年同期の71.9パーセントから、当累計四半期は70.5パーセントに低下しております。一般管理費との金額の入り組みなどがありまして、売上原価率が下がっております。
販売費・一般管理費は618億円でございます。前年同期比86億円増加しております。ほぼ全部が、新規連結子会社の影響と売上原価との入り組みによる増加でございます。
営業利益は210億円となりまして、前年同期比85億円の減少でございます。事業別の内訳は後で出てきますが、エラストマー事業は47億円、合成樹脂事業は27億円、多角化事業は135億円ということで、3事業とも営業利益は減っております。
営業外損益は、為替差益や投資の評価益を計上しまして、差引40億円のプラスとなっております。大きな為替差損がありました前年同期に対して、56億円の改善ということになりました。
経常利益は250億円となりまして、前年同期比29億円の減収となります。
特別損益には、当期は投資有価証券の売却や事業売却の利益を計上しております。
法人税・非支配株主損益を差引した四半期純利益は224億円となりまして、減損損失を計上してました前年同期から、26億円の増益ということで、純利益は増益となっております。
連結決算 部門別損益(石油化学系)
続きまして、石油化学系事業の説明でございます。
エラストマー事業でございます。世界のタイヤ販売は堅調に推移したと思われるんですが、国内タイヤの生産は4月から12月で前年同期比若干減少、98パーセント程度になっているものと思われます。
その中で、当社の第3四半期累計のエラストマー販売数量は51万7,000トンとなりまして、前年同期比108パーセント、3万9,000トンの増加でございました。
日本国内のタイヤ生産の減少で、国内向けはほぼ前期並みなんですが、国外向けが増加しておりまして、品種別ではSSBR、Solution SBRが数量を大きく伸ばしております。
売上高は1,313億円でございまして、販売数量は増加いたしましたが、円高や、9ヵ月累計では原材料価格が低下していることもありまして、売価が下がり、40億円の減収となっております。前年同期比97パーセントでございます。
営業利益は47億円でございました。数量増加しましたが、売買スプレッドの縮小や円高の影響ございまして、前年同期から21億円の減益でございました。
合成樹脂事業でございます。4月(から)11月の日本国内の自動車生産は、前年同期からやや減少となっておるかと思います。
当第3四半期累計の合成樹脂事業の販売数量は、国内向け・国外向けとも、ほぼ前年同期並みとなっております。
売上高は334億円となりまして、円高の影響や原材料価格の低下がございまして、72億円の減収となっております。前年同期比82パーセントでございます。
営業利益は27億円となっておりまして、売買スプレッドの縮小が影響しまして、前年同期比13億円の減益となっております。前年度が非常に高水準の利益でしたので、そこと比べると下がっておるという状況でございます。
連結決算 部門別損益(多角化)
多角化事業の数値でございます。多角化事業は減収減益となっております。
3つ分けて書いてるんですが、売上高でございますが、半導体材料です。シリコンウェハーの使用の面積は、前年同期から増加した模様でございます。
当社グループの製品は、ArFレジストや多層材料などが販売量を伸ばしておるんですが、円高が大きく影響しまして、売上高は459億円でございます。前年同期比95パーセント、22億円の減少でございました。
上に「売上高成長率」「半導体材料」と書いてございますが、製品別に、ArFレジスト横ばい、以下の状況でございます。
ディスプレイ材料でございます。ディスプレイ材料、ユーザー業界は、当第3四半期累計のパネルメーカーの稼働率は、9ヵ月平均しますと約87パーセントと推定され、前年同期より伸びた模様です。液晶パネル出荷面積も、前年同期から伸びておると思われます。
当社グループの製品は、液晶パネルの生産拡大が続く中国市場向けなどで販売数量を伸ばしておるんですが、円高が大きく影響しまして、さらに競争による販売価格の下落が加わりまして、売上高は427億円となりました。前年同期比88パーセント、60億円の減収でございました。
売上高を伸ばした製品もあるんですが、スライド右側の「ディスプレイ材料」にありますように、主力製品の配向膜・着色レジストは為替レートの影響等で売上を減らしております。
その他でございますが、ライフサイエンス事業が、医学生物学研究所について2015年度下期から連結子会社になった影響で、前年同期比で売上高が伸びております。大きく伸びておるのは、連結の状況によるということでございます。
その他の事業では、アートン材料の売上高は、フィルム販売から樹脂販売に切り替えまして、前年同期比減収となっております。
OFC材料の売上高は、ここにありますように、前年同期並み、微増でございました。売上高が270億、52億円の増収となっております。
多角化事業の営業利益でございますが、半導体材料のArFレジストや多層材料が伸びまして、ディスプレイ材料も販売数量増やしておるんですが、円高の影響が大きく、さらにディスプレイ材料の競争激化がありまして、前年同期から51億円の減益となって、9ヵ月累計ですが135億円となっております。
連結決算 部門別損益(四半期推移)
四半期推移でございます。当第3四半期のところが、網がかっているところでございます。
第3四半期は、前四半期対比しますと、営業利益では20億の増益ということで、増収増益でございました。
エラストマー事業ですが、売上高・営業利益とも増加しております。販売数量はここにありますように、1万7,000トンほど増えまして、110パーセントでした。
販売数量増加に加えまして、販売価格の上昇がありまして、売上高は53億円の増収となっております。
営業利益は30億となりまして、販売数量の増加や売買スプレッドの改善、まあ円安もありまして、前四半期から21億円の増益となっております。
上期と比べまして、利益水準は回復いたしました。ただし、年末の状況は合成ゴムの原材料であるブタジエンが異常に高騰しておりまして、今後どうなっていくのか、非常に難しいところでございます。
合成樹脂事業は、売上高・営業利益とも、増加しております。売上高は、国内向け・海外向けともに販売数量が増加しまして、約5億円の増収でございました。
営業利益は、販売価格が下落して売買スプレッドの縮小があったんですが、販売数量増加により、営業利益が13億となって、3億円の増益でございました。
次に、多角化事業でございます。スライドの下に事業別の売上高が書いてございます。
半導体材料は、円安の影響があったんですが、販売数量が伸び悩みまして、売上高は前四半期から微増にとどまっています。ArFレジストの売上高が微増、多層材料の売上高は90パーセント程度というのが前四半期の対比でございました。
ディスプレイ材料では、パネルメーカーの稼働率が、7-9月の約88パーセント程度から9-12月は約90パーセント程度にやや上昇している模様です。
この稼働率の上昇、円安の影響があったんですが、品種によりバラツキがあるんですけども、全体として販売数量が伸び悩みまして、売上高は前四半期から横ばいにとどまっております。
その他では、光学材料が増加、アートンが横ばいでございました。
この結果、多角化事業の営業利益は、円安があったんですが、4億円の減益、44億円となっております。
連結決算 営業外損益 特別損益
営業外損益と特別損益でございます。
営業外損益では、上から2行目、為替差益が16億円でございまして、第2四半期までの為替差損から9ヶ月累計では差益側に来ております。ここで動いております。あと、投資事業組合運用益は第2四半期にも計上しておりましたが、JSRライフサイエンスベンチャーキャピタルというところにおける利益でございます。
当第3四半期の営業外損益は、費用・収益合計しまして、40億円の益側ということになりまして、昨年は27億円ほど為替差損がありまして、ここで費用側だったんですが、ここでマイナスからプラスということで、56億円、大幅な改善となっております。
特別利益は、政策保有株式の見直しに伴う投資有価証券売却益。まあ、コーポレート・ガバナンスの対応などで保有株式を見直しているその結果でございます。
あと、OPSTARの事業売却による利益8億円などでございます。減損損失を計上している前年同期から、大きく改善ということでございます。
連結決算 貸借対照表
次のスライドは、貸借対照表でございます。
3月末と12月末の対比ですが、460億円ほど資産が増えているんですが、連結会社の増加によるものが主なものでございます。
プラスの項目を見ていただくと、現預金と有形固定資産が増えているんですが、ハンガリーにSolution SBRの工場を建設中のJSR MOL Synthetic Rubberという子会社がございまして、これを連結に加えたことによる増加でございます。
その下、受取手形及び売掛金は、12月末が金融機関休日でありまして、受取手形・売掛金が増加しております。
加えて、12月に販売好調だったということで、それもありまして、150億円弱の増加でございました。
投資その他の資産は、ハンガリーの子会社の連結子会社化による組替や、政策保有株式の見直しで減少しております。
負債は45億円増加してるんですが、流動負債は、金融機関休日等の影響で、支払手形及び買掛金が増加しております。固定負債増加してるんですが、これはハンガリーの子会社の借入金による増加です。
純資産はあまり動いておりませんで、株主資本は純利益による増加と、配当金と自己株式による減少がありまして、差引12億円の減少でございます。
下から3行目のその他は、ハンガリーの子会社等の非支配株主持分の増加によるものであります。
資産増えておるんですが、連結子会社の増加が大きかったということになります。
連結決算 2017年3月期業績予想
業績予想ですが、見直しておりません。第2四半期決算発表後の数値が入っておりまして、通期予想、営業利益260億円、(経常利益)280億円、当期純利益は210億円から変えておりません。
前提といたしました数字は、1ドル100円、国産ナフサが3万4,000円、ブタジエン価格が1,000ドルぐらいということで、現状の数字大きく動いておるんですが、為替レートやブタジエン価格の水準が非常に予想が難しくて、改めて損益数値の再計算をしてないという状況でございます。
それから、下にあります「減価償却費」等で、第3四半期累計の金額をちょっと申し上げますと、減価償却費が9ヵ月で106億円、資本的支出が268億円、研究開発費が146億円というのが、9ヵ月分の実績でございます。
簡単ではございますが、説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。