テクニカル分析を使ったバリューの探し方

中原良太氏:ということで、(前回は)ファンダメンタル分析をしている方にとって、財産価値と収益価値が非常に重要だというお話をしてきました。

ただ、これは決算書を読んでやるといっても、まず手間がかかって面倒くさいというので、すごく難しいんですよ。実際にこの指標をしっかりと分析しても、いい株を買うのは非常に難しいです。

バリュー投資という言葉もありますが、バリュー投資をしてる人でうまくいってる方は、ほんの一握りしかいないです。

ということで、別の側面からバリューを分析する方法というのも、ちょっとご案内できればと思います。

その方法が、テクニカル分析を使った場合のバリューの探し方をご紹介していきます。

まず、テクニカル分析の立ち位置なんですけれども、先ほどご紹介したのは、株式から得られる金銭的なリターンです。

株を買うと自分はこのようにお金がもらえますとか、このように儲かりますとか、あるいは、会社が発行する優待(券)をもらえますとか。

そのような金銭的なリターンを分析するのがファンダメンタル分析の領域なんですけれども、テクニカル分析では何を分析するのかというと、株式そのものが持つブランド力に着目して投資していくのが一般的だと考えています。

商品の“ブランド力”を考える

では、そもそもブランド力って何なのか。

ちょっと考えてもらいたいんですけれども、洋服やゴルフクラブ、パソコンなどを買う時のことを想像してみてください。価値基準をどのように設定されていますか?

例えば、いくらだから買うとか、あそこの会社が作ったやつだから買うとか。できるだけ自分が気に入っていたり、こだわっている商品について考えてみてください。

例えば僕は、パソコンにかなりこだわってるんですけど、この動画セミナーを収録しているパソコンはMacBook Airといって、Appleが作っているパソコンです。僕はもう根っからのApple信者で、iPhoneもiPadも……という感じで見境なく買っています。

なので、値段を気にするというよりかは、得られる価値やブランドをすごく意識しています。もしあなたが気に入ってるものやこだわっているものがあれば、もっと安くていいものがあったとしても、多少高くてもお気に入りだから買うということがあるんじゃないかなと思います。

これはどういうことかというと、人は金銭的なリターン以外でも、商品そのものへの思い入れで購買の意思決定をしているということなんですね。だって、普通に考えたら理にかなわないことですよね。

例えば、Windowsのパソコンを買えば、すごく安くて性能のいいものがすぐに手に入る、しかも使いやすい。一方、AppleのMacを買うと高いし、例えば配送に時間がかかったり、充電器がApple対応のものしか使えない。つまり、融通が利かないとか、汎用性が低いとか、いろいろデメリットはあるけれども、その商品を買ってしまうということが往々にしてありますよね。

これは、人は金銭的なリターンだけでなくて、その商品への思い入れでも意思決定しているということなんですよ。

このブランド力が強い株などがあった時に、投資家は何に注目すべきかというと、もう1つのバリューに注目する必要があるんです。

過去の株価と今の株価の比較で見えるもの

先ほどもお伝えしましたが、金銭的リターンのほかにもバリューというものがあります。それは、ブランド力であると。このブランド力を調べるためにぜひチェックしたいのが、過去の株価と今の株価の比較なんです。

どういうことかというと、すごく適当な例ですけど、僕が「iPhoneをどうしても買いたい」と思ったとします。今はiPhoneが7万円で買えますと。

ただ、あまりに人気すぎて売り切れになってしまいました。そういう時にどうなるかというと、どんどんどんどん価格が上がっていくはずなんですね。

今買えないやつがどうなるかというと、だいたい誰かが買って、オークションで出回るようになるんですよ。それで7万円だったものが8万円になり、9万円になり、10万円になり、すごい高い価格じゃないと買えないということが起こっていきます。

こういう、例えば1ヶ月前だったら10万円で買えたのに、1ヶ月後には15万円じゃなきゃ買えないというのは、ものすごい損した気分になりますよね。今まで10万円だったものが、15万円になっちゃった。でも、ほしい。でも、高くなっちゃったから買えない。だから、財布の紐を緩めて待ってるんですけど、買えない、買えない、買えない……というお預け状態をくらっているんですね。

そういう株が、例えば10万円から15万円に上がって、もとの価格にストンと戻ったとします。そうすると、みんな買いたくなりますよね。「もとの価格に戻ったし、上がるかもしれないから、今のうちに買わなきゃいけない」と考えると思います。

このように、ブランド力というのは、過去の株価の動きを見極めながら分析することが可能だと思っています。今のお話じゃないんですけど、1回上がってから下がった株を狙いましょうとか、下がってるとしても極端に下がってるものを選ぶとか。

例えば、年初来安値とか、1年で一番安くなっているお買い得な時に買うというように分析していくことで、利益を出せることが期待できます。

これは、「あくまで過去の値動きしか比較してないじゃないか」とか、「チャートを読んでることしかやってないじゃないか」ということを思う方もいるかと思うんですけれども、僕にとっては、この分析方法も立派な価値分析、バリュー投資の方法だと思っています。

テクニカル分析で得られる効果

このテクニカル分析、「どないなもんじゃい?」「本当に成績が上がるのか?」と疑問を持っている方もいるかと思うんですが、実際にこのテクニカル分析を使って割安感のある株を買えば……。

これは1つの例なんですけど、2勝1敗という高い勝率、期待値が10年連続でプラスの投資方法、ほとんど全業種で通用する運用技術というのを手に入れることができます。

こちらは私が発行している『StockForecast Marcket Review』の第2号、「バーゲンセールで株を買う方法」という電子書籍でもご案内してるんですけれども、こういうすばらしい投資法を生み出すことが可能です。

これは、赤字で書いてる「2勝1敗」とか、「10年連続でプラス」とか、これはあくまで過去の統計上の数値なんですけれども、きちんと根拠にのっとって、統計的にも効果実証済みな投資法というのが生み出せます。

ということで、テクニカル分析を使った価値分析も1つの方法としてあるんじゃないかと考えています。

今回のまとめ

ということで、今回のまとめです。

まず初めにお話したのが、ファンダメンタル分析では、2つの価値の基準をご紹介しました。1つ目が財産価値、もう1つが収益価値です。

財産価値とは何か。それは、企業が持つ目に見える価値のことです。指標でいうと、BPS(1株あたり純資産)とかPBR(株価純資産倍率)とかいうものを使ったというか、そういうもので計算されている価値がこの財産価値です。

もう1つが収益価値。企業がこれから生み出す利益とか、まだ目に見えていない価値のことです。これは投資指標でいうと、PER(株価収益率)やEPS(1株あたり純利益)という指標で計算されています。

この2つがファンダメンタル分析で使われている、主なバリューを測定するための指標ということです。

それで、ファンダメンタル分析じゃなくても価値分析をする方法があると考えていて、それはテクニカル分析を使った分析の仕方です。テクニカル分析で何ができるかというと、ブランド力を確認することです。

実際に2勝1敗とか、まあ勝った回数が負けた回数の2倍ぐらいある高勝率の投資法であるとか、10年連続で成績がいい投資法をこの分析で生み出せるということが、もうすでに効果実証済みです。

ということで、今回はこの4点についてお伝えしました。バリュー投資や価値分析に興味を持たれている方は、ぜひこの4点に着目して、自分ならではの分析手法を生み出していただければと思います。

これから本格的にやるつもりのない方でも、Yahoo!ファイナンスや証券会社のページを見ると、絶対にこの指標って見るじゃないですか。例えばPERとかPBRって、どこのサイトでも、ほとんど表示されてる指標ですよね。

なので、意味を知ってるか知らないかだけで、自分の行動は千差万別に変わると思うので。知ってるだけで、今までよりいい判断ができるということが期待できるので、ぜひ注目してみてください。ぜひ、チャートも見てください。

1つポイントがあるんですけど、チャートを見る時に、チャートは上がったり下がったりしてるじゃないですか。あれを見ても、だいたいの方は何のことかぜんぜんわかんないんですけど、できるだけ、自分が株を持ってる人の気持ち、あるいは「株を買いたいな」と思ってる人の気持ちになってそのチャートを見ると、心理状況が見えてきます。

「こういう人たちはこういうところで価値を感じるんだ」とか、「こういう時に株を買いたくなるんだ」というのが見えてくれば、もう安定的な利益を出せる投資家まであと一歩とか、それぐらいのところまで近づいていると思うので、ぜひ実践してみてください。実践しないと実力はつきません。

ということで、今回は以上のテーマでお話をしました。すごく役立つ情報をお伝えして、視聴者のみなさんが利益を出せるトレーダー、あるいは投資家になっていくためのご支援をしたいと思っていますので、ぜひチャンネル登録をしてください。

ということで、今回は以上で終了いたします。最後までご視聴いただきありがとうございました。