順張り投資の注意点

中原良太氏:では、次にご紹介するのが、順張り投資の注意点・悪いポイントです。

順張り投資をする時に何が危ないかというと、株価が上昇して、上昇して、上昇しすぎてしまった株というのは、天井づかみになってしまう危険があります。

ですので、上がりすぎた株というのは買わないほうがいいですよ、というのがまず1つ目の注意点です。

もう1つが、順張り投資をする時には、相場の状況というのが非常に重要なんですね。こちらをチェックしないと、順張り投資ではなかなか成功できないと考えられています。

統計的にも、相場の状況が悪いと、順張り投資は機能しづらいという傾向が確認済みです。例えば、TOPIX(東証株価指数)が25日の移動平均線よりも下にある。

つまり、TOPIXが1ヶ月間かけてズルズルズルズル下落してるような下落相場では、この順張り投資がなかなか機能しないというのが、統計的にもわかってるんですね。

ということで、相場の状況をきちんと確認しておく必要があります。なぜこの順張り投資、相場が下落してる時にはなかなか機能してくれないのかというと、1つの法則をご紹介したいと思います。

順張り投資が下落相場に弱い理由

補足:利確→損切りの法則。

これはどのような法則かというと、順張り投資が下落相場に弱い理由は、投資家は下落相場で、損切りではなく利益確定をする。そして、下落した株をナンピンしやすいといった行動特性があるからなんですね。これは統計的にも、データを集めるとわかってくることなんです。

相場が大幅に下落しましたと。こういった時に、投資家は何を考えるかというと、ちょっと震災とかリーマン・ショックといった時の大幅下落のことを想像してみてください。

今、この動画を見てくださってる方、そういった暴落を経験した方もたぶん多いと思うんですけど、どういったこと考えましたか?

たぶん、相場が下がりましたと。そうすると、割安な株、下落しすぎた株というのが、たくさん出てきたはずですよね。

そういった株を、みんな買いたくなるんですよ。安くなった株を買うために何をするかというと、利益確定をするんですよ。

もう利益が出てる株をまず売る。それでその利益になったお金を安くなった株に当てて、ナンピン買いをするんですね。

それで、順張りしてた人がそのまま逆張りに転じる。それで大幅に下がった株は、暴落時にはリバウンドしやすいという傾向があるんですが、今まで上がってきた株というのは、下落した時にはズーンと落ちていく傾向があるんですね。

ということで、順張り投資をする時には、相場が下落してる時に順張り投資をしてしまうと、利益確定の嵐に見舞われる危険性があります。

ですので、相場全体が上昇の状況にある時、上昇トレンドにある時のみ順張り投資をすることで、この危険な状況を回避できるようになりますので、ぜひ相場の状況にはご注意ください。

個人的にはこの法則を、「Bad news lastの法則」「利確→損切りの法則」と呼んでいます。

順張り銘柄の特徴

では、順張りに使う銘柄の特徴をご紹介していきたいと思います。

まず、株価が上昇するのには理由があることが多いです。順張り銘柄の多くは、直前に好材料の発表がある、あるいは業績の改善があるなどの特徴があります。

その中でも順張り投資の狙いどころとなるのが、まだ十分に株価が上がっていない株。つまり、順張り投資は買われなさすぎている株を狙って、上昇し続けるかぎり株を保有し続けるという投資法です。

前回の動画をご覧になった方は、対比して考えていただきたいんですけど、逆張り投資と順張り投資、本当に考え方が真逆でおもしろいんですよ。

例えば、逆張り投資はどういった株が狙い時だったかというと、株価が下がりすぎていて、売られすぎてる株なんですね。つまり、ズドーンと落ちた株を狙って、そのリバウンドを狙うのが逆張り投資です。

上昇相場では何を狙うかというと、買う人がまだまだ足りてない、ぜんぜん上がってない株を狙うのが、順張り投資なんですね。

とあるアナリストの方は、「逆張り投資の真骨頂は、オーバーリアクションだ」と。つまり、相場が過剰に反応してしまった場合に、逆張り投資を使いなさいと言っています。

大暴落とか、あとは逆に大暴騰、上がりすぎた場合というのも、逆張り投資の狙い目だと言われています。

逆に、順張り投資の使い時というのは、アンダーパフォームと言って、相場がほとんど反応していない、例えば業績がいいのにぜんぜん上がってないという株があった場合には、この順張り投資の使い時です。あるいは、すごく業績が悪化したのにぜんぜん株価が下がらないとか。

報道とか、あとは材料とかに対して、株価がほとんど反応してない時というのは、この順張り投資の使い時として知られています。

順張り投資をするべきタイミング

実際に順張り投資をする時、適した時期というのは、どのような時期なのか。売買する時はどのようなタイミングが多いのかというのを今から2つご紹介します。

まず1つ目が、株価が天井をブレイクした瞬間。株価がずーっと上がっていって、今まで1000円しか上がってなかった株が、その1000円を超えたと。1000円を超えてさらに上がっていった時。

というように天井をブレイクした場合、注文方法を工夫して高値を追うのがポイントです。それで、成行注文とか逆指値注文、株価が上がったら買うというのを使うのが、順張り投資のタイミングの主流と言われています。

もう1つが、急激に株価が上昇した場合。これは小型株の場合、急激に株価が上昇すると逆張りのチャンスと言われちゃうんですけれど、こと大型株、時価総額の大きな株の場合は、株価が急上昇した場合は、さらなる続伸につながりやすいということが統計的にもわかっています。

ですので、そうですね、例えばTOPIX Core30とか、TOPIX Large70とか、それぐらいの本当に大きな株が急上昇した時には、順張りのチャンスというふうに考えてもいいと思います。

順張り投資の2つのポイント

ここから、順張り投資の要点を2つご紹介していきます。

まず1つ目が、急激に上昇した株よりも、ジワジワと上昇した株、ドーンと上がったものよりも、ジワジワと上がってる株のほうが続伸しやすいという傾向がつかめていますので、過熱気味な株、上がりすぎてしまった株というのは、避けるようにしたほうがいいと考えられます。

実際に、この順張り投資に向いてる銘柄を探すには、どういうところから探せばいいかというと、ランキングサイトを使うのが非常に便利です。

例えば、「Yahoo!ファイナンス」の中だと、年初来高値を更新した、1年間のうちで一番高い価格を突破した、ブレイクした株を探すとか。

あとは高かい離率ランキング、ここ1ヶ月間ぐらいで急上昇してる株を探すと、とくに大型株なんかは順張り投資で狙いやすいと考えられます。

これからお話するのは、順張り銘柄の要点2つ目です。

2つ目の要点は、安全性の高い投資を望む方は、時価総額の大きな株を狙うのがリスクが低くて簡単です。とくにTOPIX Core30とかTOPIX Large70に入ってる銘柄は、順張り投資がしやすいです。

実際にバックテストしたことがある方は明快だと思うんですけれど、こういった大型株がドーンと上がった時というのは、続伸しやすいですよね。というので、こういった株がリスクが低く、簡単に投資がしやすいと言われています。

今もお伝えしましたが、時価総額が大きな会社、TOPIX100の選出銘柄などを狙うと利益を出しやすい、順張り投資をする時に利益を出しやすいと考えられます。

本日のまとめ

ということで、今日お話した5点の一番大事な要点について、ご紹介していきます。

まず初めに、順張り投資とは何か。順張り投資は、統計的にも効果実証済みの、人間の行動特性に適した投資法です。

株価が上がると投資家は慌てちゃって、さらに株価が上昇しやすいという特徴があります。

順張り投資で株を探す時には、急激にドーンと上がった株よりも、ジワジワと上昇した株を選んだほうが続伸しやすいという傾向がつかめています。

最後に、安全に取引する場合は、時価総額の大きな株を選んだほうが楽ですし、実際にバックテストをしてみてください。

例えば、本当に大きなトヨタとかホンダとか、そういった大きな株がドーンと上がった時に、そのまま続伸したのか、それとも反落したのかというケースをきちんと集計してみると、けっこうおもしろい検証結果出てくると思います。

こちらを調べてみると、利益を出しやすい順張り銘柄の特徴がわかってくるかと思います。