2016年度 第3四半期 決算説明会
稲田晴久氏:財経担当の稲田でございます。本日はよろしくお願いいたします。2016年度第3四半期決算について、ご説明いたします。
3ページをご覧ください。
2016年度第3四半期累計の連結売上高は、前年同期に比べまして4.4パーセント増の1兆658億円、営業利益は6.5パーセント増の744億円となりました。
為替によるマイナス影響を受けましたが、増収増益となりました。四半期純利益は、特別損失の影響もありまして、5.7パーセント減の364億円となりました。
4ページをご覧ください。
ここでは、売上高と営業利益を、国内セグメント・国際セグメントに分けてお示ししております。国内セグメントは増収増益、国際セグメントは為替影響により減収減益となりました。
売上高・営業利益の増減要因
5ページです。
第3四半期累計の売上高の増減について、実体のビジネスと為替の影響に分けてご説明します。
国内セグメントは846億円の増収、国際セグメントも為替中立ベースでは129億円の増収となりました。結果、為替によるマイナス影響が526億円ありましたが、連結では449億円の増収となりました。
6ページは、営業利益の増減を要因別に分けたものです。
国内セグメントは92億円の増益、国際セグメントも為替中立ベースで35億円の増益となりました。結果、為替によるマイナス影響が77億円ありましたが、連結では46億円の増益となりました。
今回の決算のポイント
7ページです。今回の決算のポイントについて申し上げます。
まず1点目、日本については、国内における収益力強化の取組みをしっかりと継続していること。
2点目、欧州でございます。上期に厳しい状況であったフランスに回復が見られること。
3点目はアジア。ベトナムにおいて、飲料市場の減速の影響を受けたことです。具体的には、それぞれのエリアの中の説明でお話いたします。
国内セグメント
8ページです。まず、国内セグメントについてお話いたします。
第3四半期累計の売上高は、14.3パーセント増の6,781億円となりました。昨年8月からジャパンビバレッジグループを連結したことにより大幅な増収になりましたが、その影響を除いた既存事業ベースでも増収になりました。
次に、第3四半期累計のセグメント利益は、27.1パーセント増の432億円と、こちらも大幅な増益となりました。
今年2月の決算説明会で申し上げた方針に沿って、収益力強化の取組みを継続しておりまして、4月から9月の3ヶ月でも25億円の増益と、順調に利益を伸ばすことができました。なお、売上高・セグメント利益ともに、年初想定以上の進捗となっております。
国内トピックス
9ページです。ここから、国内のトピックスについてご説明いたします。
1つ目は特茶です。2013年に発売を開始した伊右衛門特茶は積極的なマーケティングも奏功し、今年に入ってからも好調が続いております。
さらに、この8月には特茶ブランドから特茶カフェインゼロを新発売し、カフェインを気にされる女性の方など、新たな顧客さまからご支持をいただいております。
結果、伊右衛門特茶は1月から9月までの累計で、対前年で2割を超える増加となり、トクホNo.1のブランドとしての認知が拡大していると考えています。
店頭での販売価格につきましても、高単価を維持できております。今後も、伊右衛門特茶を当社の高付加価値商品戦略の柱として、引き続き注力してまいります。
次に、BOSSについてです。10ページをご覧ください。
缶コーヒーは当社にとり、非常に重要なカテゴリーの中の1つです。その缶コーヒー市場で、飲用スタイルの多様化に伴いまして、ボトル缶の販売が急激に伸びております。
当社はボトル缶コーヒーにおいて、プレミアムボスシリーズの微糖、およびブラックで、市場を超える成長を実現しております。
さらに、9月にスタンダードタイプの「プレミアムボス ザ・マイルド」、ラテタイプの「プレミアムボス ザ・ラテ」を発売いたしました。充実したラインナップを武器に、成長著しいボトル缶コーヒーのニーズを取り込んでまいります。
また、185グラム缶についても、引き続きニーズの掘り起こしが可能と考え、今年9月には、コクと香りに特徴のある「プレミアムボス リミテッド」を発売いたしました。こうした点を継続し、ボトル缶コーヒーの成長の取り込みとともに、缶コーヒー全体の収益力を強化してまいります。
国内セグメント利益増減要因
11ページをご覧ください。第3四半期累計の国内セグメント利益について、増減要因に沿ってご説明をいたします。
まず売上数量ですが、32億円の増益要因となりました。販売数量は、天候要因や各社新商品の影響によって、市場全体が3パーセント増と推定される中、当社は2パーセント増加いたしました。中でも、ヨーグリーナを含めました天然水、BOSS、伊右衛門などの重点ブランドを、順調に伸ばすことができました。
次に商品構成ですが、29億円の増益要因となりました。容器別では、500ミリリットルのペットボトルが約10パーセント増となった一方、大容量ペットボトルは過度な価格競争を回避した結果、1桁前半の減となりました。また、伊右衛門特茶をはじめとしたトクホの伸びも、商品構成の改善に寄与しております。
次に生産コスト削減は、58億円の増益要因となりました。このうちコスト改善活動については、ペットボトルやキャップの軽量化、ラベルの薄肉化といったコスト改善を進めたほか、ボトル缶コーヒーの製造を外部委託から自社に取り込んだ効果もあり、合計で40億円の改善となりました。また、為替影響はコスト増につながりましたが、原材料市況の改善が利益にプラスに働き、為替と市況の合計では18億円の改善となりました。
一方、販売促進費・広告宣伝費は、16億円の減益要因になりました。メリハリをつけた費用投入を意識し、売上に対する比率ではしっかりとコントロールできました。
その他、11億円の減益要因となりましたが、これは人件費・研究開発費・事業税などが増加したためです。
国際セグメント
12ページです。ここからは、国際セグメントについてご説明いたします。
第3四半期累計の国際セグメント全体の売上利益は、最初にご説明した通り、為替中立ベースでは増収増益となりました。次のページから、エリア別に詳しくご説明してまいります。
13ページをご覧ください。まずは欧州です。
第3四半期累計の業績はご覧の通りですが、次のページで7月から9月の3ヶ月間の業績についてご説明させていただきます。
14ページをご覧ください。
為替中立ベースの売上高は1.2パーセント増、セグメント利益は5.5パーセント増となりました。
8月の決算説明会でご説明しましたように、フランスでは上期はデフレを背景とする小売りからの値下げ圧力により、販売不振がありましたが、リカバリープランを着実に進めたこと、また、天候にも恵まれ、7月から9月の3ヶ月では増収増益となりました。
欧州全体のセグメント利益についてもフランスの回復が大きく寄与し、為替中立ベースで増益に転じました。
ここで、フランスのリカバリープランについてご説明させていただきます。15ページをご覧ください。
リカバリープランは、家庭用営業の強化、業務用営業の強化、コスト削減・効率化の3つのポイントについて、目標を定めて取り組んでおります。
家庭用については、各店舗への配荷活動を強化するとともに、店頭陳列などの売場作りに注力しております。業務用では、業務店向けの重点商品を定め、活動を進めております。
フランスの販売数量は、グラフでお示ししているように、年初は市場を下回っておりましたが、これらの活動の結果、7月以降は市場を上回る水準まで回復しております。
コスト削減の利益増もあり、フランスの7月から9月の3ヶ月の業績は、為替中立ベースで増収増益となっており、10月以降もこれらの活動を継続してまいります。
次に、アジアについてご説明します。16ページをご覧ください。第3四半期累計は、為替中立ベースで増収増益となっております。
17ページをご覧ください。アジアにつきましても、7月から9月の3ヶ月間の業績を説明させていただきます。
売上高は為替中立で、対前年で横ばいとなりました。これは、昨年から力強く成長していたベトナムが、市場減速の影響を大きく受け、減収となったことが響いたためです。
一方、セグメント利益は大幅な増益となりました。これは、昨年のインドネシアで第3四半期に一時的な費用を計上しており、その裏返しによるものです。
18ページでは、減速しているベトナム市場についてご説明いたします。
市場減速は、さまざまな要因により引き起こされました。天候など、いくつかの要因については収束済みのものもありますが、5月に発生しました競合他社の品質問題に伴う、消費マインドの大幅な減退が現在も継続しており、第3四半期の飲料市場に大きな影響がありました。
当社も、主力のエナジードリンクと茶飲料を中心に市場の影響を受けており、第2四半期・第3四半期ともに減速しましたが、グラフでお示ししている通り、市場を上回ってシェアは上昇しております。
消費マインドの回復には、もうしばらく時間がかかると見込んでおります。当社としましては、自社商品の品質の高さを積極的にアピールし、売上の回復に努めてまいります。
19ページです。
オセアニアですが、第3四半期累計の売上高は11.9パーセント減、為替中立では1.0パーセント増。セグメント利益は18.5パーセント減、為替中立で6.9パーセントの減となりました。前年に、在庫評価方法を見直したことによる一時的な利益が発生し、その反動による減益となりました。7月から9月の3ヶ月では、セグメント利益は増益となりました。
最後に、米州です。20ページをご覧ください。
第3四半期累計の売上高・セグメント利益は、いずれも為替中立ベースでほぼ前年並みとなりました。7月から9月の3ヶ月では、為替中立ベースで売上高・セグメント利益ともに前年を上回りました。
2016年度業績予想
ここまで第3四半期決算についてご説明をしましたが、次に2016年12月期通期の業績予想についてご説明をいたします。22ページをご覧ください。
第3四半期までの実績、および、第4四半期の見通しを考慮し、今年2月に発表しました2016年12月期通期の業績予想を、次の通り修正いたしました。
売上高は年初予想に比べ300億円減額し、前年比1.4パーセント増の1兆4,000億円、営業利益は年初予想に比べて20億円増額し、前年と同じ920億円としました。
売上高・営業利益ともに、為替によるマイナス影響が年初予想よりも拡大する見込みですが、営業利益につきましては、為替中立ベースでの利益増により上方修正いたしました。
当期純利益については、特別損失が年初予想よりも増えることなどから、年初予想の前年比4.6パーセント減の405億円を据え置きました。
23ページをご覧ください。ここでは営業利益を20億円上方修正した要因について、お示ししております。
年初予想に対し、国内セグメントの利益を55億円、国際セグメントの利益を為替中立ベースで7億円、上方修正いたしました。
一方、国際セグメントにおける為替影響は年初予想に比べて52億円広がる見込みですが、調整額は、のれん償却費が為替影響で小さくなると見ておりまして、以上の理由から全体で20億円上方修正いたします。
24ページは、今回修正した営業利益の予想と2015年度実績を比べたものです。
為替によるマイナス影響を国内、および、国際における収益力強化による100億円以上の増益でカバーし、前年実績の920億円を見込んでおります。
私の説明は以上でございます。